数ある火災保険の中で、どこに加入しようかとお悩みではありませんか?自然災害のニュースも多い昨今、大切な家への万が一の備えを見直したいと考えている人も多いでしょう。

火災保険にはさまざまな種類があり、商品によりサービス内容や料金、補償範囲はそれぞれ異なります。いざというときに後悔しないためには、自分が住んでいる地域や建物に適した火災保険を選ぶことが大切です。
そこで本記事では、厳選したおすすめの火災保険9選を紹介します。専門家の見解も交えつつ、分譲戸建て、分譲マンション、賃貸物件の3つのパターンに分けて紹介するので、保険選びにお役立てください。
また保険選びに悩む場合は、火災保険の一括見積もりサービスや無料相談を利用することで、複数の保険を比較して自分に合ったものを選び、払い過ぎを防ぐことにもつながります。保険商品と併せて、おすすめの保険一括見積もりサービスや無料相談窓口もピックアップするので、ぜひ参考にしてください。
・おすすめの火災保険9選(戸建て・分譲マンション・賃貸別)
・おすすめの火災保険一括見積もりサービス4選
・火災保険の選び方(持ち家・賃貸別)
・火災保険の基礎知識
・火災保険料の相場
・保険料が高いと感じる場合の見直しポイント
・火災保険に加入する際の注意点
・火災保険に関するよくある質問
火災保険の一括見積もりサービスなら「保険の窓口 インズウェブ!」
この記事を読む前に、まずは複数の保険会社の商品を比較したいという人には「保険の窓口 インズウェブ!」がおすすめです。インズウェブには次のような強みがあります。
- 金融業界大手のSBIホールディングスが運営する信頼できるサービス
- 最大15社の多様な火災保険を比較できる
- 地震や自動車保険なども併せたプラン提案が可能
おすすめの火災保険9選|戸建て・分譲マンション・賃貸ごとに紹介
さっそく、おすすめの火災保険を戸建て・マンション・賃貸物件に分けて紹介します。物件タイプによって適切な火災保険は異なるため、自身の住まいに合う保険選びの参考にしてください。
まずは一覧で比較してみましょう。
物件タイプ | 戸建て向け | 分譲マンション向け | 賃貸向け | ||||||
サービス名 | SBI損保の火災保険 | THEすまいの保険 | 新ネット火災保険 | ホームアシスト(家庭総合保険) | トータルアシスト住まいの保険 | セコム安心マイホーム保険 | お部屋を借りるときの保険 | ミニケア賃貸保険 | 新型火災共済 |
運営会社 | SBI損害保険株式会社 | 損害保険ジャパン株式会社 | ソニー損害保険株式会社 | 楽天損害保険株式会社 | 東京海上日動火災保険株式会社 | セコム損害保険株式会社 | 日新火災海上保険株式会社 | チューリッヒ少額短期保険株式会社 | 全国生活協同組合連合会 |
補償範囲 | ・建物+家財 ・建物 |
・建物+家財 ・建物 ・家財 |
・建物+家財 ・建物 |
・建物+家財 ・建物 ・家財 |
・建物+家財 ・建物 ・家財 |
・建物+家財 ・建物 ・家財 |
・建物+家財 | ・建物+家財 | ・家財 |
ネット見積もり | ◯ | × | ◯ | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | × |
保険期間 | 最長10年 | 最長10年 | 最長10年 | 最長10年 | 最長10年 | 最長10年 | 1年 | 1年 | 1年 |
支払い方法 | ・一括払い | ・月払い ・年払い ・一括払い |
・月払い ・年払い ・一括払い |
・月払い ・年払い ・一括払い |
・月払い ・年払い ・一括払い |
・月払い ・年払い ・一括払い |
・一括払い | ・一括払い | – |
おすすめポイント | 独自のお得な保険料割引制度 | 自然災害も含む補償が充実 | 自由度な組み合わせで保険料節約 | 保険料の一部を楽天ポイントと連携 | 住まいのニーズに合わせてプランを選択 | ホームセキュリティの補償に強み | 全国一律料金で周辺補償も充実 | リーズナブルな保険料で最短翌日スタート | 見舞共済金や割戻金がある |
リンク | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |

ある程度自分で比較できる商品知識のある方はネット見積もりで試算し、自分で選ぶことが難しい場合は、保険代理店などを通して比較してもらうのもいいでしょう。
以下で各商品の特徴を詳しく紹介します。
戸建て向けおすすめ火災保険3選
まず、戸建て物件におすすめの火災保険を3つ紹介します。
SBI損保の火災保険
SBI損保の「SBI損保の火災保険」は、補償内容が自由に組み合わせられる点が魅力です。火災、落雷、破裂・爆発の補償は必須で加入しなければなりませんが、風・雪・雹災、水災、盗難、水漏れ、破損の補償については任意で組み合わせることができます。補償対象も自由に選べるので、住まいや備えたいリスクに合わせて補償が選べます。
また、火災リスクの少ない住宅に対する割引制度が充実していることも特徴です。火災リスクの少ないオール電化住宅や新築住宅に対する割引のほかにも、喫煙者がいないと割引されるノンスモーカー割引もあります。
SBI損保の火災保険はこんな人におすすめ!
- 補償内容や範囲を無駄なく選択したい人
- 火災リスクの少ない家に住んでいる人
- 居住者に喫煙者がいない人
THEすまいの保険
損保ジャパンの「THEすまいの保険」には、戸建て・分譲マンションそれぞれに3つのプランが設けられています。子育て家族向けの「ベーシック(Ⅰ型)」、標準モデルの「ベーシック(Ⅱ型)」、補償を最低限にして保険料を抑えた「スリム」の3つのプランから最適なものを選ぶことができます。また家財のみを補償するプランを選ぶことも可能です。
万一の保険金も、復旧に付随して発生する費用についても補償されます。築年数の古い建物も、実際の復旧費用が支払われるため安心です。
さらに公式サイトでは、保険料クイック試算のサービスが提供されています。あらかじめ保険料を把握でき、ほかの保険との比較にも役立つでしょう。
THEすまいの保険はこんな人におすすめ!
- いくつかのプランから最適な保険を選びたい人
- 万一の際に受け取る保険料や補償に不安がある人
- 地震保険とセットでお得に加入したい人
新ネット火災保険
ソニー損保の「新ネット火災保険」は、インターネットで申し込むダイレクト販売によって保険料が抑えられる点が評価されています。代理店を介さないため加入までの手間や時間も少なく済み、利用しやすいところもメリットです。
また、補償内容は自分で選ぶことができます。立地条件などから考えて、家財に対する補償の有無も詳しく選択可能です。さらに割引内容も充実しています。保険証券をペーパーレスにすると3%割引になる「証券ペーパーレス割引」や、自動車保険や医療保険に加入していると割引になる「マイページ新規申込割引」など、利用しやすい割引が多数そろっています。
新ネット火災保険はこんな人におすすめ!
- 保険料を少しでも抑えたい人
- インターネット申込やペーパーレスに抵抗がない人
- 補償内容を選んで無駄のない保険を利用したい人
分譲マンション向けおすすめ火災保険3選
続いて、分譲マンションにおすすめの火災保険は次の3つです。
ホームアシスト(家庭総合保険)
楽天損害保険の「ホームアシスト(家庭総合保険)」は、水害リスクによって保険料が安くなる独自のサービスを提供しています。ハザードマップの判断で水害リスクが低いエリアの家なら、通常よりも安い保険料で補償が提供される仕組みです。ほかにもインターネット契約なら保険料が10%割引など、リーズナブルな価格設定が評価されています。
保険料が抑えられるだけでなく補償内容も充実しており、必要に応じて選択できるので一人ひとりのニーズに合わせて利用できます。詳しいパンフレットもWeb上で確認することができて便利。さらに保険料の支払いで楽天ポイントが貯められる点もメリットです。
ホームアシスト(家庭総合保険)はこんな人におすすめ!
- 料金を抑えながら万が一の事態に備えたい人
- 水害リスクの少ないエリアに住んでいる人
- 楽天ポイントを貯めている人
トータルアシスト住まいの保険
トータルアシスト住まいの保険では、原則地震保険とセットで加入できます。火災、風災、水災といった基本的な補償対象に加え、地震による倒壊や火災、津波による流失についても保証されるので安心です。
補償タイプは3種類あり、例えば水害リスクの低い高層階のマンションに住むなら、水災への補償がないマンション向けタイプを選ぶなど需要に合わせて選択できます。
保険金の手厚さや支払いの早さも魅力的で無料の付帯サービスも多いため、より安心感の高い保険を求めている人におすすめです。
トータルアシスト住まいの保険はこんな人におすすめ!
- 地震保険とセットでの加入を考えている人
- 高層階マンションに住む人
- 安心感の高いサービスを求めている人
セコム安心マイホーム保険
「セコム安心マイホーム保険」は、セキュリティシステムで有名なセコムグループの火災保険です。補償範囲の異なる3つのプランを用意しており、必要性や予算に合わせて選択できます。
また、基本プランにオプション補償として特約を付けることも可能です。例えば、臨時費用保険金補償特約、破損・汚損損害等補償特約、個人賠償責任補償特約など、必要な補償を付けることができます。
高い補償能力だけでなく割引制度も充実しているのも魅力です。セコム安心マイホーム保険独自の割引としては、ホームセキュリティ割引が挙げられます。火災や盗難の危険を警備会社で常時監視する機械警備を導入している場合は、構造によって保険料が割り引かれる仕組みです。自宅の防犯に関心が高い人には特におすすめです。
セコム安心マイホーム保険はこんな人におすすめ!
- 希望の補償範囲に応じて加入したい人
- 自由に必要な特約を組み合わせたい人
- 警備会社による防犯対策をしている人
賃貸向けおすすめ火災保険3選
最後に、賃貸物件向けの火災保険を紹介します。
お部屋を借りるときの保険
「お部屋を借りるときの保険」は、住所変更することで別の賃貸住宅に引っ越しをしても、解約・再加入の手間がかからない点が特徴的です。クレジットカードを持っていればインターネットですぐに加入でき、住所変更や補償に関する問い合わせもWeb上で行うことができます。
年間の保険料は4,000円からとかなり経済的です。住所変更した際にも、追加料金を請求されることはないので安心してください。また、鍵の紛失や水漏れといったトラブルへのサポートや弁護士相談費用の補償、自転車事故の賠償など、補償内容も充実しています。
お部屋を借りるときの保険はこんな人におすすめ!
- 短期間で引っ越しする予定がある人
- 手間や費用をかけずに万一に備えたい人
- 自転車事故など日常の賠償責任にも備えたい人
ミニケア賃貸保険
ミニケア賃貸保険は、保険会社大手のチューリッヒグループが運営しています。インターネットから簡単に手続きができ、最短で翌日から補償がスタートします。
また、家財も補償範囲に含まれる点はメリットです。冷蔵庫や洗濯機といった家電はもちろん、衣類やカバン、ゲーム、本といったものについても補償されます。そのほか、個人賠償責任や万が一の際の生活再建費用についても補償があるので安心です。
補償額を選んで保険料を決めることができ、年間3,610円から契約可能で経済的です。
ミニケア賃貸保険はこんな人におすすめ!
- 大手運営会社による安心感の高い保険を利用したい人
- 万一の場合に手厚く備えておきたい人
- 補償額を抑えて保険料を節約したい人
新型火災共済
全国生協連が提供する新型火災共済は持ち家に対しても補償されますが、保険期間が1年間と短いので賃貸物件にもおすすめです。
地震の被害にも対応しており、臨時費用が発生した際の見舞共済金なども充実しているため、サポート力の高さに定評があります。決算後に剰余金が生じた場合は、割戻金として返金される点も魅力的です。
保険に加入するためには出資金を払い込み、組合員となる必要があります。補償内容や特約コースは都道府県によって異なるため、各都道府県民共済ホームページで確認しましょう。
新型火災共済はこんな人におすすめ!
- 安心して利用できる非営利の保険を選びたい人
- 見舞金の支払いがスピーディーな保険を利用したい人
- 割戻金を受け取りたい人
保険の比較におすすめの火災保険一括見積もりサイト4選
よりよい火災保険を利用するためには、保険商品を比較することが大切です。そこで火災保険一括見積もりサイトを利用することをおすすめします。会社ごとに1商品ずつ資料請求して内容までチェックするのは大変ですが、一括見積もりサイトなら一度の入力で複数社の見積もりを手に入れることが可能です。
今回は、以下の4つの一括見積もりサイトを紹介します。
サービス名 | 保険スクエアbang! 火災保険 |
保険の窓口 インズウェブ! |
住宅本舗 | カンタン火災保険 |
運営会社 | 株式会社ウェブクルー | SBIホールディングス株式会社 | 株式会社A2Z | 株式会社ユースラッシュ |
設立年 | 1999年 | 1999年 | 2015年 | 2018年 |
最大見積もり数 | 26商品 | 15社 | 16社 | 19商品 |
見積もりに要する時間 | 数日中 | 数日中 | 2〜1週間 | 最短当日 |
おすすめポイント | 日本最大級の保険比較サイト | 大手運営の安心サービス | 厳選した商品から選べる | スピーディな見積もり |
リンク | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |

まずは基本の条件を入力し保険料を比較して2、3社に絞ったら、必要な特約など詳細な見積もりをとって比較するといいでしょう。
それぞれの特徴を見てみましょう。
保険スクエアbang! 火災保険
※画像引用元:「保険スクエアBang!火災保険」公式HP
保険スクエアbang!(バン)火災保険の運営会社である株式会社ウェブクルーは、1999年設立後から多岐にわたる分野で比較サービスの開発・運営に努めてきました。特に、「ズバット車買取比較」「ズバット引越し比較」「ズバット不動産売却」などの比較サービスを展開する「ズバット」ブランドを中心に、人々のライフステージに関わるサービスを多数展開しています。
「どこよりも早く、どこよりも簡単に解決できるサービスに挑み続ける」という経営理念のもと、これまで1,500万人以上(株式会社ウェブクルーが運営する比較サイトの総合利用者数)の多様なニーズと商品のマッチングを実現。保険スクエアbang!(バン)は、今や日本最大級の保険比較サイトです。
保険スクエアbang!(バン)火災保険では最大26商品を比較でき、何度利用しても完全無料です。見積もり依頼後は保険アドバイザーが最適な補償プランを提案してくれますが、無理な勧誘は一切ありません。不明点などあれば、納得がいくまでアドバイザーが相談にのってくれます。
保険スクエアbang!(バン)火災保険はこんな人におすすめ!
- 実績・ノウハウが備わったサービスを利用したい人
- なるべく多数の商品を比較したい人
- 専門のアドバイザーにしっかりと相談にのってもらいたい人
保険の窓口インズウェブ!
※画像引用元:「保険の窓口インズウェブ!」公式HP
保険の窓口インズウェブ!は、上場企業のSBIホールディングス株式会社が運営する火災保険一括見積もりサイトです。利用者数は1,000万人を突破しており、多くのユーザーに支持されています。
提携する保険会社は15社で、地域や住まいによっては15社すべてに見積もりを依頼することもできます。火災保険だけでなく、地震保険や自転車保険の比較にもおすすめです。
見積もりは約3分で簡単に依頼でき、数日以内に見積もり結果が届きます。要望があれば要望欄に記載することもできるので、希望に合わせた見積もりが可能です。
保険の窓口インズウェブ!はこんな人におすすめ!
- 大手企業の運営で安全なサイトを選びたい人
- 見積もりに詳細な希望がある人
- 地震保険や自転車保険にも興味がある人
住宅本舗
※画像引用元:「住宅本舗」公式HP
住宅本舗は、提携する16社の保険会社のなかから40の火災保険商品を比較できます(2022年5月時点)。提携会社は国内19社のうち上位の16社に限られているため、大手の多様な商品を比較検討することが可能です。
また累計利用者は75,000人を超え、利用した92%のユーザーが「見積内容に満足」と回答しています(2022年5月時点)。連絡の早さや相談しやすさ、比較できる商品の豊富さなどが評価されています。
住宅本舗では、すでに所有している見積もりについても一緒に相談が可能です。不動産会社やハウスメーカーからもらった見積もりをもとに、あらゆる商品と比較することができます。
住宅本舗はこんな人におすすめ!
- 多くの保険商品をまとめて比較したい人
- ユーザーの評判のよいサイトを利用したい人
- 不動産会社やハウスメーカーからすでに見積もりをもらっている人
カンタン火災保険
※画像引用元:「カンタン火災保険」公式HP
カンタン火災保険は、デジタルマーケティング事業を展開する株式会社ユースラッシュが運営しており、使いやすく見やすいサイトづくりが魅力的です。90.6%のユーザーがほかよりも安い見積もりを獲得することに成功しました(2018年8月~2020年9月のアンケートより)。
また、スピーディーな見積もりもメリットのひとつです。12時までの見積もり依頼で、最短で当日に見積もり提示が可能です。ただし、15時までに電話で保険内容の確認を受ける必要があります。
見積もり依頼する時期によっては、ギフト券などが得られるキャンペーンを実施していることもあるので、サイトをチェックしてみましょう。
カンタン火災保険はこんな人におすすめ!
- より安い火災保険を見つけたい人
- すばやく見積もりを提示してほしい人
- キャンペーンを利用してお得に見積もり比較をしたい人
火災保険の選び方|住まいのタイプ別に解説!
火災保険の一括見積もりなどを利用して、希望に合いそうな保険をいくつか絞り込んだら、最終的な選択をします。このとき、最適な商品を選定するために指標にしたいポイントを紹介します。
火災保険は、「持ち家」向けと「賃貸」向けの商品の2つに分けられ、よい火災保険を選ぶ方法も住まいのタイプごとに異なります。戸建て・分譲マンション向けと賃貸向けの火災保険の選び方をそれぞれ見てみましょう。
【持ち家】向け火災保険の選び方
まず、戸建て・分譲マンションなど持ち家に適した火災保険の選び方を解説します。
持ち家の場合は火災保険の保険期間や補償金額が大きい分、保険金も高くなりやすいので慎重な判断が必要です。次のような流れで選びましょう。
- 保険の対象を決める
- 持ち家に必要な補償内容を決める
- 保険金額・期間を決める
1. 保険の対象を決める
まずは保険の対象を決めることから始めましょう。火災保険の補償範囲は商品やプランによって異なり、主に建物部分、家財部分、建物と家財両方の3つのパターンに分けられ、各補償で範囲を細かく設定できる商品もあります。
保険の対象範囲が広いと保険料が高くなることが多いです。しかし、保険料の節約だけを考えて範囲を限定してしまうと、いざというときに補償が得られずに後悔する場合もあります。どの部分にどういった補償があると安心なのか、きちんと考えておきましょう。
2. 持ち家に必要な補償内容を決める
次に、家に必要な補償内容を熟考します。家の立地や建物の種類、構造など、さまざまな要因によって災害や事故のリスクは異なります。環境によってはリスクの少ない災害もあるため、必要のない補償は外したり補償額の安いプランを選んだりするとよいでしょう。
例えば、水害のリスクは家の立地によって大きく異なります。海や川が近いエリアは水害のリスクが比較的高いため、手厚い補償で備えておくと安心です。自治体のハザードマップを確認するのもおすすめです。
ただし水害リスクのあるエリアでも、マンションの高層階など生活に支障をきたさない場合もあるため、周辺環境に適した補償内容を選択しましょう。

水災の補償を付けると保険料が高くなるので悩むところではあります。まずはハザードマップで確認して少しでも危険性があれば必要ですし、マンションの高層階であれば必要性は低くなるでしょう。
3. 保険金額・期間を決める
保険対象や補償内容で加入したい火災保険商品を選んだら、保険金額や保険期間を決めます。万が一の場合に受け取る保険金額は、対象となる家の価値で上限が決められます。保険商品によっても異なりますが、家を再取得・再調達するのにかかる費用を上限とすることが一般的です。
建物や家財の保険金額を決めると、保険期間によって保険料の見積もりを算出します。保険料は、保険期間が長いほど安くなる傾向にあります。特に長期間の料金を一括で支払うと割引になることが多いです。予算と補償してほしい期間とのバランスを考えて、保険期間や支払い方法を選びましょう。
【賃貸】向け火災保険の選び方
続いて、賃貸向けの火災保険の選び方を解説します。賃貸物件の場合は次のステップで選びましょう。
- 自分の生活に必要な補償内容を確認
- 家財の補償額を決める
- 保険期間を決める
1. 自分の生活に必要な補償内容を確認
賃貸物件向けの火災保険には、家財の補償・借家人賠償責任補償・個人賠償責任補償はできれば付けておきたい補償です。それぞれの補償内容や範囲は商品によって異なるため、まずは自分の生活に必要な補償内容を吟味する必要があります。
例えば一人暮らしの人よりも子育て世帯のほうが、子どもの不注意やいたずらによる損害を起こしやすいことが予想されます。その場合は、不注意による損害についても補償してくれるような手厚い保険を選ぶとよいでしょう。
このように自分の生活におけるリスクを考えて、必要な補償内容を考えることをおすすめします。

賃貸物件の場合は、家財に対しての補償、家主に対して損害賠償を負った場合の借家人賠償責任補償、日常生活において損害賠償責任を負った時の個人賠償責任補償は必要かと思われます。
2. 家財の補償額を決める
賃貸向け火災保険商品は、家財保険を主契約として特約で必要な補償を付けるプランと、最初から必要なプランがセットになっている商品があります。家財保険の補償額は、災害や事件によって家具や家電、日用品などが失われた場合の再調達費用を設定します。
注意したいのが、より多くの保険金がほしいからといって補償額を多めに設定しても意味はありません。保険金を請求する際には、修理の見積書といった書類を提出する必要があります。500万円の補償額が出るように保険料を支払っていたとしても、実際に再調達にかかる費用しか受け取れないため、保険料が無駄になってしまいます。
そのため家財の補償額はできるだけ現実的な金額を設定するとよいでしょう。
3. 保険期間を決める
最後に保険期間を決めます。賃貸物件向けの火災保険の保険期間は1~2年が一般的で、契約時に年間の保険料をまとめて支払うことが多いです。
すぐに引っ越す予定がある人や転勤が多い人は、火災保険への加入をもったいないと感じるかもしれません。しかし火災保険は期間内に解約すると、利用しない期間分の保険料を返還してもらえます。よって入居が短い期間であっても、加入しておいたほうが安心です。
火災保険とは
そもそも火災保険では、どのような補償が受けられるのでしょうか。火災保険の概要や対応できる災害について、改めて理解しておきましょう。
火災保険の概要
火災保険は、火災などの災害による家や家財への被害に備える保険のことです。例えば火災が発生した場合には、ダメージを受けた部分に対して保険金が支払われます。
商品によってそれぞれ補償する範囲が異なりますが、主な補償範囲のパターンは次の3通りです。
- 建物のみ
- 家財のみ
- 建物+家財
建物のみを補償する保険に加入していた場合は、火災によって家具や家電が壊れてしまっても、支払われるのは建物部分に対する保険金のみです。つまり火災保険を選ぶなら、災害リスクを考えて保険対象を十分に確認する必要があります。
火災保険が対応する災害とは
火災保険はその名の通り、火災による被害の補償を主軸としています。加えて、落雷や水災といったさまざまな災害に対応している商品もあります。火災保険で備えられる主な災害の種類や補償内容を以下にまとめました。
災害の種類 | 補償内容 |
火災、落雷、破裂、爆発 | 失火、貰い火、放火、落雷原因の火災、ガス漏れなどによる破裂事故、爆発の損害 |
風災、雹災、雪災 | 台風、竜巻、暴風、なだれなどによる損害 |
外部からの衝突による破損 | 飛来物による損害 |
騒擾、集団行為などに伴う暴力行為による損害 | 建物の破壊行為による損害 |
水災 | 台風、集中豪雨、洪水による損害 |
建物の水濡れ | 排水管の破裂、水漏れ事故、消火放水による損害 |
盗難 | 建物の破損、家財盗難などによる損害 |
突発的な事故による損傷、汚損 | 家財に対する事故的な損害 |
このように火災保険の補償内容はさまざまです。ただし、保険商品によって補償内容や対象災害は異なるので注意しましょう。
火災保険料の相場とは?払いすぎに注意
この章では、火災保険料の相場を戸建て・分譲マンション・賃貸物件の3つに分けて紹介します。おおまかな相場を知っておくと、保険商品を比較したときに判断しやすくなります。建物の構造や大きさによっても異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。
戸建ての相場
戸建て分譲物件の場合、5年契約時の保険料相場は以下の通りです。
建物の構造 | 火災・風災補償の相場 | 火災・風災・水災・破損・汚損補償の相場 |
木造など(非耐火) | 34,000~63,000円程度 | 92,000~12万4,000円程度 |
鉄筋・鉄骨など(耐火) | 16,000~28,000円程度 | 50,000~86,000円程度 |
戸建て物件のほとんどは木造で、火災に弱い構造になっている場合も多いです。鉄筋・鉄骨などの耐火性能の高い構造の戸建て物件は、料金が比較的安くなっていることがわかります。
分譲マンションの相場
分譲マンションの5年契約時の火災保険料相場を以下の表にまとめました。築年数によっても相場価格は異なりますが、今回は新築マンションの場合で比較しています。
地域 | 火災・風災補償の相場 | 火災・風災・水災・破損・汚損補償の相場 |
北海道 | 14,000~17,000円程度 | 19,000~26,000円程度 |
宮城県 | 14,000~16,000円程度 | 19,000~27,000円程度 |
東京都 | 16,000~18,000円程度 | 21,000~26,000円程度 |
大阪府 | 15,000~18,000円程度 | 22,000~29,000円程度 |
福岡県 | 18,000~26,000円程度 | 24,000~39,000円程度 |
地域によって災害リスクが異なるため、火災保険料の相場は異なります。戸建て向け商品と比べると、マンション向けの保険料のほうがかなり安くなることがわかりました。マンションのほうが火災に強く、被害を受けにくいことが要因でしょう。
賃貸の相場
賃貸向け家財保険の相場は以下の通りです。
基本補償のみ | 地震保険付き |
2,400~7,000円程度/年 | 5,100~9,300円程度/年 |
“参考:価格.com「家財保険 比較」”
家財保険は年間数千円程度の保険料が一般的です。補償内容や保険金額、サポート内容が商品によって大きく異なるため、自分に合った保険を選びましょう。

火災保険は、お住まいの地域・建物の構造・建築年によって保険料が変わってきます。
古い木造の建物は保険料が高くなりますが、火災や地震のリスクと保険料を考えて加入しましょう。
保険料が高いと感じる場合の見直しポイント
火災保険の負担は家計にとって軽いものではありません。負担を少しでも軽減するために、次の3つの方法をおすすめします。
- 必要最低限の補償内容にする
- 保険料を一括支払いする
- 火災保険一括見積もりサイトを利用する
それぞれ詳しく見てみましょう。
必要最低限の補償内容にする
火災保険は補償内容を充実させると、その分保険料も高くなる傾向にあります。つまり、自分に必要な最低限の補償内容を選ぶことで料金を抑えることができます。
保険商品によっては、補償内容が控えめで保険料を抑えたプランを用意している場合も多いです。そういったプランを選び、必要な特約をつけ足していくのもよいでしょう。
ただし料金を抑えたいからといって、必要な補償まで削ってしまっては元も子もありません。自分の家のリスクを考え、必要な部分についてはきちんと補償されるようにしましょう。
保険料を一括支払いする
保険料を一括で支払うことで、割引を受けられる商品も多いです。期間内の料金を一括で支払うのは負担として大きいですが、毎年払っていくよりも総支払額が安くなるためおすすめです。
ただし、一括で支払うことで保険の見直しをする機会が減ってしまうデメリットもあります。保険を安く利用していくためには、定期的な補償内容や料金の見直しが必要です。料金を一括で支払うことで見直しがおろそかになり、よりよい保険に乗り換えるチャンスを逃す恐れがある点は留意しましょう。
保険の無料相談サービスを利用する
保険料が適切か判断できない場合や自分に適した補償内容がわからない場合には、保険の無料相談を受けることをおすすめします。無料相談では、保険内容の詳しい説明や料金の概算、おすすめ商品の案内などが受けられるため、初めて火災保険を利用する人も安心です。
今回は、おすすめの無料相談として次の3つのサービスを紹介します。
- 保険見直し本舗
- マネードクター
- 保険見直しラボ
保険見直し本舗
※画像引用元:保険見直し本舗公式HP
保険見直し本舗では、何度でも無料でプロに保険相談ができます。1人のアドバイザーが担当となり、最後まで相談に乗ってくれるため安心です。
取り扱う保険会社は40社を超え、火災や地震保険に備える住宅保険のほかにも、教育資金や老後の資金に関する備えなど、さまざまな分野の保険を組み合わせて提案してもらえます。
また店舗や訪問だけでなく、電話やオンラインでも相談が受けられます。店舗は全国に340店舗構えており(2022年5月時点)、都合に合わせて利用できる点もメリットです。さらに、保険の管理が簡単に行える保険管理アプリも無料で利用できます。
保険見直し本舗はこんな人におすすめ!
- 決まった担当者に何度も相談したい人
- 住宅保険のほかさまざまな保険について相談したい人
- 都合に合わせて相談方法を選びたい人
マネードクター
※画像引用元:マネードクター公式HP
マネードクターは保険相談だけでなく、資産運用や貯蓄方法などお金に関することも相談できるファイナンシャルプランナー(FP)を紹介してもらえるサービスです。お金のプロであるFPが1,270名在籍しており(2020年度実績)、保険を含めて将来の備えや今後の生活について詳細に相談できます。
全国47都道府県すべてに拠点があり、直営店舗では予約なしで当日すぐに相談に乗ってもらえます。場所は自由に選ぶことができ、カフェや勤務先を指定することも可能です。
マネードクターはこんな人におすすめ!
- お金のプロに火災保険について相談したい人
- 保険を含めてお金全般に関する相談をしたい人
- 都合に合わせて相談場所を指定したい人
保険見直しラボ
※画像引用元:保険見直しラボ公式HP
保険見直しラボは、全国におよそ70の拠点を構える大手保険代理店(2022年5月時点)で、自宅や希望の場所で行う対面相談を主としています。
相談に応じるコンサルタントは、平均業界経験年数12.1年のベテランです(2022年5月時点)。無料相談は何度でも可能ですが、コンサルタントに問題があった場合には変更することもできます。
保険見直しラボはこんな人におすすめ!
- 大手代理店による安心感の高いサービスを受けたい人
- 信頼できるコンサルタントに相談したい人
- キャンペーンを利用してお得に相談したい人
火災保険に加入する際の注意点
続いて、火災保険に加入する際の注意点について解説します。火災保険は最大10年間補償されるため、なんとなく加入すると後悔する恐れもあります。加入時にはさまざまなことを考慮して慎重な判断が必要です。
建物情報を正しく把握する
加入時には建物情報を正しく把握し、正確に申告するようにしましょう。火災保険は建物や家財に対してかける保険です。加入時に建物情報を正しく申告していないと、補償が受けられなかったり保険料が高くなってしまったりするケースがあります。
例えば次のような間違いが起こりやすいので注意しましょう。
- 延べ床面積の間違い
- 店舗や事務所併用住宅を住宅物件として登録
- 建物構造の間違い
- 被保険者の間違い
- 耐震等級の間違い
地震による火災は補償されない
火災保険では、地震によって起こった火災を補償することはできません。また、地震などによって延焼や拡大した場合の損害についても補償を受けられないので注意しましょう。
火災の被害に備える保険であるため、地震による火災が補償されないことに疑問を感じる人も多いでしょう。理由として、地震の発生や被害規模の予測が難しいことがあります。
火災保険に地震による火災を含めた場合には、大規模地震や隣家からの燃え広がりなどによって、保険会社の負担が増大する恐れがあります。このような理由で、政府と保険会社が共同で運営をおこなう地震保険で補償をおこないます。

地震や噴火、津波などの被害は地震保険に加入していなければ補償されません。地震保険は火災保険にセットして契約する必要があります。また、火災保険は保険会社によって保険料が違いますが、地震保険の保険料は同じです。
火災保険に関するよくある質問
最後に、火災保険に関するよくある質問とその答えを解説します。疑問を解消して火災保険を比較することで、商品選びの判断もより明確になるでしょう。
火災保険の加入は必要?
家の購入時や賃貸契約時には火災保険の加入を求められることがほとんどです。法的に加入が義務付けられているわけではありませんが、実質必須条件になっていると考えてよいでしょう。
まず、家を購入する際に住宅ローンを組むためには火災保険の加入が必須要件です。火災保険に加入していないと、返済期間中の火災で家に住めなくなっても返済義務だけは残ります。こうしたリスクを避けるために、住宅ローンを組む場合には火災保険に加入することとされています。
また賃貸物件に入居する場合も、不動産会社から火災保険の加入を求められることが一般的で、その際は会社やオーナー指定の保険に加入することも多いです。賃貸物件で火事を起こした場合は、オーナーや近隣住民への損害賠償を行う必要があります。法的な加入義務はありませんが、リスクを考えると加入しておいたほうが無難でしょう。
火災保険と地震保険はセットで加入すべき?
地震による火災などの被害を考えると、セットで加入したほうがよいでしょう。火災保険では、地震が原因で起きた火災・延焼についての補償がありません。日本は地震が多く被害も大きくなりやすいため、加入したほうが高い安心感が得られます。
加入するか迷うなら、住んでいる地域の地震発生率や住宅の耐震性能を考慮することをおすすめします。地震や津波が発生しやすい地域や、地震によって過去に大きな被害があった地域に住んでいるのであれば、加入を考えましょう。また、家の耐震性能によって備えを考えるのもおすすめです。
UR賃貸住宅でも火災保険は必要?
UR賃貸住宅は、不動産会社ではなくUR都市機構やその関連会社と契約する賃貸物件です。入居時に火災保険の加入を強制されないことが多く、加入しないまま生活することも珍しくありません。しかし、リスクを考慮すると火災保険に加入することがおすすめです。
UR賃貸住宅であっても、部屋を借りた人には原状回復義務が課せられます。入居期間内に汚損・破損・減失した部分は、借家人が賠償しなければなりません。また、入居中の設備の修理・取替えについても負担が必要です。こうした負担を軽減するために、賃貸向けの火災保険に加入しておくと安心でしょう。

一戸建て住宅や分譲マンションの購入の際に、不動産会社の火災保険に加入する方が多いですが、必要以上の特約がついていないか、他に安い火災保険はないのかFPへの相談がおすすめです。
まとめ
火災保険にはさまざまな種類があり、住む家の種類や地域、補償してほしい内容によって商品を選ぶ必要があります。保険料や補償内容は商品によってかなり異なるため、不動産会社に勧められるままになんとなく加入すると、数万円以上の損をしてしまう恐れもあるでしょう。
自分に合った火災保険を選ぶなら、火災保険一括見積もりサイトを活用して数社に見積もりを依頼したり、プロによる無料相談を受けたりすることもおすすめです。すでに加入しており、見直しを考えている場合にも活用できます。
リスクやニーズに合った火災保険を選んで、無駄なく万が一の事態に備えましょう。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。