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データドリブンで改革が進むYahoo! ショッピングの裏側

[2018/07/10 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

データ分析環境の整備で変わった「社内の意識」

こうした環境を整えたことで、1つのデータソースから1万を超える派生レポートが取得できるようになった。どれだけ派生レポートが増えようと定義の不一致は起きないので、ガバナンス面でも非常に好都合なのだという。

ユーザー行動条件からのパス(経路)分析も可能だ。特定のページを踏んだユーザーがどのような経路をたどったのかを分析できるようになり、仮説や施策がうまくいっているかどうかを確認できるようになった。

また、ABテストの精度も上がった。ディメンションをつけたことで、例えば「40代の男性でプレミアム会員ならどうなるか」といったさまざまな分析軸でのABテストが可能になったからだ。これにより、高精度なパーソナライズが行えるという。

独自コンポーネントを開発するなど、新しいチャレンジも始めている。経路を分析するとユーザーがアクセスしてきたルートが特定でき、キャンペーン同士の競合を発見して回避することができるという。

「社内からは『太閤検地だね』と言われます(笑)」(宇治野氏)

こうしたデータ分析環境の変化を受けて、社内の意識も向上した。レポート利用回数は以前に比べて50倍以上に増加。ビジネスサイドも課題に対してデータドリブンで取り組むようになったのだ。

では、データ分析の結果をどのように具体的に生かしているのか。

ターゲティングしたユーザーに1 on 1でお知らせを出したり、Webモジュールにユーザーの興味関心がある分野のクーポンを表示するのはその1例だ。Yahoo! JAPANのトップページや検索画面とも連携して情報を届けている。

施策は実施後、すぐに効果測定できる。ABテストをすればログがEDWに落ちて、翌日には結果が出る。データをEDWで機械学習して、ユーザーをさらにプロファイリングしていくという流れだ。分析から利活用まで、EDWを中心としたエコシステムが完成している。「エコシステムをつくることで、良い改善のプロセスが回せるようになってきた」と宇治野氏は語る。

データの利活用がとかくフォーカスされがちだが、「そのためにはデータを”あるべき形”に整備することが大事」だという。EDWのようなプラットフォームでエコシステムを構築することがデータ活用の第一歩だ。しっかりとしたプラットフォームがなければ、データ利活用は始まりもしない。

エコシステムをつくり上げた宇治野氏だが、まだ満足はしていない。

「パーソナライズはまだまだマニュアルでやっている部分があります。今後は機械学習などを使ってマーケティングオートメーションを実現したいと考えています」

データの活用はもはや当たり前の時代、より差別化を図るには、プラットフォームとエコシステムの見直しがカギを握ることになりそうだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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