話題のホームステージングにをすることによって売却しようとしている不動産の売却価格は上がるのか、気になっていませんか。
売却予定物件をモデルルームのように演出するホームステージングは、アメリカから輸入した昨今話題の売却手法で、費用的に余裕のある場合であれば、売却前に検討しておいても損はありません。
この記事では、そんなホームステージングのメリット・デメリットや費用、具体的な方法を紹介します。あわせて、自分でホームステージングする場合のポイントや注意ポイントも解説しますので、古い不動産を高い値段で売却したいと考えている場合などは、参考にしてください。
ホームステージングで効果的な売却活動ができる
まずは、家(Home)を演出する(Staging)ホームステージングの概要を紹介します。ホームステージングとはどんなサービスなのか見ていきましょう。
ホームステージングとは
ホームステージングを簡単にまとめると、中古の戸建てやマンションなどの売却予定物件を、モデルルームのように演出し、購入検討者に好印象を与えるサービスと言えます。アメリカでは一般的に行われている手法でもあり、日本でも少しずつ注目を集めています。ホームステージングした後の写真をインターネット広告に載せたり、購入検討者に内覧してもらったりすることによって、査定額を上げられる可能性もあるでしょう。そのため、家を高く売りたい場合は、ホームステージングを取り入れるのか検討しても損はありません。
ホームステージングを専門に行っているサービスもある
ホームステージングの専門業者も存在しています。売れる物件を演出するために、以下のようなサービスを提供しています。
- 売却プランニング
- 家具・小物の貸し出し
- 家具の設置
- 写真撮影
- 売却までのサポート など
また、専門業者に依頼する流れは、以下の通りです。
- 相談
- 定物件の調査
- プランニング
- 業者と契約
- ホームステージングの作業開始
- 成約
- 家具撤去
こうした幅広いサポートによって、購入検討者に好印象を与え、査定額アップや早期の売却を目指せます。ホームステージング専門会社がどのようなサービスを行っているのかは、後の章で詳しく紹介します。
ホームステージングのメリット
ホームステージングを利用する具体的なメリットは、以下の通りです。
- 買い手に興味をもってもらえる
- 内覧時に生活をイメージしてもらいやすい
- 売却期間を短縮できる
- 売却価格を高くできる
それぞれのメリットを知り、ホームステージングを依頼するべきなのか、検討しましょう。
買い手に興味をもってもらえる
魅力的になった室内を撮影でき、買い手に興味をもってもらえることは、ホームステージングの大きなメリットです。ホームステージングによって、チラシ、あるいはネット広告の物件一覧の写真の中から、内覧してみたいと思ってもらえる写真を撮影できるでしょう。中古不動産の購入希望者は、売却価格や築年数、立地などの情報だけではなく、物件写真の印象で内覧先を決めることも少なくありません。ホームステージングでこだわった写真を撮影し、ライバル物件との差別化を図りましょう。
内覧時に生活をイメージしてもらいやすい
ホームステージングは、モデルルームのように家具を配置して、内覧者に生活のイメージを感じてもらえるサービスでもあります。特に空き家にしていた場合であれば、殺風景な部屋を見てもらうよりも、家具や小物を置くことで暮らしのイメージがつかみやすいでしょう。このように生活のイメージを感じてもらえる室内にすることで、内覧者に良い印象を与えられますが、生活感が出すぎてしまう場合は魅力的な室内に感じられない可能性もありますので、注意が必要です。
売却期間を短縮できる
ホームステージングによって、早く売却できることもメリットに挙げられます。「日本ホームステージング協会」の調査によると、売却までの平均日数には、次のような結果が出ました。
- 2016年~2017年の実態調査
- 回答数:マンション121、戸建て47
- 回答エリア:全国
ホームステージングしない | ホームステージングした | |
マンションの場合 | 124日 | 40日 |
戸建ての場合 | 210日 | 88日 |
マンションでも戸建てでも、ホームステージングした方が売却までの平均日数は短いです。また、不動産売買において物件の「見せ方」が重要であるとも判断できます。
参考文献:ホームステージング白書2017
売却価格を高くできる
ホームステージングで演出した効果によって、相場よりも売却価格を高くできる可能性があります。なぜなら、「日本ホームステージング協会」の調査によると、ホームステージングによって平均約23万円アップして売れたというデータがあるからです。そのため、できるだけ高値で売却したい人にとっては、うってつけのサービスだと言えるでしょう。
また、ホームステージングを実施する場合の平均費用は約18万円という結果もありますが、長い期間売れ残ったことによる値下げと比べると、ホームステージング費用以上の効果を望めます。
参考文献:ホームステージング白書2017
ホームステージングのデメリット
ホームステージングは、メリットばかりではありません。主なデメリットは、以下の通りです。
- 居住中に行うのは難しい
- 費用をかけても必ず高く売れるとは限らない
- 効果がはっきり見えにくい
各デメリットも把握して、賢くホームステージングを活用しましょう。
居住中に行うのは難しい
家の中を魅力的に演出するホームステージングは、住みながらでも可能です。しかしながら、本格的にホームステージングをする場合、一度家具を搬出したり、撮影後には再度搬入したりするなど時間と手間がかかります。また、住んでいる場合であれば、内覧希望者に応じられる時間帯・期間が限定されるでしょう。室内の生活感が出すぎてしまうケースも少なくありません。このように、居住中にホームステージングを行うことは難しいと認識しておいてください。
費用をかけても必ず高く売れるとは限らない
ホームステージングに費用をかけても、必ず売却できるとは言い切れません。なぜなら、不動産売却は、物件の築年数や立地、周辺環境、外観など、室内以外によっても影響されるからです。費用をかけてホームステージングしても、悪条件の立地やかなりの年数が経っている物件であれば、高く売れるとは限らないでしょう。ホームステージングは、部屋の中をよく見せる手法ではあるものの、家自体を改修するリフォーム・リノベーションとは異なります。つまり、ホームステージングの効果は、保証されるものではないと認識しておくことも重要です。
効果がはっきり見えにくい
ホームステージングは、はっきりとした効果が見えにくいこともデメリットです。ホームステージングをした分だけ、高い金額で売却できるのかは約束されるものではありません。ホームステージングをしなくても、「駅チカなどの好立地」「築年数が浅い」「眺望が良い」などの理由で、スムーズに売却できる物件もあるでしょう。つまり、ホームステージングを利用する際は、費用面を意識することが重要です。費用に関しては、次章で詳しく紹介します。
ホームステージングの費用
ホームステージングにかかる費用は、空き家の場合と居住している状態とで異なります。それぞれの費用の目安を見ていきましょう。
空き家の場合のホームステージング費用
空き家の場合だと、ホームステージング費用は150,000円~300,000円くらいかかるでしょう。費用は数ヶ月単位で区切られていることが多く、1回ごとの支払いではありませんが、室内に家具がないため、家具を丸ごとレンタルしなければならず、高めの金額設定となっています。また、運び入れる家具の数やグレードが上がるほど料金は高くなることも認識しておください。さらに、水回りのホームステージングも、費用がかさむことも意識しておきましょう。
居住しながらのホームステージング費用
人が住んでいる場合のホームステージング費用は、空き家の場合のホームステージング費用よりも安く、約50,000円を目安にしましょう。基本的には家具をレンタルすることなく、業者のアドバイスに従い自身でコーディネートするため、抑えめの費用です。もちろん、家具をレンタルすることも可能ですが、その分費用は50,000円よりも遥かにアップします。少なくとも、空き家よりは費用を抑えられる可能性が高いと認識しておきましょう。
ホームステージングする方法
ホームステージングは、ホームステージング専門会社やホームステージングを扱う不動産会社、家具・インテリアを扱っている会社に依頼できます。また、自分でホームステージングする方法も無視できません。こうしたホームステージングする方法について詳しく解説します。
ホームステージング専門会社に依頼
専門会社に依頼することで、スムーズにホームステージングできます。一部ホームステージング専門会社のサービス内容・料金は、次の通りです。
社名 | サービス内容 | 費用 | オプション |
ホームステージングジャパン |
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サマンサ・ホームステージング |
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※2020年9月時点
ホームステージングジャパンは、ヨーロッパ系の生活空間を演出したい場合に、サマンサホームステージングは、コーディネート・片付けにノウハウのある業者に依頼したい場合におすすめです。また、こうした専門会社に依頼すれば、最新機材を使用した写真撮影も依頼でき、室内を魅力的に撮ってもらえるでしょう。
ホームステージングを扱う不動産会社に依頼
不動産会社がホームステージングサービスを提供しているケースもあるため、不動産会社に依頼することも可能です。売却エリアの主要ニーズに合ったホームステージングをしてもらえたり、「ホームステージャー(※)」という資格を取得した営業担当者が無料でアドバイスしてくれたりすることもあります。また、広告に使う写真をより美しく撮影するプロカメラマン撮影もサービスに含まれている場合もあります。こうした特長のあるホームステージングを扱う不動産会社を見つけるために、不動産一括査定サイトを利用しましょう。
不動産一括査定サイトは、無料で複数社に査定依頼を一括で出せるサービスです。提携している不動産会社から利益を得ているため、ユーザーに対して利用料はかかりません。また、自動で依頼先をリストアップしてくれるため、不動産会社探しの手間が省けることも特長です。さらに、インターネットを接続できる環境であれば、24時間いつでも申し込めるため、時間に縛られず利用できます。
不動産一括査定サイトを選ぶ際は、全国対応で登録不動産会社が多いかどうかをチェックしましょう。1,000社以上登録されているサイトであれば、業者の数が多く選びやすいす。また、一括で査定依頼できる件数が多いほど、無駄な依頼の手間が省けるためおすすめです。
(※)顧客層などの調査や、ターゲット層に向けて魅力的に演出するプロフェッショナルに与えられる資格
おすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」

- 初めてで不安だから実績のあるエース級の担当者に出会いたい
- 厳選された優良不動産会社のみに査定を依頼したい
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その他の一括査定サイトや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

家具やインテリアを扱っている会社に依頼
「ニトリ」のような家具やインテリアを扱う会社でも、ホームステージングを行っています。家具やインテリアを扱っている会社であれば、家具の種類が豊富にあり、コストを抑えて行えるメリットがあります。例えば、「ニトリ」のように安価でさまざまな家具を提供している場合、家具を購入しても、レンタルよりも費用を抑えられる可能性があるでしょう。
そんなニトリのホームステージング費用は、以下の通りです。
- 写真のみ:6.5万円~
- 1ヶ月レンタル:8.5万円~
- 3ヶ月レンタル:10万円~
※2020年9月時点
さらに、小さな部屋用のシンプルプランと家族住まいのスタンダードプランにわかれており、3D-VR撮影サービスも提供されています。
参考文献:ニトリのホームステージング
自分でホームステージングする
できるだけ出費を抑えたい場合は、自身でホームステージングする方法もあります。専門誌やカタログなどを参考にしながら、室内をコーディネートしますが、どうしても時間と労力がかかってしまいます。しかし、もともとインテリアに興味がある場合ならば、苦労することなく取り組めるかもしれません。次の章では、詳しく自分でホームステージングする場合のポイントを解説します。
自分でホームステージングする場合のポイント
自分でホームステージングする場合は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 部屋を広く見せる
- 部屋を明るく見せる
- 長所を活かして短所はカバーする
ホームステージング費用を節約したい人は、参考にしてください。
部屋を広く見せる
モデルルームのような部屋を演出して、内覧者に好印象を与えるためには、部屋を広く見せる必要があります。そのコツは、できるだけコンパクトな家具を配置することです。他にも、部屋の中のものを減らして、床が見える面積を多くし、広さを感じさせることが重要です。高さのある家具は部屋が狭く感じられるため、できるだけ背の低い家具を選ぶようにしましょう。その他、部屋を広く見せるための家具の選び方・レイアウトのコツは、以下の通りです。
家具の選び方・レイアウトのコツ | 詳細 |
ガラス素材のテーブルを使う | 家具の向こう側が見えて、「抜け感」がある |
家具の素材感やテイストを揃える | 家具のデザインを統一しないと、悪目立ちしてしまう |
手前から奥に向かって家具を低くする | 順番に低くなるようにすると、遠近法で奥行きを感じられる |
小物を収納する際は壁を活用 | 床に家具を置かずに済む |
視線の集中する場所を作る | オブジェなど目のつくポイントがあると、周りが気にならず狭さを感じさせにくい |
部屋を明るく見せる
部屋を広く見せるだけではなく、部屋を明るい印象にすることもホームステージングには欠かせません。部屋を明るく見せるためには、床・壁の色が暗いとどんよりしたイメージになってしまうため、白系で統一することです。カーテンの白色にすることで、反射によって部屋を明るく見せられます。また、重量感のある厚手のカーテンではなく、滑らかで軽やかな布地のカーテンを選びましょう。
さらに、天井のシーリングライトだけでなく、照明ランプなどを使用して明るさを演出しましょう。鮮やかな色の小物や観葉植物を配置しても、雰囲気がよくなり全体的に明るいイメージの写真が撮れます。
長所を活かして短所はカバーする
カーテンや小物を利用して部屋の長所を目立たせたり、短所をカバーしたりすることも重要です。日当たりや間取り、各設備などに欠点があったとしても、ちょっとした工夫でイメージを変えられます。例えば、それほど人気のあるわけではない狭いユニットバスの場合、明るい色のシャワーカーテンをつけることで、可愛らしい雰囲気を作れます。
広いキッチンを強調させたいケースでは、大きめの皿やカラフルな食品サンプルを飾ることで、好印象を与えられます。ホームステージングを行う際は、100円均一ショップやホームセンターなどで小物を揃えておきましょう。
ホームステージングの注意点
ホームステージングを行う際の注意ポイントは、購入者目線になることと、費用を回収できない場合のリスクを考えることです。それぞれの詳細を見ていきましょう。
自分で行う場合は購入者目線になる
ホームステージングの専門家に依頼した場合、売り手が気づかない物件の魅力を引き出せるだけではなく、購入者目線で効果的に演出してくれます。購入希望者層の年齢・収入などを分析し、家具やインテリア、小物を選ぶノウハウも持っています。
しかし、自分でホームステージングを行う場合は、素人だからこそ購入者目線を意識することなく、売却につながる演出をできないかもしれません。予算的に余裕のある人はプロに任せる方が確実ですが、自分で行いたい場合は、物件のメリット・デメリットを正確に把握し、自分の好みに偏らず、客観的な視点でコーディネートすることを意識しましょう。
費用を回収できない場合のリスクを考える
ホームステージングには、どうしても費用がかかってしまいます。自分で行う場合でも、同様です。ホームステージングの費用をかけた分だけ高く売れる可能性はありますが、絶対に売れるとは限らないため、高額になりすぎないように注意することも重要です。事前にホームステージング分の金額を上乗せして売却できるのか、しっかりと考えておきましょう。
不動産の動きをチェック
費用を回収できない場合のリスクを考えるだけではなく、不動産を高く売るコツを知っておいても損はありません。例えば、不動産の動きが活発になりやすい2~3月の間に売却活動を行うことで、高く売却できる可能性があります。また、景気の変動・増税によって不動産市場の動きに変化があるため、売りやすい時期を見極めることも重要です。
内覧スケジュールもポイント
内覧のスケジュールに柔軟に対応することも、不動産を高く売るコツです。なぜなら、内覧後すぐに申し込みが入ることもあるからです。そのため、内覧希望者がいる場合は、平日夜・土日含め、日時を限定しないようにしてできるだけ希望に合わせるようにしましょう。東向きならば午前中、西向きであれば午前中~14時くらいまでが室内のよく見える時間帯で、購入につなげられる可能性もあります。
信頼できる業者を選ぼう
売却活動に対応してくれるのは不動産業者のため、実績多数で信頼できる会社を選ぶことも、不動産を高く売るために欠かせません。免許番号の更新回数から業者の信頼度をチェックできたり、行政処分を受けたことがあるのかは「ネガティブ情報等検索システム」から確認できたり、優良不動産業者を見極める方法はたくさんあります。正確な売買スケジュールを教えてくれない場合や売却の戦略性が乏しい場合、売却プランを押し付けようとする場合などは、信頼度が低い可能性もあるため、別の業者に変更することを検討しましょう。
まとめ
モデルルームのように演出するホームステージングによって、買い手に興味をもってもらえたり、売却期間を短縮できたり、売却価格を高くできたりするメリットがあります。しかしながら、費用をかけても必ず高く売れるとは限らず、効果がはっきり見えにくいデメリットもあるため、ホームステージングする前に、費用面を確認しておきましょう。居住中にホームステージングを行うことは難しいことも認識しておいてください。
そんなホームステージングは、専門会社やホームステージングを扱う不動産会社だけではなく、ニトリなどの家具・インテリアを扱っている会社に依頼できます。また、費用をかけたくない場合は、自身で行うことも可能です。自分でホームステージングする場合は、部屋を広く明るく見せることと、長所を活かして短所をカバーすることを意識しましょう。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
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