ラピスセミコンダクタは、2018年5月23日から25日かけて東京ビッグサイトにて開催された無線通信技術の研究開発に焦点を当てた国内最大級の専門イベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2018(WTP2018)」において、LPWA対応のデュアルモード無線通信LSI「ML7404」や、13.56MHzを用いた小型ワイヤレス給電チップセット「ML7630/7631」の紹介を行なっていた。

「ML7630/7631」は、2017年11月に開催された組込技術/IoT技術にフォーカスした総合技術展「ET 2017」「IoT Technology 2017」にて、同社(およびローム)が開発していることを明らかにしたもので、その後、2018年3月に正式に製品化のアナウンスが行なわれている。 13.56MHzと、ほかの無線給電規格よりも高い周波数を採用することで、電力伝送に必要なインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)の容量を小さくできる結果、小型のキューブアンテナと組み合わせることも可能であり、それにより実装面積を8mm×5mm程度と、従来ソリューション比で半減することができるようになる。

代わりに給電能力的には低くなってしまうこともあり、同社としては主にウェアラブル機器やヒアラブル機器といった小型化が必要な機器への適用を目指していくとしており、スターターキット「ML763x」を2018年6月より発売する予定だとしている。

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    ML7630/31を用いたワイヤレス給電デモが行われていた

一方のデュアルモード無線通信LSI「ML7404」は、SIGFOXとIEEE802.15.4kの2種類のLPWA規格に対応できる無線LSI。SIGFOXでは、従来のサブGHz無線では採用されていなかったBPSK変調を搭載したほか、IEEE802.15.4k準拠の直接系列スペクトラム拡散技術による長距離無線通信を可能としている。

同製品は2017年12月より量産出荷を開始しているほか、2018年10月からはモジュールとしての提供も予定している。さらに、2019年2月をめどに、現在のコントロール用に別途プロセッサを必要としている2チップ構成から、プロセッサもMCPで1チップ化した製品の提供を行なうことも計画しているという。

  • デュアルモード無線通信LSI「ML7404」のリファレンスボード

    WTP2018にて展示されたデュアルモード無線通信LSI「ML7404」のリファレンスボード