一般的なハウスメーカーが提供している注文住宅よりも、建築費用を安くできることが売りのローコスト住宅。マイホームを安価で手に入れることができるのが最大の魅力ですが、デメリットもあるため、何も考えずにローコスト住宅に手を出してしまうと、のちに後悔する可能性が高いでしょう。
本記事では、ローコスト住宅に関する基礎知識や、ローコスト住宅を建てて後悔した人の体験談を交えローコスト住宅で後悔しないためのポイントやハウスメーカーの選び方を解説しています。
ローコスト住宅の購入を迷っている方や、ローコスト住宅で後悔したくない方は是非参考にしてください。
※LIFULL HOME'S 住まいの窓口来場者(390組)を対象とした調査(集計期間:2019年4月~2020年3月)より
ローコスト住宅に関する基礎知識
そもそも、ローコスト住宅とはどのような住宅をさすのでしょうか。ローコスト住宅を購入するうえでのメリットやデメリット、坪単価なども紹介していきます。
ローコスト住宅とは
ローコスト住宅とは、建築部材の材料費や人件費を削減することにより、一般的な注文住宅と比較して安く建てることができる住宅のことです。新築の注文住宅の平均価格が3,000万円前後だとすると、ローコスト住宅は1,000万円~2,000万円で建てることができます。
しかし、ローコストだからといって品質が極端に劣ることはないです。注文住宅の新たな選択肢として人気が高まっているため、誰もが名前を知っている大手メーカーや地域密着型の工務店まで、幅広い業者がローコスト住宅を取り扱っています。
予算が限られているけどマイホームを建てたい方や、家の機能やデザインにこだわりのない方、土地だけ所有している方におすすめです。
ハウスメーカーの価格帯や費用を抑えるコツについて、さらに詳しく知りたい人は以下の記事をあわせて読んでみてください。

ローコスト住宅のメリット
ローコストの住宅の魅力は安さだけではありません。ローコスト住宅には以下のようなメリットがあります。
- 住宅ローンが組みやすい
- 住宅ローンの支払いの負担が少ない
- 将来的に建て替えしやすい
- 完成までの期間が短い
- 自己資金に余裕がなくても家を建てられる
- オプションを追加することもできる
ローコスト住宅はシンプルな間取りで材料も決まっていることが多いため、一般住宅よりも完成するまでの期間を短くできます。建てるのが簡単であるためリフォームや建て替えも容易に行うことが可能です。
注文住宅のメリット・デメリットについて、さらに詳しく知りたい人は下記の記事をあわせて読んでみてください。

ローコスト住宅のデメリット
メリットが多い一方で、以下のようなデメリットがあることを忘れてはいけません。
- 設計の自由度が低い
- 設備のグレードが低い
- 断熱性・耐震性が低い
- メンテナンス費用がかかる
ローコスト住宅は安い価格帯の材料や設備が使用されているため、品質に問題はなくとも耐久性が低く寿命が短いことが欠点です。長く同じ家に住み続けたいと考えている人には向いていない可能性があります。
ローコスト住宅の坪単価
一般的な注文住宅とローコスト住宅の坪単価を比較してみましょう。
注文住宅の坪単価は50~60万円なのに対し、ローコスト住宅は30~50万円程度です。坪単価60万円の注文住宅を建てた場合と、坪単価30万円のローコスト住宅を建てた場合の坪数ごとの比較は、以下の表を参考にしてください。
坪数 | 注文住宅(坪単価60万円) | ローコスト住宅(坪単価30万円) |
---|---|---|
20坪 | 1,200万円 | 600万円 |
30坪 | 1,800万円 | 900万円 |
40坪 | 2,400万円 | 1,200万円 |
ローコスト住宅を選べば、一般的な注文住宅を選んだ場合よりも建築費用を約半分まで抑えることができます。
安くできる理由
ローコスト住宅を安く提供できるのは、業者がコストカットを徹底しているのが一番の理由です。業者は建築費を抑えるために、以下のような費用の削減に努めています。
- 広告宣伝費
- 材料費
- 設備費
- 人件費
ローコスト住宅は、業者が用意したいくつかのプランの中から選んで家を建てるのが前提です。最初から家の規格がある程度定まっているため、大量発注により材料費を安くすることができたり、特別な技術が必要なかったりするため、人件費を削減することができます。
ローコスト住宅で後悔した人の体験談
デメリットを理解しないままローコスト住宅を建ててしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまう恐れがあります。失敗を回避するために、ローコスト住宅を建てて後悔した人の体験談を見ていきましょう。
安っぽい感じで恥ずかしい
色や形などの規格が決まっているという特性上、ローコスト住宅はどうしてもシンプルな作りになってしまいます。落ち着いた雰囲気の家を作りたい方には適していますが、仕上がりが思った以上に安っぽくなってしまい恥ずかしいと感じてしまう意見を持つ方もいるでしょう。
ローコスト住宅は、コストを抑えるためにグレードが低い材料や設備を使用して建築します。外装も内装も豪華にしたい、高性能な設備が揃った高級感のある家に住みたいと考えている方には向いていません。
メンテナンス費用が高すぎる
ローコスト住宅に使われている建材は価格がリーズナブルなため、高価格帯の建材と比べると性能が低く寿命が短いです。外壁が剥がれた場合や、設備が故障して動かなくなった場合は、修繕費用や交換費用がかかります。
一般的な注文住宅よりも短期間で修繕や入れ替えを行う必要があるため、メンテナンス費用が高くなるケースが多いです。
建築費用を抑えることはできたのに、ランニングコストが多くかかったせいで結果的に割高になってしまったというケースも少なくありません。
使い勝手が悪い
人件費の予算を減らすために、プランナーではなく自分で適当に間取りを考えてしまうと、想像以上に使い勝手の悪い家が出来上がってしまうケースがあります。
素人の考えた間取りでは無駄な動線が多くなってしまうため、不便な生活を強いられることになるのは当然です。間取りだけでなく、コンセントの位置や窓の向きも、実際に住んでみないと不満に気が付きにくい部分になります。
コストカットを念頭に置いた家作りをしてしまうと、自由度が低く暮らしていてもストレスが溜まる家になってしまうでしょう。
外気温に影響されて住みにくい
高性能な建材の開発により高気密住宅や高断熱住宅が当たり前の時代になってきましたが、ローコスト住宅では費用を抑えるために気密性や断熱性が低い建材を使用しているため、夏の暑さや冬の寒さを我慢しながら生活している方もいます。
特に寒暖差の激しい地域では、外気温の変化による影響が大きいため、光熱費の負担も大きくなり、住みにくさを感じて後悔しているケースが多いです。
壁や床に断熱材を使用しなかったり、窓ガラスをペアガラスからシングルガラスに変えたりすると、快適に過ごすことができなくなって生活の質が落ちてしまうことを覚えておきましょう。
地震や災害による被害が大きかった
ローコスト住宅であっても、建物を設計する際には最低限度の耐震基準を満たす必要があります。しかし、耐震基準をクリアしていても、最低基準の耐震性しかない場合は、大規模地震などの自然災害が発生した際に家が大きな被害を受けるケースが多いです。
日本は台風や地震などの自然災害が比較的多い国であるため、家だけでなく被害が大切な家族に及ぶ危険性も十分にあります。安く家を建てることに固執して、安全を犠牲にすることが本当に良い選択なのかをよく考えた方がいいでしょう。
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ローコスト住宅で後悔しないためのポイント
ローコスト住宅で後悔しないために、以下のようなポイントをおさえることが大切です。
- 生活に合ったプランを選択する
- 坪単価ではなく総工費で考える
- 土地選びの時点からこだわる
- 保証の内容と期間を確認する
- 住宅性能評価を受ける
- 納得できる材質にする
自分の中で優先すべきポイントがどれなのかを考えて、後悔のないローコスト住宅作りを目指しましょう。
生活スタイルに合ったプランを選択する
家族構成の変化に伴い、部屋数が足りなくなったり、生活動線が不便になったりすることも十分に考えられます。後々生活しにくくなったという不満を生まないために、選んだローコスト住宅のプランが、自分たちの思い描くライフプランと合致しているかどうかを必ず確認しましょう。
ローコスト住宅は無駄なものを省いてコストを削減していくため、家族全員の意見を取り入れることは難しいでしょう。ハウスメーカーのプランを比較し、何を優先して家作りを進めていくのか家族とよく相談して決めることが大切です。
坪単価ではなく総工費で考える
ローコスト住宅の魅力は安さであるため坪単価に目が行きがちですが、坪単価をいかに安くするかだけで考えるのではなく、諸経費も含めた総工費で考えることが重要です。
途中で気が変わってオプション工事を追加したり設備をグレードアップすると、費用がかさんで一般的な注文住宅並みの価格になってしまう可能性があります。
予算を超える金額になると住宅ローンの返済も大変になるため、坪単価ではなく最終的な総工費を確認することが大切です。
土地選びの時点からこだわる
ローコスト住宅を建てるときは土地選びの時点からこだわりを持つべきです。ローコスト住宅を建てる土地を選ぶときは、安さを重視して土地を選びましょう。
土地選びで一番重視したいのはやはり土地代です。住宅を建てるのに適しているのは整形地ですが、建物を建てるのに問題がなければ不整形地の方が安く購入できます。
土地の購入費用を抑えることができればその分住宅に費用をかけることができるため、購入費用をできるだけ安く抑えることができる土地を見つけましょう。
保証の内容と期間を確認する
ローコスト住宅を建てるときに重視したいのがアフター保証の有無です。ローコスト住宅を建てた後に不具合が生じる可能性もあるため、どのような保証内容なのか、どれくらいの保証期間があるかを忘れずに確認して下さい。
依頼する業者によってアフター保証がない場合や、不具合の起こった原因によって保証内容に違いが生じる場合があります。
アフター保証だけでなく数ヶ月おきに定期点検を行ってくれる業者もあります。保証のことを知らずに自分で修繕費用を負担すると損をしてしまうため、事前に保証内容と期間を確認しておきましょう。
住宅性能評価を受ける
ローコスト住宅の耐久性や安全性の低さに不安を感じるなら、住宅性能の評価を受けることを検討してみましょう。住宅性能評価とは、国土交通省が認可した第三者機関が、国の定めた住宅性能の基準に当てはめて評価することです。
住宅性能評価を受けた住宅には、以下のようなメリットがあります。
- 住宅ローンの金利優遇措置が受けられる
- 地震保険の割引が受けられる
- 住宅の安全性を評価する判断材料になる
- 家を売却する時に有利になる
任意制度のため別途費用が発生しますが、住宅性能評価を受けることで、ローコスト住宅で安全に暮らしていけるかどうかを判断することができます。
納得できる材質に変更する
ローコスト住宅では一般的に一番安くてグレードの低い材質が使用されます。材質の品質に不満を感じるようなら、自分が納得できる材質に変更することをおすすめします。
オプション費用の支払いが必要になりますが、「暑さや寒さで不快な思いをしたくない」「冷暖房費を抑えたい」と考えているなら必要な出費です。
材質にお金をかけた分、住宅設備を手頃な価格で揃えたり、シンプルな外観や内装を選んだりすれば、オプション費用が加算されたとしても全体の建築費用を安く抑えることができます。
ローコスト住宅を建てるハウスメーカーの選び方
理想的なローコスト住宅を建てるためには、依頼するハウスメーカー選びが鍵となります。ローコスト住宅を建てるハウスメーカーの選び方は、以下の通りです。
- 複数の業者と比較する
- 口コミ評価を参考にする
- 信頼できる業者を選ぶ
- デメリットも説明してくれる担当者がいる
選び方のポイントをおさえて、自分に合う業者を見つけましょう。
複数の業者と比較する
ローコスト住宅と言っても、業者によって設計プランや費用が異なります。1社だけに依頼してしまうと、設計プランの相場を判断する事ができません。複数のハウスメーカーにローコスト住宅の見積もりを依頼し、比較して希望する設計プランや納得できる価格の業者を選ぶことが大切です。
見積もりを依頼するときは、比較しやすいように以下の条件を合わせましょう。
- 間取り
- 床面積
- 設備
- 材質
- 部屋数
なるべく同じ条件で揃えて見積もりを出すことで、価格の比較がしやすくなります。
口コミ評価を参考にする
ローコスト住宅の業者の評判が知りたいときは、SNSや掲示板など、インターネット上の口コミを参考にしてみましょう。中には悪意のある口コミや、業者が自分で書いた口コミが混ざっている場合もあるため、インターネットの口コミだけを鵜呑みにはしないでください。
業者の評価ランキングが掲載されているサイトもありますが、信憑性がそこまで高くない、ため業者選びの参考程度と考えましょう。
知り合いや親族などで実際にその業者を利用して家を建てた人がいる場合は、とても参考になるため直接聞いてみることをおすすめします。
信頼できる業者を選ぶ
ローコスト住宅の業者を選ぶときは、価格の安さだけで選ぶのではなく、信頼できる業者であるかをチェックすることが大切です。価格だけが安くて技術のない業者を選んでしまうと、家作りに失敗して後悔する可能性があります。信頼できる業者の特徴は、以下の通りです。
- 安易なコストカットを提案してこない
- 住宅の安全性を第一に考えてくれる
- 適正な建築費を提示してくれる
- アフター保証が手厚い
コストの削減を提案してくる業者よりも、ローコストの根拠を明確にしている業者を選ぶようにしましょう。
デメリットも説明してくれる担当者がいる
ローコスト住宅にはさまざまなデメリットがありますが、話を濁したり、悪い部分を隠すような業者は信頼できないため、契約するべきではありません。
打ち合わせでローコスト住宅のメリットばかりを説明されたときは、デメリットについても質問してみてください。そこでデメリットのことを包み隠さず話せる、誠実な対応ができる担当者が在籍している業者を選びましょう。
信頼できそうな業者を見つけたら、担当者との相性の良さもチェックすることが大切です。
まとめ
ローコスト住宅を選択すれば、一般的な注文住宅よりもリーズナブルな価格で家を建てることが可能になります。なにかと出費の多い子育て世帯や、定年退職後に家を建て替えたい高齢者にはメリットがあるローコスト住宅ですが、安全性などの面でデメリットがあるのも事実です。
良い面だけでなく悪い面も理解し、優先したいポイントを家族でしっかり話し合いましょう。ローコスト住宅と言っても決して安い買い物ではないため、心から信頼できる業者に任せることが大切です。それらを踏まえてローコスト住宅を検討し、後悔のない理想的な家を完成させましょう。
住まいづくりの進め方に悩んだらHOME’Sの「住まいの窓口」に相談
家づくり・住まい選びで悩んでいるならHOME’S 住まいの窓口に相談するのがおすすめです。HOME’S 住まいの窓口がおすすめな理由を以下にまとめています。
※LIFULL HOME'S 住まいの窓口来場者(390組)を対象とした調査(集計期間:2019年4月~2020年3月)より
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
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