空き家で民泊を始めよう!民泊を始めるメリットと手順を徹底解説

不動産購入

最近よく耳にする、空き家問題。その対策として民泊が注目されています。民泊とは、一般の民家を他人に有償で貸し出す宿泊事業のことをいいます。

空き家の活用法に迷っているのであれば、民泊は大変おすすめです。この記事では、空き家を民泊施設として活用するメリットや民泊施設にするための条件、収益性について紹介します。民泊についての知識を深め、空き家を有効活用していきましょう。

空き家を民泊施設として活用するメリット

空き家を民泊施設として活用するメリットは次の3つが挙げられます。それぞれについて以下で紹介していきます。

  • 初期投資が少なくて済む
  • 収入が得られる
  • 空き家の資産価値が高まる

初期投資が少なくて済む

不動産を新規で取得して民泊を始めるのと比較した場合、空き家を活用した方が初期費用を抑えることができます。当然ですが、不動産を新規で取得する場合には、物件の購入費用、もしくは物件の賃貸料が発生しますが、持ち家の場合は不要です。

また、民泊を行う方法について後に詳しく解説しますが、住宅宿泊業法の民泊は、旅館業法の簡易宿所よりも、宿泊業を行うための条件が緩和されています。そのため、改修にかかる費用も少額で済ませることができる可能性が高く、初期費用をあまりかけずに民泊施設化することができます。

収入が得られる

長期間、人が住んでいない状態のまま空き家を放置すると、劣化が進んでしまいます。有効な活用法がないまま空き家を所持していたとしても、管理費や税金がかかってしまううえに、日本では年々空き家が増えているため、売却も簡単にはできなないというのが現状です。

しかし、そのような空き家でも傷みが少なかったり、人が住める状態であれば、民泊施設にすることで宿泊料を得ることが可能です。所持しているだけで、マイナスだった空き家が宿泊料から収入を得ることでプラスになるというのはとても魅力的なことだといえます。

空き家の資産価値が高まる

空き家を民泊施設化することで、空き家の資産価値を高めることができます。

本来であれば時間がたつにつれ、建物や設備が劣化するため、資産価値が低下するのが普通です。しかし、民泊の運用許可を受け、届け出を行い、運営でコンスタントに利益を出すことができれば、付加価値として認められます。

結果的に、その物件の資産価値が高まり、将来的には収益物件として売却することができます。

空き家を民泊施設にするための条件

ここまで、空き家を民泊施設として運用することのメリットを紹介してきました。メリットが多いので、空き家の民泊施設化に興味を持った人もいることでしょう。

次では、空き家を民泊施設にするうえでの、設備や居住に関する要件について解説します。

設備に関する要件を満たすこと

空き家を民泊施設にする場合、必要な設備は次の4つです。

  • 台所
  • 浴室
  • 便所
  • 洗面設備

上述の通り、宿泊施設に最低限必要な水回りの設備が完備されていることが条件となります。これらは、必ずしも1棟の建物内に設置しなければならないわけではありません。建物内にない場合でも、同じ敷地内の建物の設備を利用することができれば、いくつかの建物をまとめて1つの住宅として届け出をすることが可能です。

また、宿泊施設のため安全面を考慮して、消化器や火災報知器、誘導灯などの消防設備の設置が必要です。必要な消防設備に関しては、総務省の「民泊における消防法令上の取扱い等に関するリーフレット(平成31年3月時点版)」をご参照ください。

居住の要件を満たすこと

次に、居住の要件があります。居住の要件を満たすためには、届出を行う住宅が次のいずれかに該当しなければなりません。

  • 人の生活の本拠として使用されている家屋
  • 入居者の募集が行われている家屋
  • 随時その所有者、賃借人または転借人の居住用に供されている家屋

分かりやすく説明すると、民泊の施設として届出を行う住宅が、「短期的に使用しているわけでなく、特定の人が生活している家屋」・「民泊営業を行っている間に、売却または賃貸といったように、居住用住宅として入居者の募集をしている家屋」・「所有者等が生活の本拠地としての利用はしていないものの、随時居住利用されている家屋」のいずれかに当てはまる必要があります。

空き家で民泊を行う方法

民泊事業をする際には、運営側と利用者側の安全を確保するためにさまざまな法律があります。ここでは、空き家で民泊を行う方法として手続きが簡単な順に3つの法律を紹介します。

住宅宿泊事業法に基づいて行う

ここ数年、民泊サービスが日本でも急速に浸透しています。そこで、健全な民泊を推進するために、新しく作られたのが「住宅宿泊事業法」です。以前には、民泊を始める場合には原則として、「旅館業法」による営業許可が必要でしたが、各都道府県の担当窓口に住宅宿泊事業の届出をすることによって、年間宿泊日数の上限が180日を超えない範囲での民泊サービスの提供が可能になりました。

住宅宿泊事業法による民泊施設では、民泊事業の適正な遂行のため、以下のことを義務づけています。

  • 騒音防止のために宿泊者に説明を行うこと
  • 近隣からの苦情に対応すること
  • 衛星確保措置
  • 宿泊者名簿の作成・備え付け
  • 標識の掲示
  • 外国人観光客向けに外国語による施設案内や交通案内を行うこと

また、民泊施設に家主が同居していない場合には、これらの義務を宿泊管理業者に委託しなければなりません

国家戦略特別区域法に基づいて行う

国家戦略特別区域法に基づく、旅館業法の特例制度というものがあり、それを「特区民泊」と呼びます。簡単に言うと、特定のエリア内に限って、旅館業法の適用の除外を受けられるものです。

特区民泊の認定を受けるための条件として、以下のものが挙げられます。

  • 宿泊施設の所在地が国家戦略特別区域内である
  • 宿泊施設の滞在期間が2泊3日~9泊10日までの範囲
  • 一居室の床面積が25㎡以上
  • 騒音防止のために宿泊者に説明を行うこと
  • 近隣からの苦情に対応すること
  • 衛星確保措置
  • 宿泊者名簿の作成・備付け
  • 標識の掲示

また、特区民泊が行われているエリアは以下の通りです。

東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市、千葉県千葉市)、関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市、福岡県北九州市、沖縄県、秋田県仙北市、宮城県仙台市、愛知県、広島県、愛媛県今治市

参照:内閣府「国家戦略特区指定区域

旅館業法に基づいて行う

旅館業には、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業という種類があり、民泊は、簡易宿所営業にあたります。簡易宿所として民泊施設を運営するには、都道府県等の保健所に申請し、営業許可を得なければなりません

旅館業法の許可を受けるための条件として、以下のものが挙げられます。

  • 一居室の床面積が25㎡以上(ただし、宿泊者数を10人未満とする場合には、3.3㎡に当該宿泊者の数を乗じて得た面積以上)
  • 騒音防止のために宿泊者に説明を行うこと
  • 近隣からの苦情に対応すること
  • 衛星確保措置
  • 宿泊者名簿の作成・備え付け
  • 標識の掲示

これ以外に、自治体によっては玄関帳簿(フロント)の設置を義務づけている場合もあるため、確認が必要です。

旅館業法による簡易宿泊所は、年間営業日数や最低宿泊日数の制限はありませんが、事前相談から申請、検査などを経て、営業許可が下りるため、運営に至るまでのハードルが高くなってしまいます。

住宅宿泊事業法に基づいて行う民泊の手順

空き家で民泊を行う方法について紹介しましたが、住宅宿泊事業法の制定によって、より手軽に民泊を始めることができるようになりました。

ここでは、住宅宿泊事業法に基づいて行う民泊の手順について詳しく解説していきます。

各都道府県の担当窓口に届出をする

住宅宿泊事業法に基づいて民泊を行う場合は、まず、各都道府県の担当窓口に届出をする必要があります。届出の際の主な必要書類を以下の表にまとめました。

必要書類 書類内容
届出書 民泊施設の所有者についての情報や物件についての情報を記載します
住宅の登記事項証明書 登記簿謄本は登記簿の写しで、不動産の登記事項を証明するものです
住宅の図面 住宅の間取りや面積等が記載されています
消防法令適合通知書 消防設備の設置や防火管理者の選任状況が消防法令に適合しているかを確認するために必要です
欠格事由に該当しないことの誓約書 法律によって規定された欠格事由に該当しないという旨を記載した書類です
住宅宿泊管理業者から交付された書面の写し 住宅に家主が不在で管理委託する場合のみ必要です
法人の定款・法人の登記事項証明書 届出者が法人の場合のみ必要です

ただし、必要書類は自治体によって異なるため、事前に調べてから用意をしましょう。

民泊運営代行業者と契約をする

民泊施設に家主が同居していなければ、運営を宿泊管理業者に委託するため、その場合にのみ必要な手順です。業務委託する宿泊管理業者を選ぶ際には、どの範囲まで代行してもらえるかというのを基準に選ぶのが良いでしょう。

まず、部屋の管理をすべて任せたいのであれば「完全代行」がおすすめです。また、「清掃代行」は清掃だけでなく、備品の補充などもお願いすることが可能です。さらに、電話対応やメール対応を任せたいのであれば、サイト運営に力を入れている民泊運営代行業者を選びましょう。

これ以外にも、インテリアコーディネートをしてくれたり、コンシェルジュサービスがあったりと、業者によってサービスが異なります。民泊は海外からの旅行者も多く利用するため、多国語での対応が可能かどうかも確認してから選ぶと安心です。内容を調べたうえで、施設に合ったサービスを選びましょう。

民泊運営のための準備をする

民泊運営において、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電はもちろん、寝具や家具、キッチン用品などを揃える必要があります。また、使い捨て歯ブラシや使い捨てのカミソリなどのアメニティーがあると喜ばれるでしょう。

意外と忘れがちなのが、Wi-Fi環境です。日本はまだまだ無料のWi-Fi設備が充実していないため、海外からの観光客が宿泊する場合には、モバイルWi-Fiが重宝されます。モバイルWi-Fiだけでなく、多国語のガイドブックやハウスマニュアルの作成などの海外の人の宿泊を想定した準備も怠らないようにしましょう。

民泊仲介サイトに登録をする

民泊施設に宿泊したい人とオーナーのマッチングを手助けする人のことを住宅宿泊仲介業者といい、その業者が運営しているのが民泊仲介サイトです。このサイトでは、インターネット上で宿泊希望者と宿泊施設のオーナーのマッチングを行うことができます。

数多くの民泊仲介サイトからどれを利用するか迷った際には、サイトの知名度や対応地域、サポート体制を考慮して選択するのがおすすめです。

また、どの仲介サイトにおいても、マッチングが成功したタイミングで仲介手数料が発生します。運営元とのトラブルを避けるためにも、仲介手数料手数料や予約前日や当日キャンセルがあった場合には、キャンセル料が発生するのかどうかをあらかじめ確認してから、そのサイトを利用するかどうか選択しましょう。

民泊の収益

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実際に民泊業でどれほどの収益を生み出せるのかが気になるところです。ここでは、民泊の収益性について詳しく解説します。

家主居住型民泊の場合

厚生労働省の民泊実態調査資料によれば、許可を得て運営している家主居住型民泊の一泊あたりの平均宿泊料は16,571円です。

最大稼働日数は180日なので、1日の宿泊料を16,571円で計算した場合、年間の売り上げは2,982,780円となります。また、最大稼働日数から考えると、平均で1ヶ月に15日稼働することになるため、月間の売り上げは248,565円となります。さらに、ここから、土地建物の固定資産税や建物の保険料、修繕費といった諸費用を引いた金額が利益になります。

インターネット上で簡単に収益が計算できるシュミレーションツールもあるため、大まかな収益を知りたい方はぜひ活用してみましょう。

家主不在型民泊の場合

家主不在型民泊の場合は、宿泊管理業者への委託料が発生し、その相場は宿泊料の15~30%です。この中には清掃費用が含まれていないことが多いため、別途清掃費用が3,000円~8,000円程度かかります。ただし、この清掃費用は1泊ごとではなく、1回の宿泊ごとに発生し、宿泊代金に上乗せして請求する施設も多いです。

仮に、委託料と清掃費の合計が宿泊料の30%として考えた場合、家主居住型で求めた248,565円からこれを差し引くことで月間の売り上げが173,995円とわかります。

委託業者の業務内容が多いため、どうしても賃貸マンションなどと比較すると委託料は割高になってしまいます。

民泊で収益を出すためのポイント

いざ、民泊を始めても宿泊客がいなければ収益は出ません。特に住宅宿泊事業法に基づいて民泊を行う場合は、最大稼働日数が180日ですので、できればフル稼働させたいものです。ここでは、民泊で収益を出すためのポイントを解説します。

観光地などの好立地であること

観光地での賃貸の需要はあまりなく、宿泊費用は高く設定できることもあるため、普通の賃貸よりも民泊の方が収益性は高くなる傾向にあります。また、観光地にはエリアごとに稼ぎやすいシーズンというものがあり、180日の稼働日数でも十分な利益を得ることができるでしょう。

築年数が新しいこと

宿泊者には新しく清潔な建物が好まれる傾向があります。そのため、築年数が古い施設だった場合、なかなか稼働率が上がらず、結果として宿泊料金を低価格で提供せざるを得なくなります。さらに、設備の劣化等によって設備の改修費用がかさむことを考えると、高い収益は見込めないのが通常です。

そのため、築年数が古い物件の場合は、あらかじめ改修をするか、所有している空き家を売却してより民泊に向いている物件に買い変えるのも良い方法だといえます。

空き家を民泊施設として活用する場合の注意点

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空き家を民泊として活用するとなぜ良いのかということについては触れてきましたが、場合によってはさまざまなトラブルが起きる可能性があることも理解しなければいけません。ここでは、注意点とどのような対策を取ればよいのかについて解説します。

ルールやマナーを守らない利用者もいる

さまざまな人が利用するため、中にはルールやマナーを守らない宿泊者もいます。よく問題になるのが「ごみの分別」です。ごみの分別は国内でも自治体によってルールが異なることもあり、海外では、ごみの分別を一切する必要がないうえに、24時間いつ出しても問題ないという国もあるため、文化の違いでごみの分別方法が分からない人もいると思います。

そのような人に向けて、ごみの分別や出し方についての説明を掲示することでトラブルを防ぐことができます。日本語や英語はもちろん、利用者によっては中国語や韓国語などで表示しておくとよりよいでしょう。

営業日数の上限がある

住宅宿泊事業法について上述したように、住宅宿泊事業法に基づいて民泊を行う場合には営業日数が年間180日を超えてはいけないという上限があります。

住宅宿泊事業法の年間180日運用ルール対策として、新法民泊よりも申請条件が複雑になってしまいますが、エリアによっては、特区民泊として民泊を行う、もしくは旅館業法の申請を行うことで、年間365日の民泊運用が可能となります。計画次第で高稼働が見込めますので検討してみましょう。

まとめ

いかがでしょうか。日本では、少子高齢化によって年々空き家が増え続けており、その対策として民泊としての活用が注目されています。そのため、住宅宿泊事業法を新たに制定し、空き家を民泊施設として利用できるように規制緩和が行われました。

この記事では、空き家を民泊として活用することで起こるメリットや、逆に懸念すべき注意点なども紹介しました。これから民泊事業を検討している方は、この記事を確読み、責任のある管理ができるようしっかりと事前準備をしていきましょう。

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