「不動産を売る際の流れや、段階別に準備すべきもののリストをまとめて知りたい」と考えていませんか?不動産売却をどのような手順で進められるのか、また準備すべき書類がリストでわかれば便利なものです。
そこでこの記事では、売却の流れや必要な書類をチェックリスト形式で詳しく解説するほか、注意すべきポイントについても紹介していきます。本記事を読んで、売却をスムーズに行いましょう。
基本的な不動産売却の流れ
不動産売却の際は、戸建てやマンションの場合と土地の場合で売却時の流れに違いがあります。その点を踏まえたうえで、不動産の種類別に流れのチェックリストを詳しく見ていきましょう。
戸建てとマンションの売却流れ
戸建てやマンションは、次の流れで売却に至ることが一般的です。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 不動産会社を通じて売却活動をする
- 購入希望者に対応する(内覧や条件交渉など)
- 売買契約を締結する
- 決済・引き渡し
まず、不動産会社に査定を依頼して仲介契約を結び、買い手を見つけてもらう流れになります。購入希望者が見つかったら条件交渉をし、売買契約を結んで約1ヶ月程度で引き渡しとなるのが通常です。また、不動産会社に査定を依頼してから売却するまでには約半年ほどかかることもありますが、早ければ3ヶ月で引き渡しまで完了する場合もあります。
戸建ての売却流れについては、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひこちらを参考にしてみましょう。

土地売却の流れ
次に、土地を売却する場合の流れを見ていきましょう。
- 土地の査定をしてもらう
- 建物の解体やリフォームを行う(※必要な場合)
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 不動産会社を通じて売却活動を行う
- 買い手が見つかったら条件交渉する
- 売買契約を結ぶ
- 引き渡し
基本的に、戸建てやマンションを売却する流れと同じです。
ただし売りたい土地に建物がある場合は、解体するか建物付きの土地として売却するかを決めなければなりません。更地にして売る場合は建物の解体費用がかかりますが、土地を相場価格で売却できる可能性が高くなります。
一方で建物付きの土地として売却する場合は、解体費用を負担せずに済むことや、なかなか売却できなくても固定資産税の負担が軽いなどのメリットがあります。ただし、建物を解体しなければ買い手がつきづらいというデメリットも。
このように土地を売却する際は、ケースによって手続き内容やかかってくる費用、どのように処理すると売却しやすいかといった点に違いがあります。土地売却で困ったときには、以下の記事で解説している相談場所について知っておくと助けになるでしょう。

投資用不動産売却の流れ
投資用の不動産売却は以下の流れで行われます。
- 戦略的な物件売却の計画を立てる
- 売買の仲介をする不動産会社に相談する
- 売却価格を決定する
- 不動産会社による売却活動
- 買い手がついたら売買契約を締結する
- 引き渡し準備
- 決済・引き渡し
大まかな流れは持ち家の売却と同じですが、投資用不動産を売却する際は、税金や法律の知識が必要になるだけでなく、売却のタイミングも慎重に決めなければなりません。そのため通常の不動産売却よりも、事前準備や売却計画を立てるのに期間を要します。
しかし、知識をつけたり計画を練ったりするのに時間をかけておくと、高く売却することにつながるので、売却を成功させるためには必要な期間といえるでしょう。また売却速度を重視するか、売値を重視するかによっても売却方法は変わってきます。できるだけ早く処理したい場合には、不動産業者の買取で処理するほうがよいでしょう。
売値を重視するなら、不動産会社に仲介を依頼して売却することをおすすめします。査定以上の価格で売れる可能性が高まるでしょう。
今所有している投資用不動産を買い替えたいと考えているなら、売却の流れだけではなく次の物件を探すポイントも知っておきたいものです。投資用不動産を選ぶポイントについては以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて読むことをおすすめします。

不動産売却の段階別チェックリスト
不動産売却の流れをみてきましたが、各段階別に確認できるチェック項目を用いると、売却時にすべきことがより整理しやすくなります。売却活動前・売却活動中・売却活動後に行うべきことを、チェックリストで見ていきましょう。
売却活動前のチェックリスト
不動産の売却活動に入る前に、以下のチェック項目を確認しておきましょう。
チェック項目 | 内容 |
流れを把握 | 売却までの流れを理解する |
売却希望条件を決定 | どんな条件で売却するかを決定する (※売値はいくらにするか、土地の場合は建物をどうするかなど) |
価格を調査 | 一括査定などを利用して相場を調べておく |
業者の選定 | 査定内容から仲介を依頼する業者を選定する |
家の情報に関する書類の準備 | 土地測量図や建物図面、設備仕様書などの準備 |
媒介契約 | 不動産会社と媒介契約を結ぶ |
不動産売却をすることが決まったら、まずは売却希望条件を決めましょう。どのくらいの期間で売り切りたいか、購入額や設備からどれほどの金額で売りたいかといった点が考えられます。
不動産の相場を調べるためには不動産一括サイト利用することで、自分の希望条件に合った業者を探すことが可能です。複数の不動産業者に依頼できるため、どの会社が信頼できるかを比較検討することができます。仲介を依頼したい会社が見つかったら、不動産に関する書類を準備して媒介契約を結びましょう。
不動産仲介業者の選び方を知っておけば、売却に伴うトラブルを軽減できます。以下の記事で、業者選びのポイントを把握しておくことをおすすめします。

一括査定サービス利用者が選んだおすすめサービスTOP3
※クラウドワークス、クロスマーケティング調べ(2021/4/9~2021/4/13実施 回答数380人)
こちらは、サービス利用者のアンケート結果による「おすすめの不動産一括査定サービスTOP3」です。実際の利用者の声と編集部の知見が合わさったできたランキングですので、ぜひ参考にしてください。
なお、不動産一括査定サービスは、それぞれ対応するエリアや提携する不動産会社が異なるため、1つだけでなく複数のサービスを利用することをおすすめします。
次の記事ではより多くのサービスを含めたランキングや「査定結果の満足度TOP3」や「親族・友達におすすめしたいTOP3」などカテゴリ別にもランキングを紹介しています。さらに詳しく知りたい方は読んでみてください。

売却活動中のチェックリスト
不動産会社に仲介を依頼すると代わりに販促活動をしてもらえますが、その間に売主にもやるべきことがあります。
チェック項目 | 内容 |
セールスポイントの洗い出し | セールスポイントの洗い出しや、チラシに記載する文言などの希望を不動産会社に伝える |
広告の確認 | 作成された広告内容をチェックする |
ハウスクリーニング | 内覧希望者のために物件の片づけやクリーニングを行う |
内覧時の受け答え準備 | 内覧時に購入希望者からの質問に答えられるようにしておく |
不動産会社に仲介を依頼すると、販促のためのチラシの作成やネットの物件情報サイトに掲載してもらえます。その際に買い手がつきやすくするために、セールスポイントの洗い出しをして掲載する情報に関する希望を伝えましょう。
また、内覧希望があった場合に備えて物件のクリーニングも重要です。部屋の中はもちろん、庭やバルコニーなどもしっかりきれいにしておきましょう。内覧には売主が立ち会わない場合もありますが、できる限り立ち会って購入希望者からの質問に答えたり、物件をアピールしたりすると成約の可能性が高まります。
内覧で注意すべきポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ一読してみましょう。

売却活動後のチェックリスト
買い手が見つかって、条件面での合意に至ればいよいよ売買契約の締結です。仲介した不動産業者の立ち合いのもとで、必要書類の確認や契約書の確認が行われます。売却活動後は準備する書類が最も多くなるため、しっかりチェックしておきましょう。
チェック項目 | 内容 |
契約内容の確認 | 売買契約書をしっかりと確認 |
手付金の確認 | 買主から手付金として支払われる金額に相違はないか |
登記や家情報の必要書類準備 | 当該不動産の登記識別情報通知あるいは登記済権利書、固定資産税評価証明書などの準備 |
司法書士に支払う手数料の用意 | 不動産の所有権移転登記を依頼する司法書士に支払う報酬の用意 |
残金支払いの確認 | 頭金や手付金を除いた残金の支払いタイミングと金額を確認 |
仲介手数料の準備 | 仲介した不動産業者に支払う仲介手数料を準備 |
発生する税の確認と書類準備 | 譲渡所得の確認と確定申告が必要な場合の書類準備 |
通常仲介手数料は、売買契約締結のタイミングで仲介手数料の半額を支払い、引き渡し時に残りの半金を支払います。媒介契約書に記載の支払期日をあらかじめ確認しておけば、慌てて手数料を用意せずに済むでしょう。
また、手付金の額は不動産売買代金の5~20%程度といわれており、契約書の確認とともに支払われます。支払われた手付金額は契約書内容と一致しているかを必ず確認しましょう。
さらに、不動産売却後の確定申告についてもチェックしておくことは大切です。場合によっては、確定申告をしていないことで損をする可能性があります。以下の記事では、確定申告をする必要性について詳しく解説しているので、参考にしてください。

不動産売却に必要な書類のチェックリスト
段階ごとに行える手順をリストで確認したら、準備すべき書類についても合わせて確認しておくとより段取りよく行えます。つづいては査定を受ける段階で、売却する不動産ごとに準備すべき書類のチェックリストを紹介します。
売却査定を受ける場合
不動産の査定を受ける場合に必要な書類は次のとおりです。
- 身分証明書
- 不動産の登記簿謄本
- 不動産購入時の契約書
- 物件の測量図
- 物件の図面
- 重要事項説明書
査定を依頼する際は物件の詳細を記載する必要があるため、売却したい不動産の登記簿謄本や物件の図面や測量図は、最低限用意しておきましょう。できれば購入時の契約書や、特に伝えておくべき不動産の特徴について記した重要事項説明書などもあれば、詳細な情報を担当する業者に伝えられます。
土地を売却する場合
土地を売却する場合は次の書類を用意しておきましょう。
- 身分証明書
- 印鑑(実印)
- 住民票
- 登記識別情報通知あるいは登記済権利書
- 固定資産税評価証明書あるいは固定資産納税通知書
- 銀行口座に関する書類
- ローン残高証明書(※ローンが残っている場合)
- 土地の測量図
- 土地の境界確認書
- 購入時の契約書や重要事項説明書
ほかにも土地によっては、地盤に関する調査報告書も必要になる可能性があります。判断に迷ったときには、仲介を担当する不動産会社に尋ねることで、各ケースで必要な書類が何かを伝えてくれるでしょう。
戸建てを売却する場合
戸建てを売却する場合には、次の書類が必要です。
- 身分証明書
- 印鑑(実印)
- 住民票
- 物件の鍵
- 登記識別情報通知あるいは登記済権利書
- 固定資産税評価証明書あるいは固定資産納税通知書
- 銀行口座に関する書類
- ローン残高証明書(※ローンが残っている場合)
- 土地の測量図や境界確認書
- 建築確認済書・検査済書
- 建物の設計図や工事記録など
- 耐震診断に関する報告書
- 購入時の契約書や重要事項説明書
土地を売却する際に必要な書類に加え、設計図や工事記録など建物に関する書類が必要です。また建築確認済書や検査済書も準備しておきましょう。
建築確認済書は、建物が建築基準法や条例に適合しているか確認したことを証明するもので、検査済書は建物が建築されたときに行われる検査に合格したことを示す書類です。どちらも建築時に発行されますが、紛失した場合は役所などで代替書類を発行してもらう必要があります。
マンションを売却する場合
マンションを売却する場合に必要な書類は次のとおりです。
- 身分証明書
- 印鑑(実印)
- 住民票
- 物件の鍵一式
- 登記識別情報通知あるいは登記済権利書
- 固定資産税評価証明書あるいは固定資産納税通知書
- 銀行口座に関する書類
- ローン残高証明書(※ローンが残っている場合)
- 物件の図面・設備仕様書
- 建築確認済書・検査済書
- 当該マンションの管理規約書類
- 管理費・修繕積立金など物件の維持管理に関する書類
- 耐震診断に関する報告書
- 物件のパンフレットや広告などの資料
- 購入時の契約書や重要事項説明書
戸建て物件で用意すべき書類とともに、マンションの設備に関する書類や管理費、修繕積立金、管理組合費など維持管理に関する資料が必要です。マンションを売却する際の手順についても詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考になります。

不動産を高く売却するためのポイント
どのような不動産を売るにしても、高く売るためには工夫が必要です。つづいては以下の売却ポイントを紹介し、高く売却するためにできることは何かを詳しく解説します。
- 住宅診断を依頼する
- 内覧に備えた準備をしっかりと行う
- 高く売れるタイミングを狙う
- 査定は複数の業者に依頼する
それでは、それぞれの項目を見ていきましょう。
住宅診断を依頼する
住宅を売却する前には、専門会社に住宅診断を依頼して劣化状況を確認してもらうことをおすすめします。専門業者のお墨付きがあれば買主の信用を得られるだけではなく、住宅購入後のトラブルも未然に防げるでしょう。
専門業者はもちろん、住宅診断士(ホームインスペクター)の資格を持った個人事業主に依頼することも可能です。診断料の目安は50,000~60,000円程度で所要時間も2時間程で済むので、不動産会社に売却を依頼する前に診断して、不動産の信用度を目に見える指標で残すようにしましょう。
以下の記事では、住宅診断を行う時の費用についても扱っています。合わせて読んでおくとスムーズな診断につながるでしょう。

内覧に備えた準備をしっかりと行う
内覧希望者のために物件の片づけやクリーニングをしておくと、内覧に備えた準備をすることができます。以下のリストを参考に内覧前の清掃を行いましょう。
- ペットやたばこの臭い対策
- 小物の整理
- 水回り
- 庭木の整理
購入希望者によい印象を与える物件づくりを徹底することで、内覧時によい印象を与えられて成約率もアップします。
高く売れるタイミングを狙う
不動産には売却しやすい時期があり、高く売れるタイミングを狙うことによって、希望通りの価格で売れる可能性が高まります。以下は、引っ越しシーズンから見た売却の可能性が高い時期です。
- 1月~3月
- 8月~9月
これらの時期は転勤や移動があるため、新居を探している人が多い傾向にあります。このタイミングに合わせて売り出せるように計画することもひとつでしょう。
査定は複数の業者に依頼する
不動産査定は複数の業者に依頼するのが基本です。査定額の相場がわからなければ、相場以下で売却してしまう可能性があるので、必ず複数の業者に査定を依頼して相場観をつかむようにしてください。
一括査定は無料で査定を受け取れるだけでなく、自分の都合に合ったタイミングで利用できるというメリットがあります。ただし上手な使い方を知っておかなければ、業者の見極めで失敗してしまう恐れもあるので、ぜひ以下の記事で一括査定の利用方法を確認しておきましょう。

ここまで不動産売却で成功するためのポイントを紹介してきましたが、売却利益を多くするためにさらに行えることがあります。その点については、次の記事を参考にすることをおすすめします。

不動産売却に関する注意点
最後に、不動産売却を行う際に注意すべき事柄について見て行きましょう。以下2つの点に絞って解説していきます。
- 高い査定額に要注意
- 共有名義の場合に気をつけたいこと
各項目を詳しく見ていきましょう。
相場よりも高い査定額に食いつかない
不動産会社に査定を依頼した際に、ときには相場よりも高い査定額を提示されることもあります。しかし、高い査定額に惹かれて契約を結んでしまうと、あとでトラブルに発展する可能性もあるので注意しましょう。
見極めるべきは、査定額に対して納得のいく根拠が示されているかという点です。その点を見極めると、かけ離れた金額で売り出したことで売れ残ってしまう事態や、信用性の欠ける不動産会社に依頼してしまうといった事態を避けられます。
共有名義の場合は全員の同意が必要
売却したい不動産が売主本人のみの名義であれば問題ありませんが、共有名義の場合は全員の同意が必要です。特に親から相続した不動産を売却する際には、相続人が一人ではないケースが多く見られます。その際は、共有持分者全員の同意を得るようにします。
一人でも反対する場合は売却できないので、事前に全員の意思を確認して同意を得てから売却の準備に入るようにしましょう。
その他不動産売却についての注意点については、以下の記事でも解説しています。ぜひこちらも参考にしましょう。

まとめ
土地や戸建て、マンションを売る手続きや書類には、若干の違いがあります。この記事で取り上げたリストを利用して、自分の売却ケースに必要な手順や書類をぜひ確認しましょう。事前に項目をチェックしてリストアップしておけば、売買契約時の不安やトラブルを未然に防ぐことができます。
また、売却を成功させるためのポイントや注意すべき点を知っておくことで、スムーズに不動産売却を行えます。記事内容を参考に、大切な不動産を上手に売却してより多くの利益を手元に残しましょう。
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