インフォマティカ・ジャパンは1月31日、三菱ケミカルホールディングスグループのグループ会社である菱化システムが、データ統合ハブ・ソリューション「Informatica Data Integration Hub」(以下、DIH)を導入したと発表した。

DIHは、連携用のデータを一時的に格納する「パーシステンスDB」を備えたハブ基盤。データ連携処理を「送信」と「受信」の2つに分けることで、アプリケーションの疎結合を実現する。また、データ送信・受信処理の共通化と再利用により、データ連携の冗長性を排除することも可能となる。

菱化システムでは、グループ内のアプリケーションのデータ連携インタフェースが増大し、煩雑化していた。運用・管理する400種類以上のアプリケーションは、約4,000のインタフェースが複雑に入り組み、アプリケーション同士でのデータのやり取りの可視化や、開発の統制が困難な状況だったという。また密結合していると、データをやり取りするアプリケーションの双方で連携の仕組みを構築する必要があり、データ連携ニーズが発生するたびに開発コストがかかることも課題視されていた。

こうしたことから、同社は基幹業務アプリケーションの刷新を機に、密結合方式からデータ統合ハブを介した疎結合方式へ移行することを決定。かねてより、インフォマティカのデータ統合プラットフォーム「Informatica PowerCenter」を利用しており、その性能を高く評価していたことから、2014年7月、DIHの導入を決めた。

DIHによる疎結合方式のイメージ

菱化システムではデータ連携方式の刷新を段階的に進めており、2016年11月時点で200種類以上のデータ連携がDIHを介して行われている。導入により、データ連携インタフェースの複雑化解消・開発生産性22%向上に加え、データ連携手法・開発の標準化と統制強化も実現できたという。

三菱ケミカルホールディングスでは、2017年4月に三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンの化学系3事業会社を統合して発足を予定する三菱ケミカルにおいても、DIHで構築したデータ連携基盤を活用する計画。また、菱化システムでは、データ統合・連携の仕組みをさらに進化させるべく、マスターデータ管理(MDM)システムとDIHとの連携も検討していくとしている。