不動産売却で必要になる書類とは?確定申告まで不備なく申請

不動産売却

不動産を売却するときにはさまざまな書類を準備する必要がありますが、その都度必要になった時点で準備すればいいと考えていませんか?

実は不動産売却が成功するかどうかは書類を準備する段階から決まってきます。

不動産売却の際に踏む手続きは大きく分けると、以下の3段階で考えることができます。

  1. 不動産売却の開始前
  2. 不動産売却の引き渡し
  3. 確定申告

タイムロスを防ぎスムーズな不動産売却へと繋げるために知っておくべき基本の必要書類と、あると助かる書類を解説します。

不動産売却の開始前に必要な書類

所有不動産を売却すると決めたとき、すぐに思いつくのは不動産業者に掛け合って買い手を探すことかもしれません。その際不動産業者と共に準備すべき書類を作成しておく必要があります。

先に必要書類を用意しておけば良い売り時を逃がすということを避けられるので、不動産売却を成功させるために欠かせないステップです。まずは4つの書類それぞれがどんな書類なのか詳しくご紹介します。

売買契約書

売買契約書は不動産についての情報を表示した書類で、最終的に必要になるのは買主との契約時です。その点を考えると実際に使用するときに作成してもいいのでは?と感じるかもしれません。この書類を先に作成しておくべき2つの理由があります。

  • 不動産業者が当該不動産の情報を確認する材料になる
  • 買主を待たせることなく契約締結できる

不動産売却はタイミングが命といっても過言ではありません。書類を準備している間に買主が購入意思を変えてしまい売却に失敗するという可能性も十分ありえます。そういった失敗を避けるためにも売買契約書は事前に用意しておく必要があるのです。

売買契約書に記載する項目にはどういった内容があるのでしょうか?

売買物件の表示

登記簿記録に基づいて当該物件の基本プロフィールともいえる情報を記載します。土地・建物の所在地や種類、構造、床面積などを細かく記載し、売却する不動産がどんなものかを明確にします。

売買代金や手付金の金額

不動産売却額がいくらなのか、手付金はいくらなのか、また中間金、残金なども明記されます。同じ欄にそれぞれの支払期日も明記する必要があります。

土地の実測と土地代金の精算

不動産売却の際、登記簿記録に記載されている土地の大きさと、実際の土地面積が違っているということが起こりえます。その際に必要となるのが、土地の実際の大きさを測定しその代金を精算することです。この欄にはそれらの測定情報や精算額を記載します。

所有権の移転と引き渡し

所有権を買主に移転し、登記手続きをする日付を記入します。また、不動産の引渡し日も記入しますが、一般的に所有権移転日と同じ日にします。

公租・公課分担の起算日

公租公課とは固定資産税や都市計画税などの税金のことで、引き渡しの日を基準として買主との精算を行います。分担する税額で売主と買主が揉めるのを防止するためのものです。

手付解除の期限

何らかの理由で契約を解除することになった際に手付解除が行われますが、その期日をあらかじめ決めて記載しておく欄です。

違約金の金額

契約違反が起きたり、反社会勢力とかかわりがある、もしくは反社会勢力の拠点として買い上げるなどの違約が起きた場合に支払われる金額を記入します。

融資関連情報

買主が融資を受ける際に、融資金額と共にどの金融機関にいつ融資を承認されるかを記載する欄です。万が一買主が融資を受けられなかった場合の契約解除期限も記載されます。

主に上記の点を記入しますが、買主側が記入したり、話し合いにより決定した事項を記載したりする欄もあるため、事前に用意しておく際は不動産情報に関する点だけを記載しておくと良いでしょう。

重要事項説明書

重要事項説明書とは売却する不動産の権利が現在誰にあるのか、またその物件周辺のインフラがどうなっているのかをまとめたものです。

宅地建物取引業法では、買主に対して購入する不動産に関係する重要事項を説明しなければならないという決まりがあります。その重要事項は主に法律に関係したものです。それで、たいていは不動産業者に所属する宅地建物取引士が作成後に記名押印して交付します。

この重要事項説明書以外にも、売却する不動産情報を知らせるときに役立つ資料がもう1つあります。

残っているなら不動産に関するチラシ

不動産売却の広告は依頼する不動産業者が作成してくれますが、その際多くの場合当該不動産を購入したときのチラシを参考にしてつくられます。売主がリフォームしていた場合なども元の状態を把握したうえで、リフォーム後の間取り図を作成することができるのでなにかと役に立つ書類です。

万が一紛失してしまったときは、施工会社や管理会社に問い合わせて有料で再発行してもらえる場合もあります。

登記事項証明書

登記事項証明書とはその不動産の所有者や抵当権の経歴が載せられている書類です。この証明書は管轄の法務局から取得することができます。

最近ではコンピュータ管理されるようになり、コンピュータ管理されるようになったものを登記事項証明書、コンピュータ管理される以前のものを閉鎖事項証明書と区分しています。通常の不動産売却ではコンピュータ管理されている登記事項証明書を用いるのが一般的です。

閉鎖事項証明書も取得する必要がある場合は、法務局で申請する際にコンピュータ化に伴う閉鎖登記簿を指定し、一括した証明書を出してもらえるでしょう。

取得する方法は窓口に請求し指定場所に郵送してもらう方法、オンラインで請求し窓口で受け取る方法、オンラインで請求し指定場所に郵送してもらう方法の3通りあります。

それぞれかかる手数料は以下の通りです。

  • 窓口請求で指定場所に郵送=1通600円
  • オンライン請求で窓口受取=1通480円
  • オンライン請求で指定場所に郵送=1通500円

オンライン請求を利用すると手数料をおさえられ、窓口に出向く手間も省けるのでおすすめです。

住宅ローン償還表

住宅ローン償還表とはローンの正確な残高が記載されている書類です。この書類はローンを組んでいる金融機関から取得することができます。

ほとんどの人は住宅ローンを組んでマイホームを手に入れていますが、不動産を売却するときにそのローンが残っているというケースがあります。取得した住宅ローン償還表があれば、ローン残高を盛り込んだ具体的な売却価格を割り出すことができるので、不動産業者が提出を求めることの多い書類の一つです。

ここまで不動産売却前に不動産業者と共に準備すべき書類を紹介してきましたが、不動産をいよいよ引き渡しするというときまでに準備すべき書類にはどのようなものがあるのでしょうか?

不動産売却で引き渡しまでに必要な書類

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不動産売却の引き渡し時には、売主本人であるということが確認できる書類や支払い関連に必要な書類、建物の構造や性能についての書類提出を求められます。それぞれ具体的にどのような書類を準備できるのか解説していきます。

本人確認に使う書類一覧

本人確認をするときにチェックされる項目は住所、氏名、生年月日ですが、売主が個人なのかそれとも法人なのか、代理契約なのかで用意すべき書類も変わってきます。

各ケースでどのような本人確認書類を用意する必要があるのでしょうか?

【売主が個人のケース】

  • 運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード、健康保険証
  • 印鑑証明書、外国人登録書、乗員手帳
  • 福祉手帳、医療受給者証、母子手帳、身体障がい者手帳
  • 官公庁から発行、発給の書類

【売主が法人のケース】

  • 登記事項証明書
  • 印鑑証明書
  • 官公庁から発行、発給の書類
  • 担当者の住所、氏名、生年月日、役職のわかる書類

【代理人契約のケース】

  • 契約依頼者の住所、氏名、生年月日がわかる書類
  • 代理人の住所、氏名、生年月日がわかる書類
  • 契約依頼者、代理人の印鑑証明書

またそれぞれこの他に実印も忘れずに用意しておきましょう。

支払いに関連した書類一覧

支払いに使う書類は主に買主から支払いのある場合に必要なもの、当該不動産取得時に組んだローンに関係するもの、税金の支払いに関するものとがあります。

買主からの支払いに関する書類

引き渡し完了時には買主が売主に不動産の代金を振り込みます。そのためにあらかじめ振込先銀行口座の通帳や通帳印を用意しておきましょう。

ローンに関する書類

不動産売却の決まり事として、売主が組んでいたローンが完済されなければ買主に引き渡すことができないルールになっています。売主がローンを完済しましたよということを証明する書類が抵当権抹消の書類です。この書類はローンを組んでいた金融機関から完済時に発行してもらえます。

税金の支払いに関する書類

不動産価値によって国に支払う税金に固定資産税がありますが、固定資産税請求のタイミングと不動産売却のタイミングの兼ね合いで売主が先に支払っている固定資産税額を買主に請求しなければなりません。

金額はたいてい日割りで求められますが、割り出しのためにはすでに支払われた税金の領収書にあたる固定資産税納税通知書と、資産の価値を記した固定資産税評価証明書を参考にする必要があります。

この2つの書類をあらかじめ用意しておくならスムーズな引き渡しができるでしょう。

不動産について説明した書類一覧

不動産を引き渡すときには、不動産の説明書にあたる書類もともに提出しなければなりません。それらの書類があれば、買主はその建物の耐久性や性能を知れるだけでなく維持に役立てることもできます。不動産について説明された書類は大きく分けて境界に関する書類、物件の設備状態に関する書類、管理に必要な書類の3つがあります。

境界に関する書類

売却される土地と、隣接する土地の境界はどこなのかを明確にした書類に境界確認書があります。売却の際にこの書類を取得し、買主に渡しておけば購入後のトラブルを未然に防ぐ助けになります。また、それとともに隣接する土地の所有者に承諾を得て土地測量図も作成しておくなら、境界をより明確にできるのでおすすめです。

物件の設備状態に関する書類

売却する不動産が建築基準法通りに作られていることを証明する書類に建築確認書、検査済書があります。法律を遵守しているのは基本中の基本ですが、この書類があってはじめてそれが証明されるので確実に買主に提出できるよう準備しておきましょう。

さらに、建築設計図書や工事記録書、耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書、地盤調査報告書、住宅性能評価書などは買主がリフォームをする際にとても役立ちます。これらの書類も忘れずに用意しておくようにしましょう。

管理に必要な書類

マンションを売却するという場合には、管理規約を買主にきちんと伝える必要があります。マンション購入時に管理会社から入手した管理規約や、維持費について記された書類も用意しておき、引き渡し時に提出するならその後のトラブルを避ける助けになります。

確定申告で必要な書類

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確定申告といえば毎年の収入に応じた所得の申告が思い浮かぶ方も多いでしょう。実は不動産売却時にも確定申告が必要になる場合があります。それは不動産売却によって利益が出た場合です。売却にかかった経費や不動産を取得した費用を差し引いて残る利益分は所得とみなされます。では、その確定申告時に必要な書類にはどういったものがあるのでしょうか?

確定申告の基本の書類一覧

確定申告に必要な基本の書類は以下の3つに区分わけすることができます。

  • 不動産売却時に入手している書類
  • 税務署や市町村役場で入手する書類
  • 売却後に法務局から入手する書類

不動産売却時に入手している書類は売買契約書領収書の写し、仲介手数料領収書の写し、測量や登記費用領収書の写しがあります。これらは「売却のときにこれだけの費用がかかりましたよ」ということを示すための書類です。

税務署や市町村役場で入手する書類は、譲渡所得の内訳書や戸籍の附票で売却した価格を確認したり、売却不動産の所在を確認するために必要になります。確定申告の用紙も税務署や市町村役場で入手できますが、Web申告であれば用意する必要がなく便利です。

売却後に法務局から入手する書類として全部事項証明書があります。これは売却前にも取得している登記事項証明書のことですが、使用する用途が異なり、当該不動産が確実に売却され抵当権も抹消されているのかを確認するために用いられます。そのため、必ず売却後に取得するという点を守るようにしましょう。

確定申告の節税で使う書類一覧

確定申告をする際に国はさまざまな特例を設けており、一定の条件を満たせば税金の特別控除を受けられます。

それぞれの特例と必要な書類は以下の通りです。

【3,000万円控除】

  • 住民票除票

【特定居住用財産の買換特例】

  • 住民票
  • 登記事項証明書・売買契約書の写し
  • 資産証明書
  • 特例適用の届出書
  • 代替資産の取得期限延長許可申請書

【特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除】

  • 居住用財産の譲渡金金額の明細書
  • 控除対象金額の計算書
  • 登記事項証明書または売買契約書の写し
  • 住宅借入金の残高証明書(売却前時点のもの)

繰越控除の場合は上記の書類に加え、期限内申告書と損益通算の適用を受けた翌年分から繰越控除を適用する年分までの損失申告用確定申告書も用意しなけらばなりません。

追加で書類が必要な不動産売却

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不動産売却のケースによっては特別に必要になる書類が出てくることもあります。これまで紹介した基本的に必要になる書類に加え、あらかじめ用意しておくとさらに円滑な売却手続きにつなげられます。それでは各ケースごとに詳しくみていきましょう。

成年後見人が不動産売却

成年後見人とは親が認知症になった場合や、その他判断が下せない状態などのときに子が代わって後見人になることを指します。もし上記のように依頼主である親が正常な判断が下せず委任状を作成できない場合、特に有効なのが成年後見人制度です。

成年後見人制度による不動産売却には成年後見人であることの証明に必要な書類と、売却許可に必要な書類があります。

【成年後見人の証明書類】

  • 後見開始申立書
  • 後見人等候補者身上書
  • 親族関係図
  • 現所有者の財産目録
  • 現所有者の収支予定表
  • 現所有者の健康診断書
  • 現所有者と後見人等候補者の戸籍謄本
  • 以前に成年後見人登記をしていないことの証明書

【売却許可に必要な書類】

  • 売買契約書の写し
  • 不動産登記簿
  • 不動産査定書
  • 親族の同意書

これらの書類は全て家庭裁判所に提出し、許可を得ることで当該不動産の引き渡しを行うことができるようになります。

代理人による不動産売却

売却したい不動産が遠方にあるときや、契約に赴くことができないとき、などの場合には代理人による不動産売却をするのが一般的です。

その際に必要になる書類は主に3種類あります。

委任状

委任状には委任された日付、依頼者は誰か、代理を務めるのは誰か、どんな内容を代理する権限があるのかといった内容が記載されます。委任状を作成する際の書式は特に決まっていないので気にする必要はありませんが、委任内容の記載は重要な点なので必ずチェックしましょう。また、余白がある場合は書き加えられることを避けるために止め印もしくは以下余白と記入するなどの対策をとると安心です。

依頼人と代理人の印鑑証明書

依頼人と代理人の印鑑証明は、捺印した印鑑が実印であることを証明するため必ず必要になります。注意したいのは依頼人、代理人どちらの物も3か月以内に取得したものである必要があるという点です。必ず取得年月日を確認ましょう。

依頼人と代理人の本人確認書類

本人確認書類はマイナンバーカード、運転免許証、健康保険証、パスポートなどを用意することができます。

法人での不動産売却

法人での不動産売却で用意する書類は個人売買の物とは違う書類が必要になります。

以下は必要になる主な書類です。

  • 登記済権利証
  • 法人印鑑証明書
  • 法人の登記事項証明書(3か月以内のもの)
  • 売却不動産の固定資産税納税通知書、もしくは固定資産税評価証明書

登記済権利証・法人の登記事項証明書・法人印鑑証明書は法務局、固定資産税関連書類は当該不動産所在地の市町村役場で受け取ることができます。

さらにスムーズな不動産売却のためにあると良い書類

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準備できる書類の中には特に無くても罰せられたり手続きが滞るということはありませんが、用意しておくと買主とのコミュニケーションを円滑にするのに役立つものもあります。それはどんな書類でしょうか?

設備の取扱説明書と保証書

耐震性能や設計図以外の設備にシステムキッチンや給湯器などがあります。それらの説明書や保証書があると買主がメンテナンスしたり設備を見直したいという際に役立ちます。

マイホームという大きな買い物をする買主は、それらの書類が用意されていると売主の説明責任が細やかになされているのを感じ取引に対する安心材料になります。売主にとっては印象アップにつながりよい信頼関係のなか取引ができるようになるだけでなく、価格交渉の場面に効いてくる可能性もあります。

双方のメリットのためにもできるだけ用意しておくようにしましょう。

共有不動産の場合に必要な書類

共有不動産とみなされるのは土地と建物が別々の持ち主だという場合です。そのような不動産を売却する際は共有している相手の所在地が分かる住民票を準備する必要があります。

また、通常の取引で必要になる以下の書類も共有者全員分を用意する必要があります。

  • 不動産権利証
  • 登記識別情報
  • 印鑑証明
  • 実印

売却予定の不動産に共有者がいることが分かった場合はこれらの書類も必ず用意するようにしましょう。

まとめ

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不動産を売却するときには大きな金額が動くため、用意すべき書類もとても多く、事前に知っておかなければ混乱するかもしれません。

不動産売却の開始前・引き渡しまで・売却後の申告の3段階にわけて必要な書類を整理し、自分の売却ケースに合わせた付加的書類を事前に知っておくなら、慌てずに円滑な不動産売却を行うことができます。事前に用意するだけで手続き時によくあるストレスを軽減することもできます。

この記事で取り上げた情報を参考に、前もって書類を準備して心に余裕を持った不動産売却をしましょう。

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