不動産売却では固定資産税はどうなる!?損をしないポイントも紹介

不動産売却

不動産売却は金額が大きい分、それに伴って発生する税金も多額となってきます。

せっかく不動産を売却をしてお金を作ったと思ったら、手続きを間違えて必要以上に税金を取られてしまうなんてことになったら笑えませんよね。

この記事では、不動産売買で発生する税金の中でも、特に知っておくと節税につながりやすい固定資産税について解説していきます。

ぜひこの記事を読んで、税金と上手につきあいましょう。

監修いただいた専門家
宮里 恵
ファイナンシャルプランナー

不動産を売却したら固定資産税はどうなる?

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固定資産税とは、家や土地を所有している人が支払わなくてはならない税金で、その年の1月1日現在の登記簿上の所有者に課税されます。たとえば2月1日に引き渡しをしたとしても、固定資産税の納付書は5月頃、売主あてに送付されます。

しかし、売却をして所有者が変わったのに1年分の固定資産税を支払うのは不平等となってしまうので、納税義務は売主にありますが、売主と買主との話し合いで負担割合を決めるのが一般的となっています。引渡日を基準として、日割り計算した金額を事前に買主からもらっておき、売主が納税するという形が多いです。

固定資産税の課税対象は土地や家屋

課税対象となるのは、毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に登録されている固定資産で、固定資産の価格をもとに税額が算出されます。固定資産が所在している市区町村(東京都23区内においては、特例で都が課税)が課税します。

固定資産税は、所有する固定資産の評価額に標準税率(1.4%)を掛け合わせて求められます。

固定資産税=固定資産評価額×標準税率(1.4%)

固定資産評価額は、固定資産税の基準となる価格で、家や土地の価値について自治体ごとの基準に基づいて確認、評価した値です。この額は3年に1度の間隔で見直しが図られ、その時点の地価に応じて金額が決まります。そのため、地価が安い時期・安い地域は固定資産税も安く、地価が高騰している時期や地域では固定資産税も高くなります。

固定資産税の対象となるのは、土地や家屋なので、土地も家屋も所有している人は、それぞれの固定資産税を支払わなくてはいけません。土地と家屋では算出方法が異なりますので注意が必要です。

土地の固定資産税の算出方法

土地は、田、畑、山林、牧場などがあてはまります。土地の評価額は、土地の面積に、地域の路線に面した標準宅地1平方メートルあたりの評価額である「路線価」を掛け合わせて算出するのが土地の評価額です。

土地の評価額=土地の面積(地積)×路線価

家屋の固定資産税の算出方法

家屋の評価額は、「再建築価格方式」によって算出されます。再建築価格方式とは、「同じ建物を同じ土地に建てたらいくらになるか」を想定して現時点での建築価格を求める方式になります。家屋の単価を算出した後、経年劣化分を減価することで求めることができます。

家屋の評価額=評点1点あたりの価額×床面積×単位面積あたりの再建築費評点×経年減点補正率

「評点1点あたりの価額」は、補正率のことです。家屋の資材費、労務費の地域格差などを反映して算出します。
家屋における固定資産税のおおよその金額は、「家の購入金額の7割」に税率を掛けることによって、把握できるとされています。しかし、本当に正確な金額を求めるなら、建物が新築か中古か、建ててからどのくらいの年数が経っているのかという点も考慮しなくてはなりません。

固定資産税はいつ支払うの?

固定資産税はその年の1月1日時点の所有者に課せられる税金で、国税ではなく、市区町村(東京23区内は東京都)が課している地方税です。

そのため、いつ支払うかは住んでいる地域によって異なるため、各自治体のホームページや窓口などで確認する必要があります

東京都をはじめとして、通常は6月・9月・12月・2月の年4回に分けて支払うことがほとんどで、年4回ではなく一括で支払う方法も用意されています。しかし、国民年金のように一括払いをしたからといって割り引きされるということはありません。

毎年5月頃に振込用紙と納税通知書が郵送されるので、そこに書かれている案内に従って支払いましょう。納税通知書には、納付する税額や期限、その算定の基準となった固定資産税評価額などが記載されています。

滞納し続けると最終的に財産の差し押さえも!

固定資産税は、通知書・振込用紙に記載された期限までに支払いを済ませる必要があります。

滞納が続くと、最大で年14.6%の延滞金が発生しますし、物件や給料の差し押さえなどが発生する恐れがあります。もし滞納してしまった場合は、すぐに支払うか早めに自治体の窓口に相談しましょう。

差し押さえになるまでの流れ

  1. 督促状が届く
  2. 催告書が届く
  3. 財産調査と捜索が始まる
  4. 財産の差し押さえ
  5. 競売にかけられる

納付期限から20日以内に発送される督促状は「発送した日から10日を経過するまでに滞納が解消できない場合は、滞納者の財産を差し押さえなければならない。」と法律で決まっていますので、督促状を無視すると今度は「いつまでに返済(支払い)がなければ、法的手段等による解決を図ります。」といった内容がより厳しい催促書が届きます。

それも無視し続けると、財産調査といって預金や保険金などで支払えないか調査され、土地や建物の他にも、債権などの権利も含めた財産を差し押さえられてしまいます。

滞納した場合の対処法

まずは自治体の窓口に連絡をとり、支払いが難しい旨を伝えましょう。支払いがなくなることはありませんが、そのままにしておくと差し押さえになってしまいますし、固定資産税を分割して支払う方法もあるので、まずは相談してみるのが大切です。

また、減免してもらえる方法もありますが対象者は限られているので、自分が減免対象か気になる人は一度専門家に相談してみましょう。

固定資産税などの税金の滞納は自己破産をしても免除されることはないので、もし滞納してしまっている人は、少しずつでも支払っていくことが大切です。

固定資産税は不動産の売却先に支払ってもらう

冒頭でも記述していますが、固定資産税は、その年の1月1日現在の登記簿上の所有者に課税されます。つまり、年の途中で不動産を売却しても、その年の固定資産税は全額売主に課税されてしまうため、固定資産税の精算は、売主・買主との間で負担割合を決めるのが一般的です。

日割り計算をして家主が支払う

固定資産税の精算方法は、不動産の売買金額に精算金を上乗せするのが一般的です。

売買代金と固定資産税の精算分に項目自体は分けますが、引き渡し日に日割り計算した固定資産税を、売買代金と一緒に買主が売主の口座に振り込みます。

固定資産税の精算をする際の注意点は契約日は関係ないという点です。

不動産売却の際は、売買契約を結び、売買契約から1~2か月後に引き渡しをします。 固定資産税の精算は、契約日は関係なく引き渡し日から起算します。

また、不動産によっては精算をしない会社もあり、引き渡し後に精算金を請求するのは難しいので、売買契約時にしっかり取り決めをしましょう。

精算する金額は起算日で変わる

国定資産税の起算日を、4月1日にするか1月1日にするかによって精算金額が変わってきます

1月1日を起算日とする場合は、売主の負担は1月1日から引き渡し日までの分、買主の負担は引き渡し日から12月31日までの分となります。

4月1日を起算日とする場合は、売主の負担は4月1日から引き渡し日まで、買主の負担は引き渡し日から翌年の3月31日までの分になります。

1月1日を起算日とする理由は、固定資産税は毎年、1月1日の所有者に対して課税されるためです。

一方で、4月1日を起算日とする理由は、固定資産税は4/1~翌年3/31までの税金なので、起算日も4/1にするケースが多いです。

また、起算日は地域による違いがあり、関東では1月1日を起算日、関西では4月1日を起算日とする傾向が見受けられます。

1月1日が起算日の固定資産税の計算例

固定資産税が仮に20万円かかる不動産を7月1日に引き渡した場合、日割り計算をすると以下のような計算になります。

<売主>180日(1月1日~6月30日)⇒20万円✖180日/365日=98,630円

<買主>185日(7月1日~12月31日)⇒20万円✖185日/365日=101,369円

4月1日が起算日の固定資産税の計算例

固定資産税が仮に20万円かかる不動産を7月1日に引き渡した場合、日割り計算をすると以下のような計算になります。

<売主>180日(4月1日~6月30日)→20万円×90日/365日=49,315円

<買主>185日(7月1日~3月31日)→20万円×275日/365日=150,684円

不動産売却後の確定申告と固定資産税の扱い

不動産売却で譲渡所得が発生した場合は、確定申告をする必要があります。つまり、譲渡所得が発生していなければ、不動産を売却しても確定申告をする必要はないということです。

確定申告は不動産売却で利益が出ると必須

譲渡所得は不動産を売却した際に発生した所得のことで、売却額ではありません。譲渡所得は、以下の計算式で求めることができます。

譲渡所得 = 譲渡価額(収入金額)−(取得費+譲渡費用)−特例控除額

譲渡価額は、売却代金に固定資産税等精算金を加算した額で、取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費(設備費やリフォーム費用も含まれる)を控除した価額になります。また、 譲渡費用は、仲介手数料や印紙税、測量費など、売却に要した費用のことを指します。

計算の結果、プラスであれば譲渡所得が発生しているということです。一方で、マイナスの場合は譲渡損失といい、譲渡所得が発生していないということになり、確定申告をする必要はありません。

固定資産税の精算金は譲渡価格に含める

固定資産税の精算金は、売主、買主当事者間の利益調整のためにするものであって、税金そのものではなく、売買代金を構成するものなので、清算金とは税金ではなく売買代金の一部となり、消費税がかかります。 

つまり、国定資産税の精算金は、不動産売却の譲渡価格に含まれるということです。

不動産売却の譲渡所得の計算例

例えば、売却価格が5000万円で、取得費2000万円、譲渡費用160万円、国定資産税精算金が4.3万円の場合、譲渡所得は、約2,844万円(小数点以下切り捨て)になります。

(売却価格+固定資産税精算額)-取得費-譲渡費用=譲渡所得
(5000万円+4.3万円)-2000万円-160万円=2,844.3万円

不動産売却で固定資産税を精算する注意点

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買主側は精算する義務はないため、固定資産税を精算する際は、口頭のみでなく売買契約の際に書面で取り決めるなど、不動産会社とも確認しながら行いましょう。

固定資産税の支払いは買主と相談

不動産売買では固定資産税の精算を行うのが一般的ですが、前述にもある通り、買主による固定資産税の精算は義務ではありません。法律で決められているものではないため、精算したい場合は売買契約書または重要事項説明書に明記しておく必要があります。

固定資産税は「1月1日時点の不動産所有者に課せられる税金」なので、買主が売主に払わなくても法的には何も問題ないといえます。

また、仲介する不動産会社によっても固定資産税を精算するかどうかは変わります。

ほとんどの不動産会社では固定資産税を精算しますが、なかには精算を提案しない不動産会社もあり、不動産会社が売主・買主に提示する諸費用表を見れば、固定資産税の精算を行うのかどうかは分かります。

仲介手数料や登記関係費用などが記載されている諸費用表に「固定資産税の精算分」などの記載があれば、固定資産税を精算するということですので、このような記載がない場合には、不動産会社に固定資産税の精算はしないのか確認しましょう。

売買契約書に精算を明記する

固定資産税を精算する場合、買主にも同じように諸費用表で明示しますが、口約束だけではトラブルの元なので、固定資産税の精算に関しては売買契約書、もしくは重要事項説明書に明記しておきましょう。

その際、金額を明確にするためにも、起算日を明記するのを忘れないようにしてください。

固定資産税精算金の建物部分にのみ消費税

不動産の売主が消費税の納税義務者ならば、固定資産税精算金を土地分と建物分に分けなくてはなりません。なぜなら消費税法上、土地の売却は非課税ですが建物の売却は課税対象になるからです。固定資産税精算金のうち土地対応分は消費税の非課税売上に、建物対応分は消費税の課税売上になります。

まとめ

固定資産税を節約するには、売却契約時にきちんと買主側と精算の取り決めをすることと、確定申告をして、特別控除と呼ばれる節税制度を使う方法があります。

不動産売却を行う際には、様々な側面から出費が発生し、売主にとって大きな負担となります。特に大きな負担となるのは税金ですので、特別控除を受けるなどしてできる限り節約して計画的に不動産を売却しましょう。

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