世界遺産データ

『アウシュヴィッツ・ビルケナウ - ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940~1945)』(文化遺産)。ポーランド。1979年登録。

実は筆者はアウシュヴィッツで一枚も写真を撮れませんでした。全て友人からお借りしたのですが、この写真に気持ちが重なりました(撮影: 浅海敬介)

『顔のないヒトラーたち』という映画を見てきました。ドイツでは戦後、ナチス・ドイツやアウシュヴィッツに関する話題がタブーであったということ、自国の戦争責任を追及するために決死の思いで立ち向かった人たちがいたことを、筆者はこの映画を見るまで全く知りませんでした。

かつて電流の流れる有刺鉄線のフェンスで囲まれていました(撮影: 浅海敬介)

世界遺産には、通称「負の遺産」と呼ばれる、人間が犯した過ちを記憶にとどめ教訓とするための遺産があります。アウシュヴィッツや原爆ドーム、奴隷貿易の拠点となった「ゴレ島」などがそうです。

アウシュヴィッツの入り口には「働けば自由になる」という皮肉な看板があります(撮影: 浅海敬介)

それらは、現在誰しもがその名を知っており、ネットなどで容易にそこで起こった出来事を調べることができます。しかしながら現在に至るまでには、そこから目を背けたい人や過去を掘り返されたくない人が一定数(あるいは大多数)を占めていたのです。それらの施設が現在世界遺産として存在していることのいろんな奇跡の重なりを、映画を通して感じることができました。

第2アウシュビッツ強制収容所だったビルケナウ(撮影: 浅海敬介)

残酷なシーンはないのですが、すばらしい表現力で胸をえぐられるような映画です。ぜひ多くの方に見ていただければと思います。

ビルケナウの粗末な木製ベッド。当時は腐ったわらを敷いただけでした(撮影: 浅海敬介)

『アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館』へのアクセス

筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)

「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。

世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催:世界遺産アカデミー
開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地:全国主要都市
受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円
解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて