土地売却の注意点まとめ!確定申告までの流れとポイントも詳しく解説

不動産売却

土地売却の注意点を知りたくても、何から手をつけていいか分からない、ということはありませんか?

一言で注意点と言っても、土地売却には多数のポイントがあります。それぞれのポイントで複数の注意点があるために、何もないところから事前に全体を把握するのはとても大変です。

この記事では、土地売却の重要な注意点を各段階ごとにまとめています。流れや基礎知識も解説しているので、実際の売却でより詳しい注意点を把握するためのきっかけにもなるでしょう。マイナビ不動産で読める、より詳細な記事へのリンクもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

それぞれの注意点について知識を深めて、土地の売却を成功させましょう。

土地の売却・確定申告までの流れと必要書類

土地を売却するには、必要な行動の流れや書類をあらかじめ把握しておくとスムーズです。ここでは、売却の流れ・必要書類についてポイントを解説します。

はじめに確定測量図を確認する

土地を売却して確定申告するまでの大まかな流れは、次の通りです。

  1. 最新の確定測量図の有無を確認する
  2. 土地のメンテナンスを行う
  3. 査定を依頼する
  4. 不動産業者と媒介契約を締結する
  5. 売却活動を行う(適宜、土地のメンテナンスを行う)
  6. 売買契約を締結する
  7. 引渡しを行う
  8. 確定申告を行う

土地など不動産売却では、まず査定を依頼することがよく知られています。

しかし、後述する訪問査定のような、より正確な査定には確定測量図が欠かせません。売主には、隣地との境を明確にする境界明示義務があるからです。境界明示義務を果たさないまま査定や売却をしてしまうと、適正な査定価格を出せなかったり、売却後に隣地とトラブルになることもあります。

下記の必要な書類一覧でも分かる通り、媒介契約時にも、売買契約時にも、確定測量図は必要になります。そして、境界は自分だけで決定できないため、確定測量図が手元にない場合や測量が必要な場合、年単位で時間がかかるケースもあります。

売却を決めたら、まず最初に確定測量図の有無を確認しましょう。登記簿謄本と現在の状況が異なることもあるので、必ず最新の情報が記載されているかどうかも確認しましょう。

土地売却を決めたら、最新の確定測量図が手元にあるかどうか確認する。

 

土地の売却に必要な書類一覧

土地の売却に必要な書類とタイミングは以下の通りです。どんな書類がいつ必要なのか、イメージしながら確認してみてください。

必要な書類 必要なタイミング
確定測量図
  • 査定時
  • 媒介契約時
  • 売買契約時
登記簿謄本(登記事項証明書)
  • 境界確認時
  • 測量時
  • 査定時
  • 媒介契約時
  • 売買契約時
発行から3ヶ月以内の住民票
(登記簿情報と現住所が異なる場合)
  • 媒介契約時
  • 売買契約時
土地取得時の過去の売買契約書
  • 媒介契約時
登記済権利書(登記識別情報)
  • 媒介契約時
  • 売買契約時
  • 引渡し時
身分証明書
  • 媒介契約時
  • 売買契約時
  • 引渡し時
土地取得時の重要事項説明書
  • 媒介契約時
  • 売買契約時
  • 販売時
固定資産税納税・都市計画税納税通知書
  • 販売時
実印と印鑑証明
  • 売買契約時
  • 引渡し時
固定資産評価証明書
  • 売買契約時
  • 引渡し時
預金通帳
  • 引渡し時

次の記事では、土地売却に必要な書類について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

不動産売却で必要になる書類とは?確定申告まで不備なく申請
不動産を売却する際、その都度必要になった時点で書類を準備すればいいと考えていませんか?実は不動産売却が成功するかどうかは書類を準備する段階から決まってきます。スムーズな不動産売却へと繋げるために知っておくべき基本の必要書類を解説します。

土地売却の注意点① 〜売却の準備〜

土地を売却するにあたり、「どのような準備をすれば良いか分からない」という人も多いと思います。ここでは、土地売却の準備をする際のおもな注意点を解説していきます。

相続した土地は名義を変更する

相続した土地を売却するには、名義を相続人に変更する必要があります。売却時や売却後のトラブルの原因にもなるため、仲介の不動産業者や買い手から名義について確認される場合もあります。

名義変更は、相続税の法定申告期限までに済ませましょう。相続税の法定申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月です。それを過ぎると、税制の特例が利用できなくなったり、場合によっては罰金を科されることもあります。税制について専門家に相談したい場合は、税理士に依頼するのが良いでしょう。

名義変更は自分で行うことも可能ですし、司法書士に依頼することもできます。かかる費用はケースバイケースですが、10万円前後が目安です。

また、名義変更には登録免許税がかかります。登録免許税も含め、土地の売却にかかる税金や費用は次の記事で詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください。

相続した土地の売却方法は?かかる費用や税金、節税対策の手引き
相続で思いがけず手に入れてしまったけど、維持はできない土地などの不動産。放置してしまうと大きな損をしてしまうこともあるんです。多少面倒でもしっかりと手続きをして早いうちに売却してしまいましょう。かかる費用や、売却のコツを解説します。

確定測量図が手元にあるか確認する

売却を決めたら、早急に確定測量図を探しましょう。確定測量図とは、土地の測量を行い、土地の面積や隣地との境界を確定したことを書面で残したものです。境界を確定したことがわかる書類が手元にないと、測量が必要になる可能性もあります。境界確定には年単位で時間が必要になる場合もあります。

売却の流れでも述べましたが、土地や土地付きの建物を売却する場合、売主には隣接する土地との境を明確にする境界明示義務があります。このため、土地や土地付きの建物の売却には確定測量図が必要になります。

登記簿謄本に記載された情報が現状と異なる場合もあり、その場合も測量が必要になります。最新の状況が記載された確定測量図かどうか、よく確認するようにしましょう。

確定測量図の必要性や入手方法については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

確定測量図がないとトラブルに?必要性や入手方法・費用など徹底解説
不動産売却に必要なものの一つである「確定測量図」ですが、初めてこの言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。この記事では、そもそも確定測量図とは何か、その必要性や取得方法などを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

売却する土地のローンは完済しておく

ローンを組んで購入した土地を売却する場合、ローンを完済し、登記簿謄本の抵当権を抹消する手続きを済ませておく必要があります。

ローンを返済できなくなったとき、その土地を競売にかけることが可能な権利を抵当権といいます。ローンの支払いが残っていると、売却後に支払いが滞った場合、金融機関に抵当権を行使される差し押さえのリスクがあります。そのため、買い手が付きにくいのです。

抵当権の抹消は、ローンを完済しても公的機関では行いません。ご自身で行うか司法書士に依頼して、登記簿謄本を書き換える必要があります。次の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

抵当権抹消の必要書類まとめ!基礎知識から紛失したときの対策まで徹底解説
抵当権抹消のために必要な書類や手続きが分からず面倒に感じている人は少なくありません。そこでこの記事では事前に用意すべき必要書類や踏むべき手順、万が一紛失してしまった時の対策まで徹底解説します。事前に必要書類を集めスムーズな手続きを目指しましょう。

建物付きの土地はすぐに更地にしない

建物付きの売却と更地の売却のメリットとデメリットを、表で比べてみましょう。

  メリット デメリット
建物付き売却
  • 建物を解体する費用が不要
  • 土地の固定資産税や都市計画税が安い
  • 解体を伴うため売却しにくいケースもある
  • 建物が朽廃している場合なども売却しにくい
更地売却
  • 買い手の土地利用が自由
  • 買い手が付きやすいケースもある
  • 建物を解体する費用がかかる
  • 土地の固定資産税や都市計画税の負担が大きい

このように、土地を建物付きで売却する場合も、更地にしてから売却する場合も、どちらにもメリットとデメリットがあります。一概にどちらが良いと判断できないため、急いで更地にせず、不動産業者などに相談してから決めるのが良いでしょう。次の記事では、土地の査定額が高くなる場合の基準や、古家付きの場合に考えられる対応をまとめています。参考にしてみてください。

土地の売却に査定は絶対に必要!?査定方法や注意ポイントについて解説
「土地の売却を検討しているけれども、売り方がわからない」と困っていませんか。この記事では、土地の売却前に査定が必要な理由や土地の査定方法、また査定依頼する前の準備やより高く売るポイントなどについて取り上げ、わかりやすく説明していきます。

適正な販売価格を知るため査定を依頼する

査定においては金額も重要ですが、査定方法の選択も売却の重要なポイントです。査定額は実際の販売価格ではないことにも注意しましょう。また、査定額の根拠については具体的な説明をしてもらい、納得できる不動産会社を選びましょう。

査定には机上査定と訪問査定があります。大まかなちがいは表の通りです。

特徴 メリット デメリット
机上査定 データで査定 依頼が簡単 精度が低い
訪問査定 現地を見て査定 精度が高い 料金が高い

ひとつの不動産業者だけに査定を依頼すると価格を比べることができないため、査定額が適正かどうか分かりません。適正な査定額を知るために、複数の業者に依頼して査定価格を比べてから仲介業者を決めるようにしましょう。

インターネットを利用した机上査定であれば、一括査定サイトを利用して複数の業者に査定を依頼することで、その土地の売却価格の相場を知ることができます。ただし、表示価格が大まかである・希望の不動産会社に依頼できないケースがある・営業の電話がかかって来るケースもある、など、デメリットもあります。

土地がある地域の不動産業者に依頼する・不動産鑑定士に依頼する、など、インターネット以外の方法を活用することも検討しましょう。

次の記事では、インターネットで査定を依頼するメリット・デメリットについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

不動産査定はネットで!査定サイトのメリデメとおすすめサイト紹介
不動産査定をネットで依頼しても問題はありません。不動産売却で何から始めようかとお悩みなら、ぜひネット査定を利用してみることをおすすめします。本記事では不動産査定のネット依頼について、そのメリットだけでなくデメリットも含めて解説いたします。

別の方法として、国が公表している実勢価格や公示価格でも相場を調べるのも良いでしょう。国土交通省ホームページの「不動産取引価格情報」では、取引総額や坪単価など、主要都市における土地取引価格の概況を調べることができます。同じく国土交通省ホームページの「土地総合情報システム」では、実際に行われた不動産取引の価格や、標準地・基準地の価格を調べることができます。

不動産価格を自分で調べる方法や、査定方法の紹介、査定全般の注意点については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

不動産の査定方法を知りたい!査定額を出す3つの方法や査定前の準備を解説
不動産を売却する際、売却を決めたり、仲介を依頼する不動産会社をを決めたりと、重要になるのが査定額です。また売却が決まった後も、査定額を元に売り出し価格を決定します。ここでは不動産の査定方法や査定前の準備、注意点を解説します。

初めての方におすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」

すまいステップはこんな人におすすめ

  • 初めてで不安だから実績のあるエース級の担当者に出会いたい
  • 厳選された優良不動産会社のみに査定を依頼したい
  • 悪徳業者が徹底的に排除された査定サイトを使いたい

すまいステップの特徴

すまいステップは、2020年4月にサービスが開始された比較的新しい一括査定サイトです。

その特徴は、提携不動産会社の数ではなく、質で勝負をしている点。一括不動産査定サイトを長年運営している株式会社Speeeが厳選した優良不動産会社に限っての査定依頼となります。なので、査定依頼が初めてで、どの不動産会社が良いのかよく分からないという人に特におすすめです!

また、すまいステップを利用して査定依頼をすると、各不動産仲介会社で累計100件以上の売買実績があるエース級担当者に出会えるため、不動産の売却が初心者であっても安心です。

不動産一括査定サイトランキングおすすめ22選!選び方や利用者の声も紹介!
不動産売却でどこに査定依頼すればよいかお悩みの方必見!不動産一括査定サイトのおすすめ22サービスを紹介します。条件に合うサービスを1分で絞り込める診断チャートやサイトの選び方、利用者の口コミなど取り上げた査定サイト選びのための保存版です!

土地売却の注意点② 〜媒介契約から引渡し〜

ここでは、不動産業者と媒介契約し、土地を買い手に引渡すまでの注意点を解説していきます。このポイントを押さえておくと、安心して土地の売却をすることができます。

土地のメンテナンスを怠らない

手入れが行き届いていない土地は、雑草やゴミで見た目が悪くなってしまいます。土地の見た目が悪いと、購入意欲がそがれるだけでなく、値引き交渉の理由になってしまうこともあります。買い手に良い印象を与えられるよう、できる範囲でメンテナンスをしておきましょう。

売り出し価格は自分の希望だけで決めない

売り出し価格は自分の希望だけで決めないようにしましょう。相場より高すぎても買い手が見つからず、低すぎても損をしてしまいます。また、あまりに相場よりも価格が低い場合、訳あり物件なのではないかと不信感を与えてしまうこともあります。

また、売却後の生活や住宅ローン残債の折り合いを考慮し、最低価格を決めておくことも必要です相場を基準に、値下げの可能性も考慮して、不動産会社と相談しながら決めるのが良いでしょう。

売却を焦らない

土地の売却は、契約までスムーズに進んでも3~6ヶ月かかる、と言われています。また、購入者が決まってからの引渡しや決済だけでも、1~2ヶ月が必要とも言われます。確定測量図がなければ測量する必要がありますし、場合によっては、境界の確定だけで年単位の期間が必要になることもあります。

土地や名義人の状態によって、売却にかかる期間は変動することを念頭に、ゆとりを持ってスムーズに売却活動を行いましょう。

焦って短期間で売却しようとすると、無理な値下げをするなどして、結果的に損をしてしまいます。また、1月~3月の間など、土地が売れやすいタイミングもあります。早めに売却したい人は、売れやすいタイミングに合わせて売却するのもおすすめです。次の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

不動産売却はタイミングが重要!高額売却を狙える10のタイミングを紹介
不動産を売るタイミングを読み間違えると、立地の良い物件でも売れるまで時間がかかったり、思ったほど高く売れなかったりします。この記事では、不動産売却のタイミングをさまざまな角度から厳選、希望するタイミングで売るための注意点も紹介します。

不動産業者は査定結果だけで選ばない

土地を売却するなら、できるだけ高く売却可能な不動産業者を選びたい、という方も多いと思います。査定の価格も売却の重要な要素ですが、査定額=売却時の価格とは限りません。なぜその査定額なのかという根拠も重要なポイントです。

土地の査定額が高くなる場合は、いくつか条件があります。そのため、売り手が納得いくように査定額の根拠を説明してくれるかどうかは、信頼できる不動産業者かどうかを判断するポイントのひとつです。

また、既存の物件管理が中心の不動産業者もあります。媒介契約しようとしている不動産業者が土地の売却を得意としているか・売却する土地の周囲に土地勘があるか・担当者を信頼できるか、といった点もチェックしましょう。

次の記事では、不動産業者選びのポイントを詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

後悔しない不動産売却の業者選び!選び方のポイントや注意点を徹底解説
不動産売却では、どの業者に売却を依頼するかが重要です。依頼する業者次第で、売却期間や成約価格が違ってくることも少なくありません。どのような業者がよいのか、選び方のポイントや注意点などを知り、不動産の高額売却を成功させましょう。

媒介契約は3種類から目的別に選ぶ

不動産業者と締結する媒介契約とは、正式に不動産業者に売却依頼をするための契約のことです。媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
複数の会社との契約 × ×
買主との直接取引 ×
レインズ(※)への登録 5日以内 7日以内 任意(登録義務なし)
業務報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 任意(報告義務なし)
契約有効期間 最大3ヶ月 最大3ヶ月 規定なし(行政指導では3ヶ月)

(※)「レインズ(REINS)」とは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているコンピュータネットワークシステムのことです。レインズに登録すると、他の不動産会社も物件の情報を閲覧することができます。

一般媒介契約はレインズに登録する義務がありません。専属専任媒介契約なら契約を締結してから5日以内、専任媒介契約なら契約を締結してから7日以内に、依頼された物件情報を登録する義務があります。

次の記事では、専任媒介契約と一般媒介契約それぞれのメリットとデメリット、および、専属専任媒介契約の特徴と必要書類の内容を詳しく解説しています。それぞれ、参考にしてみてください。

一般媒介契約とは何?他契約と比べたメリットとデメリットを徹底解説
不動産仲介会社に物件売却を依頼する際に、媒介契約の判断にお悩みではありませんか?そこで、契約形態の1つである「一般媒介契約」におすすめの売却ケースや、一般媒介契約におけるメリット・デメリットの他、よくある疑問についても詳しくまとめました。
専任媒介契約のメリットとデメリットは!?おすすめケースも徹底解説
契約に関するメリットとデメリットを知れば、その契約内容が自分にあっているか判断することが出来ます。迷いがちな媒介契約のうち、専任媒介契約とはどういったものなのか?そのメリットをどのように活かすべきか、よくある疑問に関しても解説していきます。
専属専任媒介契約書とは?契約する前にチェックすべきポイントを解説
不動産を売却するため不動産会社に仲介を依頼する際に交わされる専属専任媒介契約書ですが、どういったことが記載されているのか、どのような項目をチェックしたらよいのか不安に感じている人は多いものです。この記事では専属専任媒介契約書の基礎知識から、作成時にチェックすべきポイントまで詳しく解説していきます。

既存の不備は責任の所在を契約書に明記する

建物や設備の不具合もしくは劣化を隠して売却すると、契約不適合責任によって賠償金が請求されてしまいます。つまり、査定時に確認されなくとも、売却後に隠れた瑕疵が確認された場合、買い主は売り主に損害賠償の請求が可能なのです。場合によっては、売買契約自体を解除されてしまうこともあります。

土地や家の売却は高額な取引になるため、お互いの信頼関係が重要です。売却後のトラブルを避けるためにも、マイナスポイントは隠さず、事前に伝えましょう。また、買い主が事前に納得している不備については責任を負わないことを、契約書で明記しておきましょう

ローン特約で契約が白紙になることもある

買い主が土地の購入でローンを組もうとしている場合、売買契約後に審査を行います。審査に通らないとローンが組めず、購入が不可能になります。

そこで、買い主がローン審査に落ちた場合には契約を白紙に戻す、というローン特約があります。売買契約を交わしても、買い主側でローンを組む場合は契約が白紙になる可能性もあるのです。引渡しと確定申告までが土地売却と考え、不測の事態にあわてないよう備えておきましょう。

次の記事では、契約後に買い主が解約できるパターンを解説しています。

不動産は売買契約後に解約できる!?7つの解除パターンを徹底解説
さまざまな事情から不動産の売買契約を白紙に戻したいと悩んでいる方は少なくありません。契約後に解除はできるのか、できたとしても違約金を払う必要があるのでは?と不安に思う方もいるでしょう。本記事では不動産売買の解除について詳しく解説します。

土地売却の注意点③ 〜売却にかかわる税金〜

土地の売却で利益が出た場合、税金を払う必要があります。反対に、損失が発生した場合には控除を受けることができます。土地売却では取引される金額が大きいため、税金も重要なポイントになります。

ここでは、土地売却時の税金にかかわる注意点について解説します。

確定申告で特別控除の利用を忘れない

土地の売却において、確定申告をすることで使える特別控除の種類と控除金額は以下の通りです。

特別控除 金額
収用等により土地建物を譲渡した場合
(土地収用法や収用権が認められている公共事業のために土地建物を売った場合)
5,000万円
マイホームを譲渡した場合(家屋とともにその敷地や借地権を売った場合) 3,000万円
特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合 2,000万円
特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合 1,500万円
平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合 1,000万円
農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 800万円
低未利用土地等を譲渡した場合 100万円

“参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(所得税・土地や建物を譲渡したとき)」

土地の譲渡所得から差し引く特別控除額の最高限度額は、年間の譲渡所得全体を通じて5,000万円です

マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、所有期間に関係なく適用でき、譲渡利益のうち3,000万円までは課税されません。ただし、取得費加算の特例とは併用できないため注意が必要です。

相続や遺贈で、空き家になった家や土地を取得して譲渡する場合、空き家の特例を利用できる場合もあります。平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売り、かつ、一定の要件にあてはれば、譲渡収益から最大3,000万円を控除できます。

「平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合」と「低未利用土地等を譲渡した場合」の特別控除額は、長期譲渡所得に限り控除することができ、それ以外の特別控除額は、長期譲渡所得、短期譲渡所得のいずれからも一定の順序で控除することができます。

土地の売却にかかわる税金や特別控除には、ここに挙げた以外にも詳しい要件が必要な場合があります。国税局ホームページ・よくある税の質問で確認したり、国税局電話相談窓口、税理士などにも相談してみましょう。期限や制限がある場合もあるため、売却する土地に適用できそうかどうか、早めに調べておきましょう。

次の記事では、ファイナンシャルプランナー監修のもと、相続した土地の売却にかかわる税金について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

相続した土地の売却にはどのような税金がいくらかかる?節税方法も徹底解説
相続した土地を売却に際して気になることとして、税金があります。どのような税金が、課されるのか、安く抑える方法はあるのかなど、多くの疑問があるでしょう。この記事では、相続した土地を売却する際にかかる税金を紹介し、節税の方法について解説します。

相続税・損失には確定申告で減税対策できる

ここでは、確定申告で減税対策に適用できる、取得費加算・損益通算・繰越控除という3つの税制のポイントについて解説します。概要は表の通りです。

相続税・取得費 所得税・住民税
取得費加算
  • 相続や遺贈により財産を取得した人
  • 土地に相続税が課されていた場合
  • 相続開始から3年10ヶ月以内の譲渡
  • 相続税額から一定額を売却の取得費に加算
  • 土地と土地譲渡益への課税負担を減らす
損益通算
  • 売却で譲渡損失が発生した場合
  • 売却した年の所得と譲渡損失を相殺
  • 所得税や住民税を減らす
  • 売却した年の所得以上の譲渡損失分は、
    短期譲渡所得では他の所得と相殺できない
繰越控除
  • 長期譲渡所得の場合に利用可能
  • 売却した年の損益通算で相殺できない場合
  • 翌年以降の所得に繰越しで損益通算が可能
  • 売却した年の翌年から最長3年延長可能

“参考:国税庁「No.3203 不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合(譲渡所得)」

  • 取得費加算とは、相続時に相続税を支払い、相続した不動産の譲渡益にも税金がかかるという負担を軽減するものです。具体的には、相続した不動産を相続開始から3年10ヶ月以内に譲渡した場合に、相続税額のうち、一定金額を譲渡資産の取得費に加算することが可能です。相続や遺贈により財産を取得した人で、相続税が課されていた場合にのみ適用されます。
  • 損益通算の特例とは、土地の売却で損失が発生してしまった場合、売却した年の他の所得と相殺して所得税や住民税を減らすことができるものです。
  • 物件を売った年の1月1日時点で、その物件の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得に、5年以下の場合は短期譲渡所得にあたります。
  • 短期譲渡所得の場合、損益通算で控除しきれない譲渡損失の金額は他の所得と相殺することができません。長期譲渡所得であれば、繰越控除を利用して翌年に持ち越すことになります。
  • 長期譲渡所得に限って、一定の要件を満たせば繰越控除の特例を利用できます。売却した年の所得よりも譲渡損失額が多く、損益通算を行っても相殺しきれない場合、翌年以降にも繰り越して所得と損失を相殺できる仕組みです。この特例は、売却した年の翌年から最長3年間の繰越が可能なため、売却した年と合わせて、最長4年間の所得税や住民税を減らすことができます。

相続税や損失など、土地売却にかかわる税金に減税対策ができるため、確定申告は必ず行うようにしましょう。

次の記事では、不動産売却と確定申告について詳しく解説しています。

不動産売却で確定申告は不要?税金で損をしない基礎知識を徹底解説!
確定申告と聞いて「手間がかかり負担」「計算式が複雑」など、出来る事なら申告手続きを避けたいと感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、不動産を売却をした場合に確定申告が必要か不必要かを、税制度や算出式などを交えて解説していきます。

所得税・住民税の支払い分は譲渡所得から残しておく

土地売却で利益が出た場合、所得税・住民税の支払いが必要になります。住民税は、給与以外の収入にかかる税金です。所得税・住民税の支払い時期は、土地の売却と期日が異なります。支払い分を手元に残しておくようにしまましょう。目安は表の通りですが、年度によって変動します。国税の納付手続き(国税庁ホームページ)なども参考にしましょう。

  所得税 住民税
決定時期 売却翌年の確定申告時(2〜3月が一般的) 売却翌年の6月以降(一括または4回分割)
納付時期 振替は4月が一般的(現金は確定申告期限まで) 売却翌年の6月以降の各納付期限日まで

所得税が課税される譲渡所得金額の具体的な計算方法は以下の通りです。

譲渡所得額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(適用される場合)=課税される譲渡所得金額
  • 取得費:売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や仲介手数料などの合計額。
  • 譲渡費用:仲介手数料や、測量費などの土地や建物を売るために直接要した費用、貸家の売却に際して支払った立退料、建物を取り壊して土地を売った時の取り壊し費用など。
  • 課税される譲渡所得金額:所得税がかかる譲渡収入の合計。税率(変動)をかけて所得税を算出する。

さらに、課税される譲渡所得金額から所得税額を計算する方法は以下の通りです。

  • 課税される所得金額×課税される所得金額ごとの所得税率ー課税される所得金額ごとの控除額=所得税額
  • 課税される所得金額が700万円の場合:700万円×0.23-63万6千円=97万4千円

“参考:国税庁「No.2260 所得税の税率(平成25年分の確定申告に関する手引き等)」

申告などで確定した税額を法定納期限までに支払えない場合、期限の翌日から納付する日までの日数に応じて追加で延滞税が課されてしまうので注意しましょう。

税金の納付期限に近くなってあわてるよりも、査定や売却価格を決める段階から、どのくらい所得税がかかりそうか目安を持っておくと良いでしょう。税理士など、専門家に相談することも検討しましょう。

次の記事では、不動産売却にかかわる税金について詳しくまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

【徹底解説】不動産売却で支払う税金はいくら?対策をしてお金を残そう
不動産売却では、さまざまなシーンで税金がかかります。実際の利益は税金を差し引いたものになるため、税金がいくらかかるかを知っておくことが大切です。また、節税対策の方法も知り、賢く対策してお得に不動産売却を成功させましょう。

まとめ

土地売却の注意点は、この記事で挙げた基本的なもの以外にも多数あります。オーナーの状況・土地の状態・金利や地価などは変動するからです。

だからこそ、土地の売却を成功させるには慎重な取引が必要です。自分だけで売却活動をするより、必ず信頼できる専門家に相談する機会を持ちましょう。専門家は不動産業者だけに限りません。相談することで、新しい注意点を発見することもできます。

この記事で紹介した注意点やポイントをもとに、自分と自分の土地に合った、売却から確定申告までの道のりをイメージしてみてください。

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