離婚時に住宅ローンがある場合はどうすべき?上手く対応してトラブル回避

不動産売却

離婚をすることが決まったけれど、家の住宅ローンの残積がまだ残っていてどうすれば良いかわからない、とお困りではありませんか。ただでさえ心労が多い離婚ですので、家の売却についてはなるべく穏便に話を進めたいところです。しかし、住宅ローンの契約者が夫婦どちらの名義になっているかによって、揉めるケースは少なくありません。

そこでこの記事では、トラブルを回避するために事前に確認すべき住宅ローンの基礎知識や、残債がある場合の対処法について解説していきます。記事の内容をよく読んで、離婚に伴うストレスを少しでも軽くしましょう。

離婚前に確認しておくこと

離婚で住宅ローンをどうするかを考えるときに、まず確認しておきたい4つの点があります。

  • 不動産の名義は誰になっているか
  • 資産価値はどれほどか
  • ローンの契約内容はどうなっているか
  • 売却で完済できるか

これらの点を知っておくと、住宅ローン処理の方向性を決めることができるので、スムーズな話し合いと決定に役立ちます。それでは、各項目をどのように確認できるのか詳しく見ていきましょう。

住宅の名義を調べる

まずは住宅が誰の所有になっているのか、名義を確認しておきましょう。住宅の権利が誰にあるのかを知っておくことで、不動産を売却することになったり名義変更を行ったりする際に役立ちます。

確認方法ですが、法務局で保管されている登記簿謄本で調べることで、以下の内容を確認することができます。

  • 名義人
  • 抵当権の内容
  • 住宅・土地面積

名義人を明らかにしておくと、その後の処理を誰が主体となって行なうべきかを知ることができます。さらに、抵当権と呼ばれる債権者への担保内容を確認しておくことも大切です。万が一離婚で返済ができない状況になったときに、どれほどの資産が担保分として扱われどのように処理されるのかを把握できます。また、不動産の具体的な広さや所有分を事前に知っておけば、売却することになった場合の助けになります。

登記簿謄本の取得方法と費用は以下の通りです。

取得方法 費用
窓口で取得 600円
オンライン請求→郵送で取得 500円
オンライン請求→窓口で取得 480円

取得の際には特に必要なものはありませんが、請求時には地番と家屋番号の記入が必要です。よって、あらかじめ売買契約書や固定資産税納税通知書などで確認しておくことをおすすめします。

住宅の価格を調査する

離婚時に住宅を処理する際には、必ず住宅の正確な価値を査定しておく必要があります。査定をしていなければ次のようなトラブルに巻き込まれかねません。

  • 売却時に手続きが手間取る
  • 財産分与の分け方でもめる
  • 財産を分けたあとの税支払いで損をする
  • 相場より低い金額で売却する可能性がある

離婚のために不動産を処理する際には、長い時間をかけたくないと考えるものです。お互いのストレスを軽減するためにも、効率よく的確な査定を依頼するのが賢明でしょう。正確な査定額を導き出すのにおすすめなのは、一括査定を利用することです。複数の不動産会社から相場を割り出してもらえるので、時間・コスト・手間ともにメリットがある便利なシステムとして知られています。

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住宅ローンの契約内容の確認

住宅ローンの債務者となっている人は誰か、連帯保証人はどうなっているかを確認することも必要です。債務者が引き続き住み続ける場合には、一人分の収入で月々の支払い設定額を賄えるでしょうか。逆に債務者ではない配偶者が住み続けるとなった場合には、万が一債務者の支払いが滞るとどのような影響が出るのでしょう。

住宅ローンの契約内容を確認しておくことで、こうした離婚後に起こりかねない事態に対処するための事前の備えができます。契約内容は、借り入れ契約をしている金融会社発行の契約書で確認することができます。

また連帯保証人が夫婦の親族や親の場合は、契約内容確認と同時期に離婚によって、住宅ローンの処理が必要になる旨を伝えておくと親切です。

売却で住宅ローン返済できるか確認

離婚時に不動産を売却して返済にあてることにする場合は、次の2パターンが考えられます。

オーバーローンの場合

不動産を売却した利益でローンを完済できないパターンを「オーバーローン」といいます。不動産を売却する際に査定額を割り出しますが、この査定額とローンの残債がどれほどあるのかを照らし合わせることで、オーバーローンになりえるのかを事前に調べることができます。

オーバーローンになることがわかった場合にできる対策は以下の通りです。

  • さらに高い金額で売却できそうな業者をあたる
  • どちらか一方が住み続けることができないか再検討する
  • 任意売却を選択肢に入れる

任意売却とは、売却後もローン残債が残ることを前提に売却する方法です。売却後も残債は残ってしまうため、任意売却をするためには借入先の金融機関の許可を得て進める必要があります。

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アンダーローンの場合

アンダーローンとは、不動産売却金額でローンを完済できるパターンのことです。アンダーローンであれば財産を現金化できるので、均等に分けることができます。

離婚での財産分与の際にとてもありがたいですが、アンダーローンにするために以下の点を行ってみましょう。

  • 不動産種類に見合った不動産会社を選ぶ
  • 自己資金をローン返済に充てる
  • 売却情報を収集し細かい売却戦略を立てる

不動産を高く売るためのコツを抑えておくと、アンダーローンにつながりやすくなります。

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家の名義人の種類

不動産のローンが残っている場合での対処方法をみてきましたが、3つある名義種類のうち名義人が誰になっているのかを事前に調べることで、先に挙げた対処法に沿って処理しやすくなります。それでは各名義タイプを詳しく紹介していきます。

夫の名義

まず挙げられるのは夫が名義人である場合です。夫は債務者でありローンの支払い義務があるので、名義を変更する以外にこの支払い義務から解かれることはありません。

またこのパターンでよくあるのは、夫のみが住宅ローンや住居の所有権を保有しており、妻は登記や契約上一切の権利や義務を負っていないということです。そのようなケースで離婚をすることになった場合は、夫名義のままでいるか妻名義に変更するかによって手続きに違いが生じます。

夫婦の共有名義

夫婦で共有名義の場合には、ローンの支払い義務が両方に課せられています。それぞれがローンを組んでいるという形になるので、共有名義の夫婦が離婚することになった場合は、手続きが複雑化することが考えられるでしょう。

財産を分けるときの考え方として、その財産を作り上げるのに誰がどれほど貢献したかという点が争点になります。例えば、夫が仕事で収入を得た財産で妻が専業主婦であった場合は、10対0ということはないまでも妻の取り分が低くなる可能性があります。また、その家がもともと妻の親が所有していた物件であった場合には、妻の親族関係で手にした財産となり妻の取り分が大きくなる可能性があります。

ただし、どれほどの割合でその不動産が分けられるのかは、離婚する理由が誰に起因しているのかということも考慮されます。そのため離婚理由によっては、稼ぎ手であった夫より専業主婦の妻が取り分を多くとるといった事例もあります。

夫の名義で妻が連帯保証人

最後に考えたいのは夫が名義人、妻が連帯保証人という場合です。もし妻がその家に住み続け、夫が支払いを続けることに同意すれば特に手続きは必要ないでしょう。

しかし、多くの場合は離婚で関係を清算したいと考えるので、ずっと持ち家のことでつながりができるよりは、連帯保証人を抜けたいというケースもあります。ただし、連帯保証人を自由に抜けることはできません。

連帯保証人は、債務者が返済しきれなかった場合の保険として金融会社が慎重に選定した人なので、そう簡単に保証人でなくなることを許可してくれません。もし離婚とともに連帯保証人を解消したいのであれば、金融機関ふさわしいと判断してくれる人を事前に選出しておきましょう。

住宅ローンがある場合の注意点

離婚時に住宅ローンがある場合に問題になるのは、誰の名義で住宅ローンを組んでいるかということだけではありません。名義人が明らかになることで、さらに考えなければならない以下の問題があります。

  • 名義変更はできるのか
  • 連帯責任はどうなるのか
  • 子供がいる場合の養育費との兼ね合いはどうなるのか
  • 住宅ローン控除は使えるのか

それでは、これらの問題点をどのように解消できるのかみていきましょう。

基本的に名義変更はできない

ローン名義人を変更したいと考えたときに立ちはだかるのが、金融機関から変更を断られるということです。これは、金融機関の立場から考えると解決策がわかりやすくなります。

金融機関は、主に以下の項目をチェックすることで名義人を決定しています。

チェック項目 重視度
完済時点での年齢 99%
健康状態 98.5%
担保評価 98.2%
借り入れ時の年齢 96.8%
年収 95.7%
勤続年数 95.6%
連帯保証人 94.2%

参考:国土交通省「令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」

これほどのチェック項目をすでにクリアしている債務者を外し、新たな債務者に変更することは、金融機関にとってお金を回収できないリスクが高まります。その点から、基本的にローン名義人である債務者の変更を断られるケースが多いのです。

しかし逆をいえば、このチェック項目を満たしていることを示すことができれば、ローン名義人の変更が可能になります。名義を変更したいのであれば、上記のチェック項目を参考に自分は債務者として認めてもらえるのか考慮してみましょう。

連帯債務責任はそのまま残る

夫婦どちらか一方ではなく二人で連帯責任者になっている場合は、離婚をしたという理由で責任を外してもらうということはできません。もしどちらか一方のローン支払いが滞ってしまうと、もう片方の責任者にその支払い分のしわ寄せが来てしまいます。そうなると離婚手続きでのストレスだけではなく、日々の生活が圧迫されるようになり、その後の生活に長く影響が及ぶことになりかねません。

そうならないために、連帯責任がある場合にはどのようにローン残債を処理できるでしょうか?

  • 金融機関に契約内容変更を相談する
  • その他資産分で負債を圧縮する
  • 弁護士に任意売却の手助けを依頼する

上記3つのうち多くの人が利用している方法は、法律のプロである弁護士に任意売却の手助けをしてもらうという点です。

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養育費との比重を考え住宅ローン返済をする

離婚をすることで養育費を支払う必要がある場合には、以下の手段が取られます。

  • 決められた額を養育費として支払う
  • ローンを支払い住み続けさせることで養育費とする

養育費は支払える余裕があれば支払うというものではなく、一緒に居住していない片親の生活水準を落としてでも支払わなければいけないものです。しかし、当該不動産に住み続けさせることで養育費とすることを選択した場合は、ローンが支払えない経済状況に陥る人も少なくありません。そして、債権者である金融機関が抵当権を発令することで、その家を差し押さえられてしまうという事例もあります。

こうして住む場所がなくなったり経済状況が悪化したりすることを避けるため、養育費をもらう側は債務の滞りが起きた場合には、強制執行の手段をとれることを覚えておきましょう。強制執行とは、弁護士の助けのもと相手方に支払うべき養育費として、相手給与の2分の1を差し押さえできるという取り決めです。万が一家を差し押さえられてしまったとしても、強制執行を行えば生活苦に陥ることを避けられます。

住宅ローン控除が受けられる

住宅ローン控除とは、ローン額に応じた所得額には税金が課せられないようにするという制度です。一般的にこの控除は、中古住宅の購入や居住用の新築不動産を手に入れたときに利用できます。

しかし平成21年から、離婚後に債務者のローン額が増えた場合は、これまでのローン額に加えて新たに発生した負債額でも、この制度が適用できるようになりました。適用条件は以下のとおりです。

(1) 新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。

(注) 個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいること。

(2) この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。

(3) 新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

 

(4) 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金はこの特別控除の対象となる借入金には該当しません。また、親族や知人からの借入金は全て、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。

引用:国税庁「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」

この要件の中で特に注意したいことは、ローンの名義人がその不動産に居住しているかどうかです。例えば、夫が不動産名義人であることは変わらず妻のみが居住し続ける場合には、この制度を利用できないので注意しましょう。

名義変更をしたいならローン借り換えが必要

もし名義変更を希望する場合には、契約内容の名義人を変更するだけということはできません。ローンを組むためには返済に関係する種々の事柄を審査する必要があります。

たとえ変更する相手が他人ではなく元配偶者であったとしても、金融機関側は多額のお金を貸すことができる信用に足る人物なのかを、再度チェックする必要があります。そのため、名義変更をするときには次に債務者になる側が、新たに別金融機関からローンの借り換えを行わなければならないのです。借り換えは次の流れで行うことができます。

  1. 新たな金融機関に借入の審査を依頼する
  2. 審査通過後にローン額を借り入れる
  3. 以前ローンを組んでいた金融機関に一括返済する
  4. 前契約金融機関に抵当権を外してもらう

不動産の登記名義人変更や抵当権抹消の手続きには、司法書士の手助けが必要です。ローン借り換えを行うときにも、司法書士にアドバイスを求めつつ進めるとスムーズに変更できます。

連帯保証人を外す場合は対策が必要

配偶者の片側が連帯保証人から抜けたい場合には、それなりにリスクも伴います。もし代わりの保証人を探し出せない場合は、ローンの一部を支払うよう命じられることもあります。連帯保証人から抜けるための解決策は、以下の2つです。

  • 金融機関が承認する新規連帯保証人を立てる
  • 不動産の売却を検討する

一般的に、新規連帯保証人を探すことは難しいとされています。親に経済力があれば、保証人になってもらうことは比較的容易ですが、兄弟や親戚関係者となると責任の重さから断られることが多いためです。もし少しでも長期化するリスクを避けたいと思うなら、離婚する前から不動産売却の方向で動き出すほうが得策といえます。

トラブルを防ぐための公正証書を作る

離婚時には、不動産の分割方法や今後どのように処理していくかを、公正証書として残しておく必要があります。文書の形にしておくと、後々どのような内容だったかを確認できるだけでなく、相手の義務不履行が認められるときに義務の遂行を命令できるようになります。

それは、養育費に関しての問題が起きた際にも有効になってくるので、離婚時には必ず公正証書を作成するようにしましょう。

公正証書は公正役場で取得できる公的文書ですが、作成には離婚協議書が必要になり、その中に記載されている次の内容を含んだものが作成されます。

  • 離婚に同意したこと
  • 親権はだれが持つか
  • 養育費の支払いはどれほどか
  • 慰謝料はどうなるか
  • 財産分与はどのように行うか
  • 子供との面会はどうなるか
  • 年金分割はどうするか
  • 公正証書にするか
  • 清算する内容は何か

これらは、すべて住宅ローンを含む財産に関する重要な決めごとです。離婚協議書を入念に準備して、公正証書の作成まで行っておくとトラブルを避けられます。

住宅ローンが残っている場合の処理方法

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住宅ローンが残っている場合には次の方法で処理することができます。

  • 債務者が住み続ける
  • 債務者でない配偶者が住み続ける
  • 債務能力がある方へ名義変更し住み続ける
  • 売却する

以下では、上述のそれぞれのケースを具体例を挙げて解説していきます。

債務者がそのまま住む場合

住宅ローンを支払う債務者が離婚後も住み続ける場合には、特に手続きは必要ありません。ただし気をつけたいのは、配偶者が連帯保証人である場合です。そのケースではたとえ離婚して戸籍上関係がなくなっても、連帯保証人としての責任は残り続けます。もし配偶者が連帯保証人を外したいということになれば、次のステップを踏む必要があります。

  1. 金融機関に許可をとる
  2. 許可取得後保証人責任を外す
  3. 新たな保証人の選出
  4. 場合によってローン返済額の一部を支払い

この手続きをとることで、はじめて連帯保証人の責任を負わずに済むことになります。さらに不動産評価額がローン額を上回っていた場合は、所有権のある側は上回っている資産分を離婚相手と分与する義務がある点も覚えておきましょう。

債務者が支払い配偶者が住む場合

例えば夫が名義人で債務者でもあり、離婚後の養育費や生活費代わりに妻を住まわせ続けることにした場合には、次の点に注意しましょう。

  • 支払い義務を滞りなく果たしてくれるか
  • 不動産権利の移行が必要な場合に連絡をとれるか
  • 突然家を明け渡す事態への対処はどうするか

これまで滞りなく支払いができている場合にはある程度信用することができますが、それでも手放しで安心することはできません。口約束で進めるのではなく文書の形で支払い義務を明確にし、離婚後も文書の控えを大切に保管しておくことでトラブルを避けられます。

債務能力がある方へ名義変更する場合

例えば債務者は夫だが妻に支払い能力があり、債務者を妻へと変更することができるのであれば、妻が支払いを続けて住み続けることができます。その場合は、ケースの違いごとに以下の手続き方法を踏むことができます。

ケース 手続き方法
ローン残債を夫から妻へ全額移行する 妻が新規でローン借入の手続きを行う
妻支払いと並行して別の人を連帯責務者とする 返済能力の認められる人、資産をたてる
共有名義分を妻に統一する ローン継続のもと契約内容見直しの手続きをする

ただし、上記で挙げた手続きのすべては金融機関の承認が必要です。その際には、支払い責任を負う人の返済能力があるかが大きく影響します。もし妻が専業主婦であったり、パートタイムでの仕事しかなかったりする場合には、名義変更・新規借り入れともに承認を得ることは難しいでしょう。

家を売却する

夫婦どちらもローンを支払い続けたり、その不動産に住み続けたりしたくない場合には売却を検討できます。売却をして資産を分ける場合には、売却で得た利益すべてを分けられるわけではありません。

分与できる資産額=売却金額-(売却費用+納税額)

売却後には以下の費用がかかります。

  • 不動産仲介料
  • 司法書士手数料
  • 登記時納税額
  • 譲渡所得税

これらを売却で得た利益分から差し引き、残った分を事前に話し合った割合で分けることができます。

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家の売却方法

家を売却することにしたなら次の売却方法を検討できます。

  • 不動産業者に買い取ってもらう
  • 仲介により買手を探す
  • 任意売却をする

それではそれぞれの方法を詳しくみていきましょう。

買取で売却する

不動産業者に買取を依頼すると次のようなメリットが得られます。

  • スピーディーに売却できる
  • 仲介手数料がかからない
  • 瑕疵(かし)担保責任に問われない
  • リフォームメンテナンスがいらない

このようなメリットがある反面、買取での売却では通常の相場より安い金額でしか売れないというデメリットもあります。そのため事前に査定したときに、アンダーローンになる可能性が高いといった場合におすすめの方法です。

仲介で売却する

不動産業者に仲介を依頼して売却をすると、時間はかかる可能性があるものの次のメリットがあります。

  • 適切な相場での売却
  • 積極的に広告活動をしてくれる
  • 買主とトラブルがあっても間に入ってくれる

不動産売買のプロに全面協力してもらえるので安心感があり、高値での売却も期待できるというのが最大のメリットでしょう。ただしどの不動産業者に依頼するかで、その後の売却が成功するかが左右されます。そのため事前に信頼できる不動産業者には、どのような特徴があるのかを把握しておくことが大切です。

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任意売却をする

ローンの返済で困ったときに利用できるのが任意売却です。任意売却はいわば支払いのめどが立たず、打つ手がまったくないというときに頼れる救世主的手段といえるでしょう。

しかし任意売却をする際には、次のデメリットがあることも知っておく必要があります。

  • 売却までに時間的余裕がない
  • 内覧に素早い対応が求められる
  • 配偶者が住み続けている場合は交渉が必要
  • 滞納期間によってブラックリストに載る可能性がある

これらは離婚調停を行う前に、配偶者と早めに任意売却について話し合うことで解決できます。離婚が決定したときには夫婦関係が破綻しているため、コミュニケーションをとることに難しさを感じるものです。

しかし話し合うことを先延ばしにしていると、負債は膨らみ問題は大きくなるばかりです。早めに決定できるように話し合う努力をすることで、トラブルを招くことなく解決できるでしょう。

任意売却を検討する場合は、一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社に査定依頼して、比較・検討することをおすすめします。

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まとめ

離婚をすることになったら夫婦双方にのしかかる負担は大きいものです。特にお金が絡む住宅ローンは、ただでさえダメージを受けている状態に追い打ちをかけることになりかねません。

そのようなときに行いたいのは、事前にローンがどれほど残っているのか、住宅の資産価値はどれほどになるのかをよく調査しておくことです。合わせて、ローンの債務者が誰になっているかを明確に把握しておくことも、財産を分ける際に大いに役立ちます。

少しでも負担を軽くするためにも今回の内容を参考にし、自分たちの状況に合った最適な処理方法を導き出して、次なる新しい生活にトラブルを持ち込まないようにしましょう。

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