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ガートナーが選ぶ、押さえておきたい「4つの最新アナリティクス技術」

[2019/06/20 10:00]冨永裕子 ブックマーク ブックマーク

あらゆる分析コンテンツを可視化する「アナリティクスハブ」

アナリティクスハブは、複数のアナリティクスツールを使っている場合の統合環境に相当する。データはもちろん、レポートやダッシュボード、機械学習のモデルなどのアナリティクスコンテンツを共有できるようになる。しかも1度のログインで、ツールを横断したデータとコンテンツのディスカバリーが可能だ。「代表的なベンダーとしては、ZENOPTIS、Motio、Metric Insights、SAPが挙げられる」(アイディーン氏)という。

ガートナー シニア ディレクター, アナリスト カーリー・アイディーン氏

メリットは、あらゆるアナリティクスコンテンツを可視化できることだ。また、重複の特定も容易である。ガートナーの調べでは、世界的にアナリティクスツールの組織内への普及度は35%程度に留まるが、アナリティクスハブの環境が整備されれば、もっと多くのユーザーがアナリティクスを使えるようになる。

ただし、単なるカタログに過ぎないものや、一部のツールしか統合できない場合があるため、ベンダー動向を注視する必要がある。

2020年までにこのテクノロジーを使う会社は、使わない会社と比べ2倍のビジネス価値を得られるとガートナーでは予測している。

複雑なユースケースに対応できる「グラフアナリティクス」

グラフアナリティクスとは、組織、人、取引などのエンティティ間の関連性を可視化する分析手法である。ここで言うグラフとは、一般にイメージする円グラフや棒グラフなどの統計グラフではなく、エンティティ間の関係性を意味する。アイディーン氏は「すでに金融犯罪、物流、顧客関係分析などの分野のユースケースがある」とし、この分野の製品を提供する代表的なベンダーとして、Quantexa、Ripjar、Siren、Cambridge Semantics、Palantir、FORMCEPTを挙げた。

グラフアナリティクスを利用するメリットには、SQLでは難しいユースケースに対応できることや、構造化データと非構造化データを合わせたデータディスカバリーができることなどがある。一方、金融犯罪の分析のように、ドメインの知識と高いデータリテラシーが必要とされることが多い点には注意を要する。

ガートナーは「2022年までにグラフアナリティクスのユースケースが年率100%で増えていく」と予測している。

モデル生成から管理までを自動化する「拡張データサイエンス/ML」

拡張データサイエンス/MLは、AIおよび機械学習により、特徴量生成、モデル選択、コード生成、モデル説明、モデル管理を自動化するものだ。アナリティクス自動化との違いは、インサイトの提供に留まらず、モデル生成から管理までを自動化することにある。

アイディーン氏によれば、この分野の代表的なベンダーはAible、DataStories、DataRobot、H2O.ai、RapidMiner、Endor、Big Squidなどであり、データサイエンティスト以外も使えるだけでなく、データサイエンティストにとっても使いやすいツールを提供しているという。注意点は、なぜその結果になったのかがわからないという「AIのブラックボックス問題」への対策が必要になることだ。また、スキルの低いユーザーが利用する場合は、データリテラシー向上への投資が必要になる。

とはいえ見通しは明るい。ガートナーは「2020年までに現在のデータサイエンティストのタスクの30%を自動化できるようになる」「2020年末までに市民データサイエンティストの数が専門データサイエンティストの5倍の速さで増加する」「2025年までに、データサイエンティスト不足は、組織におけるデータサイエンス採用の妨げにならなくなる」と予測しており、「人材不足問題が解決する可能性も見えてきた」(アイディーン氏)からだ。

* * *

4つのテクノロジートレンドからわかることは、いくつかの予測は2020年をめどとしている、つまり新しい”波”が目の前まで来ているということだ。アイディーン氏は、これらのテクノロジーを組織の中でどう活用できるか、自社の現状を踏まえた上で検討するべきだと訴えた。

多くの企業では何らかのアナリティクスツールを使っているはずだ。利用中のツールの提供ベンダーのロードマップに新しい機能が盛り込まれているかを確認することに加え、紹介した新興ベンダーのテクノロジーの採用も検討する必要が出てくるだろう。

アイディーン氏が紹介した4つのテクノロジーはいずれもビジネス価値にインパクトをもたらすものである。ユーザー部門に試しに使ってもらうことができれば、組織にどんな役割が必要になるかも明確になるはずだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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