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未経過固定資産税とは何?消費税など税務上の取り扱い方も解説

不動産売却
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不動産の売買において、売主と買主の間では未経過固定資産税の清算が行われるのが一般的ですが、聞き慣れない人は「何だか難しそう」と感じるのではないでしょうか?しかし、用語の意味を理解できれば決して難しいことではありません。

未経過固定資産税とは、簡単にいえば不動産売買の売主・買主の間で授受される固定資産税相当分の清算金のことをいいます。あくまでも不動産取引の当事者が行う精算金の授受であって、税金ではありません。

本記事では未経過固定資産税の概要と支払い例、税務上の取り扱いについて詳しく解説します。不動産取引をする上で知っておく必要がありますので、この機会にしっかりと理解しておきましょう。

未経過固定資産税とは?

未経過固定資産税とは、不動産の売主が支払う固定資産税について、買主側が自らの負担分を清算金という形式で支払うものです。税法で定められた税金ではなく、売主にとっては不動産の売却価格に含まれる利益とみなされ、買主にとっては不動産取得価額の一部となります。

まずは詳しい用語の意味と取り扱い方をみてみましょう。

不動産売買時の固定資産税清算金

未経過固定資産税とは、不動産を売買した場合の譲渡日から年末(あるいは年度末)までの固定資産税(および都市計画税)相当分のことをいいます

固定資産税とは毎年1月1日に不動産の所有者に対して課される税金で、1年分を前納付しなければなりません。しかし、課税後に当該不動産を売却した場合、売主にとってすでに所有していない土地や建物に対して税金を支払っていることになります。

そこで、不動産引き渡し後の固定資産税相当分を買主が売主に清算(調整)という形式で支払うのが一般的になっています。これが未経過固定資産税と呼ばれるものです。

なお、都市計画税とは特定のエリアに不動産を所有している人に課される税金で、固定資産税額に上限0.3%までの税率を掛けて算出されます。固定資産税とまとめて課税されることになるので、該当エリアの不動産の売買では、買主は都市計画税の相当分を上乗せした未経過固定資産税を売主に支払うことになります。

未経過固定資産税という税金はない

不動産の買主は、売主が支払った譲渡日以降の固定資産税に相当する額を清算という形式で支払います。ただし、これは不動産売買における商慣習であって、税法に規定されているわけではありません。未経過固定資産税という呼び方をしていても、税金ではないのです。

不動産の買主にとって、未経過固定資産税は不動産を取得してから1年未満に発生する固定資産税・都市計画税の清算金の名称です。逆に売主にとっては、余計に支払った日数分の固定資産税を売り主から支払ってもらう金額なので、税制上は納付する固定資産税とは無関係とされています。

不動産の取得価額の一部

未経過固定資産税は、売主が不動産の売却時に買主より受け取った売却価格の一部とみなされ、買主にとっては取得価額に含まれることになります。不動産の取得対価として売却金額に上乗せされるわけです。

詳しくは後述しますが、税務当局の立場からすれば、未経過固定資産税は不動産の所有者が納付するべき税金ではありません。あくまでも不動産売買の当事者が独自に行う利益調整とみなしているため、不動産の譲渡日を根拠とした売主・買主の負担按分はもちろん、清算金の扱いそのものに当局は関与しないわけです。

したがって、不動産の売却金額に上乗せされた未経過固定資産税の精算分は税金という扱いにはならず、譲渡所得として課税対象になります

固定資産税・都市計画税のしくみ

未経過固定資産税の概要を説明したところで、固定資産税と都市計画税のしくみを説明します。固定資産税は賦課期日(1月1日)における不動産所有者に対して課される税金です。たとえ年度中に売却や譲渡によって物件を手放したとしても、固定資産税の納付義務は売主にあります。以下で詳しくみてみましょう。

固定資産税は毎年1月1日の所有者が負担

固定資産税の対象となる資産は次のとおりで、毎年1月1日時点での所有者に対して課されます

  • 宅地や田んぼ、畑、牧場、山林などの土地
  • 住宅(居住用・投資用問わず)、店舗、工場などの建物
  • 土地・建物以外の償却資産(車両や船舶、航空機など)

各市町村は地域の固定資産の状況・評価を明らかにするために固定資産台帳を備えていなければなりません。その台帳をもとに、毎年1月1日の時点における(都市計画税を含んだ)固定資産税の支払い義務者を割り出して、納付書を送付します。たとえ年度中に不動産の所有者が変わったとしても、支払い義務に変わりはありません

そのため不動産の売買においては、売主負担分の固定資産税額を買主が未経過固定資産税として支払うわけです。

未経過固定資産税の支払い例

では、簡単な未経過固定資産税の支払い例を考えてみましょう。

売買対象の不動産の固定資産税が20万円で、当該不動産を7月1日に引き渡した場合を考えてください。売主は1月1日から6月30日までのちょうど半年間、所有していたことになり、買主は7月1日から12月31日まで所有している状態です。

固定資産税額を売主・買主が所有日数に応じて平等に按分するならば、双方が10万円ずつ負担しなければなりません。ただし、売主は20万円を固定資産税として支払う必要があるため、買主は自らの負担分である10万円を未経過固定資産税として買主に支払います。

これで実質的に、売主と買主の双方が不動産の所有日数に応じて平等に固定資産税を負担したことになります。

年途中で所有者が変更しても納税義務は移らない

固定資産税は課税対象の不動産が売買された場合でも、11日時点での所有者に納付義務があります。たとえば、1月2日に売買契約が成立し、すぐに当該不動産が買主に譲渡された場合であっても、その年の固定資産税は売主が納付しなければなりません。

なお、固定資産税の納付書は納税義務者のもとに4月~5月頃に振込用紙とともに届きます。必ずしも一括で納付するのではなく、1年分の税額を第一期~第四期と4分割し、それぞれの納期限までに支払うことになっている市町村が多いです。分割納付の場合の一般的な納期限は次のようになっています。

  • 第一期:4月末
  • 第二期:7月末
  • 第三期:12月末
  • 第四期:翌2月末

たとえ納付通知書が届いた時点で不動産の受け渡しが完了していても、1月1日の時点で所有していれば1年分の固定資産税を納付しなければなりません

税務当局にとって清算の有無は関係ない

固定資産税・都市計画税の清算は、不動産売買の当事者が自らの裁量で行っているという扱いであり、税務当局は関与しないという立場です。未経過固定資産税という呼称も、不動産売買の商慣習で呼ばれているだけで税務上の規定がありません。

すでに説明したように、不動産に関する固定資産税は、各市町村が所有者を割り出して賦課期日である1月1日に課税します。その時点での所有者から税金を徴収できれば問題ないため、税務当局は年度中に当該不動産の所有権が移転しても何も言ってくることはありません。

そのため、未経過固定資産税の支払いや負担按分についての話し合いは、不動産売買の当事者同士がしっかりと行う必要があります。仮に買主が未経過固定資産税を一切支払わないという取り決めをしても、税制上は何の問題も生じません。

未経過固定資産税の税務上の取り扱い

上述のように、未経過固定資産税は税金ではありません。法律上の規定こそないものの、過去の判例では固定資産税の清算金は売買代金の一部とみなされています。未経過固定資産税の税務上の取り扱いについて、もう少し掘り下げてみましょう。

所得税・法人税についての取り扱い

まずは未経過固定資産税の所得税・法人税の取り扱いについてです。

規定はないが過去の裁判で売買代金としている

実務上、未経過固定資産税は不動産売買の当事者が精算するケースがほとんどです。所得税・法人税に関する法律上の規定はありませんが、過去に固定資産税等精算金は売買代金に含まれるとする判例が出ています

これは2013年に菓子製造会社がある不動産(土地および建物)を譲り受けた際に、その年度の当該不動産の固定資産税および都市計画税のうち、譲渡人に支払った引き渡し後の期間相当額を損金に算入して法人税申告をしたことがきっかけです。

税務当局は譲受企業が支払った固定資産税相当額は不動産の取得価額に含まれるという判断をもと、法人税の更正処分を行いました。同企業はこれを不服として、処分の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求をしたという流れです。

審判所による裁決は、不動産の譲受人が支払った未経過固定資産税等相当額は売買取引の条件の1つであり、不動産の取得価額に含まれると判断するのが妥当とするものでした。これによって、未経過固定資産税は売買代金の一種であり、不動産の買い手や譲受人は損金算入ができないという判例ができたわけです。

売主は売却収入に含める

不動産の売主は、買主から受け取った未経過固定資産税を売却収入の一部として計上する必要があります

たとえば不動産の売却価格が500万円で買主から受け取った未経過固定資産税が5万円だった場合、505万円が売却収入となり、譲渡所得として申告しなければなりません。不動産を譲渡した場合も、譲受人から受け取った未経過固定資産税は譲渡所得として課税対象となります。

買主は取得価額に算入

一方、不動産の買主は売主に支払った未経過固定資産税を取得価額の一部として計上する必要があり、経費にすることはできません。 土地の固定資産税清算金は土地の取得価額となり、建物の清算金は建物の取得価額に上乗せして滅価償却の対象となります。

消費税についての取り扱い

次に未経過固定資産税の消費税の取り扱いについてです。

未経過固定資産税は課税対象

通常の固定資産税は税金なので、当然、消費税がかかることはありません。しかし、未経過固定資産税は不動産の所得対価の一部を構成するものとされ、売り上げとして消費税の課税対象となる旨の通達がされています。

参考:「消費税基本通達10-1-6

売主は土地を非課税売上・建物を課税売上

ただし、不動産の売買で消費税が課税されるのは建物のみで、土地の固定資産税等精算金は非課税となります。

売主の場合、

  • 土地の未経過固定資産税は非課税売上として計上
  • 建物の未経過固定資産税は課税売上として計上

という扱いになります。

買主は土地を非課税仕入・建物を課税仕入

一方、買主の場合、

  • 土地の未経過固定資産税は非課税仕入として計上
  • 建物の未経過固定資産税は課税仕入として計上

となります。土地と建物をまとめて取引する場合は、扱いの違いに注意しましょう

関西と関東で起算日が異なり注意が必要

固定資産税の起算日が関東と関西では違う場合があることも知っておく必要があります。関東では1日1日が起算日となり、関西では4月1日になるため、未経過固定資産税の取り決めをする際には注意しなければいけません。

  • 関東:1月1日~12月31日の期間で固定資産税額を計算
  • 関西:4月1日~翌年3月31日の期間で固定資産税額を計算

たとえば51日に不動産の引き渡しが行われた場合、関東方式では1月1日から4月30日までの4ヶ月分が売主の負担、5月1日から12月31日までの8ヶ月分が買主の負担です。一方、関西方式では、売主は4月1日から30日までの1ヶ月分の負担、買主は5月1日から翌年の3月31日までの11ヶ月分を負担することになります。

一見、関西方式の方が売主の負担が軽いように感じられますが、売主側は起算前年度の1月1日~3月31日までの固定資産税を納付しているので、実際に負担する金額はどちらの方式を用いても同じです。買主側も関西方式の方が負担が重いように感じられますが、関東方式では翌年の1月1日から当該不動産の固定資産税を納付しなければならないため、どちらの方式でも実質的な負担は変わりません。清算金として支払うか、固定資産税として納付するかの違いだけです。

売主と買主、どちらの立場になるにしても、固定資産税の起算日の違いに注意して売買取引を行うようにしてください

2年度にわたって固定資産税の清算が生じるケース

関西方式では2年度にわたって固定資産税の負担額を考えなければならないケースが出てくるので注意しましょう。1月1日~3月31日の間に不動産の受け渡しがあった場合、買主は受け渡し日から3月31日までの固定資産税の清算(売主への支払い)を行いますが、翌年度(4月1日以降)の分も無経過固定資産税として負担しなければなりません。

3月31日までの分は、すでに売主のもとに納税通知書があるため清算金がわかりますが、翌年度の納税通知書は後日(4月~5月頃)送付されるため、1月~3月の時点では清算金が不明です。そのため、通常は前年度の固定資産税額を基準に精算するか、納付書が届くまで清算を延期します。

ただし、すでに前年度分の清算を行ってから改めて翌年度分の清算をする場合、買主によっては2年分の固定資産税を不当に払わなければならないと感じてトラブルになるケースもあるようです。不動産取引に不慣れな人と未経過固定資産税のやりとりをする場合は気をつけましょう。当事者同士で事前にしっかり取り決めをしておくことが重要です。

未経過固定資産税についてのQ&A

最後に、未経過固定資産税に関して、よくある質問を紹介します。

Q.建物を解体して土地売却する場合は?

「固定資産税は対象となる不動産の1月1日時点での所有者が納税しなければなりませんが、1月2日以降に建物を解体して土地を売却する場合はどうなるでしょうか?」

建物の解体後に土地の売却が決まっている場合は、1月1日より前に解体しておくことが重要です。賦課期日に間に合わない場合、解体によって存在しなくなった建物の固定資産税を納付しなければならない可能性が出てくるので注意してください。

建物が課税対象として認定されるためには、屋根や壁などがあって風雨をしのぐことができる一定の空間を有している必要があります。逆にいえば、屋根や壁がなければ課税対象とはみなされないため、どうしても解体が間に合わない場合、事前に市役所に相談してみましょう。建物の状況にもよりますが、屋根と壁だけ壊してあれば課税しないなどの対応を受けられる可能性があります。

Q.未経過固定資産税を経費として計上できる?

未経過固定資産税は不動産の買主にとっては取得価額の一部なので、経費として計上することはできません。もし不動産購入の必要経費として確定申告を行った場合、建物取得価額の計上漏れとみなされるので注意しましょう。税務署に指摘されないように正確に申告する必要があります。

まとめ

未経過固定資産税の概要と取り扱いについて解説してきました。未経費固定資産税は税金ではなく、不動産売買の買主が売主に支払う清算金です。売主にとっては譲渡所得となり、買主にとっては不動産の取得価額の一部とみなされます。譲渡所得として申告しなかったり、経費として申告してしまうと税務署から修正を求められることになるので注意してください

また、消費税の課税事業者の場合、売却した建物の未経過固定資産税に関しても課税されます。固定資産税との扱いの違いに注意しながら、正しく申告するようにしましょう。

※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
https://www.rosenka.nta.go.jp/
https://www.retpc.jp/chosa/reins/
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf


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