これから注文住宅を建てる人は、家を建てるのにどのくらい金額がかかるのかが気になるところでしょう。注文住宅はハウスメーカーや広さ、間取り、仕様によって金額が大きく変わるため、見積もりを取る必要があります。しかし、何社に頼むのが適当なのか迷うのではないでしょうか。少な過ぎると金額が適正かどうか分かりませんし、多くても選ぶのに困ります。
そこで本記事では、見積もりを依頼する前に知っておきたい基礎知識や施工業者の選び方、見積もりを頼む際の注意点などについて徹底解説していきます。ぜひ実際に見積もりを頼む際の参考にしてください。
※LIFULL HOME'S 住まいの窓口来場者(390組)を対象とした調査(集計期間:2019年4月~2020年3月)より
見積もりは3社に頼むのが基本
見積もりを依頼するなら3社に頼むとよいでしょう。1社に依頼するだけでは、算出された見積額が適正かどうかを判断することが難しいためです。
逆に、4社以上に依頼すると各社とのやり取りに時間と手間がかかり、1社に絞り込めたとしても選外になった各社は断らなければなりません。したがって、まずは3社に頼むのが妥当といえます。
3社に見積もりを依頼する際は、シミュレーションサイトを利用すると便利です。おすすめのシミュレーションサイトについては後ほど詳しく紹介します。
施工業者の選び方
施工業者にもいろいろな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが違います。それらを把握したうえで、建てたいイメージに合う業者を選ぶことが大切です。ここでは次のポイントから選び方を紹介します。
- 施工業者の種類を知ろう
- 本命・対抗・穴となる候補を選ぼう
- 要望を反映してくれる会社を選ぼう
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
施工業者の種類を知ろう
家を建てる施工業者には、大きく分けて次の3種類があります。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 設計事務所
それぞれにメリットとデメリットがありますが、それらを知ることでどこに依頼すればよいのか選びやすくなるでしょう。
ハウスメーカー
ハウスメーカーとは日本国内全域、もしくは広域範囲で展開している規模の大きい施工業者のことを指します。一般的に大手で経営が安定しているので、建築最中に倒産する可能性は少ないでしょう。また多くの人に知られているブランド力がある点は大きなメリットといえます。
ただしハウスメーカーは、一定の水準を保つために規格品の建材を使うことが一般的です。原価は安いもののCMなどにお金をかけているケースが多いため、坪単価が高くなる傾向にあることはデメリットといえます。また自由度が低く、思い通りの家造りは難しいということも頭に入れておくとよいでしょう。
工務店
工務店はハウスメーカーよりも規模が小さくて、地域密着型で経営しているところが多く、トラブルが起きたらすぐに駆けつけてくれる可能性が高いです。また、工務店で家を建てる場合は一からすべて決めるため、間取りや設備、デザインなどは法規制に問題がなければ自由に作ることができます。ハウスメーカーと同じ間取りや設備で建てたとしても、工務店のほうが安く済むことが多いです。
一方、ハウスメーカーは建材などを工場で加工するのに対し、工務店は職人さんが手作りで作り上げます。そのため工務店によって実力の差が出たり、工期が長くなったりすることはデメリットです。
設計事務所
設計事務所は施主の要望を取り入れて、一から設計して家を作ります。工務店と同様に、法規制の範囲内で自由に家造りができることが特徴で、デザイン性に優れたおしゃれな家が建てられることがメリットです。
デメリットとしては、建材に規格品を使用せずに設計料もかかるため、コストが高くなることがあげられます。
本命・対抗・穴となる候補を選ぼう
家の見積もりを依頼する場合は、あらかじめ1番となる本命、本命の次のランクになりそうな対抗、あまりポイントは高くないものの見積もり次第で契約候補となる穴を選びましょう。
見積もり依頼する前にどのような家にしたいのかをイメージして、それを実現できそうな会社があるかをネットなどで情報収集します。気になる会社があれば、資料を取り寄せたり住宅展示場に赴いたりして施工例などをチェックし、候補の会社を3社に絞り込んで本命・対抗・穴の順位を決めておきましょう。
要望を反映してくれる会社を選ぼう
見積もりの段階で要望を反映してくれる会社を選ぶことがおすすめです。見積書を受け取ったら、担当者に伝えた要望が住宅の構造・間取り・設備等の仕様に反映され、見積もり金額に計上されているかを確認しましょう。
希望が反映されていない場合は、担当者に理由をきちんと説明してもらうことが重要です。家は一度建ててしまうと簡単には直せません。見積もり段階で家を建てる方向性がある程度決まるため、納得できる内容でなければなりません。
注文住宅なら、建築会社を効率よく探せるHOME’Sの「住まいの窓口」がおすすめ
家づくり・住まい選びで悩んでいるならHOME’S 住まいの窓口に相談するのがおすすめです。HOME’S 住まいの窓口がおすすめな理由を以下にまとめています。
※LIFULL HOME'S 住まいの窓口来場者(390組)を対象とした調査(集計期間:2019年4月~2020年3月)より
見積もりの際に担当者に伝えるべきこと
理想とする家を建てるためには、見積もりを依頼するときに担当者に要望をきちんと伝えておく必要があります。
- 理想の家のイメージ
- 正直な予算
- 契約候補として真剣に選んだこと
ここでは上記3つのポイントを詳しく紹介します。
理想の家のイメージ
まずは、どのような家にするのかを伝える必要があります。家族全員で間取りや欲しい設備、外観などについて意見を出し合い「このような家にしたい」という理想のイメージを膨らませて、ひとつにまとめます。
全部を実現するのは難しいこともあるため、優先順位を付けておきます。担当者と打ち合わせした上で、実現できない要望であれば優先順位が低いものはプランから外しましょう。
正直な予算
次に押さえておきたいポイントが、実際に使える金額を決めて正直に伝えるということです。見積書には建築プランを反映させた見積もり金額が記載されます。その見積もり金額と予算が釣り合っていなければ、プランを実行に移すことができません。
予算は限度いっぱいなのか、それとも余裕があるのかもあわせて伝えておくことで、施工会社はそれに合った建築プランの提案と金額の見積もりをしてくれます。もし予算の見当がつかない場合は、金融機関やファイナンシャルプランナー(FP)に相談し、ライフイベントや月々の収入・支出、預貯金額などを伝え、資金計画(キャッシュフロー)を立ててもらいましょう。
契約候補として真剣に選んだこと
見積もりを依頼する際はとりあえずではなく「あなたの会社を契約候補として真剣に選んだので、見積もりを依頼したのだ」ということを担当者に伝えましょう。
複数の施工会社から見積もりを取ることはよくあることです。そのため手当り次第に見積り依頼をしていると誤解され、とりあえず見積もっておけばいいかと思われてしまうかもしれません。数ある施工会社の中から、契約候補として真剣に選んだことを伝えれば、担当者も熱心に対応してくれてより良いプランを提案してくれる可能性も高まるでしょう。
見積もりが予算オーバーに!値下げ交渉のコツ
いざ見積もりをとってみたら、予算オーバーだったということも決して珍しくありません。予算内に収めるためには、プランの見直し以外にもできることがあります。
- 見積書は全部読まずに交渉
- 値下げ交渉は1回だけ
- 建売住宅の購入の場合は交渉の時期が重要
ここからは上記3つの値下げ交渉のコツについて解説します。理想の家に近づくためにもぜひ参考にしてください。
見積書を1ページ目まで見てすぐ交渉
見積書の1ページ目を見たら、すぐに値引き交渉に入りましょう。1ページ目には見積もりの総額が記載されています。金額だけを確認し、その先は見ないで「総額が高すぎて契約できない」と申し出てください。その際は、その他の細かい内容の話はせずに金額のみの話をしましょう。
2ページ目以降に書いてあることは専門知識が必要な項目ばかりです。そこから交渉しようとしても、相手方のペースに持ち込まれてしまうので、あえてチェックしないままで話を切り出してみるのがおすすめです。
注意!値下げ交渉は1回まで
もうひとつ注意したいポイントが値引き交渉は1回までということです。何度も値引きを求めることで、それまでは良好な関係が築けていた場合も、担当者の信頼を失ってしまう可能性があります。誠実な施工会社ほど、できないこととできることをきちんと示してくれます。
また家は建てたらそれで終わりではなく、その後のアフターケアもお願いしなければなりません。値段を下げることばかりに気を取られてしまうと、後々の付き合いにも悪影響を与えてしまうでしょう。
建売住宅の購入の場合は交渉の時期が重要
建売住宅を購入する場合は、値下げ交渉が成功しやすいタイミングがあります。それは家が売れない時期と決算期です。
一般的に家が売れない時期は2月・6月・8月といわれており、その時期に購入してくれる人がいれば、値下げしてもよいと考える施工業者は多いでしょう。したがって値下げ交渉のベストタイミングといえます。
また決算前は業績を上げるために、営業担当者は1件でも多く契約が欲しい時期です。普段以上に家を売りたいと思っているので、その時期を狙って交渉することで値引きしてもらえる可能性が高まります。
家の見積もりのシミュレーションができるサイト3選
施工業者に見積もりを出す前に、家を建てる費用がどのくらいかかるのかが分かるシミュレーションサイトについて紹介します。このサイトを利用することで、施工業者に依頼する前におおよその見当がつきます。
サイト名 | 運営会社 | 特徴 |
タウンライフ | タウンライフ | 厳選された全国600社以上の中から複数の注文住宅会社に依頼できる |
住宅見積.com | 高木ハウジング | 8ステップで住宅の見積もりができる |
MY HOME MARKET | 日本ユニシス | 建売住宅の購入金額を知りたい人におすすめ |
それぞれの特徴やメリットなどについて詳しく解説するので、自分好みのシミュレーションサイトを見つけて利用してみてください。
タウンライフ
タウンライフは厳選された全国600社以上の中から、複数の注文住宅会社に依頼できるサイトです。直接会わずにオリジナルの間取りプランや見積書を作成してもらえて、すべてオンラインで無料で完結できます。
大手・中堅・地元の地域密着型工務店など、依頼できる注文住宅会社の幅が広いので、自分の好みに合った会社に依頼できるでしょう。依頼に必要なのは以下の12項目です。
- エリア
- 希望世帯
- 建物の階数
- 住む人の人数
- 希望のLDK数
- 土地の広さ
- 水回りについての希望
- 希望の総予算
- 敷地調査の希望の有無
- 要望
- 図面の添付の有無
- 個人情報
入力する項目が多いように感じられますが、ほとんどは選択肢から選ぶだけなので手間はかかりません。
住宅見積.com
住宅見積.comは、8ステップで住宅の見積もりができるサイトです。簡単な操作で建築費用や施工費用が算出できます。シミュレーションに必要な項目は下記の8つです。
- 間取り
- 外観
- お部屋
- キッチン
- バス
- トイレ
- 洗面台
- オプション
全コンテンツを期間限定でお試しで無料開放中です。ただし、このサイトは概算金額しかわからないことに注意してください。費用以外にも住宅ローンの返済シミュレーションができる点は便利です。
MY HOME MARKET
MY HOME MARKETは注文住宅ではなく、建売住宅の購入金額を知りたい人におすすめのサイトで、メーカー・価格帯・地域・建物から選んで検索できます。
検索後に好みの住宅があれば、外壁・キッチン・バスルーム・パウダールーム・トイレ・カーテン、ブラインドなどを選んでいくと、本体価格の総額が算出される仕組みです。VR内覧ができるので、住み始めてからのイメージが湧きやすいでしょう。
家の見積もりをする際の注意点
家の見積もりに関しては以下の5点に注意しましょう。
- 要望・条件をそろえる
- 見積り金額よりも安くならない
- 詳細見積もりをしてから契約する
- 細分化された見積もりであるか確認する
- 見積もりにかかる期間を把握しておく
家の見積もりを出すには算出するために必要な項目が多く、依頼する相手によって様式も変わります。また、素人ではわかりにくい点も多く存在するため、あらかじめ注意点について知っておきましょう。
見積もりは条件をそろえる
どのようなプランにするのか、間取りや設備はどうするのかなど、同じ条件で各社に依頼しましょう。条件を変えて依頼すると、比較することができなくなってしまいます。金額だけではなく、それぞれの良い点や悪い点も含めて選ぶためにも、必ず条件をそろえましょう。
また依頼するときは、他の会社にも見積もりを依頼する「相見積もり」であることを伝えるのがマナーです。
見積金額よりも契約金額は安くはならない
見積金額は、施工会社と正式に契約を結ぶときの契約金額よりも安くなることはありません。見積もりには概算見積と詳細見積の2種類あります。施工会社と契約を結ぶ前の見積もりは概算見積で、これは要望のあったプランや間取り設備などについてのおおよその金額を計算したものです。
契約時には地盤調査費用や設備の購入費・設置費など、細かな費用も含めて計算されます。打ち合わせを重ねるうちに、要望が増えたり設計を変更したりすることもあるため、はじめに提示された見積金額よりも契約金額は高くなることが一般的です。
もし予算内に収まらない場合は、優先順位の低いものをプランから外しましょう。ただし安全性や居住性に関わることは、優先順位が高いものとして削らないようにする必要があります。
詳細見積のあとに本契約を
概算見積の金額だけで施工会社と契約しないように気を付けましょう。概算見積の金額は細かな点まで明確に決まっている段階ではないため、大まかな点のみで計算されています。概算見積を出してもらったあとで、追加や変更したいことや設備をアップグレードしたいこともあるでしょう。
逆にプランから外すこともあるかもしれません。それらを全て設計図に落としてもらい、必要な設備やプランなどを盛り込んだ詳細な見積金額を出してもらい本契約を結びます。契約を結んだあとは、変更・解約は簡単にはできないので注意してください。
見積書の内容は細分化されているか確認
見積書の内訳が細かく書いてあるかを確認しましょう。見積書には工事ごとにかかる合計金額が記載されています。例えば「壁紙一式○○円」などという書き方ではなく、壁紙の材料や使う量、人件費など何にどのぐらいかかるのかが記載されている会社は信頼できます。
「建物一式○○円」や「工事一式○○円」などと内訳が書かれていない場合は、担当者に確認しましょう。
見積もりにかかる期間についても計画に入れておく
見積もりを依頼してから見積書が提出されるまでには時間がかかります。家の規模や行う工事の内容にもよりますが、およそ数週間から1ヶ月かかることが多いです。今後のスケジュールを立てる上でも、そのことを見込んでおく必要があります。
まとめ
今回は注文住宅の見積もりに関する基礎知識や、施工業者の選び方、見積もりを依頼する際の注意点、依頼する前に利用できるシミュレーションサイトなど、家づくりの見積もりについてみてきました。
施工会社への見積依頼は3社に絞り、それぞれ本命・対抗・穴の優先順位をつけるのがおすすめです。見積依頼をする前に、自分でシミュレーションサイトを利用して大まかな金額を把握しておき、予算・資金計画を立てておきましょう。本記事を参考にしてぜひ理想の家を建ててください。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
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