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【インタビュー】「BIツール導入では3つのユースケースを意識すべき」 - ガートナー 堀内氏

[2015/10/13 12:00]星原康一 ブックマーク ブックマーク

BI、3つのユースケース

以上のように、一口にBIツールと言っても、フォーカスするユーザーや搭載する機能はさまざまである。では、導入企業はどういった点を意識して製品選びを進めるべきなのか。

これに対し、堀内氏は「3つのユースケースを意識することが大切」と答える。

「1つは、幅広いシステムからデータを集めて、同じ視点で繰り返し分析していくケース。もう1つは、Excelを駆使しているような現場の業務効率向上を図るケース。そして最後は、データサイエンティストや特定業種の分析官が、高度なロジックを使って分析するケースです」(堀内氏)

最後に挙げられたユースケースは、金融商品のリスク管理や、製薬業の薬物動態分析などいわゆるプロ向けのもの。こちらはデータ解析や統計解析などに分類されることが多く、わかりやすいかもしれないが、残り2つのユースケースには注意が必要だ。

「この2つを同じ俎上に載せて検討する方もいらっしゃるかもしれませんが、それはりんごとみかんを比べているようなもの。使われるシーンが異なるので、そこは理解しておく必要があります」(堀内氏)

例えば最近では、先ほど挙げた新興ベンダーの製品が話題に挙がることが多い。キューブを定義するタイプのBIスイートに過度な期待を抱いていた業務部門のユーザーなどから大きな支持を得ているが、こちらも万能かと言えばもちろんそうではない。大規模で大量のデータソースを集約する必要があるような環境などでは対応しきれないケースもある。

「規模の大きな組織では、企業内に散在するさまざまなシステム、さまざまなデータソースから集約的にデータを統合して、部門横断的に分析しなければなりません。どこにどんなデータがあるかを把握し、メタデータの管理も必要です。そうしたケースでは、先ほど挙げたBIスイートのほうが向いていると言えるでしょう」(堀内氏)

堀内氏は両者を「分散型BI」と「集約型BI」という仮称で区別。これらは互いを置き換えるものではなく、組織によっては両方が必要とされるものだという。

モード2で試し、モード1へ展開

堀内氏は、分散型BIと集約型BIの関係について、ガートナーが提唱する「バイモーダル(2つの流儀)」(※ 詳細は『【レポート】デジタルビジネス時代の製品/サービス選びのポイントとは?』参照)の概念に絡めて説明する。

同氏はまず、分散型BIが「モード2」(不連続的であり、俊敏性とスピードを重視)に分類されるようなケース、集約型BIが「モード1」(拡張性、効率性、安全性、正確性を重視)に分類されるようなケースに該当すると解説。そのうえで、今後は、分散型BIで様々な施策の効果を確認すると同時に、必要に応じて集約型BIへの移行も考慮に入れるというアプローチが一般的になるだろうと紹介する。

「当社では、ビジネスの近未来像として『デジタルビジネス』という概念を紹介していますが、これは、わかりやすく言えば、マーケティングの業務にデジタルマーケティングの要素が加わって大きく変わったのと同じように、ビジネス全般においてもITとの連携が深まることで大きな変化が表れ始めるというものです。そして、分散型BIはビジネスとITの連携を強化するきっかけになりえると考えています。

ビジネスとITの連携はデータや箱だけを用意しても進みません。大切なのはテーマです。IT部門が思い込みで進めるのではなく、テーマの近くにいる担当者をツールでエンパワーし、『本当はこういうものが必要なんだよね』と気付かせることが大切。IT部門も、気付きを得た現場を見ることで初めて、ITの価値を実感することができます。全社導入はその後に判断するのでも問題はないはずです。

『試して、どう? 試して、どう?』から『おっ!』と発見に至るループを回す。そこで効果のあったものについて、モード1への移行を考えるというアプローチが投資コストを最適化してゆくポイントです。そして、BIツールはこのフローを採用しやすい分野ではないかと考えています」(堀内氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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