日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)は5月25日、年次総会と研究発表会を開催。その中で、JDMC 理事の金井 啓一氏が、データマネジメントに関わるコンテンツを整備していくプロジェクト「データマネジメントコンテンツ開発プロジェクト(仮称)」を発足することを明かした。

JDMC 理事の金井 啓一氏

JDMCではこれまで、研究会というかたちで、個別に専門テーマを設けて情報共有やナレッジの体系化などに取り組んできた。現在も、顧客行動分析やマスタデータ管理など、5つの研究会が活動中。さらに今期からIoT・AIをテーマにした研究会が立ち上げられる。

研究会の成果は、戦略フレームワークやチェックシートなどの形態でアウトプットされており、現場での実用実績も豊富だが、「データマネジメントを日本に認知・普及・定着させて、当たり前のことにすること」というJDMC元々の目標に照らし合わせると足りない部分が少なからずあるという。

そこで、研究会のようなボトムアップ的な取り組みではなく、データマネジメントを認知・普及・定着させるためには何が必要かというトップダウン的な視点で必要なコンテンツを定義。研究会の成果物と合わせて検討し、不足コンテンツの作成を進めていくという。

プロジェクトは、作成するコンテンツの検討から進めていくことになるが、現時点で
「データマネジメント基礎概念」
「データアーキテクチャ・モデル」
「データマネジメント組織と人材の求められる姿」
「データマネジメント事例集」
「データマネジメント・製品/ソリューションマップ」
「データマネジメント・ディクショナリー(用語集)」
の6つが計画されている。

作成したコンテンツは、JDMC会員向け、およびJDMC会員外向けに分けて提供される予定。JDMCでは、こうした活動を通じて、「JDMCに参加すれば有用なコンテンツが入手できる」という認識を広め、新規会員加入の促進、既存会員の満足度向上を図っていくとしている。

担当者目線で学べるDMケーススタディ冊子を発行

『【データマネジメント・ケーススタディ トップダウン編】顧客満足度向上のための業務横断データ活用』 Kindleストアで販売されている。


成果発表会の中で「データマネージメントの基礎と価値」研究会は、前期の活動成果の一部をまとめた冊子『【データマネジメント・ケーススタディ トップダウン編】顧客満足度向上のための業務横断データ活用』を発行したことを明かした。

同研究会ではこれまで、成功事例を検討しながら、データマネジメントの導入や企画、運用の手順・方法について体系化。『データマネジメント概説書』という冊子を発行し、データマネジメントの流れや各フェーズで必要な作業などを解説している。

今回発行された冊子は、その概説書でまとめられている知識体系を”どのように活用していけばよいのか”について解説したもので、読み手の立場をオフィス機器メーカーにおけるCS向上プロジェクトのチームリーダーに設定し、概説書の図表を使いながらデータマネジメントを計画・設計・構築・実践していく様子を1ステップずつ丁寧に紹介している。

同冊子は、電子版がKindleストアにて400円で販売されている。