土地売買の境界明示義務とは何か?遂行した場合のメリットなどを解説

不動産売却

土地売買において重要なのが、境界明示義務です。これは、売主が買主に対して土地の範囲を正確に知らせることを言い、明示しないと査定ができなかったり、売却ができないなどのトラブルが起きる可能性があります。逆に言えば、明示さえ果たしておけば、買主が見つかりやすくなったり、取引がよりスムーズに行える場合があります。

初めて土地の売却を検討する方は特に、この知識は事前に持っておいた方がいいでしょう。この記事では、境界明治義務とは何か、またその重要性や手順などを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

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境界明示義務とは何か

「境界明示義務」とは、どこまでが売ろうとしている土地の範囲かを、買おうとしている人に伝える義務という意味です。似た言葉に「境界確定」がありますが、これは隣地所有者の立ち会いや、官公署の図面にもとづいて、土地の境界を全てはっきりさせることです。

それでは、なぜこのような土地の境目を明確にし、買主に伝えなければならないのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

なぜ境界明示義務が必要か

境界明示が必要な理由や、義務を果たさなければならないケースなどを紹介します。境界確定との違いにも触れますのでチェックしてみてください。

項目 内容
なぜ必要か 買った人が境界線で隣の土地にいる人とトラブルにならないようにするため。境界明示で土地の情報が正確に伝わるので、買う人が安心できる。
どんな人に必要か 土地や戸建て、店舗、事務所、工場などを売る人
いつ必要になるか 土地を引きわたすとき
境界確定との違い 土地全体の境界をはっきりさせることを「境界確定」、土地の境界を買った人に伝える義務を「境界明示義務」という

このように、土地の境界明示義務は不動産取引を行ううえで非常に重要なものとなります。これから土地の売買をする方は、まず手元に境界を確定する書類(確定測量図)があるかを確認し、なければ測量を行い境界明示義務を遂行する義務があります。

境界明示義務を怠った場合のデメリット

境界明示義務を怠ると、以下の3つのデメリットが発生します。

  • 土地売買ができない
  • 査定を始められない
  • 売却後もトラブルになることがある

一つひとつ詳しく見ていきましょう。

土地売買ができない

まず、境界明示義務を果たさなければ土地を売れません。これは、売却後に境界トラブルで買主に迷惑をかけないための配慮でもあります。また、どこまでが売ろうとしている土地で、どこからがそうでないかが分からないと、買う人にとっては選びづらいといえます。境界線をめぐる隣人とのトラブルを警戒するからです。

さらに、大きな土地をマンションディベロッパーに売るときも、境界の根拠である確定測量図を出さなければなりません。境界明示していないことを理由に売却を認めてもらえない可能性さえあります。以上から、土地売買を進めるうえで、境界明示義務は避けて通れません。 

査定を始められない

土地の価値を査定してもらいたくても、境界明示がなければそれもできません。地価を正確に査定してもらうには測量図が必要だからです。境界明示がなければ、これから売ろうとしている土地の範囲が誰にも伝わりません。地価は面積の影響も受けるので、境界が分からないことで査定できないといえます。 

土地がいくらで売れるか査定してもらうときも、確定測量図が必要です。持っていなければ専門家に測量を依頼して境界を決めましょう。 

売却後でもトラブルになることがある

境界明示をしなかったせいで、土地を売ったあとにトラブルが起こる可能性があります。過去の事例では、土地を買った人が境界線を巡って隣人ともめるケースが多くあげられます。場合によっては裁判にまで発展してしまうこともありますので、境界に関する誤解を与えないためにも売主が責任をもって境界明示を行う必要があるのです。

ただ境界線を明示するだけでは不十分です。ブロック塀やフェンスなど仕切りがあるなら、位置をチェックしましょう。真ん中に境目があるときは、仕切りの所有者をはっきり伝えるべきです。管理や修繕をしなければならない人を明確にすることでトラブルを避けられるからです。

境界明示義務を遂行した場合のメリット

「境界明示義務は面倒だ」と感じる方もいるかもしれませんが、義務を遂行することで以下のメリットを受けられます。

  • デメリットを解消してスムーズな土地売買ができる
  • 買主が見つかりやすい
  • 土地譲渡損失を減らすことができる

一つひとつ詳しく見ていきましょう。

デメリットを解消してスムーズな土地売買ができる

境界明示義務を済ませることで、デメリットを解決しながら土地売買をスムーズに進められるでしょう。具体的には、以下の理由で取引が進みやすくなります。

  • 正確な土地の範囲を理解してもらえる
  • 正しい土地価格を査定してもらいやすい
  • 買った人が境界線のことで他の人ともめる心配を減らせる
  • 売却成功率が上がる

このように、売主と買主、お互いにとってメリットになります。当然、境界明示がしっかりされていると買主が安心して購入を決められるようになるため、売却できる可能性も上がります。測量費はかかりますが、後々困らないためにもこの一手間は省いてはいけません。

買主が見つかりやすい

先に述べたことに繋がりますが、境界明示を果たすことで買主が見つかりやすくなることもメリットの一つです。買主も境界線のトラブルを警戒していることが多いといえます。境界明示を購入条件としている場合が多く、応じない限りいつまでたっても買ってもらえません。

よって、境界範囲を明確化することで、売主は信頼を受けやすくなり、買い手が付きやすくなるのです。より希望に見合った価格で売却を成功させるためにも、最低限の条件はクリアしておきたいものです。

土地譲渡損失を減らすことができる

境界明示義務をクリアすることで、土地譲渡損失を減らせます。土地の範囲がわからないと、本当の数字より少ない面積として、安い価格で売ってしまうかもしれません。これにより土地譲渡損失につながります。土地の売却額は面積が広いほど高くなりますので、正確な範囲が分からないと正しい価格が出せません。

しかし境界明示を済ませておくことで、実際の面積を知ることができ、面積に応じたとおりの価格で取引できるでしょう。不動産売却で動く金額は決して小さいものではありませんので、できるだけ損をしないためにも境界をはっきりさせておきたいですね。

境界明示義務を無視して土地売買できるケース

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境界明示は売る人の義務ですが、やらなくても売買できるケースがあります。しかし契約が決まったあとに、範囲を決めていないことでトラブルになる可能性があるため、気をつけなければなりません。

境界明示なしで売買できるのは以下のケースです。

  • 買主が納得している
  • 売却後に境界明示を代行してくれる

以上のどちらかに当てはまるなら、土地の境目に関する情報がなくても取引が成立するケースがあります。それぞれの詳細を見ていきましょう。 

買主が納得している

買主が境界明示を求めないなら、売主が義務を果たさなくても売れる場合があります。土地の売買条件に双方が納得さえすれば、確定測量なしで契約が成立することもあるのです。

例えば、住宅ローンの返済が遅れているときの任意売却では、境界明示をしないで取引に入るケースが多いといえます。さらにマンションでも境界情報なくして売られるケースが多数あります。これは、ディベロッパーが用地の仕入れの際にすでに境界をはっきりさせていることが背景にあります。

売却後に代行してもらう

土地を売ったあとの境界明示代行もできるため、取引のときは境目をはっきりせずに済ませる場合もあります。境界なしでの売却は、大事な情報が分からないまま取引する分、相場より金額が安くなりがちです。

例えば、早期の売却を希望している場合、境界確定に時間がかかり希望した時期までに売れそうにないと判断した場合は、不動産会社に買取ってもらうケースが多くなりますが、その場合は相場より安く買い取られてしまうのが一般的です

売却の利益にこだわるなら、多少時間はかかっても境界の証拠となる情報は確保しましょう。しかし売ったあとに境界明示を代行してもらうことが決まれば、売主が明示義務を果たす必要はありません。 

境界明示義務を遂行するときの注意点

境界明示には以下の注意点を守りましょう。

  • 現況測量図は信憑性が低い
  • 分筆して土地を売却するにも確定測量図が必要
  • 境界は民々境界と官民境界の2種類
  • 筆界をめぐるトラブルは筆界特定制度を利用

以上は土地の境目を示したり、売却後に境界をめぐってトラブルになったりしたときに大切な事項です。加えて手続き内容も土地の条件によって違います。不動産会社、土地家屋調査士、不動産鑑定士など、境界問題に詳しい専門家に相談しながら対応しましょう。

以下で一つひとつ詳しく見ていきます。

現況測量図では信憑性が低い

土地の境界を正確に決めるには、確定測量図を要します。隣接する土地の所有者全員に立ち会ってもらうことも条件です。必要な査定をすべてクリアしている測量図なので、境界明示で信用できる証拠になるでしょう。

一方、現況測量図は、確定測量図以外の実測図です。隣地所有者に立ち会いのもとで作るところは確定型と同じですが、道路や川などとの境目を示す官民境界の確定がありません。さらに現況型には、隣地の所有者の立ち会いもなしに作った図面も含んでいるため、信憑性が低いといえます。

以上から現況測量図だけで済ませないで、確定型まで作った方が、正確な境界を知ることができます。

分筆して土地を売却するにも確定測量図が必要

土地全体ではなく、「分筆」として一部だけを売りたい人もいるようですが、この場合も確定測量図が必要になります。

分筆は、「一筆」として登記を受けている土地を複数に分けて登記しなおす行動です。土地を半分だけ売りたいと思ったら、同等の面積である二筆に分けなければなりません。

分筆した土地を売りたいときは、複数に分ける前の土地の境界をはっきりさせておかなければなりません。そうしないとそもそも分筆売却ができないからです。土地の一部だけを売りたいと思ったら、測量図の作成に着手しましょう。 

境界は2種類ある

土地の範囲を明示するのに使う境界には、民々境界と官民境界があります。それぞれの意味をまとめました。

  • 民々境界…売りたい人が持っている土地と、隣接する別の土地との境界線
  • 官民境界…道路や水路といった役所が持っている公共の場所と、民間が所有している土地との境界線

特に官民境界に関わる道路は、建築基準法の接道義務に違反していないかを調査する意味でもチェックしなければなりません。本来は道路台帳などで調べられますが、正確な境界を証明する資料がないと、境界協議の申請が必要になります。以上から官民の方が民々よりも決定までに時間がかかるので、早く売りたい方はスケジュールに余裕を持って行動しましょう。 

筆界をめぐるトラブルは筆界特定制度を利用

筆界をめぐっての土地トラブルが起きたら、筆界特定制度を使いましょう。法務局で登記を受けた公法上の境界を筆界と呼びます。自身や相手が所有していると思っている範囲が実際と違う可能性があったときは、筆界を利用することが大切です。

筆界と似た概念には「所有権界」があります。これは土地を持っている人が使える権利の範囲という意味です。所有権界は隣り合う土地の所有者同士の合意があれば動かせます。しかし第三者に土地を譲渡したり、他の人が所有権を時効でもらったりしたとき、筆界と所有権界がズレていることもあるでしょう。 

以上からくるトラブルの長期化を避けるため、2006年1月に筆界特定制度ができています。土地の所有者の依頼により、筆界特定登記官が実際の土地同士の筆界を特定する仕組みです。ここでは筆界が新しく決まるのではなく、過去に決まったもともとの筆界を登記官がチェックします。 

筆界がはっきりしないまま土地を売買したり、家屋などを改築したりすると、隣の土地の人とトラブルになるかもしれません。しかし筆界特定制度を使うことで、資料集めや裁判費用などの負担をカットでき、早期に結論を出せるメリットがあります。筆界特定制度期間の決定は証拠価値が高いので、トラブル対策として覚えておきましょう。 

確定測量図の確認からはじめよう

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これから土地を売りたいと思ったら、まず境界測量図が手元にあるかを確認しましょう。それがなければ、信頼できる専門家の協力のもと、土地の境界に関する調査を済ませましょう。 

測量で整理すべきポイントは以下の3つです。

  • 境界確定測量の手順
  • 境界確定測量にかかる費用や期間
  • 測量図を準備してから査定を受ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

境界確定測量の手順

境界明示義務を済ませるには、「境界確定測量」という作業が必要です。大まかな作業の流れを解説します。

  1. 土地家屋調査士に依頼する
  2. 自身で手元にある土地の資料をそろえる(土地権利書や固定資産税関連書類)
  3. 土地家屋調査士による土地のリサーチ
  4. 法務局で登記簿や公図、地積測量図などを取り寄せる
  5. 仮杭設置、仮測量
  6. 境界立ち会い
  7. 確定測量・境界点設置
  8. 確定図面作成・署名押印
  9. 法務局へ登記申請

以上が大まかな流れです。境界立ち会いでは対象土地の所有者や土地家屋調査士だけでなく、すべての隣地所有者、関係役所の立ち会いが必要です。確定図面の署名押印も、すべての隣地所有者からもらわなければいけません。

境界確定測量にかかる費用や期間

確定測量にかかる期間は、おおよそ1~3カ月です。しかし隣地所有者の人数や立ち会いのスケジュールなどからも影響を受けるので、正確な日程を確かめましょう。

コストは官民査定の有無により変わり、無い方が安く済ませられます。内訳には調査、測量の各業務に加え、隣地所有者からの承認印をもらうための費用も必要です。他にも登記印紙などの立替金を払う必要も出るでしょう。以上は測量事務所や登記法によって変わるので、依頼先の情報を慎重に見ておきたいところです。 

以下のケースに当てはまると、測量費用が高くつきやすいので注意しましょう。

  • 境界線をめぐる紛争がある
  • 土地の形が複雑
  • 隣地の権利に関係した人が多すぎる

土地を売りたいと思ったら、以上の項目もチェックしておきましょう。測量をするなら費用や期間の想定は大切です。次の記事では売却で発生する費用を一覧化していますので参考にしてみてください。

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測量図を準備してから査定を受ける

土地の査定を受けたいなら、測量図を準備しましょう。測量図を示すことで不動産価格の査定に早く入れるからです。逆に用意していないと相場より安い査定価格が出ることもあります。

測量図は土地の面積を知るうえで大切な情報なので、どこまで有効活用できるかという価値にも影響を与えるでしょう。法務局で手数料を支払うことでも測量図を入手できるので、査定前に用意しておくことは重要です。

査定について詳細な内容を知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

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なお、不動産会社に土地の査定を依頼するときは、一括査定サイトを利用すると便利です。

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一括査定サイトに関してより詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

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まとめ

fudousan4334

土地売買をするなら、境界明示義務を遂行しましょう。これを守ることでスムーズに取引ができるだけでなく、取引成立後の境界線をめぐるトラブルも防げます。

また境界明示には確定測量図が大切です。これがなければ専門家に依頼して、正確な土地の範囲を確かめ、測量図を作りましょう。図を作るための測量は、隣地所有者や関係役所など複数人の立ち会いが必要など、一人だけではできません。土地の正確な範囲を知るには入念な準備を要します。

今回の記事で境界明示義務の意味や重要性を学び、土地の売却に役立てられることを願います。

 

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