異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす"おろぐちともこ"が、仕事や現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃないエジプトをお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【安すぎるベルトの罠】

通勤に使っている地下鉄。車内では、乗客をターゲットに様々なものを売りさばく、物売りの人たちをよく目にします。商品を脇に抱えて乗車し、「○○あるよ~安いよ~」と歩きながら乗客にアピールする物売りの皆さん。商品はタオルや服、キッチンの便利グッズから文房具、雑貨にお菓子まで、取扱品はとにかく幅広くて安いのが特徴。1日中地下鉄に乗っていれば、必要なものがそろうのではないか? と思うほど豊富な品ぞろえです。

そこまで欲しいものがないので、普段は物売りの声を聞き流しているのですが、その日たまたま出会ったのが「ベルト」。茶色、黒、紺色などのカラーバリエーションもある上、値段はたったの5ポンド。日本円で80円ぐらいという驚きの安さに迷わず購入しました(このとき1ポンド=約16円)。

あまりのお得さにホクホク顔で、買ったばかりのベルトを握り締めて帰宅。いやー、いい買い物したわー。地下鉄の物売りって結構掘り出し物あるなあ…と大満足です。

地下鉄で見かけた物売りのお姉さん。結構抱えています

そのベルトを使い始めて1週間後のある日。「今日も仕事頑張るぞー」とベルトに力をこめて「グッ!」と引っ張ったら、「ブチッ!」と嫌な音と感触。恐る恐る手もとを見ると、何とベルトが千切れていました…。

「えッ…ベルトってちぎれるものだっけ…!?」と驚きましたが、そういえばこれ、超安かったんだった…。安すぎるものは、お値段なりのもの。安物買いの銭失いだったんですね…。がっくり。

今も地下鉄ではいろいろなものが破格の値段で売られているのですが、ベルトのトラウマからか、ちょっと怖くて商品には手を出せないでいます…。


おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。