アウトライン レベルが適切に指定されている場合は、文書の目次を自動作成することが可能だ。今週は、文書の目次を自動的に作成する方法や、作成した目次をカスタマイズする方法を紹介しておこう。

目次の自動作成

第19回の連載で紹介したアウトライン レベルは、文書の目次を作成する場合にも欠かせない書式指定となる。アウトライン レベルが適切に指定されていれば、Wordに用意されている機能を使って目次を自動作成することが可能だ。ページ数が多い文書を作成する場合に備えて、使い方を覚えておくとよいだろう。

目次を自動作成する時は、文書の先頭にカーソルを移動して「参考資料」タブを選択し、「目次」コマンドから目次の種類を選択すればよい。とはいえ、自動作成される目次は2種類しかなく、「自動作成の目次1」または「自動作成の目次2」のいずれかを選択することになる。両者の違いは、目次タイトルの記述が「内容」または「目次」となっているだけで、ほとんど差異はない。

「自動作成の目次」の選択

すると、「レベル1」~「レベル3」のアウトライン レベルが指定されている段落(見出し)が自動的にピックアップされ、以下の図のような目次が作成される。手軽に目次を作成する方法として覚えておくとよいだろう。

自動作成された目次

なお、この手順で目次を作成した場合は、目次の後に続けて本文が配置されることになる。目次と本文を別のページに分けて配置したい場合は、適切な位置に「ページ区切り」を挿入しなければならない。本文の先頭(目次の直後)にカーソルを移動し、「挿入」タブにある「ページ区切り」をクリックする。

※この例では「見出し番号」を自動入力させているため、「第1章」の直後が本文の先頭になる。

「ページ区切り」の挿入

すると、カーソルがあった位置で改ページが行われ、本文と目次を別のページに分けて配置できるようになる。目次を別ページに作成する方法として覚えておくとよいだろう。

目次の更新

自動作成された目次は"作成時の状態"を維持する仕組みになっている。このため、文書を修正してもページ番号などは自動更新されないことに注意する必要がある。

例えば、先ほど目次の直後に「ページ区切り」を挿入したが、この操作を行っても目次のページ番号は最初の状態から何も変更されない。つまり、ページ番号に誤りのある目次となってしまうわけだ。これを正しい目次にするには、「目次の更新」を実行する必要がある。

目次を最新の状態に更新する時は、「参考資料」タブを選択し、「目次の更新」をクリックする。

「目次の更新」をクリック

すると、以下の図のような画面が表示される。ここでは「目次をすべて更新する」を選択し、「OK」ボタンをクリックするのが基本だ。

「目次をすべて更新する」を選択

これで目次を最新の状態に更新することができる。以下の図を見ると、「第1章 整備新幹線」のページ番号が「2」に更新されているのを確認できると思う(目次のページが1ページ目となるため、本文は2ページ目から始まる)。以降の"見出し"も同様に、最新の状態に合わせてページ番号の修正が行われている。

最新状態に更新された目次

目次の自動作成は便利な機能であるが、「ページ番号」や「見出し文字」が自動更新されないことに十分注意する必要がある。古い状態の目次を掲載しても意味がないので、文書を修正した際は必ず「目次の更新」を実行するのを忘れないようにしておこう。

目次のカスタマイズ

目次を自動作成した後に「スタイル」ウィンドウを開くと、新たに「目次1」「目次2」「目次3」というスタイルが追加されているのを確認できる。これらのスタイルは、目次の書式をレベル別に指定するためのスタイルとなる。例えば、「目次1」のスタイルの書式を変更すると、「レベル1の目次」の書式を変更することが可能となる。

※スタイルの詳しい使い方は第16回~第18回の連載を参照。

ここでは、よりメリハリのある目次にカスタマイズする場合の例として、操作手順を簡単に紹介しておこう。まずは「目次1」のスタイルの▼をクリックし、「変更」を選択する。

「目次1」スタイルの変更

「スタイルの変更」が表示されるので、この画面でフォントや文字サイズなどを変更すると、「レベル1の目次」の書式を自由にカスタマイズできる。今回の例では、フォントに「HGゴシックM」を指定し、文字サイズを「16pt」に変更してみた。

「目次1」スタイルの書式指定

「目次1」スタイルの書式を変更した目次

文字サイズを変更した結果、「見出し番号」と「見出し文字」の間隔が小さくなってしまった場合は、その段落内にカーソルを移動してから、ルーラー上にあるアイコンを左右にドラッグしてタブ位置を調整すればよい。

タブ位置の調整

同様の操作を「目次2」や「目次3」のスタイルでも行うと、目次全体の書式を自由にカスタマイズできる。今回の例では、各スタイルのフォントと文字サイズを調整し、さらに「目次1」のスタイルに「段落前」の間隔を設けることで、以下の図のような形の目次に仕上げている。

各スタイルの書式をカスタマイズした目次

このように、目次全体の書式を好みに応じてカスタマイズしていくことも可能だ。スタイルや各書式の指定方法をマスターしておく必要があるため少し上級者向けのテクニックとなるが、気になる方は試してみるとよいだろう。

なお、目次のタイトルとなる「目次」の段落には、「目次の見出し」というスタイルが適用されている。もちろん、このスタイルの書式を変更して「目次」の文字の書式をカスタマイズすることも可能だ。ただし、このスタイルが適用されている段落は1カ所しかないため、スタイルの書式を変更するのではなく、じかに書式を変更してしまったほうが手っ取り早いかもしれない。この場合は「目次」の文字を選択した状態で「ホーム」タブで書式を指定すればよい。

目次タイトルの書式指定

書式を変更した目次タイトル

論文やレポートのようにページ数の多い文書を作成する時は、「スタイルやアウトライン レベルを十分に使いこなせているか?」が作業効率を大きく左右する鍵となる。これらの使い方をマスターしていれば、目次の作成も難なく行えるはずだ。いざというときに備えて、使い方を覚えておくとよいだろう。