千葉市・幕張メッセにて24日から「東京ゲームショウ2009」が開幕。イベントステージ「iPhoneから見たゲームの未来」が開催された。iPhoneやAndroidなど先進的なモバイル機器について勉強会を行っているGAP(Global Advanced Phone)研究会の林信行氏が、ゲーム機としてのiPhone/iPod touchの魅力的とその実力を解説。カプコン「バイオハザード 4」、コーエー「三國志 TOUCH」、スクエア・エニックス「スライディング・ヒーローズ」「ソングサマナー 歌われぬ戦士の旋律」「国敗れて山河あり」、バンダイナムコゲームス「ACE COMBAT Xi Skies of Incursion(仮)」も紹介された。

"ゲーム機"iPhone/iPod touchの現状

"ゲーム機"としてのiPhone/iPod touch向けに配信されているゲームおよびエンターテインメントは、8月末のアップル発表によると21,178タイトル。携帯ゲーム機PSPの607タイトルや、ニンテンドーDSの3,680タイトルと比較すると、iPhone/iPod touch向けのゲームの多さが分かる。また、App Storeでのアプリケーションタイトル数は約75,000タイトル。つまり、全体タイトルの約3割弱がゲームというほど、とても注目度は高い。それが分かるのがジャンルの豊富さで、例えば他の携帯ゲーム機の場合競馬ゲームならあるが、ラグビーはほとんど存在しない。カーリングや鉛筆を転がすだけというものは、iPhone/iPod touch向けのゲーム以外ではほとんどなく、幅広く、数多くのジャンルに拡がっている。

iPhoneのプラットフォームとしての優位性を説明するGAP研究会 林信行氏

プラットフォーム別に比較するとiPhone/iPod touch向けゲームの数が圧倒的に多い

iPhoneとiPod touchをあわせて約5,000万台が80カ国に出回っている。ゲームはこの5,000万台に向けて配信することになる

林氏は、こういった状況を説明する理由の1つ目として、プラットフォームの巨大さを挙げた。iPhoneの全世界での出荷台数は約3,000万台。同等の機能を持つiPod touchは約2,000万台。つまり約5,000万台のマーケットに向けてゲームが配信されることになる。しかも世界80カ国で展開されている。日本では懐かしがられるようなゲームでも、海外では受け入れられるかもしれないとした。また、現在注目されているのが中国のマーケット。発売前にもかかわらず、100万台以上のiPhoneが個人輸入されているとのこと。発売されると、急激に伸びることが予想される。一方日本では200万台を突破。米紙New York Timesでは、第3のコンピュータプラットフォームとして、WindowsとMac OS Xに続き、iPhoneを挙げている。

ゲームが伸びている例として、「iShoot」(Ethan Nicholas氏)が挙げられた。サンマイクロシステムズの社員が土日を使って作ったゲームだが、$2.99(日本では230円)×10,000~30,000ダウンロード/日を記録。5,000万円/月を稼ぎ、まさに現代のゴールドラッシュといえるとした。

iShootは1日あたり10,000~30,000ダウンロードを記録。1ダウンロードが$2.99(230円)で月に5,000万円にもなった

iShoot
価格 230円 ファイルサイズ 24.0 MB
カテゴリ ゲーム 開発/販売 Ethan Nicholas
対応OS iPhone OS 2.0以降(iPhone OS 3.0テスト済み) 対応デバイス iPhone/iPod touch

iShoot Lite
価格 無料 ファイルサイズ 8.3 MB
カテゴリ ゲーム 開発/販売 Ethan Nicholas
対応OS iPhone OS 2.0以降(iPhone OS 3.0テスト済み) 対応デバイス iPhone/iPod touch

日本からは「LightBike Online」(Pankaku)が$2.99(現在セール価格$0.99、日本では115円)だったものの、15,000ダウンロード/日を記録。

LightBike Online
価格 115円(セール価格) ファイルサイズ 8.0 MB
カテゴリ ゲーム 開発/販売 Pankaku
対応OS iPhone OS 2.2.1以降(iPhone OS 3.0テスト済み) 対応デバイス iPhone/iPod touch

LightBike Free
価格 無料 ファイルサイズ 8.0 MB
カテゴリ ゲーム 開発/販売 Pankaku
対応OS iPhone OS 2.2.1以降(iPhone OS 3.0テスト済み) 対応デバイス iPhone/iPod touch

この他成功した事例では「Super Monkey Ball」(Sega of America)が最初の20日で30万ダウンロードを記録した。価格は現在セール価格で450円。Super Monkey Ballは、ニンテンドーDS版にも同じタイトル「スーパーモンキーボールDS お買い得版」(価格2,625円)があるが、価格が2倍以上する。これはDSがカートリッジメディア販売、iPhoneがダウンロード販売のためで、安さの秘密となっている。今回のゲームショウでも、PSP goやニンテンドーDSiを見れば脱カートリッジの方向性が感じられる。この最初の成功者がiPhone/iPod touchとのことだ。

Super Monkey Ballの画面。右下がPSP版で、右上がニンテンドーDS版。左上がスマートフォン版で、左下がiPhone/iPod touch版。iPhone/iPod touch版はPSP版に匹敵する画質で表示

Super Monkey Ball
価格 450円(セール価格) ファイルサイズ 36.3 MB
カテゴリ ゲーム 開発/販売 Sega of America
対応OS iPhone OS 2.0以降 対応デバイス iPhone/iPod touch