任意売却に弁護士は必要?頼むべきケースや依頼方法をわかりやすく紹介

不動産売却

「やむを得ない状況でマンションを任意売却することになった」「住宅ローンの返済が難しくなり任意売却を検討している」という場合に、弁護士に頼んだほうがよいのか悩む方も多いのではないでしょうか?

任意売却では、必ずしも弁護士が必要になるわけではありませんが、場合によっては弁護士への依頼が必要になるケースもあります。この記事では任意売却とはどのようなものか、また任意売却が必要なケースと利用するメリットや手続きの流れ、依頼するための費用について解説していきます。

この記事を読んで、自分の任意売却の場合に弁護士が必要になるかどうかの参考にしてください。

任意売却とは

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任意売却とは、さまざまな理由によって住宅ローンの支払いが行えなくなった際に、不動産を競売にかけずに売却する方法のことをいいます。

通常、住宅ローンの支払いができなくなったり滞納したりすると、債権者である金融機関は裁判所を通じて強制的にマンションや自宅(不動産物件)を売却し、その売却代金から残っているローンの返済金を回収するための競売手続きを行います。この競売手続きを回避するための手段が任意売却です。

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任意売却で弁護士が必要なケース

任意売却は、必ずしも弁護士への依頼が必要になるわけではありません。まずは任意売却が必要になるのはどのような状況なのかを、それぞれの状況ごとに詳しく解説していきます。

債務の金額が大きいとき

先に、任意売却で弁護士が必要になるすべてのケースに共通する点を知っておきましょう。任意売却は基本的に、住宅ローンの返済ができないときに利用されますが、抱えている債務が住宅ローンだけではないというパターンもあります。

そうなると、任意売却をしたとしても全ての負債を完済できません。そのような場合には弁護士に助けを仰ぎ、債務の整理を行う必要があります。弁護士に依頼して、住宅ローンを含めた債務整理をする代表的な3つのケースを見ていきましょう。

任意整理が必要なケース

1つ目のケースは、残債を返済するために任意整理を行いたいときです。任意整理とは、債務者と債権者(金融機関などの企業)が話し合いを行い、借金の減額をする債務整理の方法です。しかし、法に関する知識がない状態で任意整理をしたことにより、結果的に借金を減らすことができずに、任意整理を行う意味がなくなってしまうケースもあります

そのため、弁護士や司法書士などの法の専門家の力を借りて、任意整理を行うことが一般的です。任意売却をしても残債は残るものの、残りの負債分は自身で返済できる状況の場合は任意整理を選択するとよいでしょう。

自己破産をするケース

2つ目は、自己破産をしてすべての債務を整理したい場合です。住宅ローン以外でも金融機関にお金を借りている場合は、任意売却の金額だけでは事足りずに自己破産をしてすべての借金をゼロにすることができます。このようなケースでは、自己破産を前提としてプロである弁護士に相談することが必要でしょう。自己破産の手続きを、始めから終えるまでサポートしてもらうことができます。

連帯保証人がいる場合は、自己破産を行なっても連帯保証人の債務返済義務は残ってしまいます。しかし多重債務を抱えて苦しんでいる方は、のちのことを考えて自己破産をしてでも弁護士へ依頼するのが得策です。

事業の整理も一緒に行う場合

3つ目は、事業がうまく行っていなくて同時に不動産の整理を行う場合が挙げられます。これは、会社経営の悪化や収入が減ったことにより住宅ローンの返済が行えないなどを理由に、事業用の不動産を整理するケースです。また、私的再建を行う場合は、事業を経営するにあたり必要不可欠ではない不動産(連帯保証人の不動産も含む)が、売却の対象になることが多いです。

私的整理とも呼ばれる私的再建手続きとは、経営者が破綻したり破綻しそうになったりした場合に、民事再生・破産・会社更生などの法的倒産手続きを行わずに、債権者と債務者の間で資産負債の整理を協議し、再建または精算に向けた方針を定めて進めることです。

弁護士を利用するメリット

任意売却手続きを弁護士に依頼することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?この章では、弁護士に相談して得られる6つのメリットについて詳しく紹介します。

手続きがスムーズに行える

弁護士に任意売却を依頼することで、自分で売却するよりも手続きをスムーズに行うことができます。住宅ローンを払うための資金がなくて任意売却を行うにもかかわらず、手続きに時間がとられてしまい、その間の返済は続けなければいけないといった事態を防ぐことができます。

中には任意売却を専門に取り扱っている弁護士もいるので、その道のプロを探して依頼することがおすすめです。

任意売却以外の法的整理依頼ができる

住宅ローン以外にも残債がある場合や、複数の残債が残っている場合に弁護士へ相談することで、抱えている債務すべてを一気に整理することができます。

債務請求には、以下の4つの手段が用いられます。

請求方法 内容
過払い金請求 金融業者に支払いすぎたお金のこと
任意整理 借金の減額や金利の引き直しの交渉をすること
民事再生 返済困難であることを裁判所に認めてもらい、数年にかけて返済すること
自己破産 返済困難であることを裁判所に認めてもらい、支払い義務が免除されること

すべての手段は、借金の支払いに猶予を持たせたり減額したりすることを目的とした手続きです。

法律のプロという安心感

弁護士は法律の専門家なので、法律がからむ難しい手続きを安心して任せることができます。任意売却が得意ではない弁護士もいますが、その場合は事情を伝えて、任意売却専門か経験のある弁護士が在籍しているか尋ねてみるとよいでしょう。

実際に売却活動をするのは不動産業者ですが、売却と法律で業務が分担されているため、弁護士が法律関係の整理を行なってくれるならスムーズな売却や仲介依頼につながります。

催促がなくなる 

弁護士に依頼して任意整理の手続きを行うことで、債務の督促を止めることができます。任意整理に入ると、受任通知という書面が弁護士から債権者へ送られます。債権者はこの受任通知を受け取ると、それ以降の取り立てが法律上で禁止されるのです。

また任意整理を始めると、その後の債権者とのやりとりを弁護士がすべて行ってくれるので、取り立ての電話や督促状が自宅に送られてくるストレスがなくなるというメリットもあります。

債務者に納得してもらえやすい

任意売却は、要約すると「家を売ったお金でローンの残債分を返します」ということを金融会社に示すものです。債権者側はなるべく多い金額を回収したいと考えるので、安すぎる価格での売却には滅多に応じてくれません。また、引越し費用の確保や退去時期を調整するなどの交渉も必要です。

弁護士に依頼することで、きちんとした手続きが行われる安心感をもってもらい、債権者の同意が得やすくなるだけでなく、任意売却と同時に残債支払いの交渉ができるというメリットもあります。

不利益を被るのを阻止しやすい

弁護士が主導となり、依頼主の利益を優先した任意売却を行ってくれるので、依頼人が不利益を被ることを阻止してくれます。売却活動時には不動産業者の力が必要になりますが、弁護士が主導となり手続きを進めてくれます。

そのため事前に手数料を取ろうとしたり、売買が成立していないのに何らかの手数料を取ったりするような悪徳業者に引っかかる心配がありません。

任意売却で弁護士を利用する流れ

任意売却で弁護士に依頼する場合は、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか?依頼の仕方や準備しなければならない書類、契約手続きなど確認しておくべき多くのポイントがあります。この章では、任意売却するための弁護士を利用する流れについてみていきましょう。

弁護士に相談する

まずは、弁護士へ任意売却の相談を行います。その際には不動産購入時書類ローン残債資料などの必要な資料を、あらかじめ準備しておくことが大切です。

相談時には以下の書類を用意しておくと助けになります。

  • 借入先の一覧表
  • 借入金額がわかる書類
  • 給与明細
  • 家計の収入状況が分かる資料

書類の準備ができたら依頼する弁護士に見当をつけて、任意売却や困っていることを実際に相談してみましょう。相談する弁護士は、経験実績数が多いかどうかを確認して探すことができます。

弁護士と契約を交わす

相談にもとづいた方針の案内や弁護士費用の事前見積もりで合意したら、委任契約を結びます。弁護士費用については、依頼する内容量に応じて変動があります。

ただし、弁護士事務所によっては各分野の基本的な料金表が作成されている場合もあるので、一度確認してみるとよいでしょう。 

債権者への打診

任意売却を行うためには、住宅ローンの残債すべてを返済することができない中で、債権者に抵当権を抹消してもらう必要があります。通常はこのようなことが認められることはありませんが、ローンの返済ができないままだと強制的に競売に出されてしまい、安価な値段で売られてしまいます。

そうなると、債権者としても好ましくない状況のため弁護士が間に入り、お互いの利益を尊重して任意売却を認めてもらうための交渉を行います。任意売却を得意とする弁護士は「交渉の場でどのような条件を提示して、どのように進めていけば債権者に任意売却することを認めてもらえるか」というノウハウを熟知しているので、安心して任せられます。

売却活動の開始

金融業者に任意売却の同意が得られたら、通常の不動産売却と同じ売却活動を行います。また、任意売却では不動産売買契約を結ぶ前に抵当権者にも最終確認する必要があるため、忘れずに行うようにしましょう。

  1. 不動産の売り出し
  2. 物件の内覧
  3. 購入希望者との交渉
  4. 物件情報の開示
  5. 売買契約を結ぶ
  6. 不動産の引き渡し

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売買契約を結ぶ

不動産購入希望者との合意が得られたら、売買契約の締結後に物件の引き渡しを行うと同時に売却金の決済を執り行います。売買契約で用いられるのは不動産売買契約書という書類です。

この書類は安全な取引成立のために、取引内容・当事者の権利や義務などの情報を明らかにしています。虚偽や不正を行うと、違約金を支払う可能性もあるので気をつけましょう。

また任意売却の売買契約では、売り主を守るために以下の2つの特約が追加されるという特徴もあります。

  • 売主の瑕疵担保責任と付帯設備の修復義務を免責とする
  • 債権者が抵当権及び差押登記を抹消することに同意する

任意売却でかかる弁護士費用

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任意売却時に弁護士へ相談するときには、初回30分無料のところも多くあります。任意整理を行う場合の費用は、裁判所の介入が不要なため一般的に着手金と報酬のみになります。以下は着手金と成功報酬の相場です。

着手金 成功報酬
3~5万円程度 残債減額金額×10%

任意整理を行う不動産が1件だけなら問題ありませんが、債務が膨らんでいたり複数の債権者がいたりする場合には、各案件・人数ごとに着手金が必要です。また、不動産売却で済めば上記の10%に納まりますが、もし他にも債務があった場合は、金額が高額になるケースも否めません。よって、事前にどれほどの債務整理が必要か把握しておくことは大切です。

債務整理時に過払金が発生していたことが分かった場合には、弁護士が過払い金請求を代行してくれますが、成功報酬は20%と高くなります。また、過払金請求が行える状態で任意整理の交渉が決裂してしまうと、裁判を起こすことになり、成功報酬の相場がさらに高い25%になるので注意が必要です。

弁護士を選ぶポイント

どのような事案の場合でも、弁護士選びはとても重要です。依頼する弁護士によっては、最終的な案内の着地点が変わってしまったり、任意整理で終わるはずのものが自己破産になったりするケースも少なくありません。この章では、弁護士の探し方について紹介します。

弁護士選びの相談窓口を利用する 

弁護士を探すためには、弁護士選びの相談窓口を利用するのがおすすめです。

各都道府県の弁護士会の法律相談(法律相談センター)は各都道府県にある弁護士相談で、相談費用は30分5,250円程です。また法テラス(日本司法支援センター)では、相談内容に応じて弁護士または司法書士を紹介してくれます。

ただし、直接相談ができるわけではないということを理解しておく必要があります。また、相談する前には相談時間を無駄にしないように、必要な書類を準備しておくようにしましょう。

任意売却の実績がある弁護士

弁護士を選ぶ際のポイントは今までに任意売却を成功させていて、知識がある弁護士及び弁護士事務所であるかどうかです。弁護士は法律のプロですが、不動産のプロではありません。

しかし、任意売却は住宅ローンの返済ができない法律のからむ金銭トラブルのため、近年では任意売却に関しての知識が豊富な弁護士や司法書士が多くなっています。したがって任意売却に強いか、専門にしている弁護士事務所を選ぶようにしましょう。

選ばないほうがいい弁護士の特徴

弁護士に相談したものの任意整理の話は一切してもらえずに、自己破産ばかりを勧められるということがよくあります。特に多いのが一般的な弁護士へ相談すると、ほとんどの場合で任意売却の選択肢は与えられないというケースです。任意売却時に選ばないほうがいい弁護士は、次のような特徴があります。

  • 依頼主の希望を聞かない
  • 他の方法ばかりを勧めてくる
  • 連絡が取りづらい
  • 質問をしづらい
  • 事務員が機械的で不安、信頼ができない
  • 相談するたびに費用を請求してくる

このような傾向が少しでもみられるときには思い切って弁護士を変更することで、自分の整理したい方向性で進めることができるでしょう。

その他弁護士に補助してもらえること

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弁護士に依頼するなら任意売却だけでなく、状況に応じた最善の策として自己破産や個人再生などを補助してもらうことが可能です。

自己破産では、免責が受けられれば借金がなくなるというメリットがあります。しかし、破産するためには財産になるものがあってはいけないため、車や家、有価証券、貴金属はすべて売却しなければなりません。また、保証人がいる場合の借金では、保証人に影響がでてしまうため注意が必要です。

個人再生(個人民事再生)は、複数の債権者を抱えていて返済が厳しい人が選ぶ手法です。任意整理とは違い、裁判所を介して債務整理を行い借金を減額します。この手法は法律の知識が欠かせないため、弁護士や司法書士に依頼する必要があります。なお個人再生が許可されると、住宅ローンは以下のように減額されます。

債務の総額 最低弁済額
100万円未満の場合 全額免除
100万円以上〜500万円未満の場合 100万円
500万円以上~1,500万円未満の場合 債務の5分の1の額
1,500万円以上~3,000万円未満の場合 300万円
3,000万円以上~5,000万円以下の場合 債務の10分の1の額

まとめ

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住宅ローンだけでなく、複数の債権者を抱える場合や債務の金額が多く任意売却以外の処理手続きを行う場合は、弁護士へ依頼する必要があります。任意売却で弁護士に相談するときには、任意売却に強い弁護士か経験数が多いかを確認するようにしましょう。自身にとってベストな方法を選択するためにも、これらの点を念頭に置いて探すことが重要なポイントです。

任意売却で弁護士が必要と判断したら、この記事で取り上げた利用する流れやメリットを参考にして、任意売却を成功へと導きましょう。

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