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ビジネスをデジタル化せよ! - ソフトバンクとARMが考える、これからのIoT

[2016/12/02 18:45]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

変わったのは「変革の速度」 - ARMが考えるIoTとセキュリティ

続いて登壇したハース氏は「ソフトバンクとのバートナーシップは、10年以上前から始まっていました。驚かれた方も多いと思いますが、私たちにとっては協業は自然であり、今は大変興奮しています」と切り出した。

英ARMのエグゼクティブバイスプレジデント兼CCO(Chief Commercial Officer)を務めるルネ・ハース氏

氏は「(ソフトバンクグループの)100%子会社となりますが、社名やビジョン、ビジネスモデルは何も変わりません。変わったのは変革の速度です。成長を加速させるために人員を5年で倍増させる計画です。これは大きなチャレンジです」と強調。その上で、今後の取り組みについて、IoTとセキュリティ、新領域に向けた展望を紹介していった。

まず、IoTについては、製品のライフサイクルが数十年と長い中でどのように安全性を高め、コストを削減していくかが重要であることを指摘。また、セキュリティについては「デバイス」「コミュニケーション」「ライフサイクル」という3つの視点からの取り組みを進めているという。

1つ目のデバイスセキュリティは、チップレベルでのセキュリティを確保する取り組みだ。ARMでは「TrustZone」と呼ばれる技術によって、チップがセキュアに動作できるようにしており、マルウェアの侵入も防ぐことが可能だという。

2つ目のコミュニケーションセキュリティは、暗号化やWi-Fi通信などでセキュリティを確保するための取り組みだ。これは、パートナーとの協業がカギになる。

3つ目のライフサイクルセキュリティは、ARMがセキュリティの中で最も力を入れている取り組みだ。新たに発見されたセキュリティ脆弱性などに対してアップデートを提供し、IoTデバイスを長いライフサイクルで利用できるようにするという。具体的には、クラウドベースのIoT管理サービスとして提供している「mbed Cloud」を活用することになる。

「mbed Cloud発表前日にも大規模なDDoS攻撃が起こり、主要なWebサービスが停止に追い込まれました。攻撃の発端は家庭用ルータの脆弱性だったと言われています。古いルータは脆弱性が放置され、危険な状態にあるということをまざまざと見せつけられたのです。ファームウェアを常にアップデートすることで、こうした危険性を回避できるようになります」(ハース氏)

1台あたり50~100個のコアを積み、「スーパーコンピュータ」と化したクルマでもこうしたアップデートの仕組みは重要になるという。いかにセキュリティとセーフティを担保していくかについては、ARM、ソフトバンク、自動車メーカー、関係先が連携して取り組みを進めているところだ。

こうした適切なセキュリティの仕組みは、これまでにない新しい取り組みを支えるものになる。今後の展望として、ハース氏はまず「IoT分野でのパートナーシップが重要になる」と力説した。かつての携帯電話は、1つのベンダーが1社で作り上げることが多かった。だが、スマートフォンは半導体の設計・製造、ハードウェア、アプリケーション開発とさまざなベンダーがパートナーシップの下で1つの製品を作り上げる。

IoTの領域では、1社で全てをまかなうことがより難しくなるため、こうした協業はさらに進むという。実際、ジェットエンジンのビジネスモデルは、製造販売から故障予兆のメンテナンスサービスへと移行することで多くの商機が生まれたという。

また、ハース氏は「今後、センサーの活用はさらに進む」と語る。これまでは想像もしていなかったところにセンサーが埋め込まれ始めているというのだ。例えば、あるスマートシティでの取り組みでは、ビルの基礎工事の際に、センサーをコンクリートの中に埋め込んでいる。硬化状況を把握することで、スマートシティ全体に効率良く基礎工事を進められるようにしたのだ。同様に、農業用機械にセンサーを取り付けるだけでなく、土壌そのものにセンサーを埋め込むといった取り組みも考えられるだろう。

ハース氏は最後に「日本はこうしたIoTの取り組みでリーダーになる材料がそろっています。我々は、ソフトバンクとのパートナーになることを喜んでいます。変革のペースを上げ、さらにアグレッシブに投資し、市場を切り開いていきます」と意気込みを示し、講演を締めくくった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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