「住宅ローンを申し込みたいけれど、何歳まで組めるのだろう」「高齢だけど、住宅ローンを組むことはできるのか」と疑問に思ったことはありませんか?
住宅ローンの開始年齢が遅くなってしまうと、完済前に定年を迎えてしまうので、収入が減少して毎月の返済が厳しくなる可能性があります。
ここでは、住宅ローンは何歳まで組むことができるのか、申し込み前に知っておきたい基本情報や高齢でローンを申し込む際の問題点、住宅ローンの審査に通りやすくなる方法と住宅ローンの滞納を避ける方法についてまとめました。この記事を読んで、具体的に何歳までに住宅ローンに申し込むと良いかを把握し、問題点や解決策を踏まえた返済計画を立てる際の参考として役立てて下さい。
住宅ローンが何歳までかは金融機関ごとに決まる
住宅ローンは金融機関によって開始時の年齢や完済時の年齢に制限が定められていますが、不動産投資向けのローンには完済時の年齢制限がありません。
この章では金融機関やローンの種類によって異なる借り入れの年齢制限ついてまとめました。
大手金融機関で住宅ローンが組める年齢
大手金融機関では、住宅ローン利用開始時の年齢に制限を設けています。たとえば三菱東京UFJ銀行は満20歳以上70歳の誕生日までの方、三井住友銀行は満20歳以上70歳の誕生日までの方、りそな銀行は満20歳以上70歳未満の方、みずほ銀行は満20歳以上満71歳未満の方が対象です。
JAバンクは20歳以上満66歳未満の方、ソニー銀行では20歳以上65歳未満の方など、金融機関によっては70歳未満が住宅ローンの融資対象とならない場合もありますが、多くの金融機関では65歳未満であれば住宅ローンの借り入れが可能となっています。
住宅ローンは完済する年齢にも制限
住宅ローンを扱っている金融機関では、利用開始時の年齢だけではなく完済時の年齢にも上限を設定しています。なかでも、最終返済時の年齢を80歳未満としている金融機関が多い傾向にあります。85歳未満としている金融機関もありますが、完済時の年齢が上がって借入期間が長くなるほど、支払う金利の額も多くなるというリスクがあることを留意しておきましょう。
例外として親のローンを子供が引き継ぐ親子リレーローンの場合は、親の利用開始年齢と完済年齢に制限がなく、子の年齢を融資の条件と定めている場合があります。
不動産投資向けローンとの年齢制限の違い
住宅ローンの場合は融資条件に開始時の年齢と完済時の年齢が設定されています。しかし、賃貸経営などの不動産投資向けローンの場合は利用開始時の年齢は設定されていますが、完済時の年齢制限がありません。つまり、賃貸経営を始めるためにアパートやマンションを購入する場合は、20歳未満の未成年でなければ何歳でもローンが組めるということです。
住宅ローンの場合は、利用者が生きている間に返済を完了させることが融資の条件となっているため、完済年齢の上限が必要となります。不動産投資ローンでは、経営者が亡くなっても家賃収入を得られるのと、相続人に継続してローンを支払ってもらえるので完済年齢の上限を設定する必要がないのです。
住宅ローンの申し込み前に知っておきたい基本
住宅ローンを申し込むときは、金利の種類や諸費用、追加融資の有無について事前に知っておくと良いでしょう。この章では住宅ローンを申し込む前に知っておきたい基本についてまとめました。基本的な情報を事前に把握し、住宅ローンを組む際の参考にして下さい。
住宅ローンで利用する金利の種類と特徴
住宅ローンの金利には、固定金利と変動金利の2つの種類があります。
変動金利は住宅ローン開始時の金利が低い傾向にありますが、金利が上昇した場合、毎月の返済額の負担も大きくなってしまいます。一方、固定金利は変動金利よりも金利が高く設定されていますが、返済が完了するまで金利が上昇することはありません。
金利の種類を選ぶ場合は金利の低さだけを重視するのではなく、特徴やメリットとデメリットを比較し、自分にはどちらの金利が合っているかを判断することが大切です。
金利の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
固定金利(全期間固定型) | 返済完了まで金利が変わらない | 返済計画が立てやすい | 変動金利より金利が高い |
変動金利(変動型・固定期間選択型) | 半年おきに金利が見直される | 低い金利からスタートできる | 金利上昇のリスクがある |
金融機関は諸費用の支払い額まで比較
住宅ローンを組む時には、金融機関に諸費用を支払わなければならない場合があります。住宅ローンを組む時に必要となる主な諸費用は、以下の通りです。
- 繰り上げ返済手数料
- 送金手数料
- 事務手数料
- 保証料
- 印紙税
- 登記費用
諸費用の金額や有無は金融機関によって異なるため、諸費用のトータル金額では数十万単位という大きな差が出ることもあります。金融機関を選ぶ際はかかる諸費用の金額を計算して比較し、コストの削減に努めましょう。
住宅ローンで追加融資は受けられない
住宅ローンを組んだ後にまとまった資金が必要になった場合でも、新たに追加で住宅ローンの融資を受けることはできません。住宅ローンで融資を受けたお金は土地や建物の購入に使われるため、金融機関に追加融資を申し込んでも、借りられる可能性は低いでしょう。
また、住宅ローンの追加融資というサービスを提供している金融機関は存在しません。土地や建物には抵当権が設定されているので、住宅ローンを組んだ金融機関以外で新たに住宅ローンを組むことも不可能です。
どうしても追加融資を受けたい方は、今組んでいる住宅ローンよりも低い金利の住宅ローンに変更する借り換えを検討しましょう。諸費用の負担がかかるといったデメリットもありますが、追加融資を受けるよりも手軽に資金を調達することが可能です。
高齢で住宅ローンを申し込む3つの問題点
高齢で住宅ローンを申し込む場合は長期の借り入れが難しく、団信への加入も制限され、退職による収入減などで支払いに問題が発生する可能性が高くなります。この章では、高齢で住宅ローンを申し込む際に考えられる3つの問題点に焦点を当てて紹介します。
高齢だと長期のローンが組めなくなる
住宅ローンには完済時の年齢制限が設定されているため、高齢の方は必然的に35年以上の長期ローンを組むことが難しくなります。
多くの金融機関の融資条件で、完済時の年齢は80歳未満と制限されています。最低でも45歳までに住宅ローンを申し込まないと35年ローンを組むことはできません。したがって、住宅ローン開始時の年齢制限ギリギリ70歳で住宅ローンを組む場合、最長で10年ローンしか組めないのが現状です。
高齢で住宅ローンを組む場合は、自己資金を活用して借り入れ金額を少なく抑えましょう。
団体信用生命保険に加入しにくくなる
高齢の方は20代や30代の若い方と比べると団体信用生命保険への加入が難しくなっているため、住宅ローンの融資条件を満たすことができない可能性があります。
そもそも団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者に万が一のことがあった場合に、住宅ローンの残債をゼロにしてくれる保険のことです。ほとんどの金融機関で、団体信用生命保険への加入を融資条件にしています。
住宅ローンを組むために加入必須の団体信用生命保険ですが、高齢の場合は基礎疾患がある可能性が高く、健康上の問題を抱えている場合が多いため団体信用生命保険に加入しにくい傾向にあります。
退職による収入減でも住宅ローンの返済が可能か
高齢の方が定年退職を迎えた場合は収入が一気に減ってしまうため、十分な資金を確保していない限り、これまでと同じように定年退職後も住宅ローンを払い続けるのは難しいです。
たとえ再雇用されたとしても、正社員での雇用は難しいため、収入は定年前と比較して減る傾向にあります。
再雇用なしで収入が年金だけになった場合は、収入が退職前の半分以下にまで減ってしまうので、住宅ローンの返済によって老後の生活まで脅かされてしまうことが考えられます。
何歳でも住宅ローンの審査に通りやすくなる方法とは
たとえ住宅ローン開始時の年齢が高くても、様々な工夫をすることで住宅ローンの審査から落ちてしまうことを回避できる可能性があります。住宅ローンの審査に通りやすくなる方法についてまとめましたので、申し込む際に活用してみましょう。
住宅ローンの返済比率を下げる
住宅ローンの返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合のことで、返済負担率と呼ばれることもあります。年間返済額には住宅ローンの返済額だけではなく、マイカーローンやカードローンなどすべての借り入れの返済額も含めてください。返済比率は、以下の計算式で求めることができます。
金融機関によって独自の返済比率の上限を定めていますが、返済比率は数値が高くなるほど審査に通りにくくなります。無理のない住宅ローンの返済比率は一般的に20%以内だと言われているので、上限を目安にするのではなく返済比率20%以下を目安に考えましょう。
住宅ローンの返済比率についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせて読んでみてください。

健康的な生活を送り病気の予防
住宅ローンを組むためには団体信用生命保険に加入する必要があります。つまり、体が健康な状態でないと団体信用生命保険の加入審査に通ることができないということになります。
体の健康を保つためには、生活習慣病を予防するのが効果的です。生活習慣病を予防するためには、十分な睡眠時間を確保してバランスの良い食生活を心がけ、運動不足を解消するために適度に体を動かしましょう。
すでに疾患がある場合は、正直に申し込みの時に報告してください。健康と偽って団体信用生命保険に加入した場合は、告知義務違反に該当するため即刻契約解除となり、保険金が全く払われない事態になる可能性があります。
ライフプランに合わせて返済額を設定する
人生には度々お金が必要になる時期があります。そのタイミングは人によって異なる為、自分のライフプランに合わせた返済額を設定することが大切です。
たとえば教育費は子供が小さい時期はあまりかかりませんが、高校や大学に通う年齢になると負担が大きく膨れ上がります。定年退職後の老後も年金収入以外の収入がなくなるため、こういった状況を考慮して毎月の返済額を設定してください。
ライフプランに合わせた金額設定が難しいという方は、金融機関によって毎月の返済可能額がわかるシミュレーションが用意されているので活用しましょう。
退職後の住宅ローンについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせて読んでみてください。

審査の条件が緩い金融機関を探す
年齢のせいで住宅ローンの審査に落ちてしまった場合は、審査条件が比較的緩く設定されている金融機関を探してみるのも一つの手です。
金融機関によっては、完済時の年齢を満80歳の誕生日まで、または満81歳未満と設定しているところがありますが、年齢だけに注目をするなら後者の方が少しだけ返済期間を長くすることが可能です。
また、民間の金融機関や住宅金融支援機構が提携して販売しているフラット35は、団体信用生命保険への加入が任意のため、大手の金融機関よりも審査が厳しくありません。満70歳以上の場合は申し込めませんが、年収の低いアルバイトやパートでも審査に通る可能性のある住宅ローンです。
親子リレー返済なら何歳でもローンが組める
親子リレー返済とは親と子供が2世代にわたって住宅ローンを返済する制度で、子供の年齢を基準にして借入期間を決めることができるため、親が高齢でも住宅ローンを組むことができます。親子リレー返済での後継者の要件は、以下の通りです。
- 申し込み者の子か孫、またはその配偶者で安定した収入がある
- 申し込み時の年齢が満70歳未満
- 連帯債務者になる
親子リレー返済の場合は、フラット35が使えない満70歳以上でも、子供がこれらの要件をすべて満たせば住宅ローンを組むことができます。金融機関によっては同居の有無など、要件に違いがある場合があります。
最適な住宅ローンを選ぶなら一括比較サイトを活用

住宅ローン一括比較サイトのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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高齢で住宅ローンを組んだ場合は、定年後の収入減少により住宅ローンの滞納が起こる可能性が高くなります。高齢による想定外の収入減による滞納を避ける方法についてまとめました。
金融機関に返済条件変更の相談
一時的な収入減少により滞納の可能性がある場合は、金融機関に相談すれば、リスケジュールや金利の減免、返済条件の変更などの対応をとってくれる可能性があります。
住宅ローンの契約内容によって対応が困難となる場合もありますが、とりあえず相談だけでもしてみましょう。金融機関も住宅ローンを回収する必要があるので、債権者の生活に合わせた支払い計画を提案してくれます。
住宅ローンを滞納してしまってからでは金融機関の印象が悪くなってしまうだけでなく、契約違反とみなされる可能性もある為、滞納する前に必ず返済について相談をしましょう。
金利の低い住宅ローンに借り換え
住宅ローンの返済が苦しくなってきた場合は、今借りている住宅ローンよりも金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討しましょう。借り換えには、以下のようなメリットがあります。
- 総返済額を減らすことができる
- 月々の返済額の負担を軽くすることができる
- 固定金利への変更で金利変動のリスクを回避できる
- リフォームローンを組むことができる
借り換えには諸費用を用意する必要や手続きの手間もかかるので、メリットとデメリットを比較したうえで、借り換えを行うべきかどうかを総合的に判断してください。
毎月の出費を節約して支払い分を確保
収入を増やすことが難しい場合は、毎月かかるコストを上手に節約して、住宅ローンの返済額を捻出しましょう。
変動費は毎月支出額が変わるため、見直すことでかなりのコストが抑えられる固定費から優先して節約していくべきです。節約できる固定費には、以下のようなものがあります。
- 生命・個人年金・医療などの保険料
- 音楽や映画配信系の月額料金
- 通信料金・携帯電話料金
- 車の保険料・車検代金
- ガス・電気料金
金額の大きい固定費を節約して、住宅ローンの支払いによる負担を軽減させましょう。
リースバックで将来は買い戻す
住宅ローンを滞納してしまったけど、自宅を売却したくない場合は、リースバックを選択するのがおすすめです。
リースバックとは、自宅を売却した後に買主との間に賃貸契約を結ぶことで、自宅を手放すことなく住み続けることが可能になる方法です。買主に対して家賃を支払い続ける必要がありますが、資金が貯まれば将来的に家を買い戻すことも可能になります。
毎月の家賃の負担が発生したり、家の名義が変更されるなどのデメリットもあるため、よく考えて活用してください。
まとめ
住宅ローンを取り扱っている多くの金融機関では、定年退職後の収入減少による住宅ローンの滞納リスクを避けるために、利用開始時の年齢と返済時の年齢に制限をかけています。金融機関によって年齢制限の内容や審査で重視されるポイントが異なるため、金利や諸経費も含めて比較し、より自分にあった住宅ローンを選ぶことが大切です。
年齢によって返済期間や返済可能額も変わってくるため、自身のライフプランに合わせた返済計画を立てたうえで住宅ローンを申し込み、理想のマイホームを手に入れましょう。
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