不動産の担保評価とは?評価額の仕組みから算出方法まで徹底解説

不動産購入

住宅ローンで家を購入すると、毎月の返済で日常生活にあまり余裕があるとはいえません。まとまったお金が必要になっても、無担保のローンでは金利が高く限度額も数百万円で、利用すると返済の負担はさらに重くなってしまいます。

不動産担保ローンであれば家を担保に長期返済計画で、金利を抑えて高額な資金を借りられます。住宅ローンと違い資金の使い道は自由度が高く、生活費の不足分や事業資金にも使うことが可能です。

不動産投資ローンの利用で重要になるのが担保評価です。この評価次第で融資額は変わり、お金の不足を解決できるかどうかが決まります。そこでこの記事では、担保評価の基本的なことから算出方法まで解説します。不動産担保ローンを使いこなすために、ぜひ参考にしてください。

不動産の担保評価とは

そもそも不動産の担保評価とは、どのようなものなのでしょうか。その意味や担保評価によって何が変わるのかを解説していきます。不動産担保ローンは数十年の付き合いになるため、基本的なことから把握しておきましょう。

金融機関が融資する際に担保にする不動産の評価のこと

金融機関は融資をした際に担保設定をして、利用者の返済が滞ったときに担保を売却して融資額を回収します。担保評価とは、担保となる不動産の価値を金融機関が評価することです。

住宅ローンの場合は、担保として保証人や連帯債務など人を担保に融資を受けていますが、不動産担保ローンでは物を担保とします。その他の担保ローンであれば、有価証券や売掛債権も担保評価の対象です。

担保評価によって融資金額が変わる

不動産投資ローンの融資額は、担保評価を判断材料の一つとしています。担保評価が高額であるほど、金融機関は安心して融資額を増やせます。滞納による被害を売却でカバーするため、融資額が担保評価を超えることはありません。

不動産担保ローンの融資期間は35年まであり、売却が必要なケースは融資から何年も経ってからの場合が多いです。そのため3,000万円で購入した家をすぐに担保にしても、評価が3,000万円になることはないでしょう。

【注意】担保評価だけで融資が決定するわけではない

不動産担保ローンの融資額は担保評価だけで決まることはありません。金融機関としては、滞りなく返済してもらえるほうが利息もついて助かります。住宅ローンの審査と同様に、融資を受ける人は次の評価が高ければ融資額も高くなりがちです。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 年収
  • 勤続年数
  • 家族構成

あまり高齢過ぎると完済時の年齢が80歳近くになり、定年退職後の返済期間の長さが不安材料と判断されます。また転職を繰り返して年収が高くても、勤続年数が短ければ安定した収入とはいえず、高く評価されるかどうかは金融機関次第でしょう。

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不動産の担保評価が決まる仕組み

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金融機関の審査を受けると、不動産の担保評価はどのように決まるのでしょうか。所有している不動産がいくらになるのかを推定できるように、算出方法を詳しく紹介していきます。最終的な担保評価は金融機関や評価する人でも変わりますが、自身で算出することで融資額を決める際の目安になるでしょう。

担保評価は市場価格に掛け目をかけて算出する

金融機関が担保評価する際は、担保に一定の比率を掛けて融資の上限を決めます。この比率は掛け目と呼ばれ、預金であれば年数などで価値は減少しないため100%を掛けます。不動産や有価証券などは価値が変動するため、掛け目は100%より低いです。

掛け目は70%程度

不動産の掛け目は70%程度が目安ですが、実際の割合は利用するローンの種類や保障期間などで変動します。金融機関によっても掛け目は変動するため、高額の融資を受けたい人は複数の金融機関を比較したほうがよいです。

また、7割程度の掛け目では希望する融資額に届かなくても、年齢や年収など個人の属性によっては目標額で審査に通るかもしれません。相談する前から融資を諦めずに、問題なく返済できるプランの説明ができれば、審査に通りやすくなるでしょう。

担保評価は市場価格よりも低く設定される

担保は融資を受けた人が返済不能になったときに、売却できるかどうかは重要です。例えば、35年の不動産担保ローンで、20年目に滞納が起きて担保を現金に換えるときは、その時点での相場で売却することになります。つまり融資した段階での市場価格では売却できません。

また、売却には書類手続きなどでも費用がかかるため、担保評価は市場価格より低く設定しておかなければ、金融機関が抱えるリスクは大きくなります。70%の掛け目を基準にそれよりも低くなることを考慮して、いくら融資を受けられるのかを推定しましょう。

不動産の市場価格の算出方法

不動産の価値は、担保評価によって市場価格の7割程度になりますが、そもそも市場価格はどのように算出するのでしょうか。担保にする不動産は家だけとは限らないため、土地部分と建物部分に分けて計算が必要です。

そこで、ここからは評価額の算出方法を紹介していきます。

土地の評価額算出方法

土地の評価額は、路線価や基準地価を使って算出される場合が多いです。路線価とは、国税庁が毎年発表している1平米当たりの価格で、土地の広さを掛け合わせて評価額を決めます。その年の1月1日時点の価格を7~8月に公表するため、最新の相場と若干の差異はあるでしょう。

基準地価は、都道府県が指定した全国の基準値での標準価格で、こちらも1平米当たりの価格で発表されます。その年の7月1日時点での価格を毎年9月に都道府県が発表し、一般企業の土地売買でも使われています。

また、それぞれ路線価は国土交通省が運営する土地総合情報システム、基準地価の場合は国税庁の財産評価基準書路線価図・評価倍率表から調べることが可能です。

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建物の評価額算出方法

建物の評価額は、積算法や収益還元法で算出されます。この算出方法は、どちらか一方だけで建物を評価するというよりは、建物の種類によって重視される評価法が変わることが特徴です。

まず積算法では、建物を再調達するための費用や耐用年数などを考慮して、次のように算出されます。

積算法の評価額=再調達費用×延床面積×残存年数÷法定耐用年数

法定耐用年数は建物の構造ごとに決められていて、木造なら22年、鉄筋コンクリート造は47年です。残存年数は法定耐用年数から築年数を引いた数字を使います。

また収益還元法は、運用している賃貸物件の評価で使われる算出方法で、計算式は次の通りです。

収益還元法の評価額=年間の収益÷還元利回り

還元利回りは金融機関が想定している利回りで、初期投資を短期間で回収できる物件ほど評価額は少額になります。

不動産の現地調査が実施される場合もある

土地の広さや築年数などのデータだけで、不動産の価値を精度よく判断することは困難です。そのため、担保評価でさらに現地調査が行われ、敷地内や周辺の調査、境界の確認、建物の劣化具合までチェックする場合もあります。

なおその際の現地調査では、敷地内には入っても建物の中にまでは入らないため、立ち会いは不要です。もし遠方にある相続した家を担保にするときにも、調査の立ち会いの手間はなくて済むでしょう。

不動産の担保ローンを利用する流れ

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どのように担保評価されているのかを把握したら、不動産担保ローンの申し込みをしましょう。融資は審査があるため、すぐには受けることができません。そのため不安なく利用できるように、ここでは申し込みの流れを次の5つのステップで解説していきます。

  1. 仮申し込み
  2. 本申し込み
  3. 審査
  4. 契約
  5. 融資の実行

1. 仮申し込み

多くの金融機関では不動産担保ローンを利用するために、まずは仮申し込みを求めています。しかし仮申し込みは必須ではなく、どちらかいうと利用者の事前相談という役割が大きいです。そのため、申込者の簡単な情報を提示して、ローンの概要の説明を受けたりしたい方はここから始めることになるでしょう。

実際の仮申し込みは、電話や金融機関の公式HPから気軽に申し込むことができます。特に公式HPの場合はいつでも手続きが可能で、住所・氏名や担保にする不動産の情報、勤務先などを入力するだけです。

電話で申し込む場合は、受付時間内に専用ダイヤルに問い合わせしてみてください。基本的にフリーダイヤルが用意されているため、電話料金を気にせずに疑問に思うことは聞いておきましょう。

もし仮申し込みの段階で金融機関に不満を抱いた場合は、それ以上契約の流れに進む必要はありません。その場合はしつこく営業の電話がかかってくる可能性もあるため、担当に希望を抱かせないようにはっきりと断るようにしましょう。

2. 本申し込み

仮申し込みで問題がなかった人は、金融機関の窓口で本申し込みに進みます。担当と話し合い、融資額や借入期間などの最終確認をして、必要な書類を全てそろえて提出しましょう。

また本申し込みをする金融機関は、金利の低さだけで選ぶことはおすすめできません。繰上返済の手数料などその他の費用もチェックし、返済まで長い付き合いになるため担当が信頼できるかどうかも重要です。なお本申し込みは窓口対応となっているため、近くの金融機関でなければ手続きに余計な手間がかかるでしょう。

本申し込み時に必要な書類

本申し込み時には、本人確認や不動産の担保評価をするために以下の書類が必要です。

  • 不動産担保ローンの申込書
  • 個人情報の取扱いに関する同意書
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票・住民票課税証明書など)
  • 担保評価をする書類(不動産登記簿謄本・図面など)
  • 印鑑・印鑑登録証明書

印鑑登録証明書など、取得するために実費がかかる書類があるため不足なくそろえてください。また担保評価に関わる書類などは、金融機関によって要求するものが異なります。仮申し込み後に必要書類の詳細は担当から教えてもらえるため、メモを取って忘れないようにしましょう。

3. 審査

本申し込みをすると現地調査も含めた審査が始まり、結果は1~3週間後に連絡があります。融資可能な額や利率は、担保評価や個人の属性で正式に決定します。もし担保評価が想定よりも低い場合は、十分な融資を受けられないこともあるでしょう。

また審査に通りやすくするためにも、他の借金は可能な限り清算しておいたほうがよいです。不動産担保ローンの融資額は少額でも、住宅ローンや車のローン、カードローンなどの合計が高額になると、返済能力に疑問を抱かれてしまいます。

年齢や年収など個人属性の多くは、審査を受ける段階でどうにかできるものではありませんが、コントロールできる借金の清算はしておきましょう。

4. 契約

無事に本審査を通過したら、金融機関に融資金額や年率などの説明を受け、正式に契約を結びます。契約で必要な書類は、審査のときに使ったものも含まれますが次の通りです。

  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 不動産の登記簿・謄本
  • 不動産の評価証明書
  • 審査後に金融機関から受け取る書類

金融機関から受け取る書類とは、不動産担保ローンの契約書や契約内容の確認書などです。契約内容は隅々まで確認して、気になる部分は担当に質問して不安を解消しておきましょう。

また、この契約時には印紙税や登記費用、金融機関の事務手数料などがかかるため注意してください。特に印紙税や事務手数料は融資額によって高額になる傾向があり、費用のトータルは数十万円かかることもありますこれらの経費は、基本的に実費で融資前に支払いが必要なため、手持ちのお金には余裕を持っておきましょう。

5. 融資の実行

契約が成立すると、設定している融資実行日に指定の口座へ融資額が振り込まれます。必要な額をその都度引き出して、目的のために有効活用してください。ATMでは出金も振り込みも金額に上限があるため、100万円単位のお金を動かす場合は金融機関の窓口に行きましょう。

実行された融資の返済では、繰上返済の手数料に注意してください。手数料は返済額の0~3%程度かかり、400万円の一括返済であれば10万円以上の追加出費もあり得ます。金利と相談しながら、トータルで負担の少ない返済をしてください。

不動産担保に関するよくある質問

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初めて不動産担保ローンを利用する人にとって、担保評価はわからないことだらけです。特に担保にしてよい不動産なのかどうかは気になるところでしょう。そこで不動産担保に関して、よくある4つの質問について解説していきます。

  • 本人以外が所有する不動産は担保にできるか
  • 共有名義の不動産は担保にできるか
  • 住宅ローンの残債がある不動産は担保にできるか
  • 築年数が古い建物でも担保にできるか

本人以外が所有する不動産は担保にできるか

基本的に本人以外が所有する不動産は、担保にできないようになっています。もし自由に担保にできてしまうと、融資の踏み倒しが頻繁に起きて不動産の所有者に被害がでてしまうためです。

しかし例外はあり、所有者が親族であったり融資を受ける会社の役員であったりした場合は、融資の審査に通る可能があります。その場合には所有者の同意を得て契約書に名前を連ね、物上保証人になってもらわなければなりません。

この物上保証人とは融資の返済義務はないものの、滞納があると不動産を売却されるリスクがある保証人です。自身が賃貸物件で生活していて、両親の持ち家を担保に融資を受けたい場合などは相談してみましょう。

共有名義の不動産は担保にできるか

住宅ローンの審査を通りやすくするために、共有名義で不動産を購入していても担保にすることは可能です。しかし共有名義人に融資の連帯保証人になってもらう必要があるため、よく相談してから不動産担保ローンの申し込みをすることをおすすめします。

また金融機関によっては、共有名義の持分だけを担保に融資を受けることも可能で、例えば、共有名義人に融資を隠しておきたい場合などにも有効です。しかし持分だけの担保は不動産の自由度が下がり、売却の難易度が高くなるため担保評価は下がってしまいます。

そのため、必要な額の融資を受けられない可能性が高まるため、持分だけの担保はおすすめできません。なるべく共有名義人の合意を得て担保評価してもらいましょう。

共有名義の不動産の円満な売却について、詳しく方法を知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

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共有名義の不動産売却を疑問や悩みを抱えながら正しい方法を知らずに進めると、トラブルに発展することもあります。この記事ではトラブル回避のために必要な知識を5つの売却方法や注意点などに分けて解説し、トラブルなく売却できるようにしていきます。

住宅ローンの残債がある不動産は担保にできるか

住宅ローンの残債がある不動産は担保にできる可能性は低いです。もし不動産担保ローンの返済が滞って住宅を売却する場合は、売却価格の大半は住宅ローンを融資した金融機関が受け取ります。これは設定された抵当権の順位が影響していて、不動産担保ローンを融資した金融機関は不利です。

逆に住宅ローンの残債があっても繰り上げ返済していたり、高額の頭金を出して不動産を購入したりしている場合は望みがあります。不動産の価値に対して残債が少なくなると、売却によって不動産担保ローンを融資した金融機関にまでお金が回ってきやすくなるでしょう。

また、不動産の査定を受けて住宅ローン残債の額より査定額が高額であれば、審査に通る確率は上がります。一括査定などで最新の相場を調べてみましょう。

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築年数が古い建物でも担保にできるか

どれだけ築年数が経っていても、不動産として価値がある建物なら融資の担保になります。具体的には担保評価で市場価値の7割程度までの融資なら、審査に通るでしょう。

問題は市場価値の低さで、目標額の融資を受けられない可能性があることです。築年数が経ちすぎていると、建物の価値はなくなり土地だけの評価となります。地方でニーズがない土地では坪単価が数千円となり、1,000万円を超えるような融資は現実的ではありません。

そのため、より価値のある不動産を担保にするか、別の方法で資金を用意するようにしましょう。

まとめ

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担保評価は、不動産担保ローンでいくら融資を受けられるかを判断する指標の一つです。申し込みする人の年齢や年収も影響しますが、担保評価が高いほど融資額は増えます。

また評価額は市場価格の7割が目安で、路線価や積算法・収益還元法を使うと、自力でもいくらになるのかを調べることができます。手軽に最新の市場価値を調べたい場合は、手間を減らすために一括査定を使うのがおすすめです。

今回紹介したポイントを参考にして、金融機関で融資を始めましょう。本申し込みの審査には1~3週間かかるため、融資が必要な人はすぐに市場価値から調べ始めてください。

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