物件の売却を検討している方の中には、「実家の売却を検討しているけど、古く汚れも目立ち、このままの状態で売れるのか不安」「売却活動の期間をかけずに、すぐに売却する方法はないの?」など、悩みを抱えている場合が多いのではないでしょうか?
このような悩みの解決策のひとつとして、買取再販業者を利用して売却する方法があげられます。
この記事では、買取再販業者について詳しく解説するとともに、依頼するメリット・デメリットについても詳しく解説していきます。最後までお読みいただき、ぜひ不動産の売却にご活用ください。
買取再販業者って何?
不動産売却を検討している方の中には、買取再販業者という言葉を耳にしたことのある人もいるのではないでしょうか?しかし、実際はどのような業者なのでしょうか?この章では、買取再販業者の詳しい事業内容からどのようにして利益を生み出しているのか、買取再販業者に依頼した場合のさまざまなメリットについてを詳しくご紹介いたします。
物件を買い取ってリフォームして売却する業者
買取再販業者とは、個人などから物件を買い取り、リフォームやリノベーションを施したあとで物件を売却する業者のことを指します。そのまま売り出しただけでは売却できない物件を、現在の市場価値に合わせたリフォームやリノベーションを行うことで、買い主を見つけ出す不動産ビジネスです。
買取と転売の差額が利益となる
買い取った中古物件にリフォームやリノベーションを行い、買取時の金額より高く売ることで利益を生み出しています。全体的なリノベーションを行ったりすることもあれば、水回りや破損部分だけを直して再販するパターンなど、リノベーションが施される範囲はさまざまです。
物件の状態はあまり問わない
不動産の購入には大きな金額が動くので、立地から物件の広さ、建築年数や部屋の綺麗さ、劣化具合など、購入者はより厳しい目線で慎重に物件を選別していきます。ペットやタバコの匂いが染み付いていたり水回りが汚いと、それだけで買い手の購入意欲を下げてしまいます。また、売り出したい不動産が事故物件だった場合、仲介の売却方法では買い手を見つけるのに一苦労するでしょう。
買取再販業者では、状態の悪い物件や事故物件なども買い取ってくれるケースが非常に多いです。また、仲介よりも不動産売却の敷居が低いため、初心者の方でも依頼しやすいのが特徴です。
仲介手数料は不要
買取再販業者を利用して、不動産を業者に買い取ってもらった場合、仲介手数料の発生はありません。反対に仲介業者へ依頼をして売却成功になった場合、成功報酬として数十万円程度の仲介手数料が発生します。不動産業者へ仲介を依頼し、結果として物件の買取を不動産会社がすることになった場合でも、仲介手数料は発生するので注意しましょう。
周囲に売却活動を知られるリスクが少ない
買取再販では、初めから専門業者が不動産を買い取るため、周囲の住民に家を売ろうとしていることを知られるリスクが極めて低いです。なぜなら、仲介の時のような売却活動(広告などの宣伝やREINSへの掲載)を行わないからです。近隣住民に売却することをあまり知られたくない場合には、買取再販業者は非常におすすめです。
不動産に関する知識は仲介より劣る
買取再販業者は、購入した不動産にリノベーションなどを施し売却する方法のため、非常に多くの建築関係者が在籍しています。その反面、不動産に関する知識は仲介業者に比べると低い傾向にあります。
また、買取再販業者には異業種の事業者も多いですが、近年では大手不動産会社が事業の一貫として参入しているため、業界内での戦争が激しくなっている業種でもあります。
近年では新規参入の多い業者でもある
現在、新築の着工棟数は年々減少傾向にあります。その中でも買取再販業者は、新規参入が続いていて手堅く伸びている業者と言えるでしょう。また、買取再販業者は2年以上の契約不適合責任(隠れた瑕疵が見つかった場合について責任の及ぶ範囲)を負う必要があるため、細部まで手を掛けた大掛かりなリノベーションやリフォームを行うケースも珍しくありません。
仲介業者との違いはなに?
買取再販業者と仲介業者には、どのような違いがあるのでしょうか? この章では、買取再販・仲介それぞれの違いや役割についてをご紹介いたします。
仲介業者は売り手と買い手を繋げる役割
仲介業者は、売却したい物件の買い手を探す手助けの役割をしてくれます。買取再販業者を利用した場合、中古物件を業者に買ってもらうことで全てのフローは終わるため、売却するための広告や宣伝、必要なリフォーム、内覧などの売却活動の期間が不要となります。
・仲介の場合
売り主 = 仲介(不動産会社)= 買い主
・買取再販業者の場合
売り主 = 買い主
仲介業者は不動産売買のためのフォローも充実
仲介業者は不動産の売却に向けた物件調査や物件の査定、売り出すための戦略を行います。また物件案内や周辺住民への聞き込み、さらには売却に必要な手続きの代行など、不動産の売り出しから売買成立後までのフォローが充実しています。ただし、無料ではないため物件の売買成立が行われると、仲介手数料を仲介業者へ払う必要があります。
売買価格 | 仲介手数料(上限) |
200万円以下の場合 | 売買価格の5%+消費税 |
200万円以上400万円以下の場合 | 売買価格の4%+2万円+消費税 |
400万円を超えた場合 | 売買価格の3%+6万円+消費税 |
よい買取再販業者を選ぶには
よい買取再販業者と出会うためには、抑えておきたい必要なポイントがあります。その大切なポイントを「買取説明時の注意点」「査定依頼の仕方」「物件の価格設定」の3つにまとめて詳しく解説していきます。
1. 買取に関する説明をしっかり行ってくれる業者を選ぼう
一つ目のポイントは、担当者が買取に関する説明をしっかり行ってくれるかを確認することです。「自分本位に要点だけを摘んだ簡単な説明で終わらせようとしていないか」を観察してみましょう。また、質問や疑問を問いかけたときに誠実な答えが返ってくることも重要です。
誠実さは、その後の仕事を進める上でも現れてくる非常に大切なポイントになります。提示された買取金額が高いからと決めてしまわず、スタッフの方が誠実な対応をしてくれるかを見極めることが大切です。
2. 複数の買取再販業者から買付証明書をもらおう
2つ目のポイントは、査定を行うときは複数の業者へ依頼することです。仲介を介した不動産売却を行う場合、複数の仲介業者へ一括査定を依頼します。これは、買取再販業者も同様です。比較対象が複数あることで、平均的な価格設定を把握することができます。最初から一つに絞って決めてしまうのではなく、最低でも3社以上の買取業者へ査定を依頼するようにしましょう。
また、依頼した業者から買付証明書を忘れずもらう事も大切です。買付証明書とは、不動産を購入する意思を示す書面のことを指します。書類自体に法的な拘束力はなく、購入の約束や購入の権利を優先的に得るためのものではありません。
複数の業者に査定を依頼するときは、一括査定サイトを利用すると便利です。
買取専門の一括査定サイトなら「買取博士」がおすすめ
買取博士がおすすめな理由
- 不動産の買取会社に一括で査定を依頼できる
- 仲介手数料無料&その分買取金額に上乗せしてもらえる
- 売却後に不具合や故障があっても責任は問われないので安心
- 内覧のたびに部屋を片付ける手間がかからない
- 汚れていてもリフォームや不用品処分は不要
一括査定サイトに関してより詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

3. 割高感のない業者がおすすめ
3つ目のポイントは、割高な価格設定がされているかどうかです。あまりにも割高な物件を売っている業者は、利益のみを追っている可能性が高く、あまりおすすめはできません。割高な価格設定であるかを見極めるために、買取業者の販売事例を確認して見るのが良いでしょう。
ただし、リフォームやリノベーションに力を入れていれおり、物件の販売価格が割高になっているケースもあります。ケースバイケースになってしまいますが、心配であればどのようなリフォームを行っているのか業者へ直接確認して見るのも一つの方法です。
買取再販業者と仲介業者のメリット&デメリット
この章では、買取再販業者と仲介業者それぞれのメリット・デメリットについて詳しくご紹介していきます。不動産売却では、自分の望みにあった売却方法を選ぶ必要がありますので、次の解説を参考に自身の条件と照らし合わせてみてください。
買取再販業者のメリット
買取再販業者に依頼することでどんなメリットがあるのでしょうか?自分が求める条件にあっているか、ご自身の家の売却においてメリットはあるか、見ていきましょう。
即現金化が可能である
仲介業者へ依頼し不動産の売却が成功するまでに、平均数ヶ月程度の期間が必要とされています。(査定−売却活動−売買契約−引き渡し)また、売却活動が長引いてしまえば、その分だけ売却成功までの期間が遠くなります。買取再販業者を利用した場合は、売却活動などの期間を設けずに業者が不動産を購入してくれるので、売却金をすぐに現金化することが可能です。
契約不適合責任の所在があいまいにならない
仲介の不動産売買を行った場合は、売り主側に「契約不適合責任」がつきます。これは、一般的に契約事項に付帯していることが多いです。万が一にも売却予定の物件に破損や変色などの瑕疵が見つかった場合、売り主は修繕を費用を負担する義務があります。
一方の買取再販業者の場合は、業者との取引になるため契約不適合責任が発生しないのが大きな利点です。なんらかの瑕疵が見つかったとしても、売り主側が修繕費を支払う必要は一切ありません。売却を検討している不動産が古く、そのままでの売り出しが難しい場合は、仲介業者よりも買取再販業者を選んだ方が全体的な出費を抑えられるケースも少なくないでしょう。
買取再販業者のデメリット
一方で買取再販業者に依頼することによってデメリットが生じることもあります。デメリットもしっかりと把握したうえで利用するよう心がけましょう。それでは詳しく見ていきます。
不動産売却の実力は仲介業者より劣る
買取再販業者に在籍しているスタッフの多くが、不動産業界出身よりも建築業界出身の方が多いです。そのため、不動産売買のノウハウについて詳しくない担当者がいるのも事実です。しかし、買取再販業者にも、幅広く知識を兼ね備えているスタッフはいるので、(責任者などのレベル)交渉がまとまらなかったり不安に思うことがあれば、他のスタッフに交代してもらえないか配慮を求めて見るのも良いでしょう。
売却額が低くなる
買取再販は、業者が中古物件を購入しリフォームなどの手を加えた後に物件を売り出す仕組みです。すなわち、利益よりも早く物件を売却したい時に利用するサービスになります。そのため、物件の売却額が購入価格の7〜9割ほど下がってしまうケースも少なくありません。売り出したい不動産に、中古物件としての価値が十分にあるのであれば、仲介を介して売却を行うことをおすすめします。
仲介業者のメリット:高く売却できる点
物件をより高く売却するのが仲介業者の仕事になります。物件の価値を下げずに売却するため、不動産会社といってもリフォーム前の家、地域密着型、戸建て住宅など、強みや特色、専門にしている分野はさまざまです。不動産のプロが売却するからこそ、買取再販に比べて売却額は圧倒的に高くなります。
仲介業者のデメリット:売却活動の制限が多い点
不動産会社に仲介を依頼する場合、媒介契約を結んで活動するのが一般的です。媒介契約とは不動産における売買や貸借などの成立のために、営業努力(売却活動など)を宅建業者に依頼する契約のことで、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類の契約形態があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、媒介契約の種類によっては、複数の業者に仲介を依頼できなかったり、自分で見つけた買い主への売却は行えないケースがあります。
まとめ
買取再販業者について、仲介業者との違いから両者のメリット・デメリット、また良い買取再販業者を選ぶ3つのポイントに分けて解説してきました。
買取再販業者は、売却金額が支払われるまでの時間が仲介業者に依頼した場合と比べて圧倒的にスピーディーです。その反面、不動産をそのまま業者が買い取るため、不動産購入価格の7〜9割ほどに売却金額が下がってしまうリスクも十分にあり得ます。
買取再販と仲介それぞれに、メリット・デメリットがあるため、売却期間や全体でかかる費用、売却検討をしている物件の状態や建築年数などを考慮し、自分が望む売却方法を探す必要があります。売り出したい不動産に中古物件としての価値があまりなく、すぐにでも売却してしまいたい場合には、買取再販はおすすめの方法と言えるでしょう。
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