世の中には、周りに不快感を与えていること、うっとうしく思われていること、知らずに恥をかいていることにも気付けない、社会意識の低い「残念なオジサン」が少なくありません。そんなオジサン、皆さんの周りにもいませんか? あなたは大丈夫ですか?

そこで、『知らないと損をする男の礼儀作法』(SBクリエイティブ)の著者で、マナー講師としてテレビでも人気の諏内えみ(すない・えみ)さんが、「残念なオジサン」の代表例を挙げながら、一目置かれる「オジサマ」に変身するための心得を伝授。ドキッとした人は、こっそりチェックしてみてください!

  • 食事のマナーをきちんと守れていますか? 提供:いらすとや

その食べ方が、相手にストレスを与えているかも?

諏内さんのマナー教室には、家族から強制的に送り出されてテーブルマナーを学びにくるオジサンが少なくないそうです。

「多くの場合、家族が気になっているのが食事中の『音』。しかし本人は、自分が『クチャクチャ』と咀嚼音を立てて食べていること、あらゆる食べものや飲み物をお蕎麦など麺類と同様に『ズルズル』とすすっていることにまったく気付いていないのです。私が指摘すると『生まれて初めて言われました』とおっしゃる方も」。

その他にも、食事中に肘をつく、ナイフで刺して食べる、食後に割りばしを折る、などなど……オジサンたちのさまざまな所作や振る舞い、食べ方が、家族や周りの人々を不快にさせていますと指摘。

「食事のマナー意識や感覚のズレは、一緒にいる相手にとっては相当なストレスです。その一方で、なかなか指摘しにくいという側面も。だからこそ、長年の不満が積み重なり、三行半をつきつけられる……というパターンも。1日3食、何も考えずに食べているオジサン、今すぐご自身の姿を見直してみませんか?」。

  • 「食事のマナーが相手にストレスとなる」と指摘する諏内さん

食事には人生のすべてが現れる

時代遅れのマナーに気を付けて! と諏内さん。

「例えば、『フォークの背にご飯をのせて食べる』『パスタを食べる時にスプーンを使う』『ナプキンを胸から下げる』。これらはオジサン世代がやってしまいがちですが、すべて、ちょっとおかしな昭和のジャパニーズマナー。知っているつもり、分かっているつもりではなく、知識も進化させなければなりません」。

さらに、食事マナーは、国や地域、お料理のジャンル、レストランのランク、同席する相手などによっても変わります。

「その場に適した立ち居振る舞いができることがマナー。知っていることに執着しすぎず、しなやかに対応することも必要です」。

「食事には、人生のすべてが現れます」と諏内さん。

「その方の『品』『育ち』『心づかい』『自制心』『生き方』『美学』などがすべて映し出される食事は、ビジネスを左右させたり、時には人生が変わるほどの影響力があることも」。

あなたにも、人を不快にさせている無自覚のマナー違反があるかも?! 残念なオジサンにならないため、そこから一歩抜け出すためにも、これを機会に、改めて食事のマナーを学んでみてはいかがでしょうか。

取材協力:諏内えみ(すない・えみ)

結果を出す「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。映画やドラマでの俳優のスマート所作指導や、テレビ出演も多数。YouTube【諏内えみチャンネル】でも活躍中。著書に、47万部突破『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)他。