強制執行とは?具体的な手続きの流れや回避方法をわかりやすく解説

不動産売却

住宅ローンの支払いが難しくなり、滞納を続けた場合の強制執行についてご存じでしょうか?住宅ローンを滞納すると、まず債権者である銀行から督促状が届き、それでも滞納し続けた場合は強制執行によって、最終的に不動産を差し押さえられることになります。強制的に退去を命じられる前に、必要な対応を行わなければなりません。

今回は強制執行の概要や具体的な手続きの流れ、強制執行を回避するための方法について詳しく解説します。現在、住宅ローンの返済に問題を抱えている人は参考にしてください。

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強制執行とは

まず、強制執行について知っておくことが重要です。強制執行とは債務者の財産を強制的に差し押さえることですが、事前に裁判所を通じて手続きする必要があります。以下で詳しくみていきましょう。

財産を差し押さえて強制的に債権を回収すること

裁判所を通じて債務者の財産を差し押さえて、強制的に債権を回収することを強制執行といいます。債権者は自ら債務者の財産を接収することはできず、強制執行を行うための公的機関(裁判所)が作成した債務名義を、用意しなければなりません。

債務名義には「債権者である〇〇は債務者××に対して、債務名義により強制執行ができる」といった内容の執行文が、記載されている必要があります。

金銭執行と非金銭執行に分類される

強制執行は、大きく金銭執行非金銭執行に分けられます。金銭執行は債務者の財産を接収し、金銭を債権者に付与することをいい、非金銭執行は土地や建物の引き渡しなど、金銭の支払以外を目的とするものです。

基本的には、どちらも強制執行に適した請求権を債権者が有していることと、その範囲を証明する証書である債務名義が必要です。債権者は債務名義をもとに、裁判所に差し押さえの申し立てを行い、受理されれば裁判所からの命令によって、債務者の財産が差し押さえられることになります。

強制執行が行われるまでの流れ

では住宅ローンを滞納した場合に、強制執行に至る流れを確認しましょう。

  1. 住宅ローンの滞納開始
  2. 銀行から督促状が送付される
  3. 期限の利益損失となる
  4. 代弁返済の通知がくる
  5. 競売開始決定通知書が届く
  6. 退去の強制執行

住宅ローンの滞納が長引くと債権者である銀行から督促状が届き、それでも支払を滞納していると、住宅ローンを一括返済しなければならなくなります。その時点で保証会社が銀行に代位弁済を行い、債務者は保証会社に対して支払を行うことになります。

それでも債務者が支払をしなければ、裁判所を通じて強制執行が行われ、住宅が競売にかけられるという流れです。以下で詳しくみていきましょう。

住宅ローンの滞納開始

住宅ローンを1~2ヶ月以上滞納すると、まず銀行から電話で支払の督促があります。この時点で支払いができれば、特に問題はありません。金融機関は電話で督促をすることが多いので、無視せずに誠実に対応することが重要です。

銀行から督促状が送付される

滞納期間が3ヶ月を越えてしまうと、銀行から催告書や督促状が送られて来るようになります。ローンの支払が遅れている旨と支払を促す内容が文章として送られるので、多くの債務者は本格的に返済を要求されていることに、気づくケースが多いようです。

この時点で遅れていた支払いができれば、ローンの支払いを一括で請求されることはありません。遅くても滞納し始めて3ヶ月以内には支払うようにしましょう。

期限の利益損失となる

住宅ローンの滞納が3ヶ月以上になってしまうと、債権者である金融機関から期限の利益損失が通告されてしまいます。期限の利益とは債務者が一定期間、支払いをしなくてもよい利益のことです。住宅ローンの場合は多額の住宅購入費用を、将来にわたって少しずつ支払えることを意味します。

その利益を損失するということは、向こう何年にもわたって少額ずつ支払えばよかった住宅ローンを、一括で返済する必要があるということです。ほとんどの人はローンの一括返済はできないため、期限の利益を失う前に、滞納分の支払を済ませることをおすすめします。

代弁返済の通知がくる

期限の利益が喪失すると、保証会社が債務者に代わってローンの全額を、債権者である金融機関に一括で支払う「代位弁済」が行われます。これによって債権者が金融機関から保証会社に移行し、債務者は保証会社に対して返済を行うことになります。

代位弁済後に、債務者はローン残高を一括で返済しなければなりません。返済できない場合には、任意売却で住宅を売って債務を支払うか、競売によって住宅を処分して返済するかが決まります。

何もしなければ、裁判所を通じて強制的に競売になってしまうため、できるだけ任意売却できるように動くことが重要です。なお代位弁済後に、任意売却の意思があるかを債務者に確認してくる保証会社(または金融機関)もあります。

競売開始決定通知書が届く

代位弁済後もローン債務が返済されなければ、金融機関は裁判所に対して物件の競売申し立てを行います。事前に、債務者に対して競売申立予告書が届く場合もありますが、届かずにそのまま競売に移行してしまうケースもあるので注意しましょう。

競売の申し立てが行われると、裁判所から競売が決定した旨を知らせる通知書が送付され、自宅が差し押さえられることになります。差し押さえられると、自宅は自由に処分できなくなります。執行官による物件の現地調査のあとで、競売の期間入札の通知書が届き、数ヶ月後に入札が開始されるという流れです。落札者が決定すると、居住者は強制的に立ち退きを請求されてしまいます

退去の強制執行

競売の落札者が決まり、落札者が裁判所に対して落札した金額を支払うと、退去の強制執行に移ります。家の中の荷物が強制的に外に出され、鍵も交換されてしまうため、債務者はそれまでに引っ越しを済ませなければなりません。原則として、住宅の所有権が移転するまでに退去する必要があります。

したがって、競売が決定して入札が開始されるまでに、引っ越し先を見つけて退去しておかなければなりません。何もせずにいると強制的に住宅を追い出されてしまうため、住む場所がなく路頭に迷ってしまうことになってしまいます。

競売による強制執行を回避する方法

物件が競売にかけられるまでの流れをみてきましたが、競売による強制執行を回避する方法はないのでしょうか?一般的には競売が開始されるまでに、任意売却によって住宅を市場相場に近い価格で売却することで、強制執行を回避しつつ、ローンの返済ができる可能性があります。以降で詳しく解説していきしょう。

任意売却を選択する

任意売却とは、債権者である銀行の許可を得て物件を売却する方法で、不動産の売却後にローン債務が残る場合にも、一般的な売却方法とほぼ同じ金額で売却できることが特徴です。債権者との話し合いによって、当該物件についている抵当権を抹消して売却できます。

さらに、物件を売却して得たお金を債務の返済に充てても、まだ債務が残っている場合は、金融機関との話し合いによっては、残債を分割で支払うことも可能です。また債権者が同意すれば、物件売却後の引っ越し費用も売却代金から確保できるケースもあるので、まとまったお金が必要な債務者にとっては便利な手段といえます。

競売が開始されたら任意売却はできない

競売が開始されてしまったら、任意売却の選択ができなくなるので注意が必要です。競売が開始される前に、金融機関と交渉して任意売却の了承を得なければなりません

遅くとも競売によって入札が行われる前に、任意売却を完了させる必要があります。任意売却は債務者自らが行動する必要があり、競売に比べて時間と手間がかかるので、余裕をもって計画的に行いましょう。

なお、任意売却と競売の違いについては以下の記事でも解説しています。

任意売却とは?任意売却のメリット・デメリットと手続きの流れをご紹介!
住宅ローンを滞納して払えなくなった場合、大切なマイホームを手放さなければならない状況に陥ることがあります。その際には、競売よりも任意売却の手続きを行う方が、実は債務者である住宅オーナーにとって有利になることが多いのです。 でも、具体的...

個人再生によるリスケジュールを行う

任意売却のほかに、個人再生によるリスケジュールを行う手段もあります。個人再生によるリスケジュールとは、住宅ローン以外の債務を最大5分の1にまで減額し、減額した分の債務を、原則として3年間で返済する方法です。

これは民事再生法の196条にもとづいた措置で、物件の競売も取り下げられます。そのため住宅ローン以外の債務によって、ローンの返済が難しくなっている状況では、有効な手段といえるでしょう。

滞納する前に家を売却する

将来的に、住宅ローンの返済が不可能になると予測できたら、返済が厳しくなってきた時点で、売却を検討したほうがよいでしょう。任意売却の場合でも、最終的に買い手が見つからなければ、競売によって市場価格の6~7割程度で住宅を手放すことになります。できるだけ市場価格で売却するためにも、早い段階で売ってしまったほうがよいケースは多いです。

不動産会社の仲介による一般的な不動産売却なら、市場価格で住宅を売ることができます。ただし、住宅の売却価格と手持ちの資金を合わせた額が、住宅ローンの残債を上回ることが必須です。住宅には抵当権が付与されているため、ローンを完済して抵当権を抹消しなければなりません。

査定を依頼する不動産会社などと相談しながら、早い段階で売却すべきかどうかを慎重に検討しましょう。

住宅ローンの借り換えを検討する

まだ住宅ローンの返済が滞納していない段階であれば、住宅ローンの借り換えを検討するのもよいでしょう。いま現在、借りている住宅ローンよりも低い金利の金融機関に借り換えれば、月々の返済負担額を減らすことができるかもしれません。

ただし、借り換えで月々の返済額を減らせば、返済にかかる期間は長くなってしまうため、総支払額が増えるケースもあるので注意してください。経済状況が改善したら繰り上げ返済をして、返済期間を短縮するといった方法が有効です。

家を売却する際にしてほしいことが、売る前には必ず複数の不動産会社から査定をしてもらうということです。家の査定は不動産会社ごとに変わるので、複数の不動産会社から査定をしてもらい比較をしてみてください。それらを簡単にできる一括査定サイトの利用がおすすめです。

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強制執行の注意すべき損失

次に、強制執行による注意すべき損失について解説します。裁判所によって強制執行が決定されると、不動産以外にも財産を差し押さえられたり、執行にかかる費用も債務者の負担になってしまったりするため、注意が必要です。以下で詳しく説明します。

不動産以外の財産も差し押さえられる可能性がある

住宅ローンを滞納し続けると、債権者は裁判所を通じて担保不動産を差し押さえることになります。通常は、当該不動産のみの差し押さえになります。しかし債権者である銀行が、住宅ローン債権の支払い請求を裁判所に訴えて勝訴した場合は、不動産以外の債務者の財産にも、強制執行の手が及ぶ可能性もあるので注意が必要です。

ただし債権者としては、当該不動産を差し押さえて競売にかけ、ローン債務を回収できればよいため、手間をかけて裁判をして強制執行するケースは、基本的にありません。法律上は、他の財産の差し押さえも可能ではあるものの、実際に差し押さえられるのは、不動産のみと考えて差し支えないでしょう

強制執行にかかる費用はすべて債務者の負担になる

強制執行は債権者の手続きによって行われますが、手続きにかかった費用や、住宅に残っていた債務者の荷物の処分費用などは、すべて債務者に請求されることになるので注意しましょう。一時的に債権者が立て替え払いをするものの、支払義務は債務者にあるため、あとで債権者から請求されます。

民事執行法42条に「強制執行の費用で必要なものは債務者の負担とする」といった内容が明記されており、債権者による正当な請求となるため、債務者は拒否することはできません。そのため、強制執行前に引っ越しを済ませておくなどして、余計な費用がかからないようにしておくことが重要です。

競売後の残債も返済義務がある

住宅が強制執行によって差し押さえられ、競売によって落札されても、住宅ローンが残ってしまう場合は少なくありません。たとえ住宅を手放しても、ローンの残債がある場合は債務者に返済義務が残ります

特に競売は、一般的な不動産売却や任意売却などと比べて、売却価格が低くなってしまうため、競売後に住宅ローン債務が残ってしまうケースが多いのです。そのため、できる限り競売に至る前に任意売却をして、相場に近い価格で売るほうが返済が楽になるでしょう

さらに強制執行されると、執行にかかる費用まで請求されることになるため、できるだけ早い段階で住宅を売却して、返済に充てることをおすすめします。

強制執行に関するQ&A

ここで、強制執行に関して所有権の移転時期や競売が不成立だった場合など、よくある質問に回答します。

差し押さえから所有権を失うまでの期間は?

物件が競売にかけられる場合は、住宅の差し押さえから所有権が競売の落札者に移転するまで、通常半年から1年以上かかります

一方税金の滞納などによって、国や地方公共団体が物件を差し押さえる公売の場合は、1~2ヶ月程度の短期間で手続きが終わることが多いです。債権者が民間の金融機関か行政機関かによって、手続きに要する期間は大きく変わります。

競売が不成立だった場合は?

任意売却が不成立だった場合には、物件はそのまま競売にかけられることになりますが、競売でも入札者が現れないケースもあり得ます。その場合は特別売却と呼ばれる手続きとなり、物件価格を下げて再び入札者を集めることになります

そうなると価格が引き下げられるほかに、一般競売の最高値入札ではなく先着入札となり、受付期間は原則1週間です。それでも入札がない場合は、特別売却が3ヶ月ほど繰り返されることになり、さらに価格も引き下げられてしまいます。この時点で、ほとんどの物件には買い手がつきますが、それでも入札されなければ最終的に競売は中止になります。

住宅ローンの滞納以外で強制執行が行われるケースは?

住宅ローンの滞納以外でも、税金の滞納やその他の借金を理由に強制執行が行われる場合もあります。そもそも強制執行は、債務を抱えている者がそれを履行しないときに行われるもので、債権者が債務の存在を証明する債務名義を得ていれば、強制執行が可能です。

住宅や土地などの不動産はもちろん、自動車や家財道具なども強制執行による差し押さえの対象になり得ます。また、債務者の給料や預金も対象になることが多く、銀行口座を差し押さえられると、債務者は預金の引き出しができなくなってしまいます。

なお、不動産を強制執行によって差し押さえられた場合は、その後の任意売却も絶対に不可能なわけではありませんが、さまざまな手続きが必要になり実際には難しいことが実情です。住宅ローンの返済が難しい場合は、物件が差し押さえられる前に、任意売却などの手段を検討することをおすすめします。

まとめ

住宅ローンの支払いを滞納すると、銀行から電話などで督促があり、3ヶ月以上滞納してしまうと、ローン残額を一括で払わなくてはなりません。一括で支払える人はほとんどいないため、期限の利益を損失する前に、滞納分のローンを支払うことが大切です。

それでも支払えない場合には、金融機関は物件の競売申し立てを行い、競売で落札されると強制執行によって、家を出なければならなくなります。また物件が競売にかけられてしまうと、市場価格の6~7割程度でしか売れず、その後の残債の支払いも大変になってしまうことが多いです。よって物件を差し押さえられる前に、任意売却を含めた解決を図るようにしましょう。

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