パナソニックは23日、4K60p映像の入力に対応したHDMI 2.0搭載の20型Windowsタブレット「TOUGHPAD 4K」新モデルを発表した。20型液晶搭載タブレットとして、世界最軽量、最薄を実現。8月28日に発売する。価格はオープン。市場想定価格は、HDMI 2.0対応の上位モデルが約360,000円前後、下位モデルが約330,000円前後(いずれも税別)。

「TOUGHPAD 4K」新製品の上位モデル。都内で発表会も開催された

「TOUGHPAD 4K」新製品。左が上位の「FZ-Y1CHBBZB」、下位の「FZ-Y1CAAAZBJ」

4K(3,840×2,560ドット)解像度の20型IPSα液晶を搭載した法人向けタブレット。ラインナップは上位の「FZ-Y1CHBBZB」、下位の「FZ-Y1CAAAZBJ」の2モデル。上位の「FZ-Y1CHBBZB」では、4K液晶搭載タブレットとして初めて、HDMI 2.0のサポートによる4K60p映像の入力に対応。4K映像や4K写真をそのまま同機で表示できるほか、MiniDisplayPortの搭載で、4Kコンテンツの出力も行える。

これにより、4K対応ビデオカメラや4K対応カメラと接続し、持ち歩いてカメラで撮影した4K映像をそのまま同機に表示させ、撮影現場でピント確認、調整などが可能となった。独自ソフトウェアにより、タッチ操作によるスムーズな拡大縮小操作や、複数画面を表示するマルチ画面表示にも対応する。

法人向け堅牢タブレット「TOUGHPAD」シリーズのラインナップ

新製品の上位モデルの進化ポイント

「TOUGHPAD 4K」シリーズのラインナップ。2013年に発表された初代モデルも併売する

本体には、12.5mmの薄型きょう体に、HDMI 2.0やMiniDisplayPort、有線LANコネクタ、USB 3.0、SDカードスロットなどのビジネス向け端子を詰め込んだ。下位の「FZ-Y1CAAAZBJ」はスタンダードモデルの位置づけとなり、HDMI 2.0、有線LANコネクタ、カードリーダなどが省かれる。

上位の「FZ-Y1CHBBZB」。主な端子類は右側面に集約されている。背面にはスマートカードリーダも搭載

主な仕様は、CPUがIntel Core i5-5300U vPro(2.30GHz)、メモリが8GB(上位モデル)/4GB(下位モデル)、ストレージが256GB(上位モデル)/128GB(下位モデル)、グラフィックスがIntel HD Graphics 5500(CPU内蔵)、ディスプレイが20型IPS液晶(3,840×2,560ドット)、OSがWindows 8.1 Pro Update 64bitなど。

通信機能は有線LANのほか、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0を搭載。カメラ機能はフロント92万画素。バッテリ駆動時間は約1.5時間(JEITA 2.0)。本体サイズはW475×D334×H12.5mm、重量が2.33kg(上位モデル)/2.30kg(下位モデル)。オプションで電子タッチペン、クレードル、マウントアダプタ、保護フィルムが用意される。

パナソニック AVCネットワークス常務 ITプロダクツ事業部 事業部長の原田秀昭氏

同社のビジネス事業への取り組み。「TOUGHPAD 4K」発表会では、同機を導入した柏の葉総合歯科や、十八銀行での活用事例も紹介された

パナソニック AVCネットワークス常務 ITプロダクツ事業部 事業部長の原田秀昭氏は、新製品を「『TOUGHPAD』の進化系」と評価。同社はモバイル機器分野で「Let'snote」や「TOUGHPAD」など頑丈なハードを軸に、End to Endを行ってきた。「今回、堅牢技術と4Kを融合させ、ユーザーの困りごとを解決する」と製品をアピールした。

例えば建築業界では設計図のペーパーレス化、映像業界では撮影現場への持ち運び、医療業界では高解像度の写真表示によるカンファレンスなどの用途を想定する。同社は「TOUGHPAD」シリーズについて、2016年度までに累計100万台、2018年度までに累計200万台の販売を目指す。

「TOUGHPAD」シリーズ累計で2018年度までに200万台の販売が目標

会場では、4K対応LUMIXを使ったデモも行われた

想定用途のデモ。カメラの小さな画面で表示した場合は綺麗に見えるが、「TOUGHPAD 4K」につないで表示させてみると、撮影したい女性のピントが若干甘いことが分かる

拡大してみるとピントの甘さが顕著に。「TOUGHPAD 4K」はバッテリを内蔵し持ち運びも可能なため、現場で表示・確認し、撮影のやり直しも可能

機械設計用CADのデモ。本来80型の大画面ディスプレイに表示して確認するような非常に細かい3Dモデルも詳細まで表示できる上、このまま持ち運びんで仕事の打ち合わせも行える