みなさん、突然ですがお墓には何を供えますか? お花、それとも、お酒? ドイツの世界遺産「サンスーシ宮殿」にあるフリードリヒ2世のお墓には、珍しいものが供えられているんです。それは「ジャガイモ」。自分の祖父のお墓参りに行って、お墓に花じゃなくてジャガイモがゴロゴロ転がっていたら、「えっ? おじいちゃん何したの? 」ってなりますよね。

  • 「サンスーシ(悩みなんてないよ)」という名をもつ美しい宮殿

    「サンスーシ(悩みなんてないよ)」という名をもつ美しい宮殿

国民を想う心が今では国を代表する料理にも

現在のドイツ一帯を支配したプロイセン王国のフリードリヒ2世は、強い君主として人々を導きながらも、芸術を愛し国民のために尽くしたので、人々からも慕われていました。彼は、戦争で疲れ果てた国民を見て、寒くてあまり豊かではない土地でも育つジャガイモの栽培を提案します。国民のために。

  • フリードリヒ2世の墓に供えられたジャガイモ

    フリードリヒ2世の墓に供えられたジャガイモ

それなのに人々は、「ゴツゴツしてて気持ちが悪い」とか「聖書に書いてないなんて悪魔の作物に違いない」とか、「そもそも原産地の南アメリカってどこだよ」などなど、散々な理由でジャガイモを嫌っていました。

  • ジャガイモを作る農地を見回るフリードリヒ2世

    ジャガイモを作る農地を見回るフリードリヒ2世

そこで、フリードリヒ2世はジャガイモの良さを知ってもらうために、自分からどんどんジャガイモを食べ、年老いた身体に無理してまでジャガイモを作る農地を見て回りました。そんな国王の姿が国民の心を打たないはずがありません。ジャガイモは次第に人々に受け入れられ、今ではドイツ料理を代表的する食材のひとつにまでなりました。

フリードリヒ2世の墓に、彼に感謝する人々からジャガイモが供えられるのはそのためなんですね。嫌がらせじゃなくって良かった!

世界遺産データ

『ポツダムとベルリンの宮殿と庭園』文化遺産、1990年登録、1992、1999年範囲拡大、ドイツ連邦共和国

サンスーシ宮殿へのアクセス



筆者プロフィール: 宮澤光

世界遺産検定を主催する世界遺産アカデミーの主任研究員。イタリアの小説や映画、音楽、サッカーに惹かれながらも留学はなぜかフランスへ。ヨーロッパから世界各地の文化へと思いを馳せる毎日。世界遺産を「学ぶ」楽しさを伝えようと、世界遺産アカデミーHPにて「研究員ブログ」を連載中。

世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催: 世界遺産アカデミー
開催月: 3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地: 全国主要都市
受検料: 4級3,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級9,700円、マイスター1万9,000円、3・4級併願7,300円、2・3級併願9,500円
解答形式: マークシート(マイスターのみ論述)
申込方法: インターネット又は郵便局での申込
その他詳細は世界遺産検定公式HPサイトにて。
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