マンション売却での固定資産税の扱いとは?税金で損をしないポイント

マンション売却

固定資産税はマイホームを維持管理する費用のなかでも大きな負担になります。マンションを売却して手放したとき、それまで負担してきた固定資産税がどういった扱いになるのか、いつまで支払う必要があるのかなど、さまざまな疑問があるかと思います。

本記事では、マンション売却での固定資産税の扱いを具体的に解説し、税金で損をしないポイントも併せてご紹介しています。ぜひローリスクにマンション売却を進める参考になさってください。

固定資産税の基礎知識

マンション売却時での扱いを見ていく前に、所有するマンションにかかる固定資産税について、基礎的な知識を身につけましょう。

1月1日時点のマンションの所有者が支払う

固定資産税を支払うタイミングは各自治体によって異なります。通常は6・9・12・2月の4回に分けて支払うことが一般的です。納付書はそれに合わせて4~6月頃郵送され、そしてその請求先は1月1日時点の所有者とされています。

つまり、例えば納付書が送られてくる前の3月に家を引き渡していたとしても、1月1日時点で所有していた人に固定資産税が請求されるのです。

固定資産税は評価額で変わる

固定資産税は、固定資産税評価額によって金額が定められます。評価額は土地・家屋の評価額をもとに各自治体によって算定され、3年に1度のペースで見直しされています。

土地の評価額は土地の面積と路線価によって求められ、家屋の価格の評価方法は再建築価格方式です。これは、同じ建物を建て直すとした場合の費用でその価値を算出する方法で、それに資材費や労務費などの補正率(評点1点あたりの価格)や建物の床面積、築年数が経っていることによる劣化の部分などを掛け合わせて評価します。

また、償却資産も重要な評価対象です。償却とは経年に伴って劣化していくものに耐用年数を設け、毎年の出費として計算する考え方のことで、その償却資産それぞれに評価をして価格を決定します。

このようにして求められた固定資産税評価額をもとに税額が決定されます。固定資産税の計算式は以下の通りです。

固定資産税=固定資産税評価額×標準税率(1.4%)

固定資産税が課せられるマンションが住宅用地や新築住宅である場合には条件によって軽減税率の特例を受けられる場合もあります

滞納が続けば財産を差し押さえられる

もしも固定資産税を支払うことができずに滞納してしまった場合にはどういったデメリットが生じるのでしょうか。固定資産税の納付は義務であるため、滞納してしまうとそれなりの制裁が待っています。

滞納が続くとまず督促状や催告書が自宅に届きます。督促状は発送してから10日を経過するまでに支払いがなければ差し押さえることができるという法的な効果を持っている書類です。また、催告書も同じように納付の期限とそれに従わない場合、法的手段での解決をおこなうことを所有者に勧告するものです。

こういった督促状や催告書を受け取っても無視していると、今度は所有者に対して財産調査がおこなわれます。これは預金や保険金などの財産で支払いがおこなえるのかどうかの調査です。その後調査された財産が差し押さえられたり、マンション自体が競売にかけられるなどで滞納問題の解決をはかります。

ただ無視するのではなく、払えない状況をしっかりと申告し、徴収の猶予を申し出ることで差し押さえなどの強制解決を避けられる可能性もあります。1人で悩まず専門家に相談しましょう。

マンション売却での固定資産税は誰が負担?

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では、改めて本題のマンション売却における固定資産税の扱いについて解説します。1月1日時点での所有者が固定資産税を負担することは分かりましたが、分割で払っていた場合にその残りの金額はどうなるのでしょうか。

日割り計算で一部は買主に負担してもらおう

前述したことと重複する形になりますが、法的に考えれば1月1日時点で所有していた人に納税の義務があり、買主側には支払いの義務はないことになります。実際に納税書が届くのも売主であるため、どのような場合でもその年の固定資産税の支払いは売主がおこなうことになります。

一般的にマンションを売却して引き渡した場合には、引き渡し日を基準として日割り計算した固定資産税を買主に負担してもらうことも多いです。売買契約をおこなう前にどのように負担するかよく話し合いをおこなって、引き渡し日に精算します。

立場 納税義務 負担する部分 支払う相手
売主 引渡し日以前 自治体
買主 × 引渡し日以降 売主

支払いの決まりを売買契約書に記載する

固定資産税の負担をどちらが担うか、またはどのように分担するかについては、必ず売買契約を締結する前に話し合いをおこないましょう。これは、支払いの決まりについて売買契約書に記載し、しっかりと文字にして残すためです。

マンションの売買では大きな金額が動くため、トラブルがつきものです。買主と売主の間で条件や価格の交渉をおこなう際、書面に記していないと「言った」「言わない」とトラブルに発展してしまう可能性があります。固定資産税の支払いについて取り決めをおこなう場合にも、口約束のみにならないよう売買契約書に支払いについての取り決めと、違約した場合のペナルティを定めておくと良いでしょう。

消費税の扱いには注意

居住用のマンションの売却では消費税の課税対象にはなりませんが、個人の売却でも事業目的の不動産を売却する場合には消費税を納めなくてはなりません。

消費税はその名の通り、消費するものに課せられる税金です。不動産に関していえば、経年劣化がある建物の部分は消費するものと認められますが、土地の部分は非消費物とされ、課税対象外となります。つまり事業用不動産の売却でも、土地部分の固定資産税精算金には消費税がかからず、建物部分の固定資産税精算金にのみ消費税が課せられるため注意しましょう。

起算日の決め方で固定資産税を節約

マンション売却にかかる固定資産税を少しでも節約するなら、起算日をいつにするのかというのは大きなポイントです。起算日の違いによって固定資産税がどのように変化するのか具体的に見ていきましょう。

固定資産税の起算日とは

そもそも起算日とは、期間を数え始めるにあたっての最初の日を意味する用語です。つまり固定資産税の起算日を定めることは、いつから引き渡し日までを売主負担の固定資産税とするかを定めることと同義です。

起算日によってその期間の長さが異なり、それに伴って日割り計算した金額も変動するため、慎重に設定するべきです。基本的に不動産売却の固定資産税の精算における起算日は1月1日か4月1日のいずれかとされています。関東では1月1日、関西では4月1日を起算日とする傾向があります。

起算日が1月1日の固定資産税の計算

起算日が1月1日だった場合、売主は1月1日から引き渡し日までを、買主は引き渡し日から12月31日までの固定資産税を負担することになります。

固定資産税が15万円かかるマンションを6月1日に引き渡したとして、具体的な固定資産税の計算例を見てみましょう。

売主負担=15万円×151日(1月1日~5月31日)÷365日=62,054円
買主負担=15万円×214日(6月1日~12月31日)÷365日=87,946円

起算日が4月1日の固定資産税の計算

では、同じように固定資産税額が15万円で6月1日に引き渡すマンションだとして、起算日が4月1日であった場合について計算してみましょう。

売主負担=15万円×61日(4月1日~5月31日)÷365=25,068円
買主負担=15万円×304日(6月1日~3月31日)÷365=124,932円

1月1日を起算日とした場合と比べると、売主の負担が大きく軽減されていることが分かります。このように引き渡しする日によっては起算日で固定資産税の額が大きく変わることがあるため注意しましょう。

固定資産税の精算をしたら確定申告を忘れない

固定資産税の精算を買主との間でおこなったら、確定申告でその旨をきちんと申告しなければなりません。固定資産税の精算の申告について詳しく見ていきましょう。

マンション売却で確定申告が必要な条件とは

まず、固定資産税の精算の有無にかかわらず、マンション売却をした際には確定申告が必要になると覚えておいたほうが良いでしょう。確定申告が必要になるのはマンションの売却で利益が出た場合です。

確定申告はその一年の収入を報告するものであるため、マンションなど不動産の売却をおこなって利益が出た際には収入があったものとして正しく申告する必要があります。

このようなマンション売却における利益のことを譲渡所得、それにかかる税金を譲渡所得税と言います。譲渡所得税は譲渡所得に税率をかけて金額が求められます。課税対象である譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得=売却価格-(購入金額+購入時の諸経費+売却時の諸経費)

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負担してもらった固定資産税で利益は増える

買主との間で固定資産税を分けて負担しあうことになった場合でも、支払いをおこなうのは売主であることに変わりはありません。そのため、買主は負担する額を売主に売却金額に上乗せする形で支払います。

つまり、精算された固定資産税額は課税譲渡所得に加算され、利益となります。例えば売却額から諸費用を差し引いて収益がないとされていた場合でも、買主から支払われた固定資産税額によって収益があった場合には譲渡所得税が課せられるため気を付けましょう。

利益がなくても確定申告で節税ができる

固定資産税などの利益を含めても利益が出なかった場合でも、確定申告をおこなうことをおすすめします。なぜならば、確定申告をすることで損益通算や繰り越し控除などの特例を受けることができ、節税につながる場合があるためです。

損益通算とは、不動産を譲渡して損益が出た場合に、その他の所得と相殺して所得税や住民税を軽減する措置のことです。また、繰り越し控除は損益通算でも相殺しきれないほどの損益が出てしまった場合に、翌年以降の所得からも差し引いて税を軽減することができます。

マンション売却で損益が出てしまった場合でも、できる限り確定申告をおこなって損のない売却を目指しましょう。

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マンション売却は固定資産税以外でも工夫

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固定資産税以外にもマンション売却において負担しなければならない費用は多数あります。固定資産税などの税を節税することだけでなく、なるべく高い金額で売却することができれば手元に残るお金をより多くすることができるでしょう。

ここではマンションの高額売却を目指すためのポイントを3つご紹介します。

マンション売却を依頼する不動産会社は厳選

マンション売却において仲介を担当する不動産の力量はとても重要なポイントです。実際に購入希望者を探すための売却活動をするのは不動産会社であるためです。

もしも不動産業者の営業担当者の力量が足りず、なかなか購入希望者が見つからないようなことになってしまうと、売却価格が下がってしまうことにつながります。また、買い手と固定資産税の負担などの交渉をおこなう際にも、信頼のおける担当者の立ち合いがあれば安心です。

信頼できる不動産業者を選ぶなら、不動産会社の一括査定サービスを利用することをおすすめします。一括査定サービスは、運営する会社によって連携先の不動産会社が既に厳選されていることが多いので、利用するだけで数ある不動産会社の中から信用できる不動産会社を選ぶことになります。また、複数の不動産業者に査定を依頼することで、査定額や対応を比較して選ぶことも可能です。

査定が初めての人におすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」

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戦略的にマンションを売り出す価格を決める

買い手が現れなければマンションを売却することはできません。買い手が現れやすいのは、相場にあった適正価格を設定しているマンションです。

なるべく高い金額で売却したいのは山々ですが、相場よりも高い設定金額で購入希望者が現れないと不動産業者から金額を下げることを提案されてしまいます。それに加え、不動産は売却金額が長ければ長いほど成約しにくくなるという特徴を持っています。相場に合わない金額を提示してしまうと、相場よりも低い価格でないと売却できなくなる恐れがあります。

また、購入希望者が提示された売出価格よりも価格を下げてもらおうと値下げ交渉をおこなってくることも多いです。売り出し価格を設定する際には、そのマンションの相場をもとに多少の値下げになることも想定しておこなうと良いでしょう。

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内覧は準備を整え好印象を与える

文字や写真による情報も大切ですが、購入希望者にとって内覧はそのマンションに触れる一番大きな機会です。内覧時の印象が悪ければ成約に至らなかったり、状態の悪さを理由に値下げ交渉をおこなってくる場合もあります。

また、印象を良くしておくことで、実際売買契約を結ぶ際の固定資産税などの交渉もおこないやすくなるというメリットもあります。内覧は準備をしっかりして臨みましょう。

内覧時に気を付けておきたいポイントをまとめました。

  • 掃除を念入りに(水回り、フローリング、クロス、ベランダ、共有部分、臭い対策)
  • いらないものは処分して部屋を広く見せる
  • 快適な室温に設定する
  • すべての電気をつけて明るい家を演出
  • 質問に対応できるよう情報を整理しておく
  • なるべく内覧者の都合に合わせる

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まとめ

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固定資産税は売主にとって決して小さな負担ではありませんが、それは買主にとっても同様です。さらに買主はそのマンションを購入する金額を負担しなければならず、場合によっては固定資産税の支払いを拒否し、売主が負担するように交渉してくるようなこともあるでしょう。

買主が固定資産税を負担するのは慣例であって義務ではありません。このように買主から交渉されたときにも、正しい知識を持っていれば起算日を調節するなどして買主の負担を少し軽減するような対処をするなどの調節をすることができます。

トラブルなく損がないようにマンション売却を進めるなら、買主との間に信頼性を築いてお互いに納得のできる交渉をおこなうこなうと良いでしょう。

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