日本国内を巡りつくした温泉好き女子が向かった先は、ハンガリーの首都ブダペスト。温泉が有名な世界遺産のこの街は、観光と一緒に温泉が楽しめるんだそうです。

  • ブダペストを代表する温泉、セーチェニ温泉

    ブダペストを代表する温泉、セーチェニ温泉

湯子、温泉を求めて世界の温泉大国へ

「私の名前は、温水湯子(ぬくみずゆうこ)。温泉が好きすぎて全国を歩き回るアラフォー丸の内OLよ。国内の温泉をほぼ網羅した私が次に向かうのは世界。台湾もニュージーランドもいいけれど、今回の旅は毎日の仕事を頑張る自分へのご褒美だから、思い切ってヨーロッパはハンガリーまで行ってきたのよ。

意外や意外、ハンガリーは温泉大国なの。あまり馴染みのない国かもしれないけどね。日本とは違う温泉文化があって、どちらかというと温水プールの方がイメージに近いかしら? 首都・ブダペストには観光客が入れる温泉がいくつもあるから、温泉好きにはオススメの街よ。

中でも一番有名なセーチェニ温泉はマストね。建物もザ・ヨーロッパって感じでとても素敵なの。お湯の温度は日本人的には少し低く感じるかもしれないわ。水着を着て入らなきゃいけないし、プール感はちょっとあるわね。露天風呂の中央になかなかハンサムでいろっぽい男子が集まっていて、目の保養になったわ~。

セーチェニ温泉の何がいいって、世界遺産の範囲内にあるから、観光に組み込みやすいのよね。目抜き通りのアンドラーシ通りに沿って走る地下鉄はヨーロッパ大陸で一番古いとかで、雰囲気もいいのよね。毎朝満員電車の東京の地下鉄がヤんなっちゃうわ。

ドナウ川の対岸にそびえるブダ城、マーチャーシュ教会もすごくいいんだけど、むしろそこから見下ろす国会議事堂の見事なことといったら! 丘の上にある漁夫の砦のテラスから見える風景は最高だったわ。この街が『ドナウの真珠』と呼ばれる理由が分かるというものね。

そうそう、私、自分へのご褒美にこの真珠のネックレスを買ったばかりなの。えっ『豚に真珠』だって? 失礼しちゃうわね! 『ブダに真珠』よ!! あたし、今うまいこと言ったわ。うふふ」

……お後がよろしいようで。以下、用語解説です。


台湾もニュージーランドもいい
温泉文化のある国はいくつかあるが、台湾の北投温泉やニュージーランドのロトルアは有名。台湾は日本の温泉文化の影響を強く受けているため、日本の入浴方式に近いが、ニュージーランドは温水プール感覚で、水着を着て入るスタイルが多い。

  • 自然に温泉が湧くニュージーランドのロトルアにも温泉文化がある

    自然に温泉が湧くニュージーランドのロトルアにも温泉文化がある

ハンガリーは温泉大国
ブダペストのみならず、各地で温泉が湧くハンガリー。西部に湖全部が温泉のヘーヴィーズ、東部には洞窟内に湯船があるミシュコルツ・タポルツァなど温泉のバリエーションは豊かだ。温泉に入る文化は、この地を支配したトルコに起因する部分も多い。

  • ハンガリー、ヘーヴィーズの温泉湖

    ハンガリー、ヘーヴィーズの温泉湖

セーチェニ温泉
ブダペストで最も有名な温泉。アンドラーシ大通りから接続するヴァーロシュリゲットという公園内にあり、バロックスタイルの建築、古くから湯治に使われてきた泉質など観光客も多く訪れる。地元の人々が湯船に浸かりながらチェスに興じる姿は日常の光景。

  • セーチェニ温泉は建物もまた立派なバロックスタイルを誇る

    セーチェニ温泉は建物もまた立派なバロックスタイルを誇る

露天風呂の中央
筆者がここを旅をした時に持っていったフランス語のガイドブックには、「セーチェニ温泉の露天風呂の中央は円形の仕切りがあるが、その中で一人でいるのは、同性愛者が相手を待っていますのサインなので、その気がある人以外はうっかり入るのはやめておこう。」と書かれていた……。

世界遺産の範囲内
厳密には世界遺産の登録範囲ではなく、その周辺地域である「バッファー・ゾーン」(緩衝地帯)に含まれる。しかし登録範囲とほぼ隣接するロケーションのため、限りなく世界遺産に近い温泉だといえる。

ブダ城、マーチャーシュ教会
ブダペストの町を二分するドナウ川の右岸にはかつての王宮であるブダ城、マーチャーシュ教会が丘の上に隣接している。ドナウ川からはケーブルカーで登ることができる。どちらも『ブダペスト: ドナウ河岸とブダ城地区、アンドラーシ通り』の構成資産として世界遺産の登録範囲に含まれる。

  • マーチャーシュ教会

    マーチャーシュ教会

国会議事堂
ブダ城からドナウ川の対岸には、絢爛豪華なゴシック様式の国会議事堂が建つ。ブダペストを代表する建築であるこの議事堂は内装にも力を注いでおり、階段や廊下に敷かれた絨毯の総延長は20kmにもなるという。

  • 絢爛豪華なゴシックスタイルの国会議事堂

    絢爛豪華なゴシックスタイルの国会議事堂

漁夫の砦
マーチャーシュ教会の隣にある見晴らしのよい砦。ここから眼下に眺めるドナウ川と国会議事堂は、ブダペストのハイライトとなりうる。

  • 漁夫の砦から眺められる国会議事堂。絵になる

    漁夫の砦から眺められる国会議事堂。絵になる

『ドナウの真珠』
この例に限らず、美しい街並みを「真珠」と表現する例は枚挙に暇がない。「アドリア海の真珠」ドゥブロヴニク(クロアチア)、「ビスケー湾の真珠」サン・セバスチャン(スペイン)、「谷間の真珠」オドビス(ポルトガル)……etc. いずれも言うまでもなく美しい街である。

世界遺産データ

『ブダペスト: ドナウ河岸とブダ城地区、アンドラーシ通り』。文化遺産。1987年登録、2002年範囲変更。ハンガリー。

地図



筆者プロフィール: 小俣 雄風太(おまたゆうた)

「世界遺産検定」事務局の編集広報部員。自転車ロードレースに魅せられ本場フランスに一年留学。その後イギリスのサイクリングアパレルブランドで広報を務め、世界各地で自転車に乗るうちに世界遺産を強く意識するようになる。検定を通じて世界遺産の魅力と意義を広めたいと奮闘中。

世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催: 世界遺産アカデミー
開催月: 3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地: 全国主要都市
受検料: 4級3,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級9,700円、マイスター1万9,000円、3・4級併願7,300円、2・3級併願9,500円
解答形式: マークシート(マイスターのみ論述)
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