6月24日より、2018年の世界遺産委員会がバーレーン王国の首都マナーマで始まりました。今回の注目は何といっても、日本から推薦されている「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の登録ですが、他にも注目点があるんです。

  • 世界遺産登録を待つだけの長崎の大浦天主堂

    世界遺産登録を待つだけの長崎の大浦天主堂

「危機遺産リスト」って?

世界遺産委員会では、新しく世界遺産にする遺産を決めるだけではなく、すでに世界遺産に登録されている遺産がちゃんと守られているかチェックもしています。そこで「こんな守り方じゃまずいんじゃないの!?」とダメ出しされた遺産は、「危機遺産リスト」と呼ばれる一覧表に載せられます。ネパールの『カトマンズの谷』は、今回リスト入りする可能性が高いです。

  • 都市開発や2015年の大地震の影響で危機遺産リスト入りしいそうなネパールの『カトマンズの谷』

    都市開発や2015年の大地震の影響で危機遺産リスト入りしいそうなネパールの『カトマンズの谷』

逆に、危機遺産リストに載っていても、「おっ、このままうまくいけば大丈夫そうだね!」と評価されれば、危機遺産リストを脱することができます。今回は、観光開発やマングローブの伐採などが問題視されていたベリーズの『ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区』が、危機遺産リストから脱する見込みです。

  • 『ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区』のブルー・ホールは、「怪物の寝床」なんて呼ばれることも

    『ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区』のブルー・ホールは、「怪物の寝床」なんて呼ばれることも

ウズベキスタンから世界遺産が減ってしまう!?

そして、今回大注目なのが、世界遺産じゃなくなっちゃう遺産があるかも! という点です。世界遺産は一度登録されたら安心ではなく、そこでちゃんと守られず世界遺産としての価値がなくなったと判断されたら、世界遺産リストから削除されてしまいます。

その危機に直面しているのがウズベキスタンの『シャフリサブズの歴史地区』。大規模な都市開発で遺産が壊されちゃってることが大問題になっていて、世界遺産リストから削除される可能性が高いのです。世界遺産はちゃんと守らないと世界遺産じゃなくなっちゃうんです。これは大注目ですよ!

  • ティムールの生まれた街シャフリサブズ。16世紀にブハラ・ハン国にほとんど壊されちゃっています

    ティムールの生まれた街シャフリサブズ。16世紀にブハラ・ハン国にほとんど壊されちゃっています

世界遺産データ

『シャフリサブズの歴史地区』文化遺産、2000年登録、ウズベキスタン共和国

地図



筆者プロフィール: 宮澤光

世界遺産検定を主催する世界遺産アカデミーの主任研究員。イタリアの小説や映画、音楽、サッカーに惹かれながらも留学はなぜかフランスへ。ヨーロッパから世界各地の文化へと思いを馳せる毎日。世界遺産を「学ぶ」楽しさを伝えようと、世界遺産アカデミーHPにて「研究員ブログ」を連載中。

世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催: 世界遺産アカデミー
開催月: 3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地: 全国主要都市
受検料: 4級3,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級9,700円、マイスター1万9,000円、3・4級併願7,300円、2・3級併願9,500円
解答形式: マークシート(マイスターのみ論述)
申込方法: インターネット又は郵便局での申込
その他詳細は世界遺産検定公式HPサイトにて。
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