「落語に興味ありますか? 落語家・月亭方正さんのインタビュー取材があるのですが…」。そういわれ「え? つきていほうせい? 聞いた事ないなぁ…」と調べてみたら、なんと、あの「ヘタレ芸人」と呼ばれる(スミマセン)山崎邦正だった!?

というわけで。2つの名前を使い分ける山崎邦正こと月亭方正さんに、お話を伺ってきました。

落語はひとり新喜劇? 落語をはじめたきっかけ

――落語との出会いについて教えてください。

山崎邦正(月亭方正)
1968年2月15日生まれ。兵庫県出身。1988年、デビュー。1991年、第12回ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞受賞。以後、テレビ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』、『笑う妖精』などに出演、2009年には舞台『新宿ミッドナイトベイビー』でオカマバーのママ役を好演。一方、2008年より「月亭方正」として活動開始。上方落語協会会員

「実は、はじめて落語をきいたのが3年前なんですよ。それまで落語っていうのは『古典芸能』のひとつとしか捉えてなかったんです。40歳前にして、このままテレビでててもなぁ~なんて色々考えたときに、やっぱり舞台をやらなあかんなぁ、と。

で、新喜劇の座長になろうと思いついて、新喜劇のDVDやらなんやら色々取り揃えて、片っ端からぶわ~っと観てたんです。でも新喜劇っていっぱいヒトが必要でしょう。すぐにやりたくてしょうがないのに、練習しよう思ってもひとりではできない。だからこりゃ俺の性分にあってないかぁと」

――それで、新喜劇ではなく落語…?

「性分的に、すぐやりたいんです。やりたいときに練習したい。こりゃどうしようってことで、松本サン(ダウンタウン 松本人志)らに色々相談してたんです。で、東野サン(東野幸治)と飲んでるときに『山チャン、落語っていうのがあるで』ていわれて。まぁ落語はいっぺんも聞いたことなかったんですけど『いや、おもしろいで。まずは入門として枝雀師匠(桂枝雀)を聞いてみたら?』と薦められたんです。

それで枝雀師匠のCDを借りてきて、初めて聞いたのが『高津の富(こうづのとみ)』。そしたらもう『え? 嘘やろ、こんなオモロいの?』って。そこから枝雀師匠のは全部聴いてDVDも買って。で、もう自分でもやりたくなってきて、DVDの真似して一人で練習して、『あれ? これってひょっとして新喜劇やん』と。落語って、ひとりで新喜劇ができるんですよ。俺がやりたいことってこれなのかもしれん! そう思ったのが3年前」…つづきを読む