【インタビュー】「BIツール導入では3つのユースケースを意識すべき」 - ガートナー 堀内氏

[2015/10/13 12:00]星原康一 ブックマーク ブックマーク

データ分析

「BIツールのユースケースは大きく3つに分けられます。これを混同すると、実用に堪えられない分析/レポーティング環境になりがちです。目的次第で対応ツールも異なるので、現場によっては複数導入せざるをえないケースもあるでしょう」

BIを専門とするアナリスト、ガートナー ジャパンの堀内秀明氏は、BIツール検討時の留意点についてこのように説明する。

果たして、3つのユースケースとはどういったものなのか。BI市場の変遷と併せて堀内氏に聞いたので、その模様をお伝えしよう。

データを集約する大企業向けBIスイート

ガートナー ジャパン リサーチ部門 アプリケーションズ マネージング バイス プレジデント 堀内秀明氏

BIの歴史を紐解くと、大企業向けと中小企業向けで出自が大きく異なるのだという。

大企業向けBIツールと言えば、データ連携の管理から分析、レポートの作成まで、一連の機能を備えたスイート製品を指すのが一般的。レポート作成において、キューブと呼ばれる分析軸をIT部門が定義するのは大きな特徴の1つだろう。

代表的なベンダーとしては、SAS、Business Objects(2007年にSAPが買収)、Hyperion Solution(2007年にOracleが買収)、Cognos(2007年にIBMが買収)などが挙げられ、2000年代中頃から一気に導入が進んだ。

「こうしたBIスイートは、センターサーバのような構成でさまざまなシステムからデータを集め、各種の分析機能を使って傾向を把握したり、予測を立てたりするのに有効です。業績の実態を把握するための定型レポートなどに向いています。また、1000人以上が同時アクセスしても問題のない性能を確保しなければならないため、拡張性も考慮されているものが多いですね」(堀内氏)

しかし、データソースの連携やキューブの設定には専門知識が必要。管理はIT部門の担当者に任せるケースが多く、分析レポートの変更も気軽に実施できるわけではない。加えて、導入費用も比較的高額になりがちだ。

Excel拡張のニーズから生まれた中堅・中小向けBIツール

一方で、予算の限られる中堅・中小企業向けのBIは、基本的にExcelを拡張したようなツールを指すことが多い。かつてPCのリソースが限られた時代には「『100万行のExcelシートを扱えたら便利ではないですか? 』という売り文句で販売されていたツールもある」(堀内氏)という。

以前は、多次元分析やちょっとしたレポートを出力できる機能に特化したものがほとんどだったが、徐々にWebインタフェースの搭載が標準的になる。さらに、最近では、画面のデザインツールが強化されており、現場の担当者でも、多彩なレポートを作成できるようになった。

ライセンスも、中小企業による購入のしやすさを考慮し、導入サーバ数で課金されるものが多い。そう簡単に追加費用を工面できない中堅・中小企業には、導入コストが明確になる、クライアントアクセス無制限のライセンス体系が好まれるようだ。

代表的な製品はDr.Sum EAやMicrosoft SQL Serverなどが挙げられる。

なお、RDBMS製品として著名なSQL ServerがBIに分類されることに意外な印象をお持ちの方もいるかもしれないが、同製品にはデータマイニングやOLAPなどの機能もあり、日本マイクロソフトもBI製品としてアピールしている。実績も豊富で、「企業規模を問わない当社のユーザー調査で、2013年に導入実績No.1のBIツールになったのがSQL Server。『導入済みBI製品を3つまで挙げてください』といった設問で、約20%の企業がSQL Serverを記載しました」(堀内氏)

操作性とビジュアル化を追求した新興ベンダー

上記のような従前のBIツールに加えて、近年は、Qlik TechnologiesやTableau Softwareといった新興ベンダーも台頭している。まだまだBI市場全体で見るとシェアはわずかだが、いずれも着実に売上を伸ばしている。

最大の特徴は、これまでのBI製品の課題だったデータのビジュアル化や操作性を強化している点だ。

「先ほど挙げた大企業向けのBI製品のように一通りの機能が揃っているわけではありませんが、ユーザーの使い勝手にフォーカスして開発されています。機能豊富なBIスイートを導入したとしても、結局、利用するのは帳票やExcel出力ばかりという現場は少なくありません。そのような現場を意識して登場した製品です」(堀内氏)

新たなレポートを作成したり、既存のレポートを変更したりするたびに、IT部門へ対応を依頼するのではスピード感が生まれない。また、「Excelを駆使すれば対応できなくもないが、それほど時間をかけていられない」といった課題を抱える現場のユーザーを中心に支持を得はじめているという。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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