ビジネスをデジタル化せよ! - ソフトバンクとARMが考える、これからのIoT

[2016/12/02 18:45]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

データ分析

ARMは12月2日、同社の年次イベント「ARM Tech Symposia 2016 Japan」を東京都内にて開催した。ここでは、基調講演に登壇したソフトバンク代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏と、英ARMのエグゼクティブバイスプレジデント兼CCO(Chief Commercial Officer)を務めるルネ・ハース氏の講演内容をレポートする。

ソフトバンクグループがARMと共に実現したいコト

今年9月、ソフトバンクグループが半導体設計大手の英ARMの買収を完了したと発表したことはまだ記憶に新しい。イベントの冒頭では、ARMの日本法人であるアームで代表取締役社長を務める内海弦氏があいさつに立ち、「ソフトバンクによる買収でびっくりされた方も多いと思います。我々は、日本の会社にオーナーシップが移ったことに大変ワクワクしています」と現在の心境を語った。

アーム代表取締役社長の内海弦氏

ARMの今後について質問を受けることも多いが、それは「これまでと変わらない」(内海氏)という。氏は「ARMのビジネスは、機器メーカー、ミドルウェア、アプリケーションやサービスを提供するパートナーがあって初めて成立するビジネスです。イベントのセッションや展示を通してこれからのARMを感じとってほしい」と呼びかけた。

基調講演で最初に登壇したソフトバンクの宮内氏は「ARMはソフトバンクグループにとってコアカンパニーになります。今後についてディスカッションを重ねているところです」と現状を報告。その上で、ソフトバンクがグループとして、ARMと共に何を実現していこうとしているかについて解説していった。

宮内氏はまず、2008年7月に同社が日本で初めて展開したiPhoneの契約数が、10年後の2018年には1億3,430万件に達する見込みであることを紹介。この10年でPCからモバイルインターネットの時代へとパラダイムシフトが起きたとし、スマートフォンの登場が、UberやAirbnb、Nianticなどの新しいビジネスモデルを生むことにつながったことを強調した。

そして、次の10年に向けたパラダイムシフトの主役になりつつあるのがIoTやAI(人工知能)だ。これらは20年前から取り組みが進められてきたが、普及には至らなかった。その要因は環境が整っていなかったことにあるが、今はコンピューティング、ストレージ、ネットワークといった技術が大幅な進化を遂げている。「CPUは20年で100万倍、ネットワークワークは2.6万倍性能が向上している」(宮内氏)という。

ソフトバンク代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏

「今では、ネット環境を含めたインフラの価格が軒並み下がり、通信速度も高速になりました。インターネットにつながるデバイスの数は、もうすぐIoTデバイスがモバイルを超えるでしょう。2035年には、IoTデバイスの数は1兆台になるという試算があります。そして、この1兆台に10円ずつ課金が発生するだけで10兆円のビジネスになります」(宮内氏)

パートナーであるアリババのジャック・マー氏は、宮内氏に常々「石油に代わる資源として重要になるのはデータだ」と語っているという。データを収集し、分析することで新しいビジネスが生まれる。そのために必要なものがIoTやAIであり、そうした全てのものがデジタル化される社会に向けて必要になるのがARMベースのチップというわけだ。

「既にソフトバンクでは、『人の移動を可視化して電波がつながりにくい場所を特定する』といった取り組みを進めています。これにより、Sprintでは劇的な効率で電波を改善することができました。また、施設に取り付けたセンサーとAIを使ってネットワークの自動復旧も行っています。どのベースバンドユニットに異常があるかを自動検知し、80%を自動復旧します」(宮内氏)

こうした取り組みは、通信事業者だけでなく、クルマの自動運転や金融の株取引、遠隔医療などさまざまな分野で始まっている。宮内氏は「テクノロジーの進化はビジネスの進化に等しい」と力強く語る。逆に、テクノロジーに追いつかないと、ビジネスそのものが破綻する現実も見えてきた。

「ARMはあらゆるシーンで利用されています。ARMのチップがビッグデータとリンクすることですばらしい変革が生まれます。ソフトバンクがずっとやってきたことは、パートナーと一緒に大きくなること。この企業コンセプトは、ARMも同様です。同じグルーブになることで、さまざまな可能性が見えてきます」(宮内氏)

例えば、今年11月末、ソフトバンクグループが出資する米国のベンチャー企業Packetのサーバ製品にARMが組み込まれてリリースされた。サービス開始2週間でCiscoやRedhat、Qualcomm、Dockerなど400社の企業に提供されたという。同サービスは、12月16日からは日本でも提供が開始される予定だ。ソフトバンクはIoT、AI、ロボットを軸にさらなる成長に向けて取り組みを進めているという。

最後に宮内氏は「企業に求められるのはデジタライゼーションです。データとテクノロジーはビジネスを変革します。そして変革の基盤となるのが、ARMベースのCPUの広がりだと私は信じています」と展望を語り、壇を後にした。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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