多くの人にとって、土地の購入は一生のうちに何度も行うことはあまりない、高額な買い物ですが、事前のリサーチ不足や誤った判断によって失敗するケースは少なくありません。後悔しないためにも、慎重に購入に関するプロセスを進めていく必要があります。
しかし初めて土地を購入する方の中には、具体的にどのような点に注意すべきなのかがわからない方も多いのではないでしょうか。今回は土地購入で後悔した失敗事例や、気をつけるべき注意点などを詳しく解説していきます。また土地購入で押さえるべきポイントも紹介しているので、土地購入をする際の参考にしてみてください。
土地購入で後悔した7つの失敗例
せっかく高いお金を払い土地を購入したものの、時の経過とともに問題が発生して後悔している方は少なくありません。土地は高額なだけでなく不動産という特性上、一度購入したら数十年単位で住み続けるケースが多いため、土地選びには特に慎重になる必要があります。
土地の購入を後悔している方は、具体的にどのような場面において失敗したと感じていることが多いのでしょうか。ここからは、具体的なパターンについて紹介していきます。
予算をオーバーしてしまった
土地を購入する際は土地そのものの代金だけでなく、そのほかにもさまざまな諸費用が発生します。具体的には、不動産取得税や登録免許税、印紙代や仲介手数料、司法書士費用など決して安くない費用です。
不動産を購入した方の中には、土地そのものにかかる費用以外を考慮せずに購入を決めてしまったため、用意した予算を大きくオーバーした方もいます。その結果、建物の建築費用を削ることになる可能性もあることから、土地を購入する際は土地の代金だけでなく、それ以外の諸費用も考慮して予算を見積もることが大切です。
駅までのアクセスに問題があった
土地を購入したあとで、最寄りの駅までのアクセスに何らかの問題が発覚するケースも少なくありません。
例えば、朝の通勤時間帯に極端に車の通りが激しくなり、危険を感じるエリアであることが分かるケースや、駅に向かう途中の踏切が長時間開かずに時間がかかるケース、自宅から駅に到着するまでの時間が想定以上にかかるケースなどです。
ほかにも、夜間駅から自宅へ向かう道路に外灯がなく、防犯が不十分だと感じるケースもあります。
通勤通学の利便性が悪かった
相場より土地価格が安かったために購入したら、予想以上に最寄りの駅にたどり着くまでに時間がかかり、通勤通学の利便性が悪かったケースもあります。
土地を購入する際に駅までの距離は把握していたものの、想像以上に朝夕の通勤通学に時間がかかり、その結果家族から不満の声があがったケースも見受けられます。
希望通りの家が建てられなかった
購入時に細部まできちんと確認をせず、変形している土地を購入してしまったため、家を建てる段階になってさまざまな不都合が生じ、希望通りの広さや形状の家が建てられなかったケースも見受けられます。
住宅用として区画整備されていない土地を購入して土地の形に問題があり、予定していた間取りの変更を余儀なくされたケースも存在します。
近所とのトラブルが起こった
土地を購入する段階では把握できなかったものの、居住してから近隣トラブルが起こるケースもあります。トラブルの原因は、自宅建設時の騒音やペットの鳴き声、異臭問題などさまざまですが、簡単に引っ越しできずにトラブルを抱えたまま居住するケースも多いようです。
将来的に資産価値が低くなる土地を選んでしまった
将来的な資産形成を考慮せずに安い土地を購入し、時間の経過とともに資産価値が下がる土地を選んでしまったことが判明するケースもあります。
相場よりも安い土地は、道幅が極端に狭かったり交通の便が悪かったり、地盤が強固でなかったりするなど、何らかのマイナス要素を抱えている可能性があるので注意が必要です。そのような土地は、将来的な資産価値の上昇が見込めないだけでなく、土地の価値が下がるケースもあります。
そうなると将来土地を売却する際に、購入時よりも低い価格でしか売却できなくなり、その結果損失を被ることになりかねません。
迷っているうちに他の人が購入してしまった
希望する条件を満たす土地があり購入を検討していたものの、動きが遅かったことで他の人に先に買われてしまったというケースがあります。
自分が希望する条件を満たして購入を検討している土地は、同じエリアで同じ価格帯の土地を探している他の人も、購入を検討している可能性が高いといえます。新たに希望に合う土地をなかなか見つけることができず、人に先を越されてしまったと感じるケースもあるので気をつけましょう。
土地の購入で後悔しないための5つのポイント
土地の購入に失敗すると物理的・金銭的な側面だけでなく、精神的に大きな打撃を受ける恐れがあります。失敗のない土地購入を実現するためには、入念に調査する必要があるでしょう。
ここでは、土地の購入で後悔しないための具体的なポイントを紹介していきます。
接道義務を満たしているか確認する
土地を調査する際は接道義務などの建築確認を、取得できる土地かどうかを確認する必要があります。道路に接していない敷地や、2mに満たない間口で道路に接する敷地は、建築確認をとれないため注意が必要です。
旗竿(はたざお)状の土地を購入する際も、しっかりと検討する必要があるでしょう。旗竿地は比較的安価で販売されているものの、道路に接する出入口部分が細い通路上の敷地なので、その奥に家の敷地がある形状になっています。
旗竿地を購入したものの実際に家を建てて居住したのちに、不便に感じるケースが多いようなので注意しましょう。
広告の情報と相違がないかを確認する
広告の記事を元に土地を下見する場合は、広告の表示通りの土地であるかを確認しましょう。通常売り出し中の土地の広告には、土地の面積や法律上の規制の有無、形状の不整備など、その土地の概要が記載されています。
場合によっては、適法に道路に接していない場合や土地に古家や廃屋がある場合、建築条件つきの土地などが売りに出されている場合などもあります。広告のただし書きや備考に書いてある細かい部分まで確認して、広告の情報と相違がないかチェックするとよいでしょう。
下見を行う際は、事前にチェックするべき主なポイントをリスト化して、ひとつずつ確認しながら下見することをおすすめします。
下見には2~3回訪れる
土地やその周辺環境は時間帯などによっても変わります。そのため、下見をする際は1回限りで終えるのではなく、日時や天候、時間帯を変えて2〜3回は訪れることを心がけましょう。
下見の際は最寄駅やスーパー、コンビニなどの住環境、近隣の状況なども細かく観察して総合的に考慮することで、正しい判断をすることができます。
こだわりたいポイントの優先順位を決める
土地を選ぶ際は、事前に自分なりのこだわりポイントを列挙し、優先順位を決めておくことをおすすめします。
土地の広さや形、最寄駅までの距離、隣人や周りの環境など、絶対に譲れない部分と妥協できる部分を、しっかり決めておくと見極めが容易になるでしょう。
土地を購入する際に優先すべき主なポイントは以下の通りです。
優先すべきポイント | 具体的な内容 |
土地の面積 | 不動産登記簿に記載されている地積 |
駅までの距離 | 通勤や通学で使用する駅までの距離や到着までにかかる時間 |
地盤の強度 | 台風や地震などの自然災害があった場合でも耐えられる強度の地盤 |
建ぺい率 | その土地に占める建物の面積の割合 |
接道義務 | 都市契約区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない建築基準法上の義務 |
地盤の強さや災害などの歴史を調べる
日本は島国であり地震の多いことから、土地選びの際には地盤の強い土地を購入することが大切です。土地を下見する際は地域のハザードマップなどを活用し、洪水、土砂災害の際の危険性の有無や地盤の強度、補強工事が必要ないかを調べることを意識しましょう。
また周辺住民に聞き込みを行い、過去に起きた災害で地割れや浸水の被害がなかったかを確認することも大切な作業です。
土地の購入で後悔した場合の対処法
せっかく土地を購入したものの、あとになって何らかのトラブルが発生し、購入したことを後悔している方も多いようです。予定通りに利用できない場合や今後利用を継続することが困難な場合は、何らかの対処をする必要があるでしょう。
ここからは土地の購入を誤ってしまい、後悔した場合の適切な対処方法について紹介します。
土地を売却する
土地の購入に失敗した場合には、あらためてその土地を売りに出す方法があります。一括査定サイトを利用すると、最新の相場を簡単に調べられます。うまく土地を売却することができれば、その売却代金をローンの返済や買い替え費用に充てることが可能です。
手元に十分な資金がなくて、新たに土地をすぐに買い替えることが難しい方は、購入した土地を売却して得た利益を元に、新たな土地の購入を検討しましょう。
また土地を早期に現金化したい場合は、不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。ただし買取の場合は、通常の市場価格よりも安い価格になる傾向がある点には注意が必要です。
土地を売却する際は、土地を高く売るための知識やコツについて詳しく記載しているこちらの記事もおすすめです。


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その他の一括査定サイトや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

賃貸として貸し出す
すでに土地に建物を建ててしまった場合には、慌てて土地や建物を手放すのではなく、賃貸として人に貸し出す方法があります。せっかく建設した家を手放すことなく家賃収入を得るなど、有効活用できるためおすすめの方法です。
自治体や個人へ寄付する
土地を売りに出したもののなかなか買い手が見つからない場合は、自治体や個人へ寄付をする方法があります。
まずは最寄の自治体に相談したり、ネット上の寄付を受け付けている個人や法人などの団体に相談したりして、寄付後も適切に活用してくれる信頼できる相手を選びましょう。
土地の所有権を放棄する
相続税や固定資産税、管理の負担などを理由に、自分の親が購入した土地の相続を希望しないケースが見受けられます。この場合には、相続放棄をすることによって所有権を手放すことが可能です。
ただし相続を放棄する際は法的な手続きが必要で、放棄できる期間も限られています。そのため、できるだけ早い段階で法律の専門家である弁護士や司法書士に相談して、適切に処理をする必要があるでしょう。
土地購入で後悔しないための土地の探し方
土地を購入するとなると数百万〜数千万円単位の高額が必要で、多くの人は一生の内でそう何度も購入することはありません。そのため購入する際は、失敗しないように土地探しに十分な時間をかけることが大切です。
後悔しない土地購入を実現するためには、具体的にどのようなポイントを押さえるべきか、具体的な土地の探し方について解説していきます。
不動産ポータルサイトを利用する
土地を購入する際は、購入希望のエリアにどのような土地が売り出されているのか、情報収集することが重要です。土地の情報を得るためには、不動産ポータルサイトを上手に活用することをおすすめします。
サイト内に設置している検索窓に地名やキーワードを入力して検索するか、不動産会社のホームページ上で売りに出されている土地の情報を検索してもよいでしょう。
スマホやパソコン、タブレットを活用すれば、場所に縛られることなく土地を探すことが可能です。普段忙しくて、なかなかまとまった時間を確保できない方こそ、次のような不動産ポータルサイトを上手に活用することをおすすめします。
おすすめ不動産ポータルサイト | サイトの特徴 |
ホームズ | 賃貸や売買、新築や中古、一戸建て、土地などタイプの違う物件を一度に検索でき、検索結果をわかりやすく比較することができます。 |
三井のリハウス | 首都圏を中心に一定の調査を終えた物件ばかりを掲載しています。さまざまな検索条件だけでなく、人気の高い土地特集などサイト上のコンテンツも充実しています。 |
Yahoo不動産 | 新築・中古マンションや一戸建て、土地などの購入から賃貸住宅、注文住宅まで、全国の不動産情報を入手できます。都道府県から市区町村、沿線、駅、こだわりの条件から物件を簡単に探すことができます。 |
アットホーム | アットホームは、不動産情報サイトの中でも歴史が長く信頼できるサイトです。掲載物件数や登録不動産会社数が多く、こだわりの条件から好みの不動産を選択することが可能です。 |
不動産ナビ | 不動産ナビは、ハウスメーカーのミサワホームが運営する不動産情報サイトです。全国の不動産情報を簡単に検索でき、ハウスメーカーが運営していることから、家に関するコンテンツも充実しています。 |
自分で足を運んで探す
土地を購入する際は自ら希望エリアに足を運び、売地になっている場所や分譲地と記載されている場所を、歩いて回ることをおすすめします。ネットやまた聞きから得た情報には限界があり、詳細を正確に把握することはできません。
後悔せずに土地を購入するためにも可能な限り自分で探し、気になる土地を見つけたら依頼予定の工務店やハウスメーカーに相談して、その土地の管理会社を調べてもらうようにしましょう。
不動産会社に依頼する
優良な土地をできる限り効率的に探したいのであれば、不動産会社に土地探しを依頼することをおすすめします。経験豊富な不動産会社であれば、一般に出回っていないような情報を豊富に持っている可能性が高いです。
不動産会社に依頼する際は、土地の希望条件をできるだけ詳細に伝えて、条件に沿う土地を探してもらいましょう。さらに不動産会社1社のみに依頼するのではなく、複数の会社に依頼して結果を比較し、もっとも条件のよい会社に仲介を依頼することが重要です。
不動産会社は会社ごとに専門性が異なるため、どの不動産会社に依頼してもよいというわけではありません。不動産会社を選ぶ際は土地販売の経験が豊富で、地元に根ざした信頼できる不動産会社を選ぶのがポイントです。
工務店やハウスメーカーに相談する
購入した土地の上に家を建てるのであれば、土地の購入に関しても工務店やハウスメーカーに相談することもひとつです。
経験豊富な工務店やハウスメーカーであれば、建設する家に合った適切な土地を見極めることができます。さらに工務店やハウスメーカーにすべて依頼すれば、土地探しと家選びを同時並行で進められるので、時間や労力の面でも効率的に進めることも可能です。
まとめ
土地は高額な買い物であり一生の財産になりうるものです。しかし、仮に購入を誤ればその後ずっと後悔することになりかねないので、購入する際は十分に注意する必要があります。
今後土地の購入を検討されているのであれば、ぜひこの記事の内容を参考にして、後悔のない土地選びをすることをおすすめします。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
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