土地の売却でもう迷わない!基礎知識から確定申告の税金対策まで解説

不動産売却

土地の売買は多額のお金がやり取りされるため、買う側も売る側も真剣です。不動産会社に任せておけば大丈夫だろうと考える人もいるかもしれませんが、必要な知識を頭に入れておかないと、売却に失敗したり、損をしたりすることも少なくありません。また、中途半端な知識で行ってしまうとトラブルに発展してしまうことも。

この記事では、土地を高額に売却するために気をつけるポイントの説明はもちろんのこと、いかにスムーズにトラブルなく土地を売却するか、その後の確定申告や税金対策も説明しています。

土地売却に必要な基礎知識を正しく身につけて、納得した上で大切な土地を売りましょう。

土地を売却するまでの基礎知識

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土地を売りに出す一歩目として、まずは土地売却の基礎知識を身につけることから始めましょう。知っておきたいのは売却から確定申告までの流れや期間、必要書類や費用などです。これらを把握しておくことで、よりスムーズに土地の売却ができます。

土地を売却し確定申告するまでの流れ

土地を売却する際の大まかな流れを把握しておきましょう。土地の売却が完了すると、翌年に確定申告が必要であるため、ここまで含めて大筋の流れを知っておく必要があります。

  1. 不動産会社から売却予定の土地の査定を受ける
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 土地の売り出しをする
  4. 買主からの内覧対応をする
  5. 買主と売買契約を結ぶ
  6. 決済をして引き渡しをする
  7. 売却の翌年に確定申告をする

まずは不動産会社から査定を受け、どれくらいの価格で売却できそうなのかを知っておきます。その後、依頼する不動産会社を選び、媒介契約を結びましょう。媒介契約締結後に、仲介による売却活動が開始となります。

売却活動を開始して購入希望者が現れたなら、内覧対応をし、実際に物件を見てもらいます。気に入ってもらえたなら条件の交渉となり、双方合意の時点で売買契約を結びましょう。契約書にて定めたスケジュールで決済と引き渡しをし、売却の手順は完了です。

売却完了後は翌年に確定申告を行います。確定申告まで行って、売却は完全に終了となるため、ここまでの手続きを忘れないようにしましょう。

土地の売却が完了するまでにかかる期間は3ヶ月~半年くらい

土地の売却を始めるまでの準備期間としては、2週間から1ヶ月以上を見ておくとよいでしょう。この間に土地の相場価格を調査したり、不動産会社からの査定を受けたりします。

不動産会社と媒介契約を結び、買主を探す期間は1~3ヶ月程度です。買主がすぐに見つかるなら短期間での売却も可能ですが、見つからない場合は3ヶ月以上かかることもあります。

契約後の引き渡しは、契約日から1ヶ月後くらいになることが多いです。そのため、土地の売却にはトータルすると最低3ヶ月~半年程度が必要と考えて、これを目安にして売却スケジュールを決めることが大切です。

土地の売却で必要な書類一覧

土地を売却する際には、次の書類が必要です。

  • 本人確認の身分証明書
  • 住民票
  • 印鑑登録証明書
  • 実印
  • 権利証または登記識別情報
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 物件状況等報告書
  • 土地測量図
  • 境界確認書

これらの書類は事前に準備しておくことでスムーズに土地の売却できるようになります。身分証明書は運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどが使えます。住民票や印鑑登録証明書は、発行してから3ヶ月以内のもののみ有効であるため、取得時期には注意しましょう。

売買契約書には印鑑の押印が必要であり、この際に実印を使用することが多いです。認印でも構いませんが、不動産取引では実印を使用することが一般的です。

権利証や登記識別情報は、土地を購入している際に受け取っているはずです。固定資産税や都市計画税の通知書は、毎年送られてくるものを使用しましょう。物件状況報告書は、不動産の状況を詳細に買主に伝えるための書類であり、売却時に作成します。

土地の境界線が曖昧だったり、測量をしていない場合は隣地の所有者とのトラブルを避けるために、測量をしておかなければなりません。測量業者に測量を依頼することで、土地測量図や境界線確認書は取得できます。

土地の売却にかかる費用

土地を売却する際には、さまざまな費用がかかります。土地売却にかかる費用としては、次のものがあげられます。

  • 仲介手数料
  • 抵当権抹消費用
  • 測量費用
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 所得税
  • 復興特別所得税
  • 住民税

仲介手数料は売却価格によって変動します。法律では上限のみ決められており、基本的には売却価格が高くなるほど、手数料の上限額も上がると考えましょう。例えば土地が2,000万円で売却できた場合の仲介手数料の上限は72万6,000円です。

住宅ローンを組んで購入した土地だと、売却時に抵当権を抹消する必要があります。この費用は不動産1件に対して1,000円であり、土地のみに抵当権がかけられているなら、かかる費用は1,000円です。

測量図や境界確認書がない場合は事前に測量が必要であり、費用は30~40万円程度かかることが多いでしょう。

印紙税は売買契約書に貼り付ける収入印紙の金額であり、税額は次の通りです。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 10万円 60,000円
5億円を超え10億円以下 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

2022年3月31日までの取引なら、軽減税率が適用されます。登録免許税は所有権の移転登記をする際にかかる費用であり、固定資産税の台帳に記載された価格に、税率をかけて計算します。2021年3月31日までの取引では、土地の税率は1.5%であり、通常の税率は2%です。

土地に限らず、不動産を売却して利益が出ると、利益に対して所得税や復興特別所得税、住民税がかかります。これは不動産の所有期間によって税率が変動するため注意が必要です。

売却する年の1月1日時点で5年を超えていると長期譲渡所得、5年以下だと短期譲渡所得になり、税率は次の通りです。

所有期間 所得税(復興特別所得税を含む) 住民税
短期譲渡所得 30.63% 9%
長期譲渡所得 15.315% 5%

土地の売却にかかる費用は多いため、事前にコストを計算しておくと、実際に得られる利益を把握しやすいでしょう。

売却の第一歩は土地の相場を調べること

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土地の売却をしようと考えたなら、まずはどれくらいの価格で売却できそうなのか、相場を調べておくことが大切です。

相場を調べずに売却に乗り出してしまうと、実際より低い売値を付けてしまったりなど失敗することも少なくありません。相場について調べる方法を知り、売却前の準備を整えていきましょう。

相場を調べないと土地の売却で不利になる

売却時に土地の相場を調べておくべき理由としては、相場を把握していないと売却で不利になりやすいことがあげられます。例えば土地を売却する際には不動産会社による査定を受けますが、この金額は業者によって異なります

そのため、相場を把握していないと、提示された査定額が妥当かどうか判断できず、いくらで売却できそうかを考えることも難しいです。おおよその売却可能金額がわかっていないと、土地を売った後の資金計画も立てにくくなります。

また、相場を知らずに売却すると、実際は相場以下で安売りしてしまい、損をすることもあるでしょう。反対に相場以上の高値で売り出して買い手がつかずに売れ残るというケースもあり、相場を知らないことで起きるデメリットは多いです。

手軽に最新の相場を調べるなら一括査定

最新の相場を手軽に調べたいなら、一括査定サイトを利用することがおすすめです。一括査定サイトでは、土地の情報を登録することで、一度に複数社から査定が受けられます。それぞれの査定額を比較することで、大体の平均がわかるため、相場も判断しやすくなります。

効率的に複数社から査定を受けられるだけではなく、24時間無料で利用できる点も、一括査定サイトのメリットの1つです。ただし、不動産の所在地や種別など、基本的なデータで査定額を算出するにすぎません。そのため、実際に不動産会社の担当者が調べる訪問査定よりは正確性が下がる点が、デメリットといえます。

査定額の正確性は高くないですが、手間をかけずに簡単に調べられる方法であるため、まずは一括査定サイトを利用してみるとよいでしょう。

土地を売却したいなら一括査定サイト「イエウール」がおすすめ

土地の売却を検討している人に編集部がおすすめしたい一括査定サービスが「イエウール」です。イエウールがおすすめな理由について、以下にまとめています。

■イエウールがおすすめな理由

  • 月間ユーザー数No.1で安心(2020年7月時点)
  • 提携している不動産会社の数も業界No.1(2020年7月時点)
  • 全国エリアをカバーしているので地方の不動産も売却しやすい
  • 田んぼや畑など農地の売却にも対応している
  • 悪徳業者が排除される仕組みがあるので安心して利用できる

※2020年7月「不動産の一括査定サイトに関するランキング調査」より(株)東京商工リサーチ調べ

一括査定サイトに関してより詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

不動産一括査定サイトおすすめランキング!人気の22社を徹底比較・口コミも紹介【宅建士監修】
専門家監修記事 ネットで不動産売却について調べているとよく目にする「不動産一括査定サイト」。 不動産一括査定サイトは、複数の不動産会社に対して一括で査定を依頼できるメリットがあり、近年利用する人が増えています。 しかし、利用者...

土地の相場は自身でも調べられる

一括査定以外にも土地の相場を調べる方法はあり、主な調べ方は次の通りです。

  • 固定資産税評価額から計算する
  • 土地総合情報システムなどを利用する

固定資産税の評価額は、市場価格の70%程度とされています。そのため、評価額を0.7で割ることで、おおよその相場を把握できるでしょう。

土地総合情報システムなど、実際の取引事例が調べられるサイトを参考にすることもおすすめです。似た条件の土地の取引事例を調べることで、大体の相場を把握できます。

土地をスムーズに売却するため3つの準備

土地の相場価格を知る他にも、次の3つの事前の準備を念入りに行うことが大切です。

  • 売却する土地は自身の名義にする
  • 売却する土地のローンは完済しておく
  • 土地の境界が曖昧なら測量する

売却する土地は自身の名義にする

売却したい土地は自分名義にしておくことが大切であり、他の人の名義になっている場合は、事前に名義変更をしておきましょう。他人の土地を勝手に名義変更することはできませんが、名義者が同意する場合や相続する場合などは変更が可能です。

例えば複数人の共有名義で土地を所有していると、売却時に名義者全員の承諾が必要です。名義者が多いほど意思決定のスピードは下がりやすいため、誰かが代表して売却できるように、名義を1人に移しておくとよいでしょう。

また、相続する土地は名義変更をしないと売却できません。そのため、売却前には名義変更の手続きを必ず行いましょう。もし自分で名義変更が難しいなら、司法書士に依頼することがおすすめです。

売却する土地のローンは完済しておく

住宅ローンを組んで購入した土地の場合は、売却前にローンを完済しておく必要があります。ローン完済後は抵当権の抹消手続きを行い、その後売却しましょう。もちろん、完済前でも金融機関に相談することで、任意売却できる場合があります。

売却価格でローンを完済できる見込みがあるなら、一度相談してみるとよいでしょう。もしローンの支払いが滞っていると、売却できないだけではなく差し押さえになり、強制的に売却されることもあるため注意が必要です。

任意売却について詳しくはこちらの記事で解説しています。

任意売却の流れを徹底解説!ローン返済に困った時の対処の流れまとめ
離婚やリストラなど、やむを得ない理由で住宅ローンの返済ができなくなってしまうケースは少なくありません。今現在、ローンの返済に困っていたり、将来的に返済できなったりするかもしれないと不安な人もいるのではないでしょうか? 住宅ローンの返済...

土地の境界が曖昧なら測量する

売却する土地の境界が曖昧な場合は、事前に測量が必要です。測量をしていないと、売却ができなかったり、売却後に隣地の所有者とトラブルになったりする可能性があります。

土地の状態は登記簿謄本に記載されていますが、実際の状態とは異なることも少なくありません。そのため、境界が曖昧なら必ず測量を行い、境界線を確定させてから売却するようにしましょう。

不動産会社は厳選して、契約内容も自分に合ったものに

土地の売却を成功させるには、売却を依頼する不動産会社を厳選することが大切です。同じ土地でも、依頼する不動産会社次第で売却の条件が違ってくることは少なくありません。

また、契約内容によっても、売却活動の進み方は違ってきます。不動産会社は厳選し、契約内容も自分に合ったものを選びましょう。

不動産会社は担当の人柄までチェック

売却を依頼する不動産会社は、査定結果だけではなく担当者の人柄までチェックしておきましょう。土地の売却は長期間かかることもあるため、担当者との相性が悪いと、ストレスになってしまうことも少なくありません。

また、担当者の力量次第で、売却期間や売却価格が違ってくることも多いです。ストレスなくコミュニケーションが取れるかどうかはもちろん、売却についての詳細な説明をしてくれるか質問にも細かく答えてくれるかを確認しましょう。

さらに不動産会社自体が、土地の売却に強みを持っているかどうかも重要です。不動産会社の種類は多く、土地の売却ではなく、賃貸の仲介や都市開発など、別の分野に強みを持っているものもあります。

不動産会社との契約は3パターンから選ぶ

不動産会社に売却を依頼する際には、媒介契約を結びます。これは3パターンあり、それぞれで特徴が異なります。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の宅建業者に依頼し契約できるか できる できない できない
自分で買い手を見つけて契約できるか できる できる できない
販売状況の宅建業者から依頼主への報告義務とその頻度 報告義務はない 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズへの登録義務 登録義務はない 媒介契約から7日以内 媒介契約から5日以内
契約期間 行政指導では3ヶ月以内 3ヶ月以内 3ヶ月以内

契約内容によって、複数の不動産会社と契約できるか、個人間でも売買が可能かなどが異なります。それぞれの特徴の違いを把握して、自分の状況に合った媒介契約を結びましょう。

価格に大きな差がつく、買主探しの際に気をつけるポイント

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売却価格がいくらになるかは、売却する買主次第で変わります。少しでも好条件で売却するには、買主探しにこだわることが大切です。

  • 土地の売り出し価格は相場だけで決めない
  • 買主に見せる土地はきれいな状態で
  • 無茶な値下げ交渉は断ろう

買主を探す際には、これら3つのポイントに注意しましょう。

土地の売り出し価格は相場だけで決めない

いくらで売り出すかは売却価格を左右する重要なポイントであり、これは相場を基準にした方がよいでしょう。ただ、相場だけで売値を決めるのではなく、売り主であるあなたがどのくらいの価格で売りたいのか、また売り出そうとしている土地はどれくらい魅力的なのかを考えた上で、納得できる価格を決めましょう。

売り出し価格は査定額を参考にしながら、不動産会社と相談して決めることがおすすめです。また、不動産取引では買主から値引きを求められることも多いため、この分を考慮して少し高めの金額設定しておくと理想とする価格で売りやすいでしょう。

買主に見せる土地はきれいな状態で

好条件で売却するには、いかに買主によい印象を与えるかが重要です。好印象を与えるためには、土地をきれいな状態にして買主に見せるようにしましょう。

売却する土地が荒れていたり、雑草やゴミなどで散らかっていたりすると、印象が悪くなってしまいます。悪印象を与えることで、より強く値引きを求められるだけではなく、購入自体をやめてしまう場合もあるでしょう。

無茶な値下げ交渉は断ろう

不動産売買では買主から値下げを求められることも多く、この交渉によって契約が決まることも少なくありません。しかし、多少の値下げは構いませんが、無茶な交渉に応じてしまうと、売却価格が下がって損をします。

そのため、あらかじめてどれくらいまで値下げができるかを決めておき、それ以上の交渉には応じないことが大切です。

土地が売却できないときの3つの対処法

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土地を売り出したからといって、すぐに売れるとは限りません。土地の状態や売却の条件次第では、なかなか売れないこともあるでしょう。土地が売却できない場合には、次の3つの対処法があります。

  • 不動産会社に土地を買取してもらう
  • 売却したい土地の近隣住民に相談
  • 広すぎる土地は分割を検討

売却活動が難航しているなら、これら3つの方法で対処してみましょう。

不動産会社に土地を買取してもらう

不動産会社による仲介で個人の買主を探すだけではなく、不動産会社自身に土地の買取をしてもらうことも可能です。買取の場合は不動産会社との契約によって売却が決まるため、買主を探す手間がありません。そのため、短期間での売却が可能であり、早いと1週間程度で売れることもあるでしょう。

また、仲介では売りにくい土地でも、買取なら不動産会社が活用方法を考えるため、すぐに売却できることも多いです。デメリットとしては、再販売を前提として買い取るため、仲介より価格が安くなる点です。

不動産会社によって買取の条件は異なりますが、仲介による売却の70~90%程度の価格になることが多いでしょう。また、すべての不動産会社が買取を実施しているわけではなく、依頼できる業者の数が少ないこともデメリットです。

売却したい土地の近隣住民に相談

売却したい土地の近隣に住民がいるなら、その人たちに相談して土地を必要としていないか打診してみることもおすすめです。近隣に住んでいる人なら、土地も活用しやすいため、素早く売却できる可能性も高いです。

また、売れない土地は近隣住民に寄付するという方法もあり、土地の評価額が110万円以下なら、基礎控除によって贈与税がかかりません。

土地の評価額にもよりますが、不要な土地でとにかく手放したいなら、寄付や相場価格以下での売却を検討してもよいでしょう。

広すぎる土地は分割を検討

土地は広いほどよいというものではなく、あまりにも広いと買いづらいと思われることも少なくありません。そのため、広すぎる土地は分割し、それぞれで売却することを考えてもよいでしょう。

ただし、分割した土地を同時に売り出すことはできないため、すべて売却する場合は分割した個数分の回数がかかることは覚えておく必要があります。

土地を分割することで買主も活用しやすくなり、坪単価を安めに設定するとさらにお得感が出せるため、購入時の決め手になりやすいでしょう。

土地を売却できたら確定申告で税金対策

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土地の売却が完了したなら、その翌年には確定申告をしておきましょう。確定申告をして税金対策を行うことで、納付する税金が安くなるなど、得をすることも少なくありません。

また、確定申告をしないと、ペナルティが課せられ、損をすることもあります。売却した翌年の確定申告の必要性を知り、正しく手続きを行いましょう。

土地を売却するとなぜ確定申告が必要なのか

そもそも土地を売却した翌年になぜ確定申告が必要なのかですが、これは土地の売却によって得た利益を申告し、そこに課税される税金を支払うためです。不動産売却で出た利益に対しては譲渡所得税が課税されます。これは所得税復興特別所得税住民税の3つで構成されています。

これらを支払わないと、無申告課税や重加算税、延滞税などのペナルティがあり、より高い税金を納めなければなりません。また、確定申告が必須なのは、不動産売却によって利益が出た場合です。売却をしても利益が出ないなら、確定申告は必須ではありません。

土地を売却したときの利益の計算方法

土地売却による利益は、下記の計算式で計算します。

「利益=売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除」

これらの計算によって、プラスが出ている場合は利益があるため、確定申告が必須であると考えましょう。取得費や譲渡費用は不動産を取得する際にかかった費用であり、土地の購入価格だけではなく、次のものも該当します。

取得費
  • 売却した土地や建物の購入代金
  • 建築代金
  • 購入手数料のほか設備費や改良費
  • 土地や建物を取得したときに納めた登録免許税や不動産取得税、特別土地保有税や印紙税
  • 借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
  • 土地の取得時に支払った土地の測量費
  • 所有権などを確保するためにかかった訴訟費用
  • 当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や解体費用
  • 土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子で、その不動産を実際に使用開始する日までの期間にかかった分の利子
  • 既に締結されている購入契約を解除して、他の物件を取得した場合に支払う違約金
譲渡費用
  • 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  • 登記または登録にかかった費用
  • 売主が負担した印紙税
  • 借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払った立退料
  • 更地にして売却するためにかかった解体費用や建物の損失額
  • 測量にかかった費用
  • 既に締結されている契約を解除して、他の人に売却するために最初の契約者に支払う違約金
  • 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料
  • その他その資産の譲渡価額を増加させるためその資産の維持や管理のためにかかった費用

売却価格からこれらの費用や特別控除の金額を差し引き、プラスが出た場合は譲渡所得税の課税対象です。

土地の売却で使える特別控除の種類

土地の売却では、次の特別控除が適用できます。

控除 条件
1,000万円の特別控除
  • 2009年1月1日から2010年12月31日までの間に土地等を取得している
  • 2009年に取得した土地等は2015年以降に譲渡
  • 2010年に取得した土地等は2016年以降に譲渡
  • 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
  • 相続や遺贈、贈与や交換、代物弁済および所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと
  • その他特別控除や買い替えの特例を受けていないこと
特定住宅地造成事業による売却で1,500万円控除
  • 特定住宅造成事業のために売却していること
  • 住宅建設事業のための売却でも可
再開発による売却で2,000万円控除
  • 国や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構に売却
  • 土地区画整理事業のために不動産を売却していること
収用等による売却で5,000万円控除
  • 売却した不動産が固定資産
  • 代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていない
  • 買い取りの申し出があった日から6ヶ月以内に売却している
  • 公共事業の施行者から最初に買い取りの申し出を受けた者が譲渡していること(相続者の売却は可)

特別控除によって条件が異なるため、それぞれの違いを把握して適用できるものを見つけておきましょう。また、不動産売却では3,000万円の特別控除もありますが、これは土地のみの売却では適用できません。土地と建物の両方を売却する場合は、一定の条件を満たすことで3,000万円の特別控除も適用可能です。

利益が出なくても確定申告で得する可能性

売却によって利益が出ていない場合は、翌年の確定申告は必須ではありません。しかし、損失が出ている場合でも、確定申告をすることで得をする可能性があります。

損失が出ている場合に確定申告をすると、損益通算の特例が適用できる場合があります。これを適用することで、不動産売却によって出た損失分を他の所得から差し引くことができ、節税が可能です。

また、損失が大きく、所得から差し引いても損失が残った場合は、翌年以降3年にわたり、損益を繰り越して控除ができます。

確定申告をすることで、損失が出ている場合も節税ができる可能性があるため、売却した翌年には必ず行うと考えておくとよいでしょう。

Q&Aで土地の売却前の悩みを解決

土地売却をするなら、事前に売却についての悩みを解決しておくことが大切です。

  • 家付きの土地は更地にしたほうがよいか
  • 土地の売却で消費税はかかるのか
  • 土地の売却で支払う仲介手数料は値引きできるか
  • 土地の売買は個人間でもできるのか

これらの質問に対する回答を参考にして、悩みを解決してから売却に臨みましょう。

家付きの土地は更地にしたほうがよいか

家付きの土地の場合は、更地にしてから売るという選択肢もあります。更地にしたほうがよいのは、家の老朽化や損傷が激しい場合です。建物に価値がないなら、更地にして土地のみで売ったほうが買主は見つかりやすいでしょう。

また、老朽化していてもリフォームやリノベーションで改善できるなら、これらを行って土地と建物の両方を売却するという方法もあります。この場合は費用がいくらかかるか、それに対していくらで売れるかをシミュレーションし、損失が大きくならないかを確認しておくことが大切です。

土地の売却で消費税はかかるのか

土地の売却ではさまざまな税金がかかりますが、取引自体には消費税がかかりません。消費税の課税対象となっているのは、不動産売却だと仲介手数料です。つまり、仲介手数料は消費税を課税した金額が請求されますが、土地の売却自体は非課税であると考えましょう。

土地の売却で支払う仲介手数料は値引きできるか

仲介手数料は法律によって定められていますが、取り決めがあるのは上限額のみです。そのため、業者と交渉して、上限の範囲内で値引きを求めることは可能です。実際に業者によって値引きに応じてくれる場合があったり、そもそも無料や本来の半額としていることもあります。

ただし、無理に交渉をすると不動産会社からの印象が悪くなってしまい、売却活動の力を抜かれるなどのリスクもあります。そのため、値引き交渉はしつこく行わないようにし、無理だと判断したなら業者が提示する金額で依頼しましょう。

土地の売買は個人間でもできるのか

土地の売買は不動産会社に仲介してもらうだけではなく、個人間でも可能です。個人間で売買すると、仲介手数料は不要であるため、売却にかかるコストは抑えられるでしょう。ただし、個人売買では契約や交渉などの手続きを、すべて自分で行わなければなりません。

そのため、手間がかかりやすく、契約後にトラブルが発生してしまうこともあります。リスクを避けるには、不動産会社による仲介で売却するほうがおすすめです。不動産取引の通例としても、不動産会社による仲介での売却が一般です。

まとめ

土地を売却する際には、さまざまな費用がかかります。売却活動にかかる費用だけではなく、税金も納付しなければならないため、最終的に手元に残るお金を知るには、これらのコストを正しく把握しておく必要があります。

また、売却方法を工夫したり、節税対策をしたりすることで、各種コストは抑えられます。売却時のポイントを詳細まで把握して、少しでも好条件で土地を売却しましょう。

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