米国でHSPA+版Galaxy Nexusをオンライン購入する

前置きはこれくらいにして、さっそく端末の入手だ。以前のレポートにもあったように、米国からのアクセスでないとGoogle Playの該当ページを開いても「404 Not Found」が表示されるだけだ(2012年5月28日時点)。Google Playは「Android Market」をリニューアルして、アプリからコンテンツ、デバイスまでさまざまな商品を購入できるGoogleのオンラインストアだが、今回のHSPA+版Galaxy Nexusもその商品の1つとして登録されているものの、日本からは商品が見えないため、このような結果となる。今回、米国滞在中に該当ページへとアクセスし、商品を注文して米国内に住む友人の家を送付先とした。

Google Playの決済は「Google Wallet」を使う。少々ややこしいが、このGoogle Walletはモバイルペイメントのほうではなく、以前まで「Google Checkout」の名称で呼ばれていたサービスだ。Google Walletではクレジットカードを複数登録して適時決済のタイミングで切り替えることが可能だが、今回のHSPA+版Galaxy Nexusについては「米国住所のクレジットカード」、つまり「米国で発行されたクレジットカード」しか決済で通らなかった。日本で発行されたカードも試してみたものの、「Unsupported payment method」の警告が出て、「販売主(つまり今回はGoogle)はこの住所への販売を許可していません」ということになってしまう。商品ページへのアクセスもさることながら、日本のカードで決済もできないとなると、一気に購入難易度が上がってしまう。この点は日本人にとって残念だ。

さて、カードさえ通ってしまえば購入自体は非常にシンプルで、あとは送付先を指定するだけでいい。今回はカードの住所と一緒なので、そのまま購入ボタンを押すとプロセスが完了し、しばらく後に確認の電子メールが送付されてきた。購入履歴や発送状況はGoogle Walletのページで確認できるほか、別途送られてきたUPSのTracking Numberで細かい配送時間等が確認できる。筆者の場合、商品を購入したのが5月6日の昼で、その日の夜には発送を開始し、最終的に5月9日に商品が住所の家まで配送されてきた。処理に1-2日、発送に2-3日となっていたので、ほぼ当初の見立てどおりの所要時間だったといえる。

米国でGoogle Playの「Devices」ページにアクセスすると、HSPA+版Galaxy Nexusの商品説明ページが現れる。現在、Google謹製のGalaxy Nexusを入手する唯一の方法がこのGoogle Play経由でオンライン購入することだ。なお、このページは日本からアクセスできず、画面のようなエラーが表示されてしまう

さっそく購入へ。本体価格399ドルに通常出荷(2日)の10.50ドルの手数料がかかる。出荷先によって税金が変化するため、この時点ではまだ加算されていない。なお、支払いに日本で発行されたクレジットカードを使用しようとしたが、「Unsupported payment method」と表示されて受け付けられなかった。しょうがないので米国で発行されたクレジットカードを指定する

注文完了のページ。結局399ドルに10.50ドルの発送費用、33.92ドルの税金が加算されて(税率は約8.5%)、合計で443.42ドルとなった(実際にはGoogle Walletのプリチャージ料金10ドルがあるため、433.42ドルの支払いだといえる)。日本円で約3万6000円だが、NTTドコモのSC-04Dがキャッシュバック付きで大量に市場に流れていた状況を考えると「高い」と感じるユーザーもいるかもしれない。だがNTTドコモ版とは異なり、このHSPA+版Galaxy Nexusはroot取得なしでもフル機能が使える端末であり、今回のメインテーマである「Google Wallet」がデフォルトで利用できる数少ない端末の1つだ

注文受付が完了すると、Googleアカウントのメールアドレスにレシートが送られてくる。ここにあるFedExのトラッキング番号で荷物の配送状況を確認できるほか、Google Playのユーザーアカウントページでも同様の情報が確認できる

HSPA+版Galaxy NexusとGoogle Walletのセットアップ

商品が発送された週は取材でニューオーリンズにいたため、実際にHSPA+版Galaxy Nexusを手にしたのはサンフランシスコに戻ってきて友人と会った12日の夜だった。13日午前中には次の取材のためサンノゼへ移動しなければならなかったため、すぐにセットアップを開始した。筆者は米国内にAT&Tで2回線もっており、1つはiPhone用、もう1つはSIMカードのみの状態でNexus Oneに挿して運用している。今回、2年以上お付き合いしてきたNexus Oneには現役を引退してもらって、このSIMをGalaxy Nexusで利用することにした。もともとT-Mobile向けに開発されたNexus OneはAT&Tとは異なる周波数サポートとなっており、AT&TのSIMを挿しても「GSM」の回線でしか利用できなかった。だがGalaxy NexusにこのAT&T SIM (7年前に契約したSIMなので名称は「Cingular」になっている)を挿入してAPNを設定すると、接続されるネットワークはちゃんとHSPAとなり、ステータスアイコンの表示もきちんと「H」となっていた(「HSPA+」になっているかは未確認)。