マンション売却の手順を徹底解説!失敗しないポイントも確認しよう

マンション売却

マンション売却など不動産売却は、一生の間にそう何度も経験するものではありません。

そのため、マンションを売却したいと思ってはいるものの知識があまりなく、「何をどのように進めていけばよいのか分からない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、マンションの売却を初めて行う人向けに、マンション売却の手順を「売り出し前」「売り出し中」「売り出し後」の3つに分けて分かりやすく解説していきます。

さらに、売却にかかる費用について、そして売却を失敗させないためにはどのような行動をしていけばよいかについても合わせて見ていきましょう。

マンションの売却とは

マンション売却を検討するにあたり、まず気になるのは次の2点なのではないでしょうか。

  • 売却に最適な時期やタイミングはあるのか
  • 売却にはどれくらい期間がかかるのか

それではマンションの売却に関する基本事項となる、それぞれの疑問について確認していきましょう。

マンションを売却する時期やタイミング

不動産売買の繁忙期は、進学や転勤などを理由に転居する人が増加する2~3月です。

春を迎える前のこのタイミングは、不動産が高く売れ、なおかつ売りやすいというダブルのメリットを掴める、マンション売却におすすめの時期だといえます。

その他に考えられるベストなタイミングは、次の通りです。

  • 土地価格が上昇しているとき
  • 不動産の価値が落ち切る前(※築15年以後は急激に成約価格が下がる)
  • 近隣の新築マンションの価格が上昇しているとき
  • 住宅ローンが低金利のとき
  • 売却で生じる所得税が安くなるとき

マンション売却にかかる時間の目安

マンションの売却には、いくつかのステップがあります。売却に関する大まかな流れを次の表にまとめたので、まずは一覧してみてください。

ステップ かかる期間
査定 1~2週間
媒介契約の締結 査定から1週間以内
売却活動(売り出し) 3ヶ月
申込~契約 約1週間
売買契約~引渡し 1~2ヶ月

これらの過程の中で最も時間がかかるのは「売り出し~成約」の部分です。

マンションの所在する地域により多少の差異はあるものの、マンションを売り出してから成約に至るまでにかかる期間は平均しておよそ3ヶ月となっています。

ただし、3ヶ月で売却が完了すると思ってはいけません。なぜなら、実際に売り出すまでの準備には思いのほか時間がかかり、さらに成約後すぐにマンションを引き渡せるわけではないからです。

売り出す前の査定にかかる時間と、成約してから引渡しまでにかかる時間を合わせると、マンションの売却にはおよそ5~6ヶ月かかることになります。

マンション売り出し前の準備

「マンションの売却にはいくつかのステップがある」と前の章で記述しましたが、それらのステップに至るまでに前もって自身で行動しておくことにより、売却をよりスムーズに進められます。

ここでは、マンションを売り出す前にどのような準備をするとよいのかを詳しく解説していきます。

自身で売却相場を調べる

不動産会社に査定を依頼する前に相場価格を掴んでおくことで、提示される査定額が高いのか低いのかがわかるようになります。

相場を調べるに次の2つの方法があります。

  • 近隣の似ている物件の、過去の取引価格を調べる
  • 近隣の物件が「今」いくらで売りに出ているかを調べる

近年では、これらの情報をネットを使って手軽に検索できるようになりました。

なお、近隣の似ている物件の取引価格がわかるサイトでおすすめなのは、レインズマーケットインフォメーション(※1)や土地総合情報システム(※2)です。

また、隣の物件が「今」いくらで売り出しているかが知りたければ、「中古住宅HOME4U(※3)」をはじめとする不動産会社のホームページで確認しましょう。

ちなみに不動産会社のホームページは売却価格ではなく、売り出し価格で提示されているので間違えないように注意してください。

(※1)レインズマーケットインフォメーション:国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているサイトです。

直近1年間に売買された価格情報が検索できるうえ、過去2年間の市場動向をグラフ表示で閲覧することが可能なので、価格の推移を把握できます。

(※2)土地総合情報システム:国土交通省が、実際に不動産取引を行った人を対象にしたアンケート結果をもとに、データベース化したサイトです。 実際に売買された取引価格情報を閲覧できます。

(※3)中古住宅HOME4U:こちらの相場価格検索なら、地域ごとの広さや間取り別の平均価格をマトリクス(一般に「数学の行列」のことをいう)で閲覧できるため、 直感的に価格を把握することが可能です。

マンションの売却計画を立てる

売り出したいマンションの住宅ローンがまだ返済中の場合、売却額で住宅ローン残債が返済できるかどうかが重要なポイントとなります。

また住み替えを考えているのであれば、次の物件をいくらほどで用意できるかという点も大切な問題です。

つまり、マンションの売却では、住宅ローンの残債・住み替える家の頭金・売却にかかる費用などを考慮し、あらかじめ資金計画を立てておく必要があるのです。

最初の段階ではひとまず、住宅ローンの残債がいくらかを確認し、次に購入する物件はいくらくらいを希望するのかを大まかにイメージしておきましょう。

マンション売却に必要な書類を集める

マンションの売却に必要な書類は想像以上にたくさんあります。わかりやすくするため、これから「売り主」と「権利」という2つのカテゴリに分類し、それぞれの必要書類を紹介していきます。

合わせて「不動産会社に売却を依頼するとき」に用意しておく必要書類についても記載しているので、目を通してください。

売り主に関する書類

売り主に関しての必要書類を次の表にまとめました。

必要書類 取得場所 費用 備考 必要となるタイミング
身分証明書 運転免許証など 媒介契約時・売買契約時・引渡し時
実印 売買契約時・引渡し時
印鑑証明書 役所 300円ほど 費用は自治体により異なる 売買契約時・引渡し時
住民票 役所 300円ほど 費用は自治体により異なる 引渡し時

なお、マンションを売却するにあたり、共有名義人がいる場合には名義人数分の書類が必要となります。そして原則として、共有名義人は決済時に立ち会わなければなければなりません。

権利に関する書類

権利に関する書類は次の通りです。

必要書類 取得場所 費用 備考 必要となるタイミング
登記識別情報通知もしくは登記済権利書 売り主が保有している 媒介契約時・売買契約時・引渡し時
固定資産税納税通知書 どちらかがあればよい 販売中
固定資産税評価証明書 役所 400円ほど(自治体により異なる) 売買契約時・引渡し時

登記済権利書に関していうと、平成17年に登記識別情報通知と呼ばれる1枚の紙になりました。ただしそれ以前に取得した土地なら、紙の権利書を所持しているはずです。

もしも権利書を無くしてしまった場合は、司法書士に再度作成してもらわなければならず、費用(10万円程度)が発生します。

さらに、マンション売却には次の書類も必要です。

必要書類 取得場所 費用 備考 必要となるタイミング
マンション管理規約書 売り主が保有している 販売中

不動産会社に売却を依頼するときに用意しておく書類

売買契約や決済時などといった「取引」には直接関係しないのですが、不動産会社に売却を依頼するとき、査定時に用意しておくべき書類があります。次の表にまとめたのでチェックしましょう。

必要書類 取得場所 費用 備考
登記簿謄本 法務局(オンラインも可能) 480~600円 売り主が保有している
購入時の売買契約書・重要事項説明書 売り主が保有している
住宅ローンの償還表 毎年金融機関から郵送されている
物件の図面(販売パンフレットなど) 売り主が保有している

このように、売却に必要な書類は数種類にも及びます。そして必要書類の全体を把握することで、何度も役所に取りに行く手間を省けます。なお、これらの必要書類は早めに揃えておくようにしましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼し比較する

必ず、複数の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。なぜかというと、不動産会社により査定額に差異が生じるからです。適切な査定額を把握するため、複数の不動産会社の査定結果を比較してください。

ただ複数の不動産会社に査定を依頼するのは、実際のところ面倒な作業です。

そこでおすすめなのが、ネットから不動産会社に無料で査定依頼できる「不動産一括査定サービス」です。一括査定を利用すれば、複数社の査定依頼の手間を少なくできます。

簡易査定が終了したら、気になる不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。ただし訪問査定は、実際に見て査定額を出してもらうので予定を合わせる必要があります。

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  • 厳選された優良不動産会社のみに査定を依頼したい
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その特徴は、提携不動産会社の数ではなく、質で勝負をしている点。一括不動産査定サイトを長年運営している株式会社Speeeが厳選した優良不動産会社に限っての査定依頼となります。なので、査定依頼が初めてで、どの不動産会社が良いのかよく分からないという人に特におすすめです!

また、すまいステップを利用して査定依頼をすると、各不動産仲介会社で累計100件以上の売買実績があるエース級担当者に出会えるため、不動産の売却が初心者であっても安心です。

不動産一括査定サイトランキングおすすめ21選!選び方や利用者の声も紹介!
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不動産会社を決め媒介契約を結ぶ

不動産会社を決定したら、次にその会社と媒介契約を結ぶ流れとなります。

媒介契約とは、不動産の売買や賃貸借の取引を行うにあたり、宅地建物取引業者(不動産業者)にその取引が成立するよう仲介してもらうときに結ぶ契約です。

そして媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」という3タイプの契約があります。それぞれの契約の特徴を次の表にまとめたので、1つずつ見ていきましょう。

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
複数の会社との契約 × ×
自分で見つけた買い主との直接取引 ×
レインズ(※)への登録 5日以内 7日以内 任意(登録義務なし)
業務報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 任意(登録義務なし)
契約有効期間 最大3ヶ月 最大3ヶ月 規定なし(3ヶ月が目安)
自由度 ★★ ★★★
不動産会社の注力度(目安) ★★★ ★★

(※)レインズ:不動産情報の登録と提供を行うコンピュータ・ネットワークシステムのことです。国土交通大臣の指定を受けた4つの公益法人(指定流通機構)が運営しています。

つまり、最も縛りが厳しい契約が専属専任媒介契約で、反対に最も縛りが緩いのが一般媒介契約なのです。なお、好条件のマンションは一般媒介契約を結ぶのが効果的だといわれています。

なぜなら、複数の不動産業者に依頼することにより、不動産会社同士を競争させられるからです。必然的に販売活動をする不動産業者の数も多くなるので、それだけ買い主が見つかる可能性が高まります。

マンション売り出し中の手順

次に、マンション売り出し中の手順について見ていきましょう。大きく3章にわけて紹介していくのですが、特に重要視したいのが「マンション内覧の準備」です。

内覧を行うにあたり、掃除や荷物の整理といったひと手間がとても重要となります。できる限り好印象をもってもらうため、丁寧に実践してください。

マンション内覧の準備を行う

購入希望者は、マンションを内覧したときの印象で物件を購入するかどうかを決定します。

そのため、物件の内覧は「ただの物件の確認」ではなく、「購入希望者によい印象を与えるための演出」であると考えるよう心がけてください。

具体的には、部屋や玄関・水回りの掃除、荷物の整理などを行います。普段の掃除以上に力を入れ、隅々まで丁寧に行いましょう。また、ベランダなど忘れがちな箇所もくまなくきれいにしておく必要があります。

さらに、見た目だけでなく匂いの対策も行うとよりベストです。

次に内覧準備の要点をリストにしたので、1つずつ確認しながら行うようにしてください。なお、住みながら内覧を行う場合には、荷物を整理することも物件の印象をあげる重要なポイントとなります。

掃除に取り組む箇所

  • 水回り(キッチン、お風呂、トイレ)は重曹やクエン酸などを使って磨き上げる
  • 玄関は内覧の第一印象、掃除(床・靴箱)を念入りに行う
  • フローリングを磨く
  • クロスの汚れを落とす
  • ベランダの片付け・掃除を行う
  • ロビーや共有廊下をきれいにしておく

荷物の整理

  • できるだけ部屋を広く見せるため、いらない家具や洋服などを処分する
  • 収納スペースを整理整頓する

マンション内覧の対応を行う

内覧当日は、部屋を明るくした状態でお出迎えするのがよいです。空調も整え、快適な空間で見てもらえる状況にしておきましょう。その際、室温だけでなく湿気もチェックすることが大切です。

また、スリッパの用意も忘れてはいけません。そして対応の際、購入希望者に対する積極的なアピールや不確実な発言はしないようにしてください。

なお、できれば対応は女性1人で行うのがベストです。子供やペットは預けたほうが、ゆっくりと内覧してもらえます。

内覧当日のポイント

  • 部屋を明るくし、空調を調整しておく
  • きれいなスリッパを準備しておく
  • 内覧の対応は女性1人で行う
  • 買い主の視点に立ち、物件の長所をさりげなく説明する

購入申込書を貰い価格交渉を行う

マンションを気に入った人は、不動産会社を通して「買付(購入申込書)」を提出します。この「買付(購入申込書)」には、どんな条件で購入したいかが記載されているので、内容をしっかりと確認してください。

購入申込書はあくまでも意思表示にすぎないため法的拘束量はなく、キャンセルされることも十分に考えられます。そのため先方の購入意欲が冷めないうちに、素早く価格交渉を行いましょう。

マンション売り出し後の手順

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マンションを売却できた後の手順は次の通りです。

  • 買主と売買契約を締結する
  • 引渡し準備を行う
  • 引渡しを行う
  • 必要に応じて確定申告を行う

いよいよ、マンション売却にまつわる一連の流れのクライマックスとなります。

宅地建物取引士や司法書士、銀行担当者といった専門家に任せきりにせず、どのようなことを行っていくのかを前もってしっかりと把握しておきましょう。

買い主と売買契約を締結する

売却金額が決まれば、買い主とのマンション売買契約を行います。

このときに必要となる書類に関しては、前述の「マンション売り出し前の準備/マンション売却に必要な書類を集める」で紹介しているので、参照しながら準備を進めてください。

なお、契約内容やマンションによっては、その他必要な書類等が発生するケースがあります。そのため、契約締結前に必ず不動産会社の担当者に確認しておくようにしましょう。

そして売買契約を行う際は、宅地建物取引士より重要事項の説明を受けます

重要事項とは、不動産売買に関して不動産会社が売り主・買い主に対して説明しなければならない事項のことです。内容としては、対象不動産の権利関係や法令上の制限、契約解除に関する事項などがあげられます。

重要事項の説明後、その場で買い主から手付金(一般的に物件価格の10%)を受領すれば、売買契約の締結は完了です。

引渡し準備を行う

売買契約が締結できたら、引渡しの準備を行いましょう。

具体的には、引渡し日の調整(一般的には約1ヶ月後)をしたり、マンションが抵当権が付いている場合は銀行に連絡して抵当権抹消書類の準備を依頼したり、引越し作業をしたりといった作業です。

引渡し準備の流れを次にまとめたので、一覧してください。

  • 引渡し日の調整を、買い主と仲介業者を通して行う
  • 住宅ローンの借入がある場合は銀行に連絡する
  • 銀行との手続きと同時進行で引越し作業を進める
  • 現場の立会いを行う

4点目にもあるように、引越し作業が終了すると、売り主・買い主・売り主側の仲介・買い主側の仲介立会いのもと現地の最終確認を行います。

荷物が撤去されているか、設備の故障がないかなどを確認する立会いです。なお、売買契約の際すでに空室である場合は、現地の立会いを省略することもあります。

引渡しを行う

引渡しとは、売買残代金の受領(※)と所有権移転登記、そして物件と鍵の引渡しの総称です。

買い主が住宅ローンを組む場合、引渡しは買い主が利用する銀行で行うのが一般的です。売り主と買い主、不動産会社、売り主の銀行担当者、買い主の銀行担当者、そして司法書士が揃って行います。

司法書士は、所有権移転登記をはじめとする登記の手続きを行うスペシャリストです。通常は不動産会社が司法書士を手配してくれるので、自身で司法書士を探す必要はありません。

そして、住宅ローンが残っている場合に限り、売り主側の銀行担当者も引渡し時に同席します。その際、売り主の銀行担当者は、抵当権を登記簿謄本から抹消するために必要な書類を持参してきます。

なお引渡し当日は鍵以外にも、マンションのパンフレット、取扱説明書、保証書、印鑑証明、権利書などを用意しておきましょう。

(※)売買残代金の受領:売買代金の中から手付金を除いた残金の入金を受けた後、仲介手数料の残金50%を不動産会社へ支払うよう義務づけられています。

必要に応じて確定申告を行う

確定申告とは1月1日から12月31日までの間に生じた所得の合計金額を、所轄の税務署に申告・納税することです。

不動産を売却した際、給与所得以外に譲渡所得(売却益)が発生する場合には確定申告が必要となります。売却の翌年2月16日から3月15日の間に行いましょう。

一方、売却代金から諸経費などを差し引いた後、売却益がでなければ、課税譲渡所得が発生しないため確定申告は必要ありません。

しかし不動産売却で損益が出た場合でも、確定申告を行うことをおすすめします。所得と損益通算すると、税金を抑えられる可能性があるからです。

マンション売却にかかる費用

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マンションを売却する際には、仲介手数料や印紙税、抵当権抹消登記の費用、譲渡所得税などさまざまな費用がかかります。そして、これらマンション売却時に必要な費用は、一般的に売却額の5~7%といわれています。

次に、マンションの売却にかかるそれぞれの費用の目安額をまとめたので、目を通してみてください。

項目 費用の目安
仲介手数料 (売却額×3%)+6万円+消費税
印紙税 1,000〜60,000円 ※売却金額により異なる
抵当権抹消登記の費用 司法書士へ依頼した場合5,000~20,000円程
譲渡所得税 売却した年の1月1日の時点での保有期間により異なる

  • 保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63%
  • 保有期間が5年超なら譲渡所得の20.315%

それでは上記の各費用について、詳しく見ていきましょう。

仲介手数料

仲介手数料とは、マンションをはじめとする不動産を売却する際、その仲介を不動産会社に依頼するときにかかる費用のことで、「宅地建物取引業法」により定められています。

仲介手数料の請求権は売買契約が成立したときに発生するため、売買契約が成立するまでは不動産会社に仲介手数料を支払う義務はありません。つまり、仲介手数料は「成功報酬」なのです。

なお仲介手数料の支払いは、売買契約締結時と引渡し完了時に半額ずつ支払うのが一般的です。

仲介手数料の上限額

仲介手数料は、次の通り売買代金の金額区分ごとに上限が設定されています。

【依頼主から受領できる報酬額】

取引額 報酬額(税抜)
200万円以下の金額 取引額の5%以内
200万円を超え400万円以下の金額 取引額の4%以内
400万円を超える金額 取引額の3%以内

仲介手数料の上限額の計算例

例えば、売買価格が1,000万円のマンションの仲介手数料の上限額は、次のように売買価格を分解して計算します。
  • a)200万円以下の部分
    200万円×5%=10万円
  • b)200万円超400万円以下の部分
    200万円×4%=8万円
  • c)400万円超1,000万円までの部分
    600万円×3%=18万円
  • a+b+c=36万円

この額に消費税を加算した金額が、仲介手数料の上限額になります。なお、400万円を超える物件については、次の式で仲介手数料の上限額を速算することが可能です。

仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税

印紙税

印紙税とは、不動産を売却する際に売り主と買い主との間で交わす不動産売買契約書に対して、その売買価格に応じた印紙を貼るために納める税金のことをいいます。

なお、平成26年4月1日から令和2年3月31日までの期間に作成された不動産売買契約書に貼りつける印紙は、軽減税率の適用を受けることが可能です。

軽減措置の対象となる売買契約書にかかる印紙税の税率は、次の表の通りとなります。本則税率と比較しながら確認してみてください。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え 1千万円以下のもの 10,000円 5,000円
1千万円を超え 5千万円以下のもの 20,000円 10,000円
5千万円を超え 1億円以下のもの 60,000円 30,000円
1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 60,000円
5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

抵当権抹消登記の費用

抵当権抹消登記は、マンションに抵当権が付いている場合に必要な費用です。なお抵当権とは、住宅ローンなどを借りる際に購入する住宅の土地や建物に金融機関が設定する権利のことをいいます。

登記費用は、登録免許税と司法書士報酬がかかります。その他、売却時には所有権移転登記も必要となりますが、こちらは買い主が行うのが一般的です。

登録免許税の費用と司法書士費用の相場を、次の表にまとめました。

費用項目 費用の相場
登録免許税 不動産1個につき1,000円(※マンションなどの場合、土地と建物で不動産2個となり1,000円×2個=2,000円を支払う必要がある)
司法書士報酬 5,000~20,000円程度(※登録免許税含む/司法書士事務所により異なる)

譲渡所得税

譲渡所得税は、マンションを売却して利益が発生した場合にかかる費用です。課税譲渡所得金額の計算は、次の公式に当てはめて算出します。

譲渡所得額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

【用語の解説】

譲渡価額 マンションを売却した金額
取得費 売却する不動産の建築代金や、売却するためにリフォームした場合の費用など
譲渡費用 売却のための仲介手数料や印紙代等、不動産を売るために支払った費用
特別控除額 最高3,000万円までの特別控除が認められている(※)

(※)特別控除を受けるためには、いくつかの要件を満たしている必要があります。また、3,000万円特別控除の特例を受けるためには確定申告が必要です。なお、譲渡所得が3,000万円以下の場合は税金がかかりません。

また譲渡所得は、売却する不動産や土地の所有期間により長期譲渡所得と短期譲渡所得に分類されます。

長期譲渡所得 不動産を売った年の1月1日で所有期間が5年を超えるもの
短期譲渡所得 不動産を売った年の1月1日で所有期間が5年以下のもの

そして、マンションなどの不動産が長期譲渡所得か短期譲渡所得かで、所得税と住民税の税率が変わります。それぞれの税率は次の通りです。

所得税 住民税 復興特別所得税(※) 合計
長期譲渡所得 15% 5% 0.315% 20.315%
短期譲渡所得 30% 9% 0.63% 39.63%

(※)復興特別所得税:東日本大震災後、復興に必要な財源を確保するため創設された新しい税金です。

つまり譲渡所得税は、譲渡所得額に長期譲渡所得の場合は20.315%・短期譲渡所得の場合は39.63%をかけた額になります。

このように不動産の譲渡所得税は、算出する際に用いる「所有期間」により税額が大幅に異なるのが特徴です。

例えば、平成26年4月1日に購入した不動産を平成31年4月1日に売却した場合は、平成31年1月1日時点での所有期間は4年であるため短期譲渡所得になります。

4年と5年では倍ほど税率が変わるので、慎重に売却する時期を見極めるようにしてください。

マンション売却を失敗させないポイント

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この章では、マンションの売却に失敗しないためのコツを大きく4点紹介していきます。特に「不動産会社を査定額で選ばない」点は、しっかりと頭に入れておきましょう。

不動産会社が提示する査定額が高いからといって、実際にマンションが高額で売れるわけではありません。

多くの人が勘違いしやすい重要なポイントとなるので、査定額のみに惑わされず、不動産会社の担当者の仕事に取り組む姿勢や自分との相性などを加味しながら会社を選択するようにしてください。

期間に余裕を持って売却する

マンションの売却においては、時間の余裕がないことが失敗の原因となりかねません。マンションだけに限らず不動産業界では、焦る気持ちから安く売ってしまうことを「売り急ぎ」といわれています。

売り急ぎで後悔しないよう、時間に余裕をもたせた売却計画を立てるようにしてください。マンションの売却は、早めに準備をしておくに越したことはないのです。

不動産会社は査定額で選ばない

不動産会社の査定額=売却価格ではありません。そのため、不動産会社は査定額のみで選択の判断をしないようにしましょう

媒介契約を結ぶために、査定額を高く提示してくる不動産会社も中には存在します。もしも査定金額の高さに違和感を感じるときには、その査定額が算出された根拠を不動産会社の担当者に尋ねてみてください。

「宅地建物取引業法」では、不動産業者は物件の売り出し価格について意見を述べる際、その根拠を明らかにすることが義務づけられているので、問い合わせれば必ず説明があるはずです。

なお、不動産会社の選択の際、査定額の高低よりも重要になるのは担当者の誠実な仕事ぶりです。不動産業界は担当者の権限が比較的強いため、希望通りに売却できるかは担当者次第であるともいえます。

査定額や会社の規模にこだわり過ぎず、担当者の仕事に取り組む姿勢、そして担当者と自分との相性を見たうえで不動産会社を決定しましょう。

また、不動産会社には得意分野・不得意分野があるので、その会社がマンション売却を得意とするかどうかの確認も忘れないように行ってください

誠実な不動産会社と出会うためには一括査定サービスの利用がおすすめ

マンションの売却を任せられるような信頼の置ける、誠実な担当者のいる仲介業者を探すのは手間も時間も掛かります。

一括査定サービスなら、厳選された優良な不動産会社のみを登録しているサイトも多く、Web上で必要事項を入力するだけで、マンション売却の得意な不動産会社を探すことができるので利用してみて下さい。

初めての方におすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」

■すまいステップはこんな人におすすめ
  • 初めてで不安だから実績のあるエース級の担当者に出会いたい
  • 厳選された優良不動産会社のみに査定を依頼したい
  • 悪徳業者が徹底的に排除された査定サイトを使いたい
不動産一括査定サイトランキングおすすめ21選!選び方や利用者の声も紹介!
不動産を売却するなら不動産一括査定サイトが便利です!手間なく複数社へ査定依頼して比較することができます。本記事では不動産一括査定サイトの基礎知識や注意点を取り上げ、おすすめ21サイトや選び方まで徹底解説します。査定サイトを探すなら必見です!

売り出し価格は慎重に決める

マンションの売り出し価格を高く設定しすぎるとなかなか売れない場合があります。逆に、安く設定しすぎて損をする可能性があることも事実です。

このように、売り出し価格設定の見極めは非常に難しいので、慎重に慎重を重ねて決めるよう心がけてください。

なお、価格の設定は相場価格+1割程度を目安にすることをおすすめします。中古マンションは値引きの交渉が盛んなので、値引き分をはじめから予測しておいたほうが得策だからです。

また売り出し価格だけではなく、最低価格(妥協点)もあらかじめ決めておきましょう。そうすれば、価格を下げすぎずに済みます。

マンション売却を不動産会社任せにしない

販売活動は不動産会社に任せてOKなのですが、100%任せっきりにするのはよくありません。特に販売活動中は、不動産会社の担当者と連絡を取り合い、状況をこまめに確認することが大切です。

案件をたくさん抱えている担当者である場合、こちらからの働きかけがなければどんどん後回しにされる可能性があります。また、知らないうちにこちらが不利な状況へと手続きを進められてしまうかもしれません。

担当者の働きをチェックする意味合いも兼ねて、連絡は密に取るようにしましょう。コミュニケーションをきちんと図れていれば、こちらの希望を明確に認識してもらえるので、よい売却ができる可能性が高くなります。

まとめ:マンション売却の手順を把握しよう

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これまで見てきたように、マンション売却の手順は大きく「売り出し前」「売り出し中」「売り出し後」の3つに分けられます。これらの手順をマンションを売却する前に把握しておいてください。

そうすれば、実際にマンションの売却を開始してからの工程を、手際よく効率的に進めていくことが可能です。

中でもマンションの売り出し前に行う「準備」は、売却成功のカギともなる重要な作業です。特に、不動産会社を決めるまでの間は自らが自発的に行う作業となるので、慎重かつ確実に実行していくようにしましょう。

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