マップアール・テクノロジーズは4月23日、SBIホールディングスがSBIグループ全体のデータ管理基盤に「MapRコンバージド・データ・プラットフォーム」(以下、MapR)を採用したと発表した。

MapRは、オープンソースの分散処理ミドルウェア「Apache Hadoop」をベースにしたビッグデータ管理基盤ソフトウェア。独自の分散ファイルシステム「MapR-FS」を特長としており、無償版の「Converged Community Edition」、有償版の「Converged Enterprise Edition」の2タイプで提供される。

Webアクセスや広告配信、フォーム入力などの履歴データをはじめ、購買履歴や顧客情報といった事業データなど、さまざまなデータソースを持つSBIグループでは、1日当たり数十GBにもおよぶ収集データをいかに効率良く管理・活用するかが課題となっていた。

同グループのデータ管理基盤に使用されていたシステムが、複雑で変化の激しい金融系のデータに対応しきれないことが問題視されたことから、SBIホールディングスが情報収集を行い、MapRに注目。2014年からMapRのConverged Community Editionを利用してテスト運用を開始し、性能・機能の評価を実施した。

その結果、データベースの処理が非常に速く、既存のハードウェアの性能を最適化できること、学習コストも安価に済むことなどから、2017年、Converged Enterprise Editionの採用を決定するに至った。

SBIグループでは現在、34社の広告データ、52サイトのアクセスログといった履歴情報や顧客情報などのグループ横断データを解析基盤に取り込み、ビッグデータ解析や機械学習などの技術を応用しつつ、MapRをマーケティングやプロモーションなどの施策に活用している。将来的にはさらに大規模かつ複雑なビッグデータ解析への取り組みが必要になると見込まれており、マップアール・テクノロジーズは今後も、MapRによってSBIグループのデータ基盤を支援していく予定だという。