[PR]

コンパクトシティって何?特徴から見る利点や先進事例を徹底解説!

用語解説・その他
本ページはプロモーションが含まれています。

コンパクトシティには、子どもから高齢者までたくさんの人が暮らしやすくなるメリットがあり、既にコンパクトシティ化が成功している事例が多数あります。

たくさんのメリットがあることで注目されているコンパクトシティですが、将来的にどのような見通しがあるか、また移住する際にはどのような点に注目すべきなのかなど、気になる点がは多くあります。

この記事ではそのような疑問点にスポットをあて、特にどのような人が移住するのにおすすめなのか、コンパクトシティは将来的にどのように発展していく可能性があるのかを実際の事例と共に紹介していきます。

不動産一括査定サイト利用者が選んだおすすめサービスTOP3

この記事を読まずに、先におすすめの査定サービスを知りたい人におすすめなのが、以下の3サービスです。

マイナビ編集部で実施した独自アンケート結果による「おすすめの不動産一括査定サービスTOP3」です。実際の利用者の声と編集部の知見が合わさってできたランキングですので、ぜひ参考にしてください。

※クラウドワークス、クロスマーケティング調べ(2021/4/9~2021/4/13実施 回答数380人)

 
すぐわかる!この記事3つのポイント!
  • コンパクトシティとは生活圏が小さくまとまった町のことです。人の流れによって発生する社会問題を解消するために需要が高まっています。
  • コンパクトシティに住むうえでのメリットは、災害時の対応がしやすい、環境問題に貢献できる、などです。一方でデメリットには、地価の上昇による商業施設の失敗リスク、居住地の制限とトラブルの増加、などがあります。
  • コンパクトシティは、子どもが暮らしやすい街に住みたい人、インフラや自治体サービスが充実した都市で暮らしたい人、などにおすすめです。自分の暮らし方の希望と一致しているか確認したうえで、住むかどうかを検討しましょう。

コンパクトシティとは

コンパクトという言葉には“小さくまとまった”という意味があり、コンパクトシティは生活圏が小さくまとまった町と定義されています。

コンパクトシティを実現するためのマスタープラン(計画の基本的な方針)には立地適正化計画があり、これは住居だけでなく医療や商業施設、学校などを町に集約させる計画です。

スマートシティと同義にとらえられがちなコンパクトシティですが、前者はテクノロジーの活用により生活の質向上を起点としているのに対し、後者は土地空間を起点としているという点で異なります。

コンパクトシティ構想の歴史と日本

コンパクトシティの歴史は、経済が成長し、人口が増えライフスタイルが変わったことにより構想されたもので、コンパクトの反対語である“スプロール化(拡散)”を防ぐ都市という概念があります。

都市デザインの構想としては1970年代から存在していましたが、実際に政策が開始されたのはヨーロッパで登場した1980年代からです。特にヨーロッパの中でも成功例が多いのはドイツで、日本では2000年代に入ってから注目されはじめました。

三大都市圏である中心都市の東京・大阪・京都を始め、政令指定都市の仙台市・広島市、中核市の和歌山市は、大学進学や就職などで東京圏ヘの人口流出が顕著だったこともあり、今後コンパクトシティ構想を利用した地域活性化が期待されています。

コンパクトシティはなぜ必要か

コンパクトシティがなぜ必要なのか、その理由はドーナツ化現象により悪化するスプロール化やスポンジ化といった、将来的に悪化が予想される社会問題を解消するためです。それぞれ問題視されているのは以下の点です。

好ましくない現象 起きること
ドーナツ化 中心部の人口が減少し郊外の人口が増加する現象
スプロール化 郊外に計画性のない建設物の増加や無秩序な開発が広まる現象
スポンジ化 都市自体の大きさは変わらないまま人口減少により都市内に穴が開き密度が下がる現象

上述の3つの現象は往々にして密接に関係していることが多く、人の流れで一つの現象が起これば、次々と次の現象を引き起こしやすいことで知られています。またこれらの現象が起こると都市としての機能低下に繋がり、さらに状態が進めば不活発な地域が多くなることで国自体の活性化も損なわれるということも懸念されます。

これらは、現在の30〜40代、子どもがいる親世代にとって無縁ではなく、目を向けていかなければならない問題です。都市としての機能低下を防ぎつつ向上させていくために、住居や商業施設、医療・福祉が小さくまとまった町であるコンパクトシティの需要が高くなってきています

東京一極集中はコンパクトシティか

本来、コンパクトシティ構想は一極集中ではなく分散集中型を理想としており、日本のコンパクトシティ構想における東京一極集中は望ましくないとして、疑問視されることが多くあります。

東京で一極集中した場合には東京の効率が良くなるかもしれませんが、高齢者の安心や生活の質、その他の都市で起こっている過疎化や都市機能の低下を改善することはできません。つまり東京一極集中を実行するということは、地方創生の取り組みに歯止めをかけるのと同じで、矛盾が生じてしまうのです。

また2016年の時点で、東京都都市整備局は美術館の来館者や美術館自体が少ないことを問題に挙げており、他にも高齢者の就労希望は増加しているにも関わらず、実際の就労率は2割程度に止まっているという指摘もあります。

福岡市は国連から優良都市に指定

福岡県は国連から正式に優良都市に指定されており、国連ハビタットの優良事例全26都市の1つに選ばれています。これはコンパクトで暮らしやすいまちづくりが評価されたことが背景にあります。

国連ハビタットとは都市化と人々の居住に関する問題に取り組む国際機関で、日本では福岡のみ優良都市に指定されています。他の国ではカナダのトロント大都市圏、フランスのリヨン、アメリカ合衆国のチャタヌーガが26都市に含まれており、評価された事例も都市によって異なります。

コンパクトシティの現状

日本の現状を見ると、コンパクト・プラス・ネットワークとグランドデザイン2050という2つの団体が指揮をとり、数多くの地域が都市全体でのコンパクトシティ化を目指していることがわかります。これらの取り組み概要は以下のとおりです。

コンパクトシティへの取り組み 概要
コンパクト・プラス・ネットワーク コンパクトかつ地域ネットワークを絶やさないようにする
グランドデザイン2050 高齢化の節目2050年を見据えた新しい国土づくりの理念

人口減少・高齢化は今後も進むことが予想されるため、中心都市をはじめ、特に地方都市において地域の活力を維持することはもはや必須課題といえるでしょう。医療・福祉・商業等の生活機能を確保し、高齢者が安心して暮らせるよう公共交通と連携してコンパクトなまちづくりを進めるのが、コンパクト・プラス・ネットワークの概要です。

また、グランドデザイン2050は、以下のような懸念点に焦点を当てています。

  • 急速に進む人口減少
  • 巨大災害の切迫性
  • 国土形成計画策定後の国土状況変化

これらの点に関係した各地域が抱える問題点や危機感を共有し、2050年を見据えた国土の理念や考え方を協議しつつ解決することが主な目的です。

こういった政策により、高齢者も安心して暮らせるまちづくりを目指し、東京や大阪などの中心都市だけでなく地方都市もコンパクトシティとして機能するよう動き出しています。

コンパクトシティはこんな人におすすめ

コンパクトシティに移住する人は、利便性の増加や自治体の行政サービス向上、個人間のつながりの変化、選択の自由の増加といったメリットに魅力を感じています。

続く部分ではコンパクトシティがどんな人におすすめなのかを具体的にみていきましょう。

子どもが暮らしやすい街に住みたい人

コンパクトシティは行政サービスの充実化を始め環境問題への取り組みも多く、子育てをしている人にぴったりです。

行政サービスが充実するということは、福祉や医療、教育機関の設備が整うことを意味するため、子どもが豊かな教育が受けることができます。他にも交通アクセスが見直され、電車や車での移動がコンパクトになり、通勤時間を減らすことにも繋がります。

また行政サービスの充実として例を挙げると、千葉県流山市では駅前送迎保育ステーションという駅から保育所まで安全に子どもを送迎するシステムの導入により、夜9時まで延長保育で預かってもらえます。

こういったサービスが充実するため、子供が暮らしやすい街に住みたい人にコンパクトシティはおすすめなのです。

待機児童解消や多様な保育の充実

コンパクトシティが実現することで、待機児童の解消や多様な保育の充実が期待できます。実際に、一度に100人が入所できる環境を作り上げ、待機児童の解消に成功した実績のある都市もあります。

こういった取り組みを進めることで新たな保育サービスも生まれ、若くして子どもを持った人でも暮らしやすく子どもを育てやすい、そんな街づくりがコンパクトシティの持ち味です。

保育の受け皿を整備するため税制優遇

保育の受け皿としてそれに関わる施設が設置され、一定期間税制を優遇することで保育機関の増設が見込まれています。

これは新しい施設を建てることはもちろん、今まであった古株の認定こども園を整備することも保育の受け皿整備に入っており、こういったサービスの充実を図るために市から補助金が出されます。

つまりコンパクトシティが実現する都市では他のサービスと同様に教育環境が整い、親の負担も減らすことができるのです。

公立小中学校・スポーツ施設の整備

地域の小中学校統廃合において、地域との関係希薄化を防ぐため、コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の設置廃校を利用した体験活動・学習活動地域の大学との連携などが検討されています。

この他にも学校を拠点に地域コミュニティの形成を図るため、公民館や図書館などの社会教育施設との復合化、「余裕教室」とも呼ばれる学級数の減少により増える空き教室の活用などが期待されています。

中心市街地への大学移転

現在では郊外型キャンパスも数多くありますが、全学部で実施するのは難しくても一部のみ中心市街地に戻すよう誘致した都市もあります。

例えば山形県鶴岡市の鶴岡タウンキャンパスは、慶應義塾大学先端生命科学研究所・東北公益文科大学大学院・致道ライブラリーから構成されており、周辺は公園のようになっていたり、市の無料駐車場があったりと一般の人も利用できるよう開放されています。

これから大学進学を考えている人は、近隣の自治体が現在コンパクトシティについてどのような活動をしているかホームページなどで調べることをおすすめします。大学は小学校や中学校と異なり、規模が大きいためにすぐ中心市街地へ移転することは厳しい場合が多い傾向にあります。

施策の変化によって自治体の状況も変化していくため、将来的に引っ越しをするのであれば、継続的に調査していくと実際の対応がしやすくなります。

インフラや自治体サービスが充実した都市で暮らしたい人

コンパクトシティにはインフラを整備し生活の質を高めるという目標があるため、インフラを始め、自治体でのサービスが充実した都市で暮らしたい人にもおすすめです。

インフラが整備されるということは、交通アクセスが整って移動時間が少なくなることや、経済の活性化が期待されます。具体的な事例とともにどのような良い効果があるのか見ていきましょう。

移動の時間が減る

コンパクトシティは、福祉・医療、教育、行政など様々なセクターのコンパクト化により、利便性を向上させる目的があります。そのためインフラ整備により交通アクセスもコンパクトになり、移動時間を短縮することができます。

通勤などの移動時間が減ると、家族と過ごす時間や趣味に使う時間が増えるというメリットがあります。

例えば栃木県宇都宮市では、既存の都市構造を活かして旧町村の中心部を交通ネットワークでつなぎ、コンパクトシティを実現しようとしています。

公共交通を軸にした富山市の事例

成功した事例の1つである富山県富山市では、コンパクトシティ化の前には自動車交通へ高い依存が問題として挙げられていました。そこで、問題解決のために鉄道や路面電車の沿線に居住から商業、その他のサービスを集積させ、徒歩圏内で最低限のサービスが受けられるようなコンパクトな街づくりを実現しました。

低床で乗り降りしやすく静かで揺れの少ない日本初のlrt(light rail transitの略)路面電車は公共交通整備に大きく貢献しています。このように交通手段のシフトチェンジにより、自動車の利用を減少させること成功しました。

富山市はSDGs(国連が定めた2030年までに達成すべき都市の課題と具体的目標)の実現モデルになり得ると期待・評価され、2018年に内閣府のSDGs未来都市に選定されました。

経済が活性化する

交通アクセスがコンパクトになり移動時間が減ると、いろいろな場所で商品やサービスが消費しやすくなりために経済が活性化されます。施設への交通の利便性だけでなく、その地域にあるデパートや商業施設へ出かける時間の余裕が生まれ人の流れが生まれます。

それだけでなく一つひとつの施設が近くなることにより、スーパーで食品を買った後に薬局へ行こうというように消費効率が増し地域の経済活性化へ繋がるのです。

事例・住民の意思を尊重した北海道夕張市

経済活性化の事例として、人口減少、高齢化、財政破綻をコンパクトシティの実現により改善した北海道夕張市の事例を紹介します。

夕張市ではかつて炭鉱の街と呼ばれていましたが、閉山が相次いで起こったことにより人口の減少が起こり、2014年には1万人を下回るほどでした。それまでに観光開発に着手するなど対策を講じましたが、2007年に財政再生団体に指定され財政破綻となりました。

そこで、厳しい財政下の中でも生活の質を落とさず生活していくため、「夕張市まちづくりマスタープラン」が策定されました。このまちづくりで挙げられた問題点と改善方法を以下の表で紹介していきます。

課題点 改善方法
急速な人口減少で少子高齢社会の進展 ・地域主体の高齢福祉
・学校統廃合へ配慮した子育て福祉
・生涯学習やそれに必要な公共交通機関の充実
依存と受け身体質な財政再生団体 ・市営住宅の再編で活発化を図る
・公共交通機関の編成
産業転換による停滞と市街地の分散 ・地域参加型の福祉ビジネス
・未利用宅地の再利用でコンパクト化推進

地区ごとのコンパクト化が中心的な構想ですが、将来的なビジョンとしては南北軸への市街地集約化、そこに収まらない地区に関しては市の中心地区に集約するという方針が出されています。

この他にも、住民の意思を尊重するため住民の合意を得て住宅移転事業を実現させ、団地住民の移転により維持管理費が削減されたという実績もあります。具体的には北海道大学と連携をしてアンケートを実施し、そこからできるだけ住民の意見を考慮した移転が行われました。

こういった夕張市の取り組みから、コンパクトシティ化を実現するためには住民の理解と合意を得て行政のみに関わらず研究機関の人たちなど地域全体で一体となって目標に取り組むという点を参考にするべきでしょう。

個人間のつながりにも選択肢を持ちたい人

コンパクトシティ化が実現すると、移動が楽になるため単身世帯、家族連れ、高齢者などその地域に住む人達は外出しやすくなります。そうすると、住民間のコミュニケーションが増えて様々なコミュニティが形成されていきます。

年齢や生活形態が似ていて同じようなステータスを持つ人が集まることで、特に単身世帯や高齢者は孤立することがなくなるため、日常的に人と交流することができます。これは全ての住民が交流を持たなければいけないということではなく、交流の場が形成されることでコミュニティに参加する選択肢、つまり自由があるということです。

定年後の住み替えを考えている人

コンパクトシティ化の実現は、移動時間の減少やコミュニティが形成されること、行政サービスの充実化が図られるため、高齢者にとって暮らしやすい街になることを意味します。

病院や薬局などがあまりに遠いと移動時の負担も大きくなってしまいますが、交通アクセスがコンパクトになれば移動しやすくなり、他の住民との交流の機会も増え、生き生きとした生活が送れるようになります。

行政サービスの充実が行われると、狭い地域内にサービスを集約させることで地域住民の利用増加につながります。その結果税収の増加も期待できるのです。一例として、学校などの教育施設や役所の出張所施設数が必要ない場合もあります。保育機関と連携した新しい子育て支援は、今後期待できるサービスとして注目されています。

その他のメリットと成功例

ここまでコンパクトシティ化による経済の活性化や行政サービスの充実などのメリットを解説してきましたが、その他にも期待できるさまざまなメリットがあります。

ここからは災害時の対応を始め、社会的な面での成功例をもとに紹介していきます。

災害時の対応がしやすい

コンパクトシティ化により、主に災害の危険性が低い土地を活用すれば迅速な避難が可能になります。

東日本大震災に被災した宮城県山元町では、災害対策を重視して少子化や高齢化、スプロール化を解決するためにコンパクトシティをスローガンに掲げました。コンパクトシティ化を進めるにあたって必要な技術者を他の地域から支援してもらいながら、被害が大きかったJP常磐線の復旧ルートの検討や、移転先の候補地の集約や災害危険区域の指定を行っています。

アフターコロナのコンパクトシティ

新型コロナウイルスによるクラスターの形成やパンデミック被害軽減のため、アフターコロナ・ウィズコロナが叫ばれている今、東京一極集中型を改善することは不可欠です。東京一極集中にしてしまった場合、災害リスクも高くコロナのような感染症によるクラスター等が発生した場合に、医療機関が足りず機能しなくなる可能性もあります。そのため分散型のコンパクトシティを実現し、感染症が流行した場合でも、周辺地域の病院が支援できる体制を整えることが大切です。

地方がコロナにより疲弊し機能が低下すると、競争力を失い生活の質の低下へと繋がります。地方への分散型を進めるために提唱されているのが以下の点です。

  • 地域の資本ストックの充実・発展
  • 脱炭素化支援を含めたコンパクト・プラス・ネットワークの推進
  • ヒューマンスケールのコンパクトシティ

資本ストックとは、機械や建築物などの物以外にも社会の協調性によって生まれる信頼やネットワーク、天然資源、個々の技術やスキルといったものを全てまとめたものを指します。これらが充実している地域はその土地だけで必要を賄うことができるのでコンパクトシティ化につながります。

また脱炭素化とは再生可能エネルギーとして注目されている太陽光やバイオマスを利用したエネルギー源へ変換することをいいます。この取り組みがコンパクトシティ化に取り入れられると温暖化対策にもつながるので、世界的にも高い評価を受けるまちづくりが期待できます。

ヒューマンスケールのコンパクトシティは、一人一人がコンパクトシティ化に向けて取り組めることです。例えばインフラ整備で移動が便利になった分、自転車や徒歩での移動をするよう心掛けたり、リモートワークを希望したりすることで東京一極型からの脱却や地方分散強壮型の社会づくりに貢献できます。

環境問題に貢献できる

コンパクトシティの実現は、地球温暖化や緑の減少などの環境問題の解決にも貢献することができます。

一例として交通アクセスがコンパクトになることで自動車の利用が減少し、その結果排気ガスによる地球温暖化の抑制に繋がるという良い効果が期待されています。また、以前までは森林伐採により居住区域を広げていましたが、コンパクトシティの実現により周辺に新たな樹木を植えることができるので、森林伐採の抑制になります。

各地でコンパクトシティ化を実現することで、都心部や中心地域に人口が集中することを防げるので人口の集中により気温が異常に上昇するヒートアイランド現象の抑制にも役立つという相乗効果も嬉しい結果です。

海外の事例

コンパクトシティの海外事例として有名なのはポートランドでしょう。ポートランドでは、都心部と郊外を区切って、都心部では開発を中心に行い郊外では農地や森林を保全するという効率的な方法でコンパクトシティ化を実現しました。都心部で目指したのは車社会を脱することです。歩いて移動できるよう無秩序な都市化を抑えつつ住居や職場スーパーなどを徒歩圏内に設置しました。

都市部のビル街では1階を商業施設にして2階以上には各会社の事務所や住居を置くミックスドーユを取り入れています。その結果時間に関係なく街に活気が戻り、時間ごとのエネルギー消費量が均等になるなどの良い効果も得られました。

コンパクトシティのデメリット

コンパクトシティにはメリットが多くあり、高齢者や子どもも住みやすい街づくりの施策として注目されています。しかし、失敗した事例や、そこから考えられるデメリット・問題点も挙げられます。続く部分では失敗事例やデメリットと問題点について詳しく解説していきます。

地価の上昇による商業施設の失敗例

人が多い方が不動産の価値が高まるという観点から、非現実的な事業計画を作成し逆に地価の格差が生まれ、コンパクトシティ化が失敗するという例は少なくありません。

一例として以下の地域が挙げられます。

  • 青森市・アウガ
  • 佐賀・エスプラッツ
  • 秋田・エリアなかいち

まずは地方財政の悪化、除雪問題、下水道の整備の悪さが課題であった青森市・アウガの例です。青森は日本初のコンパクトシティ化挑戦地域です。しかしコンパクトシティの象徴として建設されたアウガは、建設当時の称賛は長く続かず大赤字となり失敗に終わりました。

次は佐賀県・エスプラッツの事例を見ていきましょう。課題となっていた市の再開発が期待されていたさなか、自動車の大衆化や商業施設等が閉店するといった思わぬ不運に見舞われ事業は失敗してしまいました。

最後は2012年に開業したものの、売上目標を達成できなかったことを理由に撤退した秋田市の総合食品売り場エリアなかいちの事例です。エリアなかいちが撤退を迫られたのは開業からわずか2年のことで、その後同施設内でも撤退が続き、テナントの入れ替えも強いられました。

このように課題や失敗理由はそれぞれですが、この他にもバブル崩壊による失敗など日本・世界の経済状況に左右される場合もあります。紹介した事例は全てが悪かったわけではなく、コンパクトシティ化を念頭に商業施設を建設することで住民が買い物しやすくなり税収が高まることを目標にした点は、成功していた場合評価ポイントになるでしょう。

青森市の商業施設であったアウガは、現在公共施設へ変更するために動き出しており、佐賀市のエスプラッツは新しいマネジメント組織により、市民とのコミュニケーションを大切にしながら再生への道を歩み始めています。また秋田市のエリアなかまちは、交流館や商業施設など4つの施設・広場を有する施設へと変わり、文化交流の拠点となっています。

居住地の制限とトラブルの増加

コンパクトシティでは、居住地域と環境保全地域を区分するため、居住地域以外の住民は移動を余儀なくされます。特に郊外の住民にとっては生活スタイルが大きく変化することになるので、苦労する可能性も0ではありません。また特定の地域に住民を移動させてしまった場合、人口の二極化も考えられます。そのため、こういった点では特に、現在郊外に移住しているターゲットには注意が必要です。

他にも、コンパクトシティ化されることにより住居も密集するため、騒音やプライバシーの問題と言った、近隣トラブルも考えられます。しかしこれはコンパクトシティでなくても通常の引っ越しにも他の住民との関わりによるトラブルが起こる点は同じなので、あくまでも可能性の1つとして考えましょう。

持続可能な都市へ向けての将来予測

成功例・失敗例を経て、今まで着手していなかった地域でもコンパクトシティ化を推進し始めることが、将来予測としてあります。

現在は持続可能な都市を形成するために、立地適正化計画の作成を支援したり、子育て・学校教育医療・福祉といったサービスへの支援が積極的に行われており、世界的に環境問題がフォーカスされている今、さかんに論文を発表している大学等もあります。

環境問題の他にもエコを重視したコンパクトシティ化を進める地域もあり、行政でなく民間でもコンパクトシティについて考えることで、より制度や概念が洗練されていく前向きな可能性が考えられます。

国土交通省は次の政策ステージを発表

令和元年7月30日に、国土交通省はコンパクトシティ政策の次のステージについてという報道資料を発表しました。この資料には、コンパクトシティ化の実現に向けて実施されている、立地適正化計画の改善や実効性の向上、地域の居住人口の回復、郊外の商業施設立地の抑制など、様々な施策が記載されています。

国土交通省は、平成30年3月に地方創生のモデルとして32都市を選定しましたが、都市計画は経済に左右されるため、今後もコンパクトシティが必要とされた背景にある社会問題は継続します。しかし持続性経済との連携など施策例があるからこそ得られたデータをもとに、今後もコンパクトシティ構想は続いていくでしょう。

まとめ

コンパクトシティには、高齢者も安心して暮らせるようになることや、都市としての機能も高まるといったメリットがあるため、目的に合致すれば暮らしやすい町になることは確かです。

しかし行政や住民の求める「まちの理想像」それぞれに違うため、一概にコンパクトシティ=暮らしやすいといえないというリスクも抱えています。それでコンパクトシティはどういった特徴があるのか、自分の暮らし方の希望と一致しているのかというように、今後の動向をふまえて検討することは大切です。

コンパクトシティの全体的な施策を知り、具体的に住みたい都市がある場合は、その地域についての情報収集をすることで計画を具体的に進めていくことができます。この記事で取り上げた事例を参考にしながらコンパクトシティを取り入れた豊かな生活を楽しみましょう。

不動産を売却した後にコンパクトシティへ移住を考えているならこの記事もおすすめ

家を売る基礎知識と手順を徹底解説!注意点や損をしないコツも紹介
長年住んだ家を、引っ越しや相続、投資など様々な理由で売る場面があるでしょう。しかし多くの人にとって、家を売るのは初めてのことで、漠然と不動産会社に任せたらよいとは思っていても、実際何から始めたらよいのか悩む人も多いでしょう。 家は高額...

※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
https://www.rosenka.nta.go.jp/
https://www.retpc.jp/chosa/reins/
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf


◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。
タイトルとURLをコピーしました