376年前の今日1月8日、自然科学に大きな足跡を残した偉大な学者がこの世を去りました。イタリアのピサに生まれた彼の名は、ガリレオ・ガリレイ。ピサの顔ドゥオーモ広場は世界遺産に登録されています。

  • ピサのドゥオーモ広場。左に大聖堂、右に斜塔(鐘楼)が見える

    ピサのドゥオーモ広場。左に大聖堂、右に斜塔(鐘楼)が見える

命日に1本の……

「やぁ、僕はガリガリ君。とは言っても、氷菓でもなければやせっぱちでもなく、さらには勉強熱心なわけでもない。尊敬する人物がガリレオ・ガリレイだというだけで、こんなあだ名がついてしまったんだ。ひどい話だ。

なんでガリレオを尊敬しているかって? それは天動説が常識とされた世の中で、自ら研究から得た知見である地動説を主張したからさ。周りに流されずに自らの信念を貫いた男。そんなカッコイイ話があるだろうか。

今日1月8日は、ガリレオの命日だ。そんなわけで、今年は祝日だし思い切ってピサへとやってきたのだった。そう、ガリレオが有名な実験をしたっていうピサの斜塔にね。しかし周りの観光客はみんなインスタ映えを狙うばかりで、ガリレオへのリスペクトがなくて困るね。……別にひとりで来てるからってヒガンでるワケじゃあない。

まぁ斜塔の鐘の音にはがっかりさせられたけど、ドゥオーモと洗礼堂は見ごたえがあったな。さすが世界遺産。さて、フィレンツェに寄ってガリレオの墓参りに行くか。お供えものも持ってきていることだしね。「当たり」のアイスの棒。ガリガリ君のな……」

……ガリガリ君は本当にガリレオを尊敬しているんでしょうか。以下、用語解説です。


ガリレオ・ガリレイ
ユリウス暦1564年にピサで生まれた物理学者にして天文学者にして哲学者。当時の常識であった天動説ではなく、観察を基にした地動説を提唱。天動説の根拠を聖書に求める教会から有罪判決を受けるなど不遇の境涯であったが屈せず多くの学問的業績をあげた。

  • ガリレオ・ガリレイ(ユストゥス・サステルマンス画、ウフィツィ美術館所蔵)

    ガリレオ・ガリレイ(ユストゥス・サステルマンス画、ウフィツィ美術館所蔵)

地動説
その有名な実験(の逸話)もあり、ガリレオを語る際に切っても切れない学説であるが、ルネサンス期以降では彼に先行するコペルニクスが初めて体系的に表明した学説である。

ピサの斜塔
ピサのシンボル。後述のドゥオーモに付随する鐘楼として1173年に着工したが、当初から傾いていたという。傾きは年々増していき、1990年には傾きを修正する工事が始まったが、それが完了したのは2001年である。現在は観光客も登ることができる。

  • ピサと言えばピサの斜塔

    ピサと言えばピサの斜塔

観光客はみんなインスタ映えを狙うばかり
傾いて立つ塔は、以前から観光客の定番写真スポットだったが、インスタグラムが普及した今、ハッシュタグ #pisa で検索するだけでも大勢の人々が傾いた塔を支えようとする「お決まりの」ポーズをしていることがうかがえてほほえましい。

  • ピサの定番写真構図(※画像はイメージです)

    ピサの定番写真構図(※画像はイメージです)

斜塔の鐘の音にはがっかりさせられた
斜塔は鐘楼ではあるのだが、ホンモノの鐘を鳴らすと振動で塔がさらに傾くとして、現在は鐘の音はスピーカーから録音を流している。

ドゥオーモと洗礼堂
ドゥオーモはイタリア語で大聖堂のこと。ミラノのものが著名だが、イタリアの大きい都市なら各地にある。世界遺産にはこのドゥオーモを含む広場が登録されている。ドゥオーモの西側に建つサン・ジョヴァンニ洗礼堂は1152年に着工を開始し、200年以上をかけ建造されたため、1階はロマネスク、2階以上はゴシックという建築様式の変遷を体現するものとなっており、こちらも見逃せない。

  • サン・ジョヴァンニ洗礼堂。1階と2階以上で建築様式が異なっている

    サン・ジョヴァンニ洗礼堂。1階と2階以上で建築様式が異なっている

ガリレオの墓参り
ガリレオはフィレンツェのサンタ・クローチェ教会に眠っている。ここにはミケランジェロやマキャヴェリといったイタリアの偉人たちも葬られている。

世界遺産データ

『ピサのドゥオーモ広場』。文化遺産。1987年登録、2007年範囲変更。イタリア共和国。

地図



筆者プロフィール: 小俣 雄風太(おまたゆうた)

「世界遺産検定」事務局の編集広報部員。自転車ロードレースに魅せられ本場フランスに一年留学。その後イギリスのサイクリングアパレルブランドで広報を務め、世界各地で自転車に乗るうちに世界遺産を強く意識するようになる。検定を通じて世界遺産の魅力と意義を広めたいと奮闘中。

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世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
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