「住宅ローンを申し込みたいけれど、どんな書類を集めておけばいいか分からない。」という方も少なくありません。中には書類を入手するのに時間を要する場合があります。事前に必要になる書類や申し込みの流れを把握しておくことで、申込み直前で焦ることなくスムーズに手続きを進めることが可能になるでしょう。
この記事では、住宅ローンを新規で借りる場合と借り換えの住宅ローンを申し込む際にそれぞれで必要になる書類を紹介していくとともに、申し込みの際の主な流れと申し込み方法、押さえておくべき注意点についても紹介していきます。
早速、必要になる書類をそれぞれのケースで解説していきますので、自身の状況に合わせて参考に見ていきましょう。
住宅ローンを新規で申込むときに必要な書類
ここでは住宅ローンを組んでいない、新規に申し込みを始める方が用意しておく必要のある書類を紹介します。審査の段階で必要になる書類が異なる為、段階ごとで解説していきます。審査に備えてあらかじめ何が必要になるか、把握しておきましょう。
仮審査(事前審査)の必要書類
住宅ローンの審査は、申し込んですぐ融資が開始するものではなく、審査にも段階が設定されています。事前に行う仮審査は、のちの本審査に備えた簡易的な審査になります。
審査に必要になる書類を下記の表にまとめましたので、何が必要になるかを確認しておきましょう。
書類の種類 | 必要になる書類 | 書類取り寄せ先 |
金融機関の申込書
※金融機関によって名称が異なる場合もある |
事前審査申込書 | 金融機関 |
本人確認書類 | 運転免許証もしくは健康保険証など | 本人 |
収入確認書類 | 給与所得者の場合
|
勤務先 |
個人事業主の場合:確定申告書や納税証明書 | 管轄の税務署 | |
法人代表者の場合:決算報告書など | 勤務先 | |
物件確認書類 | 購入予定先物件のチラシ | 不動産業者 |
資金計画書 | 本人 |
|
間取図 | 不動産業者 |
上記以外にも金融機関によって、必要になる書類が異なります。また、夫婦の合算収入で住宅ローンを組みたい場合など借りる際の状況によって必要になる書類も変わります。必須になる書類については融資を予定している金融機関へ確認したうえで用意するようにしましょう。
本審査の必要書類
仮審査の承認を得たら次に必要になる書類は以下の内容になります。
仮審査からさらに追加で必要になる書類は太文字で紹介していますので、押さえておきましょう。
書類の種類 | 必要になる書類 | 書類取り寄せ先 |
金融機関の申込書
※金融機関によって名称が異なる場合がある。 |
住宅ローン本審査申込書 | 金融機関 |
保証委託依頼書(利用する場合) | ||
団体信用生命保険申(利用する場合) | ||
本人確認書類 | 運転免許証 | 本人 |
健康保険証 | ||
住民票
※世帯全員が載った、続柄が分かり、マイナンバーや本籍地の記載のないもの |
管轄の市町村役場 | |
収入確認書類 | 前年度の源泉徴収票 | 勤務先 |
住民税決定通知書 | 管轄の市町村役場 | |
納税証明書 | 管轄の税務局 | |
確定申告書の控え | ||
物件確認書類 | 売買契約書の写し | 不動産業者 |
重要事項説明書の写し | ||
工事請負契約書の写し | ||
建築確認申請書 | ||
建築確認済証 | ||
検査済証 | ||
登記事項証明書 | 法務局 | |
公図 | ||
地積測量図 | ||
間取図など | 不動産業者 |
仮審査よりも必要になる書類の種類が多いうえ、より詳細な内容の資料が必要になってきます。上の表で紹介した書類を基に用意しておき、漏れが無いよう確認を心がけましょう。
契約および融資決定後の必要書類
住宅ローンの契約時と、融資決定後にも上記で紹介した書類以外にも追加で必要になります。追加で必要になる書類に関しては太文字で明記していますので、契約時と融資決定後それぞれで必要になる書類を表にまとめましたので見ていきましょう。
契約段階 | 書類の種類 | 書類内容 | 書類取り寄せ先 |
契約時 | 金融機関の申込書 | 住宅ローン借入申込書 | 金融機関 |
本人確認書類 | 運転免許証 | 本人 | |
パスポート | |||
住民基本台帳カード | |||
健康保険証の写し | |||
収入確認書類 | 給与証明書 | 勤務先 | |
源泉徴収票 | |||
住民税決定通知書 | 管轄の市町村役場 | ||
課税証明書 | 管轄の市町村役場 | ||
本審査承認の確認書類 | 団体信用生命保険の申込書と告知書 | 金融機関 | |
物件確認書類 | 明細地図 | 不動産業者 | |
登記事項証明書【土地・建物の各一部】 | 管轄する法務局 | ||
建築確認通知書 | 不動産業者 | ||
請負契約書とその見積書 | |||
売買契約書 | |||
重要事項説明書 | |||
公図 | 管轄する法務局 | ||
土地面積が分かる土地図面 | 不動産会社 | ||
融資決定後 | ローン申込み確認書類 | 抵当権設定契約書 | 金融機関 |
住宅ローン契約書 | |||
印鑑証明書(2通) | 管轄する市町村役場 | ||
住民票(1通・新住所のもの) | |||
契約書関係 | 収入印紙 | 法務局 | |
登記に関する書類 | 登記済証と登録識別情報通知書 | 本人 |
契約時や契約後にも用意しておくべき書類があるため、追加分の書類を参考にあらかじめ用意しておきましょう。この他にも、金融機関によっては追加で必要になる書類が有ります。確認を取りながら準備をして契約を進めましょう。
資金の用途に応じた必要書類
新規に住宅ローンを組むと一言に行っても、資金の用途はそれぞれ異なるでしょう。ここでは、利用の用途別で必要になる書類を丸「〇」で表して以下の表で紹介いたします。
自身の資金用途にはどの書類を用意しておくと良いか参考に見ていきましょう。
必要書類 | 利用用途 | |||
土地付きの戸建て住宅 | マンション | 新築もしくは増改築 | 土地の購入 | |
不動産登記事項証明書(土地・建物) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
住宅地図や公図 | 〇 | 〇 | 〇 | |
売買契約書 | 〇 | 〇 | 〇 | |
重要事項説明書 | 〇 | 〇 | 〇 | |
工事請負契約書 | 〇 | |||
建築確認済書 | 〇 | 〇 |
住宅ローンの借り換えを申込むときに必要な書類
自分が住宅ローンを借りた時よりも、条件の良よい商品があれば、新しい住宅ローンに「借り換え」をすることができきます。次では、この住宅ローンの借り換えの際に必要になる書類について紹介していきます。新規で住宅ローンを組む時と異なる点は、借り換えの場合は継続して支払っている住宅ローンの書類が必要になります。どういった書類が必要になるか、確認の種類別で細かく紹介していきます。
住宅ローンの借り換えを検討している場合は、既存の住宅ローンの支払いが絡むため、スムーズな契約が求められます。状況に合わせて必要書類を用意しておきましょう。
本人確認書類
住宅ローンを借りる際に、本人が借り入れることを確認するために書類提示を求められます。申請には必ず必要になる確認書類ですが、以下のような書類を用意しておくと良いでしょう。
- 運転免許証
- 健康保険証
- 住民票や住民票記載事項証明書
- パスポート
- マイナンバーカードもしくは通知書
- 印鑑証明書
全てを用意する必要はありません。運転免許証以外の提出の場合は、2つの書類を求められるケースもありますので、利用を検討している金融機関の要望に合わせて用意しておきましょう。
収入を証明する書類
住宅ローンを借り換えても返済が可能かどうかを確認するための重要書類です。返済比率という、融資金額の審査基準ともなる書類のため、安定した収入が有り、返済が可能であることを書類で証明しましょう。所得の証明書類としては、以下のような書類があるとベストです。
- 前年度の源泉徴収票
- 住民税決定通知書
- 所得税納税証明書
- 確定申告書の控え(過去3年分)
先述の本人確認書類同様、全ての提出が求められるわけではありませんが、柔軟な対応が取れるよう必要な書類について把握しておきましょう。
また、住宅ローンを借りる際にポイントとして押さえておくと良い、返済比率についての詳細を知りたい方は、以下の記事も参考に見ておきましょう。

物件に関する書類
金融機関の貸し出し基準を満たしている物件かどうかを確認するための書類です。マンションや戸建てなど、物件の種別によって必要になる書類は異なりますが、主に以下の書類を用意しておくと良いでしょう。
- 登記事項証明書(建物、土地の両方)
- 不動産の売買契約書と重要事項説明書
- 工事請負契約書
- 平面図や間取りなど物件の仕組みが分かる図面
- 建築確認済み書もしくは検査済証
借り換えをする場合、現在住んでいる不動産の情報について金融機関へ提出する必要があります。重要書類のため、厳重に管理している場合がほとんどですが、万が一紛失などして契約書の原本の提出が難しい場合は、控えの提出でも対応できるケースもあります。
返済状況の確認に必要な書類
住宅ローンを借り換える際には、収入状況などのほかにも現在返済しているローンの返済が滞ることなく計画的に返済できているかを確認されます。また、住宅ローン以外にも返済しているローンが有ればその内容と返済状況の告知も求められます。
返済状況として求められる書類は主に以下の内容になります。
- 現在返済している住宅ローンの返済予定表
- 返済に利用している口座の預金通帳で直近3~6ヶ月の内容が分かるコピー
- 他の借入の返済予定表
返済の実績が分かる書類の提出が求められることから、返済に利用している口座の通帳の提出が求められます。金融機関によっては提出を求められる期間が変動しますので、提出する際は金融機関の指示に従って用意するようにしましょう。
住宅ローン申込みの流れ
ここまで主に必要になる書類について解説してきましたが、次はその書類をうまく活用できるよう住宅ローンの審査から融資実行までのおおまかな流れを紹介します。住宅ローンの審査では以下のような流れで手続きが進みます。
- 使いたい住宅ローンの情報を集める
- 金融機関へ審査を申し込む
- 住宅ローンの契約を締結する
- 住宅ローンの融資が実行される
流れの中では随所に押さえておくと良いポイントが有りますので、詳しく解説していきます。
住宅ローンの情報を集める
住宅ローンと一言にいっても、金利や条件など金融機関によってそれぞれで異なり、内容は千差万別です。そんな中で自分に合った住宅ローンを探すのは大変ですがその分、自分の理想に近い形で資金計画を立てることが出来ます。
探し方としては、まず住宅を購入する際の不動産会社やハウスメーカーなどと提携している金融機関の住宅ローンを紹介してもらって住宅ローンの内容を紹介してもらうと良いでしょう。
自身で探す方法としてはインターネットで検索したり、金融セミナーなどの参加で様々な金融機関の商品や融資条件や金利について知ることが出来ます。または思い切って直接金融機関へ足を運ぶことで希望の条件や理想像を伝えることで具体的なアドバイスが貰えることがあります。
住宅ローンを決める際は自身にあった内容を選べるよう、まずは情報収集から始めましょう。
住宅ローンの仕組みについての詳細は以下のサイトもおすすめです。

金融機関に審査を申し込む
情報収集し、利用したい住宅ローンが決まったら、そのローンを取り扱っている金融機関へ審査の申請をしましょう。審査と言っても1回で融資が始まるわけでは無く、段階を踏んで融資が開始されます。事前審査なしで本審査も可能ですが、万が一を考えたときに事前に審査が通過するかどうかを確認しておいたほうが得策でしょう。
先述の必要書類でも解説した通り、審査には仮審査と本審査の2回に分けて金融機関で審査が行われる方法が一般的です。以下にて仮審査と本審査の詳細について見ていきましょう。
事前審査の流れ
事前審査の申し込みは住宅の購入申し込みをする段階で行います。本審査と比較して簡易的な審査になります。仮審査にかかる期間はおおよそ3日~1週間程度で、金融機関から結果が通知されます。申し込み方法は金融機関によって異なりますが、窓口での申し込みだけではなくオンラインで申し込むことが可能な金融機関もあります。
本審査の流れ
仮審査が済み、購入する家の売買契約が済んだ状態で本審査へ申し込みを行います。審査には必要書類が多数ありますので、あらかじめ用意した書類を提出してスムーズに手続きを行いましょう。
本審査では団体信用生命保険への加入が必要な金融機関が多いため、その分健康状態の確認など審査に時間がかかります。おおよその目安としては、本審査の結果に1~2週間ほどかかるケースがほとんどです。仮審査より時間がかかりますが、本審査が承認されれば住宅ローンの契約を結ぶ流れになります。
住宅ローン契約を結ぶ
本審査の承認が無事に下りれば、次は契約手続きに進みます。この流れでの契約の正式名称は「金銭消費貸借契約兼抵当権設定契約」と言い、住宅ローンの契約と併せて担保になる物件に抵当権の設定手続きを行います。
申込書の様式や必要になる書類は金融機関で異なるため、この契約手続きを進める前に確認しておきましょう。この手続きが済めば、あとは住宅の引き渡しを待つことになります。
融資が実行される
契約がなされたら、後は金融消費貸借契約に基づいて、融資が実行されます。融資が実行されるとは、金融機関から借りたお金の支払いが行われることを指します。
ローンが実行される日は残金決済直前であるケースがほとんどで、実行される当日に不動産登記の手続きが行われる流れになります。また、金融機関から直接不動産会社へ振り込んでもらう事も可能です。住宅ローンの決済が終われば、翌月から返済計画通りに返済が始まる仕組みになっています。
住宅ローンの必要書類の提出方法
住宅ローンに必要になる書類は、ただ単に窓口へ提出するだけではありません。時間の融通が利くよう金融機関によっては、住宅ローンの審査や手続きに必要になる書類を先進技術を用いて提出することが出来ます。
ここでは最近取り入れられている提出方法やメジャーな提出方法について紹介していきます。
パソコンやスマホからアップロード
金融機関によっては、インターネットを経由してパソコンやスマートフォンを利用した画像データのアップロードにより、必要書類を提出できる仕組みを導入しているところもあります。時間を問わず書類を提出できることから、金融機関の営業時間内に窓口へ行く事が出来ない方におすすめです。
ネットより申し込みを行う際は、金融機関のサイト内でログインを行い、画像をアップロードする流れが主流になっています。提出の際は注意事項をよく読み込み、金融機関の指示に従って提出することで提出漏れやデータの破損などを防ぐことが出来ます。
FAXや郵送で書類を提出する
金融機関への提出方法として、FAXや郵送での提出が認められている機関もあり、なかには申請書類の様式や送付票などをサイトにてダウンロードすることができる利用者に寄り添ったサービスもあります。
これらの方法で提出する場合は、必要書類を印刷し、スマホかデジタルカメラなどの機材を用いて撮影し、印刷したものを提出する必要があります。写真撮影する際は、ピンボケや重要部分のはみ出しや光の反射などに注意して必要書類を用意するようにしましょう。
住宅ローンの必要書類に関する注意点
最後に、書類を提出する際の注意点について解説していきます。注意点を把握し、書類を提出することで考えられる可能性やの取り扱いについて知っておきましょう。
提出書類は返却されない
金融機関へ一度提出された書類に関しては、金融機関で重要情報として厳重に保管されることになるため、契約が締結された後も返却されることはありません。
そのため、書類の提出としては住民票や法務局で取得した書類などを除き、多くがコピーなど写しでの提出がメインになります。審査が承認されるされないに関わらず、返却されることが無いため、代わりの利かない重要な書類は写しを提出するように注意しましょう。
不備がある場合は再提出になる
提出された書類内容に不備などがあった場合は、書類は返送され、再提出を求められます。不備内容の確認後返送されるため、再提出して再度内容の確認に入ります。不備内容が見つかることで多くの時間を要することになり、当初設定した融資実行の希望日に間に合わないなどの恐れがあります。
そのため、提出する前には内容に不備や漏れが無いかを必ず目を通してから提出するようにしましょう。
ホチキスやのりを使うのはNG
提出する書類に関しては、以下のものが書類に添付されている場合、書類の破損につながるため現金とされています。
- ホチキス
- のり
- テープのり
添付する資料が見やすいように、と気を利かせてホチキスを使用する方も少なくないでしょう。しかし、万が一資料が破損して不備の扱いになっては二度手間になってしまいます。不備を防止するためにも上記のような文房具は利用しないようにしましょう。
勤め先に在籍確認の電話がくる
金融機関へ審査の申し込みをするとまず必ず確認されるといっていい項目が、勤務先の在籍確認です。申し込みに記載されている勤務先へ金融機関から直接確認の電話が有ります。
営業職など日中社外へ出ている場合は、金融機関へあらかじめ会社にいる時間帯を伝えておくと、伝えた時間帯に電話をかけてもらえます。電話に出ることで本人確認が取れたとみなされるため、手続きをスムーズに進めたい場合はなるべく電話に出られるようにしておきましょう。
まとめ
本記事では住宅ローンの申し込みに必要になる書類について紹介し、申し込みには数多くの書類が必要になることが分かりました。また、今回紹介した書類は主に必要になる書類で、利用したい金融機関によってはこの他にも提出が求められる書類もあるでしょう。利用目的や住宅ローンの借り入れ方法によっても必要になる書類が異なるので、事前のリサーチを抜かりなく行いましょう。
住宅ローンの流れを把握しておき、必要になる書類をあらかじめ用意しておくことで不備や漏れを防ぐことが出来ます。注意点を踏まえて、失敗のない住宅ローンの申し込みを行いましょう。
※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/
・https://www.rosenka.nta.go.jp/
・https://www.retpc.jp/chosa/reins/
・https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
・https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf
◆記事で紹介した商品・サービスを購入・申込すると、売上の一部がマイナビニュース・マイナビウーマンに還元されることがあります。◆特定商品・サービスの広告を行う場合には、商品・サービス情報に「PR」表記を記載します。◆紹介している情報は、必ずしも個々の商品・サービスの安全性・有効性を示しているわけではありません。商品・サービスを選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品・サービススペックは、メーカーやサービス事業者のホームページの情報を参考にしています。◆記事内容は記事作成時のもので、その後、商品・サービスのリニューアルによって仕様やサービス内容が変更されていたり、販売・提供が中止されている場合があります。