住宅を購入しようと検討しているものの、安くて優良な物件になかなか巡りあえず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そのような中で、市場価格よりも安く手に入る競売物件の購入を検討している方に向けて、競売物件について説明していきます。
市場価格よりも安いというイメージが強い競売物件ですが、実は、いくつかのデメリットがあります。また、購入するときに注意しなければならない点が多いので、知識のないまま購入するのはおすすめできません。
この記事では、競売物件の基礎知識から購入する方法、競売物件のメリットとデメリット、そして購入する際の注意点などを詳しく解説します。
※株式会社リンクアンドパートナーズによる調査。アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社
競売物件とは
競売物件とは「競いながら売る」との名称の通り、最高価格をつけた人がその物件を落札するという方式で販売される物件のことです。また競売物件は、住民票や外国人登録済証などの資格証明書をもつ外国人を含め、誰でも入札をすることができます。
それでは、競売物件についての理解を深めていきましょう。
競売物件とは
競売物件は、物件の所有者が何らかの事情で住宅ローンなどの債務を支払えなくなったため、売却されることになった物件のことです。銀行など債権者からの申し立てにより、入札形式で購入希望者を募ります。住宅ローンを支払えなくなってしまったときには、任意売却(※1)を不動産会社に依頼して物件を処分する場合もあります。しかし、所有者が任意売却を選ばなかった場合、もしくは任意売却ができなかった場合に、競売に移行するのです。
そして、その競売で最高価格をつけた入札者が購入の権利を得ます(※2)。つまり、競売物件とは、物件の売却方法の違いによる分類の1つであり、競売にかけられる物件自体は基本的に一般の中古住宅と違いがありません。
(※1)任意売却:住宅ローンが残っている状態であっても、金融機関の合意を得られれば抵当権を外して対象となる物件を売却できる方法です。
(※2)このことを落札といいます。
競売物件を購入できる人
競売物件の利害者(債務者)以外であれば、法人でも個人でも、誰でも入札して購入できます。しかし、過去に競売物件の入札に参加した際、保証金を支払わなかったなどのルール違反をした人に関しては、ペナルティとして次回からの同じ物件の競売への参加が制限されます。このようなケースを除くと、基本的に競売の入札に特別な資格はいりません。
以前は、外国人が日本の不動産を入手することには制限がありましたが、法律改正により現在では自由になっています。それに従い、不動産の競売に関しても資格証明書(住民票や外国人登録済証)が提示できるのであれば、外国人でも参加することが可能です。
競売物件の種類
競売物件には、「担保不動産競売事件」と「強制競売事件」の2種類があります。
担保不動産競売事件とは、債権者が不動産に設定された担保権(抵当権)を実行するための手続きのことです。裁判所を通じて債務者の不動産を強制的に売却・換価(※)します。分かりやすくたとえると、銀行からお金を借りて担保権がつけられた不動産の所有者が、お金を払わなかったため強制的に競売で売られるという流れです。
現代の日本において、競売物件のほとんどは担保不動産競売です。なぜなら、日本で取引きされている不動産の大半は、実需向け(自分で住む用)の住宅で、多くの住宅購入者が住宅ローンを組んで自宅を抵当に入れるからです。なお、担保不動産競売には、次のような事件番号がつけられます。
令和2年(ケ)第12345号
このように、事件番号の符号が(ケ)と表示されます。
一方、強制競売事件は、債権者が判決や裁判所の和解・調停・法令などで決定した内容を強制的に実行するための手続きです。こちらも担保不動産競売と同様、裁判所を通じて、債務者である所有者がもつ不動産を強制的に売却します。よって、強制競売に関しては、担保不動産競売よりも「もめている案件」に対して実行されます。
ローンの支払いをしてもらえない金融機関などが、お金を返してもらうため裁判を起こして金融機関が勝訴した場合、債務者の意思は反映されないまま強制的に差し押さえが行われ、現金化される流れです。
日本では、債権者が債務者より力づくでお金を奪う行為は禁止されているため、国家の強制力をもとに債権を回収することになります。この強制執行において、より強制的な不動産換価を行う手続きが強制競売なのです。
なお、強制競売には、次のような事件番号がつけられます。
令和2年(ヌ)第12345号
このように、事件番号の符号が(ヌ)と表示されます。
(※)換価:差し押さえた不動産などの財産を金銭に換えることをいいます。
競売物件を購入する方法
競売物件の購入は、次のような手順に沿って行われます。
- 競売物件を探す
- 入札する
- 開札する
- 買受け後の手続きを行う
なお、入札してから買受けの手続きをするまでの流れは、一般の不動産購入の際にはありません。いざ競売物件を購入するとなったときに戸惑うことのないよう、しっかりと把握しておきましょう。
競売物件を探す
まずは新聞やインターネットや裁判所で物件探しをします。その際の物件の良し悪しは、次のサイトからダウンロードできる「3点セット(※)」で確認してください。
- BIT:裁判所が運営しているサイト
- 981JP:民間で運営しているサイト
なお、個人の不動産投資家にとっては、難易度が高い競売物件があります。たとえば次のような物件です。
- 借地権物件
- 持分物件
- 再建築不可 など
これらの物件は、不動産業者が取扱う特殊な物件となります。そのため「3点セット」を確認したうえで、選ばないように注意しましょう。そして、気になる物件が見つかったら現地に向かい、物件の状態や周辺調査を行ってください。
(※)3点セット:物件の情報が確認できる「物件明細書」「評価書」「現況調査報告書」の3点の書類のことです。
入札の方法
購入したい物件が見つかれば、次に入札を行います。入札とは、売買や請負(うけおい)において、最も有利な条件を申し出た人と契約する定めに応じ、希望金額と条件をそれぞれ書き出すことです。この手続きは、まず入札書を入手し、入札保証金を振り込んで必要書類を提出すれば完了します。
入札書の準備
入札書のフォーマットは裁判所の支部ごとに異なるので、購入希望物件がある管轄の裁判所支部から入札書を手に入れましょう。裁判所支部の住所は、前述の「競売物件を探す」で紹介した裁判所の運営サイト「BIT」より検索することが可能です。
入札書の入手方法は、裁判所の執行官室に直接出向くか、郵便で送付してもらうかの選択ができます。郵送を選ぶ場合には、A4サイズの封筒内に、入札書を返送してもらいたい旨を記した用紙と返信用の封筒を入れてください。
入札保証金を振り込む
入札書を入手したら、その封筒の中を確認します。保証金の振込み用紙が入っているので、指定された金融機関に保証金を振込みましょう。この保証金は、競売物件の最低落札価格(売却基準価額)の2割と規定されています。
つまり、競売物件の価格が高ければ高いほど入札保証金は高額になるため、現金を用意できずに入札を諦めざるを得ない人が増えるというわけです。しかし、もし落札できなかった場合は、保証金はきちんと返金されるので安心してください。
入札に必要な書類
入札に必要となる書類を次にまとめました。
- 入札書用紙
- 白封筒と茶封筒
- 保証金振込証明書用紙
- 買受け申し出の保証
- 印鑑
- 資格証明書(法人の場合)
- 住民票(個人の場合)
- 委任状(共同入札希望の場合)
- 執行官の許可証(共同入札希望の場合)
- 買受適格証明書(農地の場合)
入札書にペンまたはボールペンで必要事項を記入し、入札受付け期間中にこれらの書類を裁判所に提出すれば、入札は完了です。入札書を提出する方法は、入札書を入手するときと同様、裁判所に持参するか郵送するかを選んでください。
開札
「開札」とは、入札箱に投函された入札書の封筒を開封する行為のことをいいます。つまり、落札者が決まる日のことです。開札は入札締切日より1週間後に、管轄の裁判所支部の競売室にて行われます。
開札の結果、適正な入札書の中から最高額の入札価額を記載した人が落札者(最高価買受け申出人)だと決定されます。二番目に高額の入札価額を記載した人は、この開札期日の終了までに申し出れば、次順位買受け申し出人になれる場合があります。
買受け後の手続き方法
無事に落札でき、不服の申立てがなく1週間が経過したら「売却許可決定」が出されます。その後、指定された残代金納付期限(※1)までに残金を支払うと、取得した物件の登記簿上の名義を変更するための登記申請手続きが実行されます。登記を申請する手続きは裁判所が行ってくれます(※2)。
一般の不動産売買とは異なり、競売で不動産を取得したときには、各自で所有権移転登記などを法務局に申請したり、司法書士に申請手続きを依頼したりする必要はありません。しかし、裁判所は一般の不動産売買でいう「引渡し」を執行してくれません。競売物件には「売り主」が存在しないため、売り主からの引渡し業務が発生しないのです。
そのため、債務者から買受け人へ直接引渡すことになるのですが、この引渡しをスムーズに行えるかどうかが、競売物件購入の際のポイントとなります。なぜなら、物件に居住中の住人がすぐに立ち退いてくれないなどトラブルが発生したときは、自分で交渉しなければならないからです。
このことについては、後述の「競売物件のデメリット」で詳しく解説します。
(※1)残代金納付期限:売却許可決定が確定してから30日間程度です。
(※2)所有権移転登記にかかる登録免許税は、残代金を支払うとき一緒に納付する必要があります。
競売物件のメリット
競売物件のメリットは、大きく次の3点があげられます。
- 市場価格よりも安い
- 幅広い物件がある
- 所有権移転登記等の手続きが容易
特に市場価格よりも安いという点は、不動産の購入を検討している人にとって大きな魅力です。「何はさておき安いから」と、競売物件を購入しようとする人も多く見られます。
市場価格よりも安い
地域にもよりますが、大半の競売物件は一般物件の相場の6割から7割程度の価格で購入できます。競売物件落札者の半数以上は、不動産業者をはじめとする法人です。落札した後、リフォームをするなど手を加えてから再度販売します。これは、競売物件は再販売しても黒字が出るほど、市場価格より安価で入手できることを物語っています。
このように、圧倒的な価格の安さが競売物件の最大の魅力なのです。ただし、物件によっては購入代金のほかに費用がかかる場合があるので、「競売はお得である」と一概には言い切れません。そのため、物件についての下調べを十分にしたうえで購入を決める必要があります。
幅広い物件がある
競売物件は不動産会社を介さないため、一般の住宅情報サイトではあまりでないような物件に巡りあえるのも利点の1つです。
居住用の不動産のみならず、店舗や事務所、オフィスビル、マンション、さらにはアパート丸ごと1棟など、数えあげればきりがないほど多種多様な物件があります。また地域によっては、一般では目にしないような僻地の不動産や、山林、変形地などを見つけることも可能です。
所有権移転登記等の手続きが容易
一般の不動産物件と比較すると、競売物件は落札後の法的手続きの負担が少ないです。前述の「競売物件を購入する方法/買受け後の手続き方法」でも解説した通り、所有権移転登記や抵当権抹消登記などの面倒な手続きは裁判所が行います。
競売物件の落札者は、保証金を納付してから入札に必要な書類を提出した後、残代金を納付するだけで手続きが終了するのです。一般の不動産物件のように、登記手続きを司法書士に依頼し、売買契約書を取り交わした後に代金を清算するなどといったプロセスはありません。
競売物件のデメリット
競売物件はメリットがある一方、デメリットも多くあり、購入する際のリスクが大きいのが現状です。このことを認識したうえで、競売物件購入の検討を進めていくようにしましょう。
優良物件の落札は難しい
取得費用が安い競売物件は、投資用の物件として利用する際、賃貸収益などの利回り(※)が高くなります。そして、このような収益性の高い優良物件ほど、たくさんの人や業者が競売入札に参加します。つまり、優良物件を落札したいと考えるライバルが多くなるため、落札が難しくなるのです。
また、競売に費やせる金額は、個人よりも不動産業者など法人のほうが当然優位です。さらに業者は、競売による物件入手にまつわるある程度のノウハウをしっかりと打ち立てています。そのため個人が、競売物件の「安価」という最大のメリットを保ったまま、優良物件を落札するのは困難なことが多いです。
(※)利回り:投資金額に対する、利息も含めた年間収益の割合のことです。
契約不適合責任はない
競売物件を購入した後に、物件の破損や汚れ等の不備があっても、売り主がいないので契約不適合責任(※)が発生しません。よって、これらの不備は自分で費用を捻出し、修繕や清掃をする必要があります。
(※)契約不適合責任:売買の目的物に「隠れた瑕疵」があったとき、買い主は売り主に対して損害賠償の請求や契約の解除を求めることができる権利のことです。改正前民法では「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と呼ばれていました。
物件の詳しい情報が分からない
競売物件は一般市場に出ている不動産物件とは違い、物件の室内に入って内覧することができません。室内のチェックは落札して所有権が移転するまでは不可能なので、入札前は物件の外観と周辺環境をじっくりと観察するしかないのです。裁判所より、物件明細書・評価書・現況調査報告書の3点セットは提供されるものの、資料はあくまでも資料です。
そのため、資料や広告から得られるイメージと、実際に物件の中に入ったときの印象に大きなギャップを感じるケースも少なくありません。物件の購入を検討する際、物件の詳しい情報が分からないまま入札するかどうかを判断しなければならないのは、競売物件の最大のデメリットだといえでしょう。
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立ち退きのトラブルの可能性がある
無事に落札できたとしても、住んでいる人や占有者がスムーズに立ち退いてくれないケースがあります。その場合には、購入者が自ら交渉をしなければなりません。先述の「契約不適合責任はない」でも解説しましたが、競売物件購入の際は、売り主が存在しないからです。
たとえば、立ち退き交渉が上手く進まなかった結果、裁判所に引渡し命令の申し立てを行い、強制執行の許可をもらえたとします。その後に、明け渡しにかかる家具の運搬費用などを裁判所の執行官に支払う必要があるのです。さらに、強制執行を開始するための費用を前もって納付するよう請求されることもあります。
このように、立ち退きトラブルが発生したときは、交渉や裁判所への申し立てを自分で行うことになるので、手間や時間、費用までもが余分にかかってしまう点はきちんと留意しておきましょう。
期限が決まっている
競売物件には購入時の手順1つ1つに対して期限が決められているので、期限切れを起こさないよう気をつける必要があります。
まず競売物件は、裁判所が規定した一定の期間中に入札をしなければなりません。また落札後、入札中に支払った保証金(売却基準価額の20%)の残りの代金を「残代金納付期限」までに支払う必要があります。なお、この期限は、競売物件の売却許可が確定してからおよそ30日間です。
競売物件を購入するときの注意点
この項では、競売物件を購入するときに注意しなければいけないポイントを7点紹介していきます。前述の「競売物件のデメリット」と合わせて確認してください。
特に、「落札後の取り消しができない」点は、大金を損しかねない重要なポイントとなります。競売物件を購入する際には、慎重に慎重を重ねて検討していく姿勢が必要です。
保証金を用意しておかなければいけない
前述の「競売物件を購入する方法/入札保証金を振り込む・入札に必要な書類」でも記載しましたが、入札するときに必要となる書類の中には、保証金を振り込んだことを証明する用紙が含まれています。そして、この保証金は裁判所が定めた期間内に支払わなければならないため、入札する前に用意しておく必要があります。
また、落札できたとしても、期日までに残額を納付しないと没収されてしまうので、支払い期間を間違えないよう注意しましょう。
人気のあるエリアでは金額が高くなる
競売物件は、すべてが安く購入できるわけではありません。人気のあるエリアの物件は落札価格が高くなりやすいため、一般の中古物件とそれほど価格が変わらないケースも多いです。
もし、気に入った競売物件に入札してから落札価格がどんどん上昇していく場合には、すぐに切り替えて別の物件探しに移行することをおすすめします。
住宅ローンの利用は事前に相談をする
以前は、競売物件では住宅ローンを組むことができませんでした。しかし民法の改正により、競売に抵当権(※)を設定できる旨が明記されてからは、住宅ローンを利用することが可能になりました。
ただし競売物件に住宅ローンを利用するためには、司法書士など登記の専門家に申立書等の作成を依頼し、裁判所に提出しなければいけません。
競売物件をマイホームとして入手する予定をしている場合、住宅ローンの利用を希望する人は多いでしょう。その際には、ローンなしでの購入時とは異なる申し込み手続きが必要で、さらに専門家への依頼に対する報酬や登録免許税などの費用がかかる点をあらかじめ頭に入れておきましょう。
(※)抵当権:住宅ローンを契約するときに金融機関が設定する、不動産を担保として差しだす権利のことです。
落札後の取り消しはできない
落札が決定した後、立ち退いてくれない占有者がいたり物件に隠れた欠陥が見つかったりなどのトラブルが発生し、「買うのをやめたい」と思うことがあるかもしれません。しかし、落札後に買受けの意思を取り消すことは不可能です。
そのため、競売物件への入札を検討中に、購入費用だけではなく物件を利用できるようにする費用(明け渡しに必要な費用や補修費など)を前もって見積もっておく必要があります。必ずある程度の見通しを立てたうえで、入札するようにしましょう。
困ったときは専門の業者に代行を依頼する
落札した物件が白アリの被害で腐食していたり、一歩踏み入ったら実はゴミ屋敷だったりなど、競売物件には様々なトラブルが付きものです。
もし、そのような物件を購入してしまった場合は、専門の業者に代行を依頼することを検討してみてください。当然手数料はかかりますが、より大きなトラブルを回避するために不動産会社を上手く利用するのは有効な方法の1つです。
物件に残っている物の処分は法的手続きに従う
引渡し後、競売物件に残っていたものがあっても勝手に処分してはいけません。残置物の処分は法的手続きに従って行わないと、民事的に不法行為にあたり持ち主から損害賠償請求をされる場合があるからです。また刑事的には、器物損壊罪もしくは窃盗罪に問われてしまう可能性もあります。
なお、残置物は占有者と交渉して処分を行うか、法的な手段により強制処分するかのいずれかの方法をとることになります。そして、残置物の処分には、撤去するための費用や執行当日の人件費、保管する一時倉庫の費用がかかります。あわせて、運送業者の手配なども必要です。
競売と公売の違いは?
公売は競売と似ていますが、公売は税金を支払わずに差し押さえられた不動産などの財産を強制的に売却することをいいます。つまり、所得税や相続税などの滞納があった場合、国や地方公共団体に属する税徴収職員が税金回収のために差し押さえた不動産を入札形式で売却し、換金する手続きのことです。
競売と公売の違いを次の表にまとめました。
競売 | 公売 | |
---|---|---|
債権者 | 民間企業・個人 | 国税局・自治体 |
管轄 | 裁判所 | 国・地方自治体 |
価格 | 公売より安い | 市場価格並み |
競売は、債権者からの申し立てにより裁判所が不動産を売却するのに対して、公売は、国税徴収法に基づき滞納税庁が不動産を売却するという点が大きな違いになります。
競売は占有者や残置物があるケースも多く、後の処理が複雑であるがゆえに価格が安いという特徴があります。一方、公売は、基本的にクリーンな物件で、競売よりも安全で安心な点が特徴です。
まとめ
これまでみてきたように、競売物件とは不動産を担保にした借金を返せなくなったため、所有者がやむを得ず手放した、いわば「いわくつき」の物件のことをいいます。そのため安価で購入できるメリットがありますが、優良物件の落札は難しかったり物件の詳しい情報が分からなかったりなど、デメリットが多いのも特徴です。
また競売物件を購入するときには、保証金を準備しておかなければいけないことをはじめとするいくつかの注意点があるので、事前にしっかりと内容を把握しておきましょう。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
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