iPhone 4が我が家に来てちょうど2週間になる。今まで普通の携帯電話しか触ったことがなかったので、最初は文字入力にすら戸惑っていたが、なんとか必要最小限は使えるようになってきた。ここらでiPhoneを英語学習にいかに使うかという観点でレポートしたいと思う。といっても本当に基本操作をマスターしたくらいなので、今回は基本的なところからスタートする。私のようにブームに乗ってiPhone 4を購入した人の参考になれば幸いである。

iPhoneはスマートフォンと呼ばれており、基本は電話なのだが、その実態はコンピュータといったほうがよいだろう。これまでの携帯電話でもメールやWebを閲覧したり、ゲームをしたりといった電話以外の使い方が主流であった。iPhoneではそれ以上にインターネットを使っている時間が長くなる。

私の場合は、本コラム(第37回/第38回)で紹介したようにTwitterを最近始めたのが、自宅のPCからしかツイートできなかったので、iPhoneでTwitterがしてみたい!というのがiPhone購入の直接のきっかけだった。

ゆくゆくはいろいろな英語学習用アプリも試してはいきたいのだが、今のところはTwitter中心でうろうろしているありさまなので、今回はTwitterの別の使い方を紹介したい。

以前本コラムではTwitterで英語をつぶやくことを学習法として紹介したが、今回はTwitterをきっかけにして英字新聞をiPhoneで読もうというお話である。この方法を使えば、紙の英字新聞を有料で購読することは必要なくなる。また自宅でPCの前に座らなくても、どこでも英字新聞サイトでニュースを読むことができるようになる。

もちろんTwitter経由でなくても、直接、英字新聞のWebサイトをiPhoneに付属しているブラウザであるSafariを使ってアクセスしてもいい。しかし、この方法だと新しい記事を見つけるのがiPhoneの画面が小さいため、面倒である。そこでTwitterを使った以下の方法をおすすめしたい。

まず図1はiPhoneの電源を入れたときの画面である。一番下の列に「ソーシ...ング」とあるボタンは、実は「ソーシャルネットワーキング」という名前だが長すぎて表示されていない。これはフォルダであり、この中にTwitter関係のアプリを入れてある。

図1 一番下の「ソーシ...ング」にTwitter関連アプリを入れている

図2はこのフォルダの中身で、4つのTwitter関連の無料アプリが今のところ入っている。今回はEchofonを使ってみる。

図3はEchofonの中のTwitterのリストを表示するページである。この中にnytimesがハイライトされているが、これはThe New York TimesのTwitterを私がリストにしているものである。

図2「ソーシャルネットワーキング」下に入れてあるTwitter関連のアプリ

図3 Twitter用クライアントアプリのEcofonを今回は使用する

ここでいくつか説明せねばなるまい。まず、「The New York TimesのTwitter」というのは、http://twitter.com/nytimesのことで、世界で最も信頼されている英字新聞のひとつであるThe New York Timesが最新記事とWebへのリンクをつぶやいてくれるというものである。現在250万人にフォローされているようだ。このような新聞社のTwitterはほかにもいろいろあるので、興味のある新聞社を探してみるとよいだろう。

次に、「リスト」であるが、これは自分の興味あるTwitterユーザをフォローしていくと、図3の「ホーム」には大量のツイートがすべてまぜこぜになって表示されるので、ほとんどのツイートは見落とすことになるし、数が多すぎて見ていられなくなるおそれがある。そこで特に興味のある人や、複数の人をグルーピングするのがリスト機能である。今回は「The New York TimesのTwitter」のみをリストにしたnytimesというものを作っている。

図4はそのリストの中身であり、最新の記事がずらりと並んでいる。下のほうにもスクロールして過去の記事も表示することができる。このスクロールがスムースで快感なのであるが、それはまた別のお話ということで。

ここで読みたい記事の本文部分をクリックしたのが図5である。ここでは後で、The New York Timesに返信したり、リツイートしたり、コメント付きリツイートしたりできる。

図4 興味をもっているTwitterユーザをグルーピングするリスト機能で"nytimes"というリストを作った

図5 読みたい記事をクリックしてみた。ここからリツイートも可能

http://で始まるリンクが記事のWebサイトなので、クリックすると図6のようにThe New York TimesのWebサイトの該当記事が表示される。Webサイト全体が表示されているのだが、さすがiPhone 4だけのことはあり、かなりくっきりと細部まで表示できている。とはいえ記事本文の文字は小さく読みづらい。

そこでiPhoneの得意技である2本指を使ってびよーんと拡大すると図7となる。このレベルになると十分記事を読むことができる。フォントも非常に美しい。縦方向のスクロールもスムーズだ。iPhoneを横に反転させ、文字の大きさを調整すると図8のようになり、さらに読みやすくなる。

図6 The New York TimesをiPhone 4で表示したところ。きれいに表示されるがすこし読みづらい

図7 ピンチアウト(指を使ってびよーんと拡大)で文字を大きく表示。読みやすい

ローテーション機能をオンにしておくと本体を横にすると画面も横長に

この方法で自分のお気に入りの英字新聞の最新記事をいつでもどこでも簡単に読めるようになる。ぜひお試しいただきたい。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる』。Twitterアカウントはこちら