
相続した古い家を手放したいけど、そもそも売れるのかなぁ?
あなたは、こんな悩みをお持ちではありませんか?
古い家は売れにくいと思われがちですが、方法次第で十分売却できる可能性があります。
この記事では、古い家を売るために有効な7つの売却方法を紹介し、売却するために必要な準備やスムーズな売却を成功させるためのポイントなどを取り上げます。また、古い家が売れにくい原因や所有し続けるリスクについても解説します。
築年数が経過した古い家の維持費に困っている人、これから古い家を相続する人はぜひ参考にし、賢く売却手続きを進めましょう。
古い家がいくらで売れるのかわかる!おすすめ一括査定サービスTOP3
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古い家を所有し続けるデメリット
一般的に古い家とは、次の2点を満たしたものを指します。
- 築20年超え:木造住宅の耐用年数が22年のため
- 旧耐震基準で建てられた:1981年に改正された耐震基準以前に建てられ安全性に不安
また家の構造に関わらず、築40年を超えると資産価値はほぼゼロになるといわれています。古くて資産価値が低い家をそのまま所有していると、次の3つの理由で不利益となるのです。
- 所有している限り維持費の負担が続く
- 管理不足の空き家は税金が上がる可能性がある
- 荒れた古い家は近所トラブルの元になりやすい
なぜこのようなことが起こるのかを、詳しく見ていきましょう。
所有している限り維持費の負担が続く
古い家を持ち続けるということは、維持費がいつまでも続くことを意味します。家は資産であるため、土地や建物に固定資産税がかけられます。家の評価額に対して標準で1.4%の税率がかかり、1,000万円の価値があるならば年間で14万円の負担です。
たとえ空き家にしていても、光熱費や水道代は解約しない限り基本料が請求されます。解約してしまうと定期的に掃除をするときなどで困ってしまうため、支払いが続いてしまいます。現地に行くまでの交通費や管理の労力も考えると、負担は重いです。
まだ所有権が親の場合は、相続開始から3ヶ月以内であれば相続放棄で、固定資産税の負担からは逃れられます。しかし、代わりの管理人が見つかるまでは自身で管理を続けないといけません。
管理不足の空き家は税金が上がる可能性がある
空き家にした場合、使っていないからと言う理由で管理を怠ると、税金が上がる可能性があります。例えば、倒壊の危険性があるとみなされた場合や衛生的にも景観を乱すと判断された場合は、特定空家等に認定されます。特定空家は主に以下の点に該当する場合に指定されます。
- 倒壊の恐れがある建物
- 衛生面で影響のある建物
- 管理不足で周辺地域の景観を損なっている建物
- 周辺の生活環境に悪影響を及ぼしているとみなされる建物
これらに当てはまる建物は周辺の住民に迷惑となるだけではなく、事件や事故を誘発する危険性を高めます。そこで行政は、空き家の所有者にペナルティを課したり改善指導をしたりして、健全な街作りを目指しているのです。
”参考:国土交通省「特定空家等に対する措置」”
特定空家等に認定された場合、固定資産税の住宅用地特例が使えなくなり、軽減税率は適用されないため税金は上がります。最終的には強制的に解体されることもあります。そのようなことにならないためにも、空き家を放置せずに売却や活用をすることは大切です。
特定空家についてさらに知りたいならこちらの記事もおすすめです。

荒れた古い家は近所トラブルの元になりやすい
古い家を空き家にしてそのままにしておくと、敷地内への不法投棄や壁への落書き、景観の悪化などで近所の人達とトラブルが起きやすくなります。空き家を最低限の管理をしなかった場合、害虫の発生や雑草の氾濫、雨漏りなど衛生面に問題が起こりえます。これは空き家だけの問題ではなく、周りに建っている住宅の資産価値も下がる原因ともなるでしょう。
また家の劣化が進み、一部が倒壊して通行人や隣家に被害が出ると、損害賠償を請求されることもあります。築年数が経っていると台風や地震で、深刻な状態になっているかもしれません。自分の持っている古い家だけの問題ではないことを念頭においた上で、空き家を解消する必要があるのです。
古い家を売るおすすめの7つの方法
全章では、古い家は所有し続けるリスクが大きいという点を解説してきました。そもそも築20年を超えるような古い家は、資産価値が低く、買主がつきにくいのが当然です。
ただでさえ売れにくいとされる家をどのように売るか、ここでは古い家を売る7つの方法をそれぞれのメリット・デメリットとともに紹介します。また、その手法が向いている人のタイプも紹介していきますので、自分に最適な方法を探してみてください。
古い家を残したまま売る
1つ目の方法は、適正価格を設定した上で古い家を残したまま売ることです。古い家を残したまま売る場合のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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古い家を残したまま売るのが向いている人
- 家の近くに住んでいて定期的に手入れができる人
- 解体費用を支払っても良いと考えている人
この方法の最大のメリットは、住宅部分を残すことで買主がローンを組みやすくなる点です。金融機関によっては、土地を購入するだけでは住宅ローンが組めない場合もありますが、古い家でも建物があるだけで住宅ローンが利用できるため、買主には好条件となります。
さらに、売る前に瑕疵担保保険への加入をおすすめします。家は売ってからも、気づかず契約書に明記されていない不具合が見つかると、修理などをしなければなりません(契約不適合責任)。この保険に加入していると、修理費用を補填してもらえます。購入する人にとっては、本来築20年以上の物件では使えない住宅ローン控除が使えるようになるメリットがあるため、売りやすくなります。
古い家を残したまま売る流れ
古家付きのまま売却する場合は主に以下のようなステップを踏みます。不安や疑問があれば、その都度不動産会社に相談をしていきましょう。
土地付きの家を売る手順について、より詳しく知りたい場合におすすめの記事はこちらです。
古い家を解体してから売る
古い家を解体して、更地として売ることも一つの方法です。古い家を解体して更地にしてから売るメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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古い家を解体してから売るのが向いている人
- 空き家の管理が面倒と感じる人
- 空き家が倒壊の恐れがある場合
空家は地域の景観を乱したり、害虫や野生動物から被害を受けたりするなど様々な問題が起こります。売却期間中に空家の管理をする手間や費用がかからないことは、売主の心理的な負担も軽くしてくれるでしょう。
ただし、更地は空家に比べて約6倍もの固定資産税がかかります。固定資産税は1月1日時点の状態で決まるため、取り壊すのであればそれ以降にすることで少し負担を軽減することができるでしょう。解体費と合わせたトータルコストをしっかり試算する必要があります。
空き家の解体費用や税金について詳しく知りたい人は、こちらの記事で解説しています。

また、更地にした土地の売却方法について詳しく解説した記事を合わせて読むのもおすすめです。

古い家を解体する流れ
- 不動産会社で解体したほうがよいのか相談
- 解体業者を探す
- 現地調査をしてもらい正確な見積り
- ライフラインを止め工事の申請
- 養生対策をして家の解体
- 建物滅失登記をして解体業者へ支払い
リフォームやリノベーションをしてから売る
古い家をリフォームやリノベーションをして魅力度を高めてから販売するという手法もあります。リフォームやリノベーションを施してから売ることのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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リフォームやリノベーションをしてから売るのが向いている人
- 売れない場合は自身で住むことも視野に入れている人
- リフォーム前より高く家を売りたい人
この手法では、見栄えが良くなることから購入希望者が増えやすくなります。また万が一売却が上手くいかなかった場合でも、売り手自身でそのまま住むことができるメリットもあります。
しかしリフォームにかかった費用を回収できる補償はなく、買主の趣味に合わない可能性があるので売却価格の設定が難しいところです。この方法で売る場合、リフォーム費用を回収できない可能性を理解した上で、売却活動を進めるようにしましょう。
自治体によっては耐震リフォームなどに補助金が出るケースもあります。そのような制度は毎年のように変わるので、リフォームをする前に必ず内容をチェックしておきましょう。
空き家のリフォームの費用相場や補助金制度についてはこちらの記事もおすすめです。

古い家専門の不動産業者で売りに出す
古い家でも専門の不動産業者にニーズがある部分をアピールすれば、売却できる可能性があります。古い家専門の不動産業者で売りに出すことのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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古い家専門の不動産業者で売りに出すのが向いている人
- 古い家をそのまま使ってもらいたいと考える人
- 売れるまでの管理ができる人
古い家をただ古いと言うのではなく、古いからこそ味がある古民家というテーマで売り出すなら、すでに古民家を条件として物件探しをしている買主の心に刺さり、前向きに売却活動ができるでしょう。古い家でも古民家と呼べない30年未満の築年数では売りにくい場合もあるので、その際には他の方法を検討してみましょう。
不動産業者に買い取ってもらう
また、古い家の買い手を仲介で探すのではなく、不動産業者に買い取ってもらうという方法もあります。不動産業者に古い家を買い取ってもらうことのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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不動産業者の買取が向いている人
- 売却金額を問わずできるだけ早く手放したい
- 仲介では売れなかった
その他メリットとして家の状態が悪く傷んでいても、そのまま引き渡せることも売主にとっては嬉しいポイントでしょう。しかしも仲介手数料がかからないため、買主を探して売却する場合と比べて売却額は下がってしまう点、買取に対応している不動産業者には限りがあるという点がデメリットです。
価格重視で売りたい人にとってはあまり前向きな方法ではありませんが、できるだけ早く手放したい場合には不動産業者買取も一つの方法と言えます。
不動産業者に買い取りをしてもらう時に読んでおきたい記事はこちらです。

古い家を買い取ってもらう流れ
- 買取業者で見積り
- 正式な買取価格や引き渡し条件の交渉
- 古い家を引き渡してお金の受け取り
価格は買取業者によって異なるため、必ず複数社で見積りを取ることが重要です。見積りは買取向けの一括査定サイトを使うと、依頼や比較の手間が省けます。
買取専門の一括査定サイトなら「買取博士」がおすすめ
買取博士がおすすめな理由
- 不動産の買取会社に一括で査定を依頼できる
- 仲介手数料無料&その分買取金額に上乗せしてもらえる
- 売却後に不具合や故障があっても責任は問われないので安心
- 内覧のたびに部屋を片付ける手間がかからない
- 汚れていてもリフォームや不用品処分は不要
古い家をオークションで売る
あまり一般的ではありませんが、古い家をネットオークションサイトに出品して売却する方法もあります。オークションに出すことのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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古い家をオークションで売るのが向いている人
- 中々買い主が見つけられないような家の所有者
- できるだけ早く売りたいと考えている人
この手法は、買主を選ぶことはできませんが短期間かつ相場よりも高い価格で売れる可能性があります。オークションであれば自分で価格を設定でき、入札者が競争することから価格は高騰する傾向にあります。そのため希望していた金額よりも高く売れることも少なくありません。
しかし必ず売れるという保証がなく、買い手とのトラブルが発生した際に自分で解決しなければならないというデメリットもるので、オークションを利用する場合は慎重に売却を進めるようにしましょう。
古い家をオークションで売る流れ
- 査定を受けて古い家の相場を調べる
- 家を取り扱っているオークションサイトを探す
- 出品の条件と入札の要綱をまとめる
- 出品してオークションを始める
- 落札額で売買契約を結ぶ
入札を迷っている人の中には、内覧を希望する人もいます。その都度対応しておかないと、売り逃してしまうでしょう。また、売りに出していることはオークションサイト以外に宣伝されます。問い合わせがあるときは、最新の入札額で価格交渉をしましょう。
空き家バンクに登録をして買主を探す
空き家バンクとは、自治体が運営している制度です。賃貸もしくは売却をしたい空き家の所有者から提供された情報をもとに、空き家を利用したいユーザーに紹介しています。自治体が運営していることから、利用する際に費用はかかりません。
空き家バンクに登録をして買主を探すことのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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空き家バンクで買主を見つけるのに向いている人
- 空き家バンクの制度について詳しく調べる事ができる人
- 買主だけではなく借り手も見つかりにくい家を所有している人
ただし、不動産業者に仲介してもらわない場合、仲介手数料は発生しませんが価格交渉や書類作成時にトラブルが起きやすいため注意しましょう。
空き家バンクのメリットとデメリットをさらに詳しく知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。

空き家バンクに登録して買主を探す流れ
- 古い家がある最寄り自治体で空き家バンクの制度があるか確認
- 空き家バンク利用申込書に登録する
- 自治体からの連絡があったときに内覧の対応
- 価格交渉で合意できたら契約
- 古い家の引き渡し
古い家をスムーズに売る6つのポイント
古い家を売却する方法についてイメージできたら、売却をスムーズに進めるためのコツについてもおさえておきましょう。ここでは特に重要な6つのポイントを詳しく紹介していきます。
- 最新の相場で古い家を売り出す
- 信頼できる不動産業者と媒介契約
- ホームインスペクションで古い家の状態を把握
- 不要な家財を処分
- 把握している家の不具合は正直に申告
- 古い家の境界を確定
最新の相場で古い家を売り出す
まずは売却を考えている古い家の相場を調べましょう。自身の利益を優先し高額で売り出してしまうと、誰からも見向きもされず内覧の問い合わせさえないでしょう。相場を調べる場合は、一括査定サイトを利用しましょう。買取の場合と同様に、複数社へ簡単に査定依頼ができ最新の相場がわかります。
使う時の注意として、事前に国土交通省の提供する不動産取引価格情報検索で、過去の実績や価格の傾向を掴んでおきましょう。一括査定サイトにある不動産業者は他の業者と競争をしているため、査定時に高額な金額を提示していても契約後に価格を下げられることがあるためです。
古い家を売却したいなら一括査定サイト「イエウール」がおすすめ
古い家の売却を検討している人に編集部がおすすめしたい一括査定サービスが「イエウール」です。イエウールがおすすめな理由について、以下にまとめています。
■イエウールがおすすめな理由
- 月間ユーザー数No.1で安心(2020年7月時点)
- 提携している不動産会社の数も業界No.1(2020年7月時点)
- 全国エリアをカバーしているので地方の不動産も売却しやすい
- 田んぼや畑など農地の売却にも対応している
- 悪徳業者が排除される仕組みがあるので安心して利用できる
※2020年7月「不動産の一括査定サイトに関するランキング調査」より(株)東京商工リサーチ調べ
不動産一括査定について詳しく解説した記事はこちらです。

信頼できる不動産業者と媒介契約
売りたい家の売却相場を確認したら、次に信頼できる不動産業者を見つけます。一括査定でリストアップされた不動産業者を、次の6つの基準で厳選しましょう。
- 古い家の取り扱いが得意
- 営業年数が長い
- 相場に近い価格で査定
- 行政処分を受けたことがない
- 具体的な売る戦略を提示してもらえる
- 自身の要望を汲み取って提案しもらえる
売却活動において、不動産業者との相性や信頼関係は不可欠なものです。本当にこの業者に任せて大丈夫かどうかの見極めないといけません。多少時間をかけてでも厳選した方が、トータルで売るまでの期間は短くなってくれるでしょう。
不動産業者の選び方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

ホームインスペクションで古い家の状態を把握
ホームインスペクションとは住宅の専門家が、住宅がどのようなコンディンションであるか、欠陥箇所やいつ補修を行うべきなのかを診断することをいいます。
古い家を購入しようと考える人は、その家の状態がどのような状態であるかを気にします。ホームインスペクションをすることで家が住めるような強度であることが分かれば、買い主は安心して購入ができますのでぜひ実施して下さい。
ホームインスペクションの費用は5~15万円が相場といわれています。不動産会社に相談すると無料で業者を紹介してくれます。
不要な家財を処分
家を売る際に、家財道具はそのままにしては売ることは難しいです。処分をしておかないと、不動産会社や解体業者から断られるかもしれません。家を残して売る場合も、解体して更地にする場合も家財の撤去は必ず必要になると覚えておきましょう。
一般的な家庭の家財処分は、4トントラックで1~2台分ほどの廃棄量となり、費用は15~25万円が相場となります。依頼をした業者によっては、見つかった骨董品などを買取りしてもらえ、廃棄費用に充てられます。
把握している家の不具合は正直に申告
家を売る際には良いところをアピールしがちですが、当然マイナスポイントもあるはずです。マイナスポイントを隠して売却した場合は責任問題となり補償費用の請求や損害賠償請求更には、契約解除となることも考えられます。
内覧時には、マイナスポイントとなる補修箇所やシロアリ、雨漏りや隙間風の存在また、騒音などがある場合には必ず不動産会社に偽らずに正直に申告をしましょう。買い主はその箇所を加味し、リフォームすべきところがわかるので知っておくことができ、後のトラブルが防げます。気づけていない不具合が心配な人は、瑕疵担保保険に加入しておくか売買契約書に責任を負う期間を限定しておくと、将来のリスクが下がります。
古い家の境界を確定
古い家の境界を確定するためには、確定測量を行う必要があります。これは専門の測量士によって行われる測量方法です。この測量には隣人や行政から許可を得る必要があるため、何も許可が要らない現況測量と比べて信用度も高くなります。
確定測量には現況測量と境界確定測量の2種類があり、境界を調べる際に使われるのは後者の測量方法です。ただ境界確定測量では、100~200平米の土地で35~80万円と3~4ヶ月の期間がかかるデメリットがあります。
一見費用対効果が釣り合わないように思えますが、境界の確定は上記で紹介してきたどの売り方でも必要になります。境界が曖昧なままいつまでも売れないと、測量費より維持費の方が高額になってしまうでしょう。
確定測量をする前に知っておきたい情報を紹介している記事はこちらです。

古い家の境界を確定する流れ
- 土地家屋調査士に測量を依頼
- 書類を元に現状の境界を測量
- 隣地の所有者が立ち会い境界を確定
- 杭や書類で正確な境界の証拠を残す
古い家を売って損をしない5つの節税対策
家を売ると利益に対して譲渡所得課税などがかかります。税率は最大で39.63%と高く、古い家が売れたとしても手元に残るお金は大幅に減ってしまいます。資産を無駄にしないため、次の5つの節税対策を実行しましょう。
- 相続した古い家を売り最大3,000万円の特別控除
- マイホームとして売り最大3,000万円の特別控除
- 売値が500万円以下で100万円の特別控除
- 解体をするなら固定資産税が上がる前に売る
- 古い家がある自治体で補助金の申請
相続した古い家を売り最大3,000万円の特別控除
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例という制度で、次の要件を満たして古い家を売ると、最大で3,000万円の控除を受けられます。
- 相続の直前まで被相続人が暮らしていた
- 1981年5月31日以前に建てられている
- 家を売った人が相続する
- 相続開始日から3年を過ぎた年の12月31日までに売る
- 売却価格は1億円以下である
- 他の特例や控除を使っていない
- 自身と生計を一緒にしていたり内縁関係に合ったりする人には売っていない
要件の中で特に注意して欲しい点が、古い家を売るまでの期間です。相続開始から期間が経ちすぎていると、控除を受けられなくなってしまいます。元々の利益次第で、100万円以上損をしてしまうかもしれません。
“参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 ”
マイホームとして売り最大3,000万円の特別控除
売却する古い家がマイホームで直前まで住んでいた場合、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」として最大3,000万円の特別控除を受けることができます。適用の要件は次のようになっています。
- 昭和56年5月31日以前に建築された建物である
- 区分所有建物に該当しない物件であること(分譲マンションのような場合は不可)
- 耐震基準を満たしていない場合は更地にするか耐震リフォームをしてから売却する
- 被相続人が亡くなった時点で一人で暮らしていた場合に限る
- 相続してから売却するまで引き続き空き家である
- 売却価格が1億円以下である
- 元マイホームでも転居してから3年後の12月31日までに売る
- たとえ取り壊したあとでも転居してから3年後の12月31日まで(もしくは取り壊し後1年以内のいずれか早い日まで)に売る
こちらも相続開始日から3年を経過する年の12月31日までに売れば適用されます。特別控除を受けたい場合は、売却希望時期から逆算してリフォームや取り壊しを進めるとよいでしょう。
“参考:国税庁 「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」”
リフォーム会社を効率的に探したい方は、比較サイトを紹介したこちらの記事もおすすめです。

売値が500万円以下で100万円の特別控除
「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」と呼ばれる最大100万円の控除で、価値が低い古い家を売る時に活躍します。適用させるため、次の要件に合う家なのかを確認してください。
- 都市計画区域内にあり、周囲の物件より著しく価値が劣る
- 売れた年の1月1日で所有期間が5年超え
- 売った先が親族や生計を一緒にしているなど、特別な関係にない
- 売却価格が500万円以下である
- 売った後にその土地が利用される
- 前年や前々年にこの控除を受けていない
- 他の特例や控除を使っていない
上記で紹介してきた3,000万円の特別控除が使えない時に、節税のため適用できないか検討してみてください。いずれの控除も確定申告は必要になるため、不安な方は最寄りの税務署などで無料相談も利用しましょう。
“参考:国税庁 「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」”
解体をするなら固定資産税が上がる前に売る
土地の上に住宅が建っていると「住宅用地の軽減」が適用され、その土地の固定資産税が安くなります。しかし空き家を取り壊してしまうと、軽減措置が受けられなくなることで土地の固定資産税が上がり、結果として全体にかかる固定資産税が高くなってしまう可能性があります。
固定資産税は毎年1月1日時点の状態で決まります。1月1日より後に解体をして、その年の12月31日までに売ってしまうと、固定資産税の増額するリスクを避けられます。売却期間を確保したい場合は、事前に不動産業者と相談して1月1日より前に解体の算段を立てておきましょう。
固定資産税についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。

古い家がある自治体で補助金の申請
自治体によっては、古い家の解体や耐震リフォームにかかる費用を一部補助してくれる場合があります。全国共通の制度というものはなく、都道府県からや市区町村からなど補助金の出所はさまざまです。
例えば神奈川県海老名市では「空き家活用促進リフォーム助成金」によりリフォーム費用の2分の1(50万円限度)までを助成してくれます(6カ月以上空き家で耐震基準を満たしているなどの条件あり)。
地方自治体が柔軟に動けるため、新設や廃止が急なケースも多いです。売却前に解体やリフォームを検討している場合は、必ず最新の情報をチェックするようにしましょう。
“参考:海老名市公式HP「令和3年度「空き家活用促進リフォーム助成金」について」”
空き家のリフォームで使える補助金制度については、こちらの記事でも紹介をしています。

古い家を売るのが難しい4つの原因
ここまで古い家は資産価値が低く売れにくい、という解説をしてきました。しかし古くてもその価値を維持している家もあります。
最後に、一般的に築20年を超える古い家はなぜ買主に毛嫌いされてしまうのか、その主な原因を取り上げます。売れにくい原因を理解し、適切な対策をとって売却プランを練りましょう。
主な要因は以下の4つが考えられます。一つずつ具体的に見ていきましょう。
- 老朽化をリフォームするために余計な費用がかかる
- 耐震性が低い可能性
- 立地によって建て替えが困難
- 隣接する土地との境界が曖昧でトラブルの元に
老朽化をリフォームするために余計な費用がかかる
古い家は、生活に必要な設備が古くなっている場合も多いため、そのまま住み続ける場合は買い手自身がお金をかけてリフォームをする必要があります。とくに水回り(浴室・キッチン・トイレ・給湯器・洗面所)は購入時にチェックされやすいポイントのため、老朽化している場合は売れにくくなる要因になります。
また、古い家は水道管設備も古い規格で造られている場合が多く見受けられます。そのようなケースでは、買い手が更地にして家を建て直すときに水道管の交換も必要になることがあるため、売れにくくなる要因につながります。
耐震性が低い可能性
家を建てる際には、建築基準法にのっとって建設がおこなわれ、その中には地震などに対応するための耐震基準が定められています。この耐震基準は1981年に改正されたため、それ以前に建てられた古い家は、新しい基準で建てられた家と比べて耐震性が弱く安全面での不安から売却が難しくなりがちです。
以前までの耐震基準が対応できたのは震度5程度でしたが、新しい耐震基準では震度7に耐えられるようになっています。そのため1981年以前に建設されたものかどうかは、古い家を売る際のポイントとなります。
立地によって建て替えが困難
古い家は最新の建築基準法から外れた容積率や建ぺい率(注1)で建てられていることが多く、その場合は同じような大きさへの建て替えが難しくなります。建て替えだけでなく増築も厳しく、仮に建て替えができたとしても以前より狭くなってしまう事もあります。
また2021年現在では、家を建てる土地は4m以上の幅がある道路に2m以上接していないといけません(接道義務)。災害時の避難経路や緊急車両の通過が可能な幅を確保するために、接道義務はあります。周囲が他の建物に囲まれた古い家では、建て替え自体が困難になっています。
注1)建物の面積が敷地面積に対してどの程度の割合を占めるのかを示す数値
隣接する土地との境界が曖昧でトラブルの元に
隣家との境界が曖昧なままになっている点も、同様に問題点の1つです。古い家が建っている土地は境界線の決め方が隣地所有者と曖昧に決めてしまい、わかりやすい看板や柱・境界標がないことが多く細かく境界線を定めていない場合があります。
このような土地を購入すると、知らずに隣地所有者が認識している境界を越えてしまい、トラブルに発展しやすいため、なかなか売れません。曖昧な状態を隠して売ってしまうと、発覚したときに契約不適合責任を問われます。
まとめ
古い家ほど、劣化や耐震性の問題などで売れにくくなります。しかしいつまでも買主が見つからないと、維持費はかかり続け、荒れていると特定空家に認定され固定資産税が上がります。
古い家を売るおすすめの方法は全部で7つあり、方法によっては費用がかかります。売って後悔しないために大事なことは、それぞれのメリットデメリットに納得し、専門家のアドバイスも受けて判断することです。手元に残るお金を増やすため、適用できる節税対策がないかもチェックしておきましょう。
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※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf
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