5月21・22日、都内にてUSB-IF(USB Imprementation Forum)が主催するSuperSpeed USB Developers Conferenceが開催され、これにあわせてSuperSpeed USB関連の新製品なども併せて展示された。報道関係者向けには基調講演に続きPress Conferenceと、ショーケース内容の展示が行われたので、これらについて簡単にレポートしたい。

初の相互接続実証と、Windows 7への対応が公開

Photo01: おなじみJeff。昨年IDF直後にサンフランシスコ空港でばったり会った訳だが、彼はそのまま日本に直行、日本の多数のメーカーを廻ったそうで。特にデジタルビデオ系は、そのデータ量の多さもあってUSB 3.0に非常に意欲的だったそうだ。

まず基調講演においては、USB-IFのJeff Ravencraft氏(Photo01)が現状の状況について説明を行った。といっても、すでに昨年末にUSB 3.0のSpecification 1.0はReleaseされており、またこれで利用されるUSB 3.0 PIPE(PHY Interface For the PCI Express* and USB 3.0 Architectures)に関しても、3月末に最終版(Revision 3.0)が公開されているから、現状とはUSB-IFそのものというよりも、ハードウェアベンダーやOSベンダーがいかにこれをインプリメントするか、というフェーズに入っている。こうした事もあり、氏のメッセージはUSB 3.0のもたらすメリットを強調すると共に、すでに相互接続性テストを実現できる環境が揃った事(Photo02)を強調するものとなった。

Photo02: NECのHost Conrollerカードを示すRavencraft氏。相互接続性のためには、最低限HostとDeviceが2種類以上揃わないと意味が無い。今回、NECとFresco LogicがHost Controllerを、TIとFujitsuがDeviceをそれぞれ提供したことにより、相互接続性のテストが可能になった。

これに続き、MicrosoftのFred Bhesania氏(Photo03)が登壇。MicrosoftはUSB 3.0をソフトウェア側からサポートしてゆくことを表明した。具体的にはまずCore EnhancementとしてWindows 7にはUSB 3.0に併せて新しいClass Driverを追加するほか、Power ManagementなどUSB 3.0で拡張された部分のサポートを行う(Photo04)ほか、Partner Enhancementとしてより多くのツールを開発者に提供してゆくこと(Photo05)、そしてこれらを組み合わせてより高い付加価値をエンドユーザーに提供すること(Photo06)が示された。

Photo03: Fred Bhesania氏(Principal Program Manager, Windows Device and Storage Technologies)

Photo04: 例えばMass Storage Classについては、現在新しいUASP(USB Attached SCSI Protocol)の開発を行っており、これを使うことでより高速にMass Storage Deviceをアクセス可能になる。

Photo05: WLKはWindows Logo Kit。Easier to Diagnoseに関しては基調講演では具体的な話はなかったが、開発者向けsessionではもう少し細かな話が出てきていた。

Photo06: 後述する話に関係するが、MicrosoftはWindows 7で例えばBiometricといったClassを追加する。こうしたバリエーションを増やすことで最終的にCustomer Experienceの向上に繋がる、という話。