以前筆者が「1分でできる世界遺産小話」というコラムを書いていた時に、「ダン・ブラウンが著した『ロバート・ラングドン教授シリーズ』の舞台は世界遺産が多い」という話を取り上げました。世界遺産は映像にしやすいからなのか、パリを舞台にした「ダ・ヴィンチ・コード」やヴァティカンの知られざる内幕を描いた「天使と悪魔」は既に映画化されています。

「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台はパリでしたよね

そして映画化第3弾として、筆者が密かに予想していた「インフェルノ」が選ばれました! 前半の舞台はフィレンツェですし、さらに移り変わる舞台もヴェネツィアなどの世界遺産なのです。

謎の鍵となるヴェッキオ宮殿はどんなところ?

フィレンツェは15~16世紀にかけてメディチ家庇護のもと経済・文化的に繁栄し、ルネサンスの中心地となりました。当時の様子を残す歴史地区が世界遺産として登録されています。それほど広すぎず、徒歩で主要な観光名所を巡ることができるので、とても観光しやすい街だと思います。

1314年完成のヴェッキオ宮殿。全く宮殿に見えませんね

小説や映画をご覧になった方はご存知の通り、シリーズで共通しているのは、古典や宗教などをモチーフにさまざまな謎がちりばめられていることです。今回は、フィレンツェの観光名所・ヴェッキオ宮殿が謎解きの現場のひとつとなっています。

宮殿前のシニョーリア広場には、ミケランジェロの名作「ダビデ像」のレプリカがあります

当初はメディチ家の宮殿として使われていたのですが、宮殿という言葉とはかなりギャップのある、ゴツゴツとした外観です。現在は市役所として使われており、特に有名なのが「五百人広間」と呼ばれる大評議会堂です。

今では「インフェルノツアー」なるものも

壁には大きなフレスコ画が並んでいるのですが、もともとはレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの壁画が向かい合うはずでした。いずれも未完となってしまったのですが、幻の巨匠の競演、見てみたかったですね。ヴェッキオ宮殿にはたくさんの隠し扉や、秘密の通路と部屋があり、実際にこのエリアを巡ることのできる「インフェルノツアー」もあるとのことです。

シニョーリア広場にあるメディチ家のコジモ1世の騎馬像。芸術を手厚く保護しました

以前筆者がフィレンツェを訪問した時には、2泊したのにヴェッキオ宮殿は完全にスルーしていました……。どこ見てたのよ! と自分に突っ込みをいれたくなりますが、またフィレンツェを再訪することがあれば、映画の登場人物になった気分でぜひツアーに参加してみたいと思います。

筆者がフィレンツェで利用した宿に描いてあったんですが、絶対に違うと思います!

世界遺産データ

フィレンツェの歴史地区。文化遺産。1982年登録。イタリア

ヴェッキオ宮殿へのアクセス

筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)

「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。

世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催:世界遺産アカデミー
開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地:全国主要都市
受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円
解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて